リスティング広告におけるCPAの改善策|コンバージョン率を上げるには?
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初回公開日:2022年02月25日
更新日:2022年03月01日
リスティング広告のCPAを計算する方法
CPAとは「Cost Per Acquisition」もしくは「Cost Per Action」を略した言葉で、1件のコンバージョン獲得のためにかかった広告費用(コンバージョン単価)を指す言葉です。CPAは「広告費÷コンバージョン数」で計算することができます。
例えば広告費用に10万円かかり、100件のコンバージョンが獲得できた場合、CPAは1000円となります。リスティング広告を運用する場合は、CPAの改善が必要不可欠だと言えるでしょう。
CPAへの理解に必要なリスティング広告指標の知識
リスティング広告の運用で必要となる指標として、さまざまなアルファベット3文字の指標が存在しています。同じような単語が多いため、意味を正しく理解することは簡単ではないですが、CPAの計算を行うためにはリスティング広告指標の意味を理解することが大切でしょう。
ここではCPAへの理解に必要なリスティング広告指標についてそれぞれ解説していきます。
CVR
CVRとは「Conversion Rate」を略した言葉で、「コンバージョン率」を意味します。CVRは「コンバージョン÷クリック数」で計算することができます。
販促を目的としたリスティング広告を配信する場合、CVRを利用することによって実際に何件のコンバージョンにつながったのか数値によって効果測定できます。CVRは費用対効果を測るために必要な指標だと言えるでしょう。
CPC
CPCとは「Cost Per Click」を略した言葉で、「平均クリック単価」を意味する指標です。CPCは「広告費÷クリック数」もしくは「コンバージョン単価÷コンバージョン率」で計算することができます。
CPCが低いほど単価を抑えて流入を獲得できるため、同じ広告費であってもCPCが低い方が多くの流入を見込めます。
リスティング広告を出す場合はあらかじめCPCを決めておきますが、現状の入札単価で広告枠が勝ち取れる場合は、運用しながらCPCを抑えられるように調整しましょう。
CTR
CTRとは「Click Through Rate」を略した言葉で、「クリック率」を意味する指標です。CTRは「クリック数÷表示回数」で計算することができ、%で表します。
CTRは0%に近いほどクリック率が低くなるため、広告が表示されてもクリックされていないということになります。CTRはリスティング広告に限らず、SEO対策を実施する際にも用いられる指標です。
CVs
CVsとは「Conversions」を略した言葉で、「コンバージョン数」を意味する指標です。「s」を付けずに「CV」と記述されることもあります。
CVsはサイト上での問い合わせや資料請求、会員登録、商品の購入など、Webサイトでの成果につながった数を意味します。リスティング広告やSEO対策を行う上での目的はコンバージョンにつなげることであるため、CVsを上げることが重要になるでしょう。
CTs
CTsとは「Click Through」を略した言葉で、「クリック数」を意味する指標です。単純にそのリスティング広告がクリックされた回数を意味します。
例えば広告が100回表示され、CTsが10回である場合、CTR(クリック率)は10%ということになります。CTsだけを見ているとクリック数が多く感じる場合でも、CTRが低い場合は改善する余地があると言えるでしょう。
業界別から見るCPAを基準とした算出方法
ここまでCPAに関連したリスティング報告指標について解説していきましたが、実際のCPAは広告を出す企業の業界によっても大きく異なります。それでは、実際に自社のCPAを計算する場合にはどのようにして算出すればよいのでしょうか。
ここでは、業界別から見るCPAを基準とした算出方法を紹介していきます。
BtoB業界の場合
例えばビジネス向けのITソリューションを提供しているBtoB企業で、月間での広告費が50万円、CPCが25円、CTsが20,000回、CVが25件だとします。
この場合、CPAは「50万円÷25件」の2万円となります。BtoB業界で扱われる商材はさまざまですが、基本的に一回の商材提供単価が高い傾向があるため、CPAが2万円程度であれば比較的良い数値であると言えるでしょう。
人材業界の場合
例えば人材派遣会社が人材募集のためのプロモーションを実施した結果、月間での広告費が200万円、CPCが250円、CTsが8,000回、CVが100件だったとします。
この場合、CPAは「200万円÷100件」の2万円となります。人材業界の場合は競合の影響によってCPCが高くなる傾向があるため、2万円程度になるケースが多いでしょう。
美容業界の場合
例えばリピーター率の高い女性用のボディケア用品の商品の広告を出した結果、月間での広告費が150万円、CPCが120円、CTsが12,500回、CVが400件だとします。
この場合、CPAは「150万円÷400件」の3,750円となるため、良い数字だと言えるでしょう。美容業界の場合はその商品がどれだけ継続購入しやすいのかにより、CPAも大きく変わるという傾向があります。
CVRを上げてCPAを改善するための7つの対策
たとえ広告がクリックされたとしても、コンバージョンに至らなければ意味がありません。CPAを改善するためには、コンバージョン率(CVR)を向上させることが必須となります。
ここでは、CVRを上げてCPAを改善するための対策について解説していきます。
1:リンク先のURLを見直す
広告のリンク先がユーザーを離脱させる原因になっているケースもあります。例えば春物のワンピースの広告の場合、リンク先がブランドサイトのトップページになっている場合もあれば、そのサイトのワンピースの一覧ページである場合もあるでしょう。
この場合、どちらの方がCVRが高まるという正解はないため、リンク先を変えてみて比較検証を実施する必要があります。
2:広告文を見直す
広告がクリックされてもコンバージョンに至らない場合は、広告を見直して広告文の内容とリンク先がミスマッチになっていないか確認してみましょう。
いくら広告がクリックされやすくても、ターゲットではないユーザーまでクリックしてしまうとCVRが下がるだけです。広告文には魅力的なキーワードを盛り込むだけでなく、広告の目的がしっかり伝わるような内容にすることも重要です。
3:キーワードを精査する
キーワードの中に成果につながらないキーワードが混ざっていることにより、CVRが上がっていないというケースもあります。そのため、キーワードの精査を行って成果につながりにくいキーワードを停止しましょう。
特に初期に設定したキーワードは運用開始前に想定したものであるため、キーワードレポートなどで確認すると、全くコンバージョンにつながっていないキーワードが見つかる可能性もあります。
4:ユーザー属性によるターゲティングを見直す
リスティング広告ではターゲットであるユーザー層に広告配信を絞るために、性別や地域、エリアといったユーザー属性によって特定のユーザーへの広告配信を停止することができます。
ターゲティングを見直すことによって配信される対象が絞り込まれるため、CVRの向上が期待できるでしょう。
例えば、対象年齢、性別などで絞られる商品の広告でターゲットを絞っていない場合、ユーザー属性によるターゲティングの見直しが必要だと言えます。
5:リマーケティング広告サービスを使う
リマーケティング広告サービスとは、過去にサイトを訪問したユーザー向けに広告を繰り返し表示させる広告です。
過去にサイトを訪問しているユーザーは商品やサービスに対して一定の関心を持ち続けている可能性が高いため、コンバージョンにつながりやすいユーザーに対してピンポイントなアプローチが可能になります。
購入を迷いながら離脱したようなユーザーが多い場合は、リマーケティング広告によって再検討を促すことでCVRの向上が期待できるでしょう。
6:LPを改善する
LPとは「ランディングページ」のことで、広告をクリックした後に表示されるWebページのことです。広告をクリックしても、LPの内容によってユーザーが離脱しているというケースも多いでしょう。
CVRを向上させるには、A/Bテストを実施してLPを改善していくことが大切です。より成果の高いLPを採用することで、CVRを向上していくこともできるでしょう。
7:検索クエリを確認し除外キーワードを設定する
キーワードを精査する方法として、検索クエリを確認してコンバージョンにつながらないクエリを除外キーワードに設定する方法があります。
このようにコンバージョンにつながらないクエリを除外キーワードにすることで、サイトに流入するユーザーのコンバージョン指向が高まり、CVRも自然に向上することが期待できるでしょう。
CPCを下げてCPAを改善するための4つの対策
クリック単価(CPC)を下げることによってCPAを改善することもできます。リスティング広告を出す場合は予算があらかじめ決まっていることが多いため、CPCが下がるほどサイトへの流入を増やすことが期待できます。
ここでは、CPCを下げてCPAを改善するための対策について紹介していきます。
1:品質スコアを高める
品質スコアは広告ランクを決定している要素の1つで、広告ランクによって広告の掲載順位が決まります。そのため、キーワードの品質スコアを高めることで掲載順位が上がり、CVRの向上につながることも期待できます。
広告ランクが上がれば、入札額は低くても競合よりも上位に広告を掲載できる可能性があるでしょう。
2:キーワードの入札単価を抑える
CPCを下げる手段としてもっともシンプルな方法が、キーワードの入札単価を下げることです。目標としているCPAとコンバージョン率をもとに計算すれば、目標CPAを達成するための平均CPCを算出することができます。
このCPCを目安に、クリック数が多くても入札単価が高いようなキーワードの入札単価を引き下げましょう。
3:競合が少ないキーワードに切り替える
競合の少ないキーワードであればCPCを安価に抑えられるため、キーワードを切り替えるという方法もあります。
競合が多いキーワードの場合はCPCも高額になっているケースがありますが、競合の少ない複合キーワードや言い換えた言葉をキーワードにすればCPCを抑制できる可能性があります。
4:最適な配信方法に見直す
キーワードによってもCPCの平均相場には違いがあります。検索ボリュームの大きなキーワードの場合はCPCの相場も高めになりますが、他のキーワードと組み合わせるだけでCPCも下がります。
そのため、ターゲットを絞り込んだキーワードにして配信方法を最適化することでCPCを下げることができるでしょう。
CPAの改善を成功させるコツ
ここまで紹介したように、CPAを改善させるための方法はある程度決まっています。このような方法を使ってCPAの改善を成功させるには、しっかりとコツを押さえて効果的に対策を実施していく必要があるでしょう。
ここでは最後に、CPAの改善を成功させるコツについて解説していきます。
- アカウント全体を俯瞰して見る
- 市場の動向確認にはキーワードプランナーを利用する
- 費用対効果を考えて許容CPAを設定する
アカウント全体を俯瞰して見る
CPAを改善させるには、現在のリスティング広告の運用方法に適した改善策を見つけることが大切です。そのためには、アカウント全体を俯瞰して眺められるマクロ的な視点が必要になるでしょう。
広告運用を行っていると細かい部分の方へ目が行きがちになりますが、マクロ的な視点を持つことを意識することにより、現在のCPAが高騰している要因にも気付きやすくなるでしょう。
市場の動向確認にはキーワードプランナーを利用する
キーワードプランナーは、Google広告が提供しているキーワード候補検索ツールです。キーワードプランナーを利用することで関連したキーワード調査や検索数、入札単価を知ることができるため、定期的に利用して市場の動向確認に活用するようにしましょう。
費用対効果を考えて許容CPAを設定する
CPAの水準は、獲得した後にもたらされるLTV(生涯収益)を考慮して考える必要があります。LTVが大きいようであれば、CPAが高くても問題はないと言えます。
CPAを考える際には、LTVを含めた費用対効果を考えて許容CPAを設定することが大切です。
リスティング広告の運用ではCPAも意識しよう
リスティング広告を運用するには、CPAをはじめさまざまな指標について正しく理解する必要があります。
本記事で紹介したリスティング広告指標の概要やCPAを基準とした算出方法、CVRを上げてCPAを改善するための対策方法などを参考に、リスティング広告を運用する場合はCPAを意識した運用を行ってみてはいかがでしょうか。