DSPの仕組みとは|活用する際の利点と気を付ける点もあわせて紹介
記載されている内容は2022年02月01日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。
初回公開日:2022年02月01日
更新日:2022年03月01日
DSPの仕組みとは
DSPとはDemand-Side Platform(デマンドサイドプラットフォーム)の略称で、広告主側のプラットフォームをあらわします。
DSPは、ツールで商品を買う可能性が高いユーザーにのみ広告を出す仕組みで、広告主が広告を出したいユーザーの属性と広告の出稿費用をあらかじめ決めておきます。
ユーザーがサイトにアクセスするとDMPの働きでユーザーの情報と属性が取得され、サイトの広告枠を持つSSPにユーザーの情報が届きます。
SSPは広告枠を高値で売るためにRTBの仕組みを使い入札をするよう、複数のDSPにユーザーの情報を送り、DSPは、ユーザーの属性に合う広告主の入札を自動で行いSSPに報告します。
SSPは最も高い入札を行った広告主に広告配信するよう促し、ユーザーは配信された広告を目にすることになるのです。この一連の動作が瞬時に行われ、広告1枠の売買が成立します。これがDSP広告の仕組みです。
DSPの特徴とは
DSPは、広告主の商品を買う可能性が高いユーザー1人1人に向けて広告配信ができることや、入札の価格、広告の選定など配信に関する様々なことをシステマティックに管理してくれます。
効果が高い広告配信と楽な運用をあわせ持つため、ニーズが高いシステムと言えるでしょう。ここからは、DSPの特徴について詳しく解説します。
- DMPへの連携について
- オーディエンスターゲティングについて
DMPへの連携について
DMPは、スマートフォン・パソコン・タブレットなどのデジタルデバイスから、ユーザーの属性や購買データ、検索ワードなどの膨大なデータを収集・管理し、広告配信に役立つサービスを提供します。
DMPには、外部が保有するデータを収集して管理するオープンDMP(パブリックDMP)と自社が保有するデータを管理するプライベートDMPの2種類があります。
DSPは、DMPが持つユーザーの購買履歴や嗜好の情報をもとにして、広告主の商品を買いそうなユーザーに広告配信を行います。
オーディエンスターゲティングについて
オーディエンスターゲティングとは、ユーザーのデータに基づき「個人」に対して行う広告の方法です。従来は、あらかじめ掲載期間が決まっている広告枠に出稿するやり方が主流で、ターゲットは「どこの広告枠に」でした。
オーディエンスターゲティングが出現したことでターゲットが「誰に」に変わり、消費者の嗜好を反映する広告を出稿できるようになりました。
DSP広告はDMPが管理する膨大なデータをもとに、オーディエンスターゲティングの方法を用いて、適切なユーザーに広告を配信できる特徴があります。
DSPを活用する4つの利点
広告配信にDSPを利用した場合、ユーザーの購買意欲の促進や広告の費用対効果の向上、作業の効率化アップなどの様々な利点があります。
ここでは、DSPを活用する4つの利点についてご紹介します。
- 広告効果の最適化ができる
- 自動化により作業の削減ができる
- 興味や関心を持つ人に配信される
- 類似した人をターゲットに配信される
1:広告効果の最適化ができる
DSPは、商品を購入する可能性の高いユーザーをあらかじめ設定することで、そのユーザーにのみ広告ができます。
購入する可能性の低いユーザーへの広告費がかからないため、広告主は費用対効果が高い広告運用ができるのです。
2:自動化により作業の削減ができる
これまでは入札単価や広告配信の調整を手作業で行っていましたが、DSPを使用することで、これらの作業を自動で行えます。
事前に設定を行うことで、広告の入札から配信までが適切かつ迅速に自動化されるため、大幅な作業削減になります。これは広告主にとって大きな利点と言えるでしょう。
3:興味や関心を持つ人に配信される
DSPを利用することで性別・年代・嗜好性・行動履歴などの情報をもとに、ターゲットを広告主の製品やサービスに関心を持つユーザーに絞ることができます。
その結果、製品やサービスを買う可能性が高い人に広告を配信することにつながるのです。
4:類似した人をターゲットに配信される
DSPを活用すると、潜在ニーズ層に広告配信ができます。
DSPは、過去に広告主の製品を購入または資料請求などをしたユーザーと類似した行動をとるユーザー(潜在ニーズ)を分析でき、この層をターゲティングして広告配信することができます。
DSPを活用する際に気を付けるべき3つのポイント
ここまで、DSPを活用する際の利点をご紹介しました。DSPを活用した広告配信には多くの利点がありますが、気を付けたい点もあります。
ここでは、DSPを活用する際に気を付けるべき3つのポイントを紹介します。
- 初期コストが必要になる
- 定期的に広告の効果を確かめる
- 同類のターゲティングをしないようにする
1:初期コストが必要になる
一般的なWeb広告は初期費用がなく、実際に運用した費用のみを支払う方式になっています。
DSPでの広告配信はほとんどの場合に初期費用がかかり、最低契約期間が設けられているサービスもあるなど、最初にかかる費用が高い傾向にあります。
有用なDSP広告ですが、予算とすり合わせてコスト面をしっかりチェックしましょう。
2:定期的に広告の効果を確かめる
DSPは適正な広告を自動でしてくれる点が魅力ですが、安心して任せきりにせず、定期的に広告の効果を確かめる必要があります。
DSPを導入したあとに広告の効果がどれくらいあるのかを定期的に分析し、把握しておきましょう。広告の効果に疑問がある場合は、DSPの配信事業者に相談するなど、対策をとるようにします。
3:同類のターゲティングをしないようにする
キャンペーンなどを複数のDSPで掲載する場合、より多くのユーザーへのアプローチを考え、同類のターゲティングへ広告配信を行うことがあるでしょう。
同類のターゲティングへの配信は、自社の広告同士で入札競争を激化させてしまうおそれがあります。
ターゲティングが重ならないようにすることで、複数のDSPでの入札時も入札競争は起きません。コスト効率を悪くしないためにも、同類のターゲティングはしないようにしましょう。
DSPを取り入れる3つの方法
DSP広告を行う企業がたくさんあるため、どの会社のものを選べばよいのか迷う方もいるでしょう。ここでは企業を選ぶ際の参考として、DSPを取り入れる3つの方法を紹介します。
- 各企業の広告を比較検討する
- 目的や立場を分析して確かめる
- 配信先を確かめて選ぶ
1:各企業の広告を比較検討する
DSPを選ぶ際は、まず気になる企業をいくつか調べてみましょう。
それぞれのサービスには、広告枠をたくさん持っている・ターゲティングの精度が高い・対応するデバイスの種類が多い・系列のDMPと連携している・独自のアルゴリズムを持っているなど、様々な特徴があります。
複数の企業を比較検討することで、自社にとって一番使い勝手のよいDSPを見つけやすくなるでしょう。
2:目的や立場を分析して確かめる
DSPは広告の費用対効果が高く使い勝手のよいツールですが、全ての企業のサービスが自社に合っているわけではありません。
企業の特徴を理解したうえで、自社はどのような立場でどのような目的で広告を利用したいのかをしっかり分析し、目的にあったものを選びましょう。
3:配信先を確かめて選ぶ
DSPは自社にとって最適な広告配信先を自動で選んでくれますが、その配信先を非公開にしている場合があります。配信先が不明な場合は、自社に合わないサイトに広告が配信される懸念もあります。
配信先を把握したい場合は、配信先を公開しているDSPがおすすめです。
DSPとの相違点
DSPを理解するうえで、アドネットワークやRTB、SSPなどの用語を目にすることがあるでしょう。これらはDSP広告を配信するうえで、それぞれに役割があり密接な関係とがあります。
ここからは、DSPとの相違点を紹介します。
- アドネットワークの場合
- RTBの場合
- SSPの場合
アドネットワークの場合
アドネットワーク(Advertising Network)とは、広告の通信網のことです。
スマートフォン、PC、タブレットなどの様々なWebサイトに広告を配信します。DSPはこのアドネットワークを通して広告を配信しています。
RTBの場合
RTB(Real-Time Bidding)とは、リアルタイムに入札をする仕組みのことです。
このシステムによりDSPは広告主の条件に合う広告枠を1枠ずつ入札して購入し、製品やサービスを買う可能性の高いユーザーに向けて、広告配信することができます。
SSPの場合
SSP(Supply-Side Platform)とは、広告枠を提供している側のプラットフォームのことです。
SSPは広告枠を売る側のツールのため、広告主のツールであるDSPとは逆の立場です。広告枠をなるべく高く買ってもらうためにRTBの入札制度を使い、一番高く入札したDSPの広告を配信します。
DSPの仕組みや特徴を理解しよう
昨今はスマートフォンやPC、タブレットなどを長時間視聴するライフスタイルが浸透していることもあり、Webサイトでのマーケティング活動は必須と言えます。
この記事を参考にDSPの仕組みや特徴を理解することで、マーケティング戦略の選択肢が広がるでしょう。