「ポートフォリオを作りたいけど著作権とか気にしなくていいのかな」
「著作権に違反して問題にならないかな」
などポートフォリオの著作権や守秘義務についてお悩みの方が多いのではないでしょうか?
実際にポートフォリオを作成する上で権利関連について理解しておくことは重要です。
この記事では
- 著作権と守秘義務について
- 問題ないポートフォリオの作り方
- 採用されるポートフォリオとは
の主に三つについて解説しています。
しかし、専門家にポートフォリオを見てもらわないと安心できない!という方もいらっしゃると思います。
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そもそも著作権と守秘義務って何?
著作権とは、創作物の著作者(クリエイター)が自ら作り出した作品に対して持つ権利で、著作物の無断使用や複製を防ぐための法的保護です。
著作権は、文学作品、音楽、映画、写真、コンピュータプログラムなど、表現されたアイデアや創作的な活動の成果に適用されます。
著作権には、著作物のコピーや配布、上演、展示、改変などの権利が含まれ、通常は著作者の死後も一定期間(多くの国では死後70年)まで保護されます。
著作権法によって、著作者が作品の商業的利用を管理し、その利益を得ることができるようになります。
著作物を利用するには、著作権者から許可を得るのが原則ですのでポートフォリオに載せる際は著作権が誰に帰属しているかは確認しておきましょう。
ポートフォリオにおける守秘義務とは、過去のプロジェクトやクライアントとの仕事を紹介する際に、機密情報や契約上公開できない内容を第三者に開示しない義務を指します。
特にデザインや開発の仕事において、ポートフォリオは自分のスキルや経験をアピールする重要な手段ですが、過去のクライアントや企業の機密データや知的財産を不適切に公開することは守秘義務違反になる可能性があります。
特にクライアントとの契約で「公開不可」とされたプロジェクトや、その進行中のプロジェクトについては、許可なく情報を掲載してはなりません。
また、クライアントの名前、業務内容、特に機密性の高いビジネスデータや戦略情報を無断で共有しないことを徹底しましょう。
ポートフォリオに著作権や守秘義務は発生するのか?注意すべきパターン3選
ポートフォリオにおいても著作権や守秘義務は発生します。
著作権に関しては個人の利用で問題になることはほとんどありませんが気を付けておきましょう。
そこで皆さんにも発生しやすい状況について対処法を紹介します。
前職の会社で作った作品を載せるとき
前職の会社で作成した作品をポートフォリオに載せる際には、いくつかの重要な点に注意が必要です。
まず、基本的に企業で制作した作品の著作権はその企業に帰属します。
そのため、ポートフォリオに掲載する前に必ず許可を取ることが大切です。
ただし、実際のところ、ポートフォリオに個人が作品を載せる分には大きな問題が発生することは少ないです。
特に、ポートフォリオを限定公開の設定にしている場合は、ほとんど問題ありません。
限定公開にすることで、作品が広く拡散されるリスクを減らし、企業の権利を侵害する可能性を低く抑えることができます。
また、機密事項が含まれている作品をポートフォリオに載せる際には、特に注意が必要です。
機密情報が漏れないように、事前に作品の内容を確認し、必要に応じて修正や削除を行いましょう。
例えば、クライアントの名前やプロジェクトの詳細情報が含まれている場合、それらを伏せることで機密保持の観点からも安心です。
まとめると、前職の作品をポートフォリオに載せる際には、企業の許可を取り、限定公開の設定を活用し、機密事項に配慮することで、安心してポートフォリオを作成することができます。
業務委託の案件で作成した作品を載せるとき
業務委託の案件で作成した作品をポートフォリオに掲載する際には、いくつかのポイントに注意が必要です。
まず、フリーランスとして活動している場合、基本的にはデザイナーに著作権が付与されるため、著作権について大きく気にする必要はありません。
これは、契約書に特別な取り決めがない限り、作品の著作権がデザイナーに帰属するためです。
しかし、注意すべき点もあります。
特に、世間に公開されていない製作物や会社の内部情報が含まれている場合、それをポートフォリオに載せることは守秘義務に違反する可能性があります。
守秘義務を守るためには、公開前にクライアントに確認を取り、必要に応じて許可を得ることが重要です。
例えば、クライアントの名前や具体的なプロジェクトの詳細が含まれている部分を伏せることで、守秘義務を守りつつ、自身のスキルをアピールすることができます。
まとめると、業務委託の作品をポートフォリオに載せる際には、著作権の問題は少ないものの、守秘義務に違反しないよう注意を払うことが大切です。
既存の作品の二次創作やフリー素材でない画像を利用した作品を載せるとき
既存の作品の二次創作やフリー素材でない画像を利用した作品をポートフォリオに載せる際には、いくつかの重要な注意点があります。
まず、著作権は文章、写真、動画、音楽などあらゆるメディアに適用されるため、他人の著作物を無断で使用することは避けるべきです。
特に、商用利用や広く公開する場合には、著作権侵害のリスクが高くなります。
しかし、個人のポートフォリオとして利用する程度であれば、基本的には大きな問題が発生することは少ないです。
ポートフォリオはあくまで自分のスキルや実績をアピールするためのものであり、商業的な利用とは異なるためです。
それでも、著作権に関する問題が気になる場合は、フリー素材や自分で撮影した写真を利用することを強くおすすめします。
フリー素材は、著作権フリーの画像や動画を提供するサイトからダウンロードできます。
これにより、著作権侵害のリスクを回避しながら、質の高い作品をポートフォリオに載せることができます。
また、自分で撮影した写真や制作した作品を利用することで、完全にオリジナルなポートフォリオを作成することができます。
まとめると、既存の作品の二次創作やフリー素材でない画像を利用する場合は、著作権に十分注意し、必要に応じてフリー素材や自分で撮影した写真を活用することで、安全かつ効果的なポートフォリオを作成することができます。
権利問題が発生しないポートフォリオの作り方を解説!
権利問題を避けるためのポートフォリオ作成方法を解説します。
これで安心して自分のスキルをアピールできます。
ポートフォリオのWebサイトに鍵をかける
ポートフォリオのWebサイトに鍵をかけることは、著作権や守秘義務の観点から非常に有効な対策です。
パスワード保護などの鍵をかけることで、アクセスを限定し、著作権侵害や機密情報の漏洩を防ぐことができます。
ただし、この方法にはデメリットも存在します。
例えば、面接担当者に対して少し手間をかけさせてしまう点です。
パスワードを入力する手間が発生するため、手軽に閲覧できないという不便さがあります。
それでも、著作権や守秘義務のリスクを避けるためには、この手間をかける価値は十分にあります。
多くのWebサイト作成ツールやプラットフォームには、パスワード保護機能が標準で搭載されています。
この機能を利用することで、特定の人だけがアクセスできるように設定できます。
自分で撮影した写真を利用する
ポートフォリオに掲載する写真を自分で撮影することは、著作権のリスクを回避するための最も確実な方法です。
店のHPに掲載されている写真や他人が撮影した写真は、すべて著作権の対象となります。
そのため、自分で撮影した写真を利用することで、著作権に関するトラブルを避けることができます。
しかし、自分で撮影する際にも注意が必要です。
例えば、商品名や特定の名前が写り込んでいる場合、それらが著作権や商標権の対象となることがあります。
これを回避するためには、写真を撮影する際に商品名や特定の名前が写らないように工夫することが重要です。
また、人物を撮影する場合には、プライバシーの問題にも配慮が必要です。
後ろ姿や手元、足元など、体の一部のみを撮影することで、個人を特定できないようにすることが推奨されます。
これにより、被写体のプライバシーを守りながら、ポートフォリオに使用できる写真を撮影することができます。
フリー素材を使って製作する
ポートフォリオを作成する際に、フリー素材を利用することは非常に便利で安全な方法です。
フリー素材サイトに掲載されている写真やイラストは、著作権を気にせず自由に使用することができます。
これにより、著作権侵害のリスクを回避しながら、高品質なビジュアルをポートフォリオに取り入れることができます。
さらに、最近ではAIを利用して画像を生成することもおすすめです。
AI生成の画像は、オリジナリティが高く、他の素材と差別化を図ることができます。
例えば、DALL-EやMidJourneyなどのAIツールを活用することで、独自のビジュアルを簡単に作成できます。
フリー素材やAI生成の画像を活用することで、著作権の問題を気にせずに、クリエイティブなポートフォリオを作成することが可能です。
自主制作の作品を載せる
案件で作ったものや前職で作ったものをポートフォリオに載せる際には、著作権や守秘義務の問題が発生する可能性があります。
これらの問題を避け、確実に問題のない作品を掲載するためには、自主制作の作品をお勧めします。
自主制作の作品ならば、著作権も自分に帰属し、他人の権利を侵害するリスクがありません。
また、自由に創作できるため、自分のスキルやクリエイティビティを最大限に発揮することができます。
ポートフォリオを作成する時に注意すべき点
問題のないポートフォリオを制作するためには日頃から意識して制作を行うことが重要です。
以下の2点に注意して作業を行いましょう。
作品が完成した時にクライアントや企業に許可をとっておく
作品が完成した際には、クライアントや企業に許可を取っておくことが非常に重要です。
これを習慣化することで、後々のトラブルを未然に防ぐことができます。
例えば、転職を考えていると誤解されることもなくなりますし、ギリギリになって「使用できない」と焦ることもありません。
作品が完成するたびに許可を取ることで、ポートフォリオに安心して作品を掲載できます。
特に、企業やクライアントとの関係を円滑に保つためにも、この手続きを怠らないようにしましょう。
他人の作品を引用するときは引用元をはっきりしておく
他人の作品をポートフォリオに引用する際には、引用元を明確にすることが非常に重要です。
一般公開されていて守秘義務や著作権に関係のない作品であっても、利用する際には必ず引用元を掲示する必要があります。
これは著作権法第32条にも「公表された著作物は、引用して利用することができる」と明記されているためです。
引用元を明示することで、著作権侵害のリスクを回避し、信頼性の高いポートフォリオを作成することができます。
さらに、引用元を明示するだけでなく、引用の範囲や目的にも注意を払いましょう。
引用はあくまで補助的なものであり、主たるコンテンツは自分自身のオリジナル作品であるべきです。
採用されるポートフォリオを作るための重要事項
採用されるポートフォリオを作成するためには権利問題以外にも意識すべきポイントがあります。
以下の4ポイントを押さえておけば採用されるポートフォリオを作成できます。
- 適切な作品数
- クオリティーの高い目次
- 思考過程の記載
- そもそもの作品のクオリティー
ポートフォリオに載せる作品数を適切な個数にする
ポートフォリオに載せる作品数は、適切なバランスを取ることが重要です。
一般的には、10〜20点の作品がベストとされています。
少なすぎると、あなたの能力を十分に判別することが難しくなりますし、多すぎると全ての作品を見てもらえなくなる恐れがあります。
これにより、自信作を見せる機会を逃してしまう可能性があります。
また、作品の種類にも注意が必要です。
たとえ多くの作品があっても、バナーだけだったり、同じようなデザインばかりだと、できることが限られているように見えてしまいます。
多様な種類の作品を含めることで、幅広いスキルをアピールすることができます。
例えば、ウェブデザイン、ロゴデザイン、印刷物など、異なるカテゴリーの作品をバランスよく含めると良いでしょう。
作品数についてより詳しいことが知りたい方は以下の記事をご覧ください。
目次のクオリティーをあげて全体を見やすくする
ポートフォリオの目次のクオリティーを上げることは、全体を見やすくし、スムーズに説明に移行するために非常に重要です。
目次にこだわることで、閲覧者がどの部分にどのような情報があるのかを一目で理解でき、ストレスなくページをナビゲートできます。
まず、ヘッダーのデザインにこだわりましょう。
視認性を高めるために、フォントサイズや色合いを工夫し、階層構造を明確にすることが大切です。
これにより、各セクションが一目でわかりやすくなり、閲覧者が必要な情報に迅速にアクセスできるようになります。
次に、イラストや画像を利用して目次を見やすくすることも効果的です。
アイコンやサムネイル画像を使って各セクションを視覚的に区別することで、目次のクオリティーをさらに高めることができます。
また、目次をインタラクティブにすることで、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。
例えば、クリックすると該当セクションにジャンプするリンクを設置することで、閲覧者が簡単に目的の情報にアクセスできるようになります。
目次に関してより詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
作品を制作するときの思考過程を記載してデザインの再現性をアピールする
ポートフォリオに掲載する作品の思考過程を記載することは、あなたの課題解決力を証明するために非常に有効です。
各作品に対してどのような思考フローで制作したのかを詳細に説明することで、デザインの再現性をアピールすることができます。
まず、レベルの低い作品を増やすよりも、レベルの高いアウトプットを明確に示すことが重要です。
質の高い作品を選んで、その制作過程や使用したツール、特に工夫した点などを詳しく記載しましょう。
また、ただ作品が多いだけの人よりも、一つ一つの作品に対してしっかりと言語化がなされている人の方が、デザインの再現性が高く見えます。
具体的には、プロジェクトの目的、ターゲットユーザー、デザインのコンセプト、使用した技術やツール、直面した課題とその解決方法などを詳細に記載することが求められます。
そもそも製作物のクオリティーが十分か見直す
ポートフォリオ作成において、小手先のテクニックも重要な要素の一つですが、結局一番大切なのはスキルです。
どんなに見栄えの良いポートフォリオを作成しても、実際の製作物のクオリティーが伴っていなければ、採用担当者に良い印象を与えることは難しいでしょう。
まず、十分に学んだと思っていても、実際にはスキルが不足していることもあります。
例えば、最新のデザインツールや技術に対する理解が浅い場合、製作物のクオリティーに影響を及ぼす可能性があります。
また、基本的なデザイン原則やユーザーエクスペリエンス(UX)に関する知識が不足していると、プロフェッショナルな仕上がりにはなりません。
さらに、スキルはあっても経験が不足しているために、適切な仕事ができていない可能性もあります。
例えば、クライアントの要望に応じたカスタマイズや、プロジェクトの進行管理がうまくできていない場合、製作物のクオリティーが低下することがあります。
このようなことがないように、今一度ご自分のスキルを見直すことをお勧めします。
具体的には、過去のプロジェクトを振り返り、どの部分がうまくいったのか、どの部分が改善の余地があるのかを分析しましょう。
また、業界の最新トレンドや技術についても常に学び続ける姿勢が大切です。
オンラインスクールやワークショップに参加することで、新しいスキルを習得し、既存のスキルをブラッシュアップすることができます。
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よくある質問に回答
紙のポートフォリオって必要?
面接は現在、ほとんどオンラインで行われるため、Webポートフォリオだけで十分です。
紙のポートフォリオが必要と言われた場合には、PDF形式で作成したポートフォリオを印刷するのが簡単で効果的です。
これにより、デジタルとアナログの両方で対応できる準備が整います。