リスティング広告の仕組み|メリットや成功させるコツもあわせて紹介
記載されている内容は2021年12月27日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。
初回公開日:2021年12月27日
更新日:2022年03月01日
検索結果に連動するリスティング広告とは?
リスティング広告は「検索連動型広告」とも呼ばれ、ユーザーが検索したキーワードに応じて検索結果のページに表示される広告を指します。
出稿する媒体によって名前が異なり、主なものはGoogleの「Google広告」とYahoo!JAPANの「Yahoo!検索広告」の2種類です。各社が提携している検索エンジンにも表示されるため、載せられる場が豊富であるという魅力があります。
- リスティング広告の出稿種類
- リスティング広告とSEOとの相違点
リスティング広告の出稿種類
GoogleとYahoo!JAPANのどちらも、「拡張テキスト広告」と「レスポンシブ検索広告」という種類があります。
広告は、見出し、説明文、リンク先URLなどの要素で構成されており、それぞれの要素ごとに最大文字数が決まっているのが特徴です。
リスティング広告とSEOとの相違点
リスティング広告とSEOの違いは、仕組みとターゲット層にあります。
リスティング広告は、広告主がお金を払って検索結果に表示される仕組みを取っているのに対して、SEOはWebサイト内の文章などを工夫することで検索結果に表示させやすくる仕組みです。
リスティング広告は、「今すぐにでもその情報が欲しい」「問い合わせられる場所を知りたい」という顕在的な客層をターゲットにしている一方、SEOの目的は「そのうち必要になるかもしれない」という潜在的な客層へのアプローチです。
検索結果に反映されるという共通点もありますが、両者には大きな違いがあるということになります。
リスティング広告の出稿手順の仕組み
リスティング広告を出稿するためには、まず各プラットフォームでビジネス用のアカウントを取得する必要があります。アカウントを開設したら、広告を出すアカウントの構成を考え、それに沿って広告文を入稿しましょう。
リスティング広告に必要なアカウントの開設方法は、各プラットフォームによって異なります。GoogleとYahoo!JAPANでリスティング広告を始めるにあたって、どう異なるのかを見ていきましょう。
- Google 広告の場合
- Yahoo広告の場合
Google 広告の場合
Google広告の場合、ビジネス用アカウントの開設に必要な日数は1営業日です。Googleアカウントのログイン画面で、左下の「アカウントを作成」を選び、ビジネス用のアカウントを作成します。
ビジネス用のアカウントが開設できたら、広告用のアカウントを作成しましょう。配信する広告の最終目標を、3つの選択肢から選びます。
Google広告の運用は、配信や調整をAIに任せる「スマートアシストキャンペーン」と、自分で全て設定する「エキスパートモード」のどちらかを選択できます。リスティング広告の流れや仕組みを理解するために、まずはエキスパートモードを選び自分で設定してみると良いでしょう。
キャンペーンの設定を開始する前に、「キャンペーンなしでアカウントを作成」を選択してビジネス情報を確認します。請求先住所やタイムゾーン、通貨の情報が正しければ、そのまま広告の構成設定や入稿を進めていきましょう。
Yahoo広告の場合
Yahoo!広告の場合、広告を出すアカウントを開設するためには2~3営業日必要です。こちらも一度Yahoo!ビジネスのIDを登録してから、Yahoo!広告のアカウントを開設します。
Yahoo!広告の公式ホームページから、画面の指示に従って必要事項を入力し、アカウント作成を進めましょう。メールアドレスによるパスワード認証や電話番号によるSMS認証が必要です。
必要事項を入力すると審査待ちになります。この時、自社ホームページ内に会社名・住所・電話番号の記載がないと審査に通らないので注意が必要です。
リスティング広告の出稿費用の仕組み
リスティング広告は、オーガニック検索におけるSEO施策と異なり掲載にお金がかかります。
クリック課金制とオークション制という2つの制度でリスティング広告の広告費用が決まります。詳しく確認してみましょう。
- クリック課金制
- オークション制
クリック課金制
リスティング広告では、クリック課金制という料金体系が採用されています。クリック課金制は、ユーザーが表示された広告をクリックしてはじめて料金が発生する仕組みです。
クリック単価とクリック数を掛け合わせたものが実際に支払う広告費で、クリック単価は、最初に広告を入札した時点で「最高でいくらまで支払う」という金額を広告主が決めます。
オークション制
リスティング広告のクリック単価と掲載順位を決めている要素の1つがオークション制です。
1つのプラットフォームに広告を出したい企業はたくさん存在します。しかし、その全てを横並びに表示することはできません。
そこで、入札金額によるオークション制で広告の掲載順位を決めています。広告を表示させたいキーワードと、その広告に出せるクリック単価の最高額を決めて入札し、他社と競ってオークションを行うのです。
リスティング広告の掲載順位の仕組み4つ
ユーザーの検索結果に広告を反映させるというリスティング広告の性質上、全ての広告を一度に表示することはできません。従って、それぞれの広告における掲載順位を決める必要があります。
リスティング広告の掲載順位を決める仕組みは、大きく分けて4つです。効率よく広告を活用するために、どのように掲載順位が決められているのか確認してみましょう。
- 品質スコアの評価
- 入札価格の設定
- 広告掲載フォーマットの選定
- 広告表示オプションの最適な情報量
1:品質スコアの評価
リスティング広告の掲載順位を決める要素の1つが品質スコアと呼ばれるものです。品質スコアは広告の品質を評価した指数で、1~10の10段階で表されます。
品質スコア10が広告の品質が最も良い状態です。クリックの回数、キーワードと広告分の関連性、キーワードとランディングページの関連性により評価されています。
クリックの回数
広告クリックの回数は、広告推定クリック率として表示される要素です。「平均より上」「平均値」「平均より下」の3種類の表示があります。
広告配信時に指定されたキーワードから、どれだけ広告のクリックにつながるのかを示している要素です。これが高いほど、広告とキーワードの関連性が高いことを示します。
キーワードと良質な広告文
ユーザーが検索するキーワードと、そのキーワードに応じて表示された広告の見出しや広告文における関連性も品質スコアに影響します。
広告が表示されても、それが欲しい情報だと判断できなければユーザーはクリックしません。ぱっと見ても分かるほど関連性の高い広告になっているかどうか、キーワードが広告文に含まれているかどうかが評価に影響します。
キーワードとリンク先ページの関連性
広告をクリックした時に飛ぶリンク先のページがランディングページです。このランディングページの内容が、検索で使用したキーワードと関連しているかどうかも評価に関わります。
このランディングページがキーワードに合わせて最適化されているかは、定期的に確認する必要があります。
2:入札価格の設定
始めのオークションに入札したクリック単価も掲載順位に影響を与えます。基本的には、広告の品質スコアとそれに釣り合う入札単価が掲載順位を動かすのです。
予算に余裕があれば、単価を引き上げてみるのも1つの手といえるでしょう。
3:広告掲載フォーマットの選定
ユーザーが使用しているハードウェアの種類や、検索エンジンを利用しているソフトウェアによって適切な広告のフォーマットは異なります。どの媒体向けに広告を出したいかによって、広告掲載フォーマットを都度選ぶ必要があるのです。
載せられる情報の種類や量にも違いがあるため、事前に調べておくのが良いでしょう。
4:広告表示オプションの最適な情報量
広告の品質を高める要素の1つにオプションの設定があります。広告本文の下に追加で情報を表示できるのが広告表示オプションです。
広告表示オプションには、関連する他のキーワードやリンク、連絡先の情報などが載せられます。オプションをつけるとその分枠が広がり広告がより目立つようになりますが、ごちゃごちゃし過ぎない程度におさめることも必要です。
リスティング広告のメリット5つ
現在、リスティング広告は広く普及しています。多くの企業が採用するということは、それだけメリットがあるということです。
今回は、そんなリスティング広告のメリットを5つピックアップしました。リスティング広告を始めるか迷っている場合はぜひ参考にしてください。
- SEO対策よりも上位に表示される
- 興味があるターゲットを絞り込める
- 変更や停止がリアルタイムでできる
- 低予算から出稿できる
- 運用の予算設定がしやすい
1:SEO対策よりも上位に表示される
リスティング広告は、プラットフォームに広告費用を支払って表示してもらうものです。従って、オーガニック検索で表示されるSEO施策の行われたサイトよりも上位に表示されます。
そのため、掲載順位の高い広告ほど真っ先にユーザーの目に入る仕組みになっているのです。
2:興味があるターゲットを絞り込める
リスティング広告は、検索者がキーワードを入力した結果に表示されるため、そのキーワードに対する興味がある人のもとに広告が届く仕組みです。
見込み層といわれるすでに購入意思があるユーザーを取り込みやすく、売り上げにつながりやすいという利点もあります。
3:変更や停止がリアルタイムでできる
リスティング広告は、広告文の審査にさえ通ればボタン1つで配信開始・停止の操作ができます。そのため、配信した広告の効果を見ながらリアルタイムな操作が可能です。
これにより、広告効果の分析や内容の改善といった品質の向上に役立ちます。
4:低予算から出稿できる
リスティング広告は、広告主が自分で入札金額を決められううえ、最低金額も特に設定されていないため、数百円からでも始めることが可能です。
クリックされるまでは費用が発生しない仕組みなので、コストを抑えて広告を掲載できるという強みがあります。
5:運用の予算設定がしやすい
リスティング広告は、自分で配信時間や配信地域の設定ができます。効果の高そうな時間帯や地域に絞って配信することもできるため、広告を運用するための予算配分がしやすいという特徴があるのです。
リスティング広告のデメリット3つ
数々のメリットがあるリスティング広告ですが、その分デメリットも存在します。リスティング広告の運用を続ける上で発生するデメリットは大きく分けて3つです。
デメリットとメリットとを把握して、自社に有用な形で導入するための参考にしてください。
- 運用に専門スタッフが必要
- Webマーケティングの基本知識・スキルが必要
- 経過を見ながらの効果分析と改善が必要
1:運用に専門スタッフが必要
リスティング広告は広告用アカウントの構成を決め、広告文を作成して入稿し、かつそれらを運用しながら最適化していく必要があるため、運用にはそれなりのリソースが必要です。
自社で運用するには人手が足りず、外部に委託する企業も少なくありません。広告費の他に、外注費や人件費も必要になる場合があります。
2:Webマーケティングの基本知識・スキルが必要
リスティング広告を運用して成果を上げるためには、Webマーケティングに関する知識が必要です。
いつどこに広告を出すとクリックされやすいのか、どんなキーワードから自社商品にたどり着くのかといった分析や、広告文を最適化するためのスキルが求められます。
定期的にモニタリングして広告の内容を改善していくために、マーケティングや競合調査の経験を積んだ人が担当するのが無難でしょう。
3:経過を見ながらの効果分析と改善が必要
リスティング広告は、配信を開始するまでは簡単に行うことができます。しかし、それをユーザーのニーズや季節性に合わせて最適化するためには、経過観察と効果の分析が不可欠です。
リスティング広告の仕組み上、決まった期間がない分効果なしと判断した広告は即時停止するといった判断力も求められます。導入の簡便さと比較して、運用は手間がかかるものであるというのは覚えておくと良いでしょう。
リスティング広告を成功させるコツ4つ
リスティング広告における成功とは、広告のクリック回数が増え自社サイトへの訪問者が増加することです。
ここからは、リスティング広告を成功させるコツを4つに分けて紹介します。
- 興味のあるタイトル・説明文を作成する
- キーワードの選定をする
- ルールに従って作成する
- ユーザー視点を重視する
1:興味のあるタイトル・説明文を作成する
リスティング広告で重要なのは、目に入ってすぐ印象に残るような見出し・説明文にすることです。例え掲載順位が高く最初に表示された広告でも、伝えたいことが不明瞭なものでは印象に残りません。
選んだキーワードを盛り込んで、ユーザーにとって「欲しい情報の答えがここにある」ことを主張しましょう。長い文章ではなく、短くともインパクトのあるワードで強調します。割引額など、具体的な数値を入れるのも効果的です。
2:キーワードの選定をする
リスティング広告で選択するキーワードには、1つずつ品質スコアが設定されています。
品質スコアの高いワードを選んでも、広告の内容と合ってない場合でもスコアが下がりかねません。掲載順位を上げるためには、広告したい内容に合わせて品質スコアの高いワードを慎重に選ぶことが重要です。
3:ルールに従って作成する
リスティング広告には、掲載する上で守らなければならないルールがいくつかあります。
1つは、薬事法に抵触する内容や医療関係の根拠のない触れ込みです。2つめは「日本一」「No.1」などの誇張表現です。
こういった表現を使用したものは審査に通らない場合が多いため、ルールに従って広告を作成しましょう。
4:ユーザー視点を重視する
リスティング広告の表示範囲を設定する時は、ターゲットを絞り込んだほうが効果を得られやすくなります。そのためには、ターゲットの属性や立場を理解してその視点に立ってみることが大切です。
具体的な属性や立場を想定して、「こういう人物であれば広告を目にしやすいのはこの時間」「この立場なら見たい広告・知りたい情報はこれ」といった内容を考え、興味を引きそうな広告作りを行いましょう。
リスティング広告で効果を出す仕組みやコツを理解しょう
ここまで、リスティング広告の仕組みやメリットなどについて解説してきました。
リスティング広告はオーガニック検索の結果より上位に表示でき、出稿の費用も少額から可能といったメリットがある一方で、効果の高い運用のためには管理・改善の手間がかかるといった注意点もあります。
この記事を参考にリスティング広告の仕組みやコツを理解して、有効性の高いマーケティングに活用しましょう。