プレゼンテーションの主な流れとは?スライド作成や話し方にも注意しよう
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初回公開日:2022年03月25日
更新日:2023年07月14日
良いプレゼンテーションのために必要なことは?
プレゼンテーション(プレゼン)は、社会人にとっては試練の場です。新しい企画提案や製品紹介、会社紹介やセミナーなど、様々な場面でプレゼンをすることが求められます。そして、プレゼンを上手くできるかどうかは、ビジネスの成功に大きく関わってきます。
しかし、漠然と「良いプレゼンにしたい」と思っているだけでは、良いプレゼンにはなりません。良いプレゼンにするためには、プレゼンのコツや知識をしっかり理解しておく必要があるのです。
この記事では、プレゼンの流れなどの基本知識から、スライドの使い方や話し方といったプレゼンのコツまで、知っておくと有益な情報を紹介していきます。
プレゼンテーションの主な流れ
始めに、プレゼンの流れから説明します。プレゼンは、ただ自分の伝えたいことをひたすら話せばいいわけではありません。基本的な流れが決まっていて、それに沿った構成にすることで、理路整然と話ができます。
プレゼンの流れは、大きく分けて3つの部分からできています。良いプレゼンを作る第1歩として、しっかり流れを覚えておきましょう。
1:序論
プレゼンの導入部分です。「これから始めるプレゼンの目的」や、「プレゼンでどういったテーマをどういう観点から話すのか」などを簡潔に伝えましょう。ここで聞き手の関心を惹くことができれば、プレゼンを最後まで聞いてもらいやすくなるでしょう。
また、プレゼンの時間が長い時は、プレゼンの目次を紹介しましょう。聞き手が先の展開を予測でき、また集中力を維持しやすくなります。
2:本論
プレゼンで一番伝えたいこと、つまり「要点」を話す部分です。プレゼンの根幹をなす「メイン」の部分となります。
序論で挙げたテーマについて、データや具体例を用いて自分の伝えたいことを主張します。この時、話の展開に矛盾がないこと、「伝えたいこと」と「伝えたいことを支える根拠」がセットになっていることなど、主張が論理的かつ一貫していることが重要です。
例えば、自社の製品を紹介するプレゼンの時は、データやグラフなどを示しながら、自社の製品がどういう風に優れているのか(性能や価格など)を具体的に紹介します。
3:結論
プレゼンの「まとめ」や「締めくくり」を行う部分です。しかし、ただ終わりの挨拶をすればいいというわけではありません。
例えば、序論で伝えた「プレゼンの目的」や「プレゼンのテーマ」などをもう一度振り返る流れにするのがいいでしょう。余裕があれば、本論で展開した考察を簡潔にまとめて、伝えたかった部分を念押しし、それから結論と根拠をまとめて伝えて締める方法も使ってみましょう。
より効果的に相手に伝えるプレゼンテーションの手法
前述した基本的な流れ以外にもプレゼン構成の「応用例」があり、プレゼンの状況や目的に合わせて構成法を使い分けられると、より効果的なプレゼンができます。
ここでは、プレゼンの構成法を4つ紹介します。
DESC法
・D=Describe(描写):解決すべき問題などの、客観的な事実や状況を描写する
・E=Express(表現):描写した「客観的な描写」に対して「主観的な意見」を述べる
・S=Suggest(提案):状況を変えるための「具体的な解決策・対処法」を提案する
・C=Consequence(選択):提案した解決策・対処法を受け入れた時と、受け入れられなかった時それぞれでもたらされる結果について説明する
この4つの部分を合わせて「DESC法」と言います。何らかの問題を解決するためのプレゼンや、相手に頼みごとをする時、言いにくいことを伝える時などに有効です。相手の気持ちを尊重しながら、自分の主張も行える構成です。
PREP法
P=Point:プレゼンの結論
R=Reason:結論に対する根拠、理由
E=Example:根拠や理由として挙げたことの具体例
P=Point:再度、プレゼンの結論を述べる
この4つの要素で構成されるのが「PREP法」です。説得力のある伝え方をしたい場面に向いています。
最初に結論を述べることで、聞き手にプレゼンの意図を理解してもらえると同時に、「どうしてそうなるのか」という疑問を呼び起こすことができます。その後で根拠や理由を説明すると、聞き手は「腑に落ちた」という感覚になるのです。
SDS法
・Summary(要約):全体の概要や要約を伝える
・Details(説明):詳細を説明する
・Summary(要約):全体のまとめをして締めくくる
以上の3つを合わせて「SDS法」と言います。シンプルで汎用性の高い構成だとされます。最初に要約を伝え、次にその詳細を説明、最後にまとめと、順序だてて説明できるのが特徴で、短いスピーチや簡潔な報告に向いているでしょう。
AIDMA法
・A:Attention(注目する)
・I:Interest(興味を持つ)
・D:Desire(欲しくなる)
・M:Memory(記憶する)
・A:Action(行動する)
以上の5つの要素を合わせて「AIDMA」と言います。もともとは消費者がものを買う時のプロセスを説明するためのものですが、これをプレゼンに応用します。この方法を使う時はなるべく簡単な言葉を使うのがいいでしょう。
まず、聞き手の注目を集め、プレゼンのテーマとその根拠を示して関心を惹き、具体的なイメージを聞き手に持たせ、プレゼンの中心となる「キーワード」を繰り返し登場させて印象付け、最後は自分がそのテーマにいかに情熱を注いでいるかを表現します。
【相手別】おすすめのプレゼンテーション構成例
プレゼンの流れや手法について紹介してきました。ここでは、これらを用いてどのような構成にすると相手に伝わりやすいか、状況に応じた構成例を紹介します。
プレゼンの構成に迷っている方は、参考にしてみてください。
社外に向けたプレゼンテーションの場合
社外で行うプレゼンは、その大半が「営業」目的のものです。クライアントに自社の製品やサービスを利用してもらうためのプレゼンでは、順序だてて言いたいことを説明できる「序論、本論、結論」の形式が効果的だとされます。
それ以外では、「序論、本論、結論」の形式に「AIDMA法」の要素を取り入れてもいいでしょう。
また、クライアントが困っていて、解決すべき問題がはっきりしている場合は、まずクライアントの悩みを客観視してから解決策を提案する「DESC法」を使うと効果的です。
社内に向けたプレゼンテーションの場合
社内で行うプレゼンの多くは「報告」が目的です。研究の成果発表や企画の進行度合いの提示などがあります。
しかし、報告の場合、基本形の「序論、本論、結論」では、回りくどいと思われてしまうことも多いです。そのため、報告の際は「SDS法」や「PREP法」といった、結論から述べる形式のプレゼンの方が伝わりやすくなる場合もあります。
どちらの形式を選ぶかは、「プレゼンの時間の長さ(短いなら「SDS法」が適しています)」と、「相手が結論だけでなく、詳細な背景なども知りたいのか(詳細な説明がいるなら「PREP法」が効果的)」を軸に選びましょう。
プレゼンテーション中の質疑応答のポイント
プレゼンの中でも、特に苦手意識を持つ人が多いのが、「質疑応答」です。プレゼンは自分のペースで完璧にこなせても、質疑応答で鋭い質問をされてしどろもどろになってしまうことあるでしょう。
質疑応答でも、うろたえた様子を見せないことが大事ですが、そう振舞うのにもコツが要ります。ここでは、そのコツについて紹介します。
質問内容を確認して質問者に感謝を伝える
質疑応答で質問を投げかけられた時は、質問内容の確認をして、さらに感謝の気持ちをアピールしましょう。
「ご質問ありがとうございます」という挨拶の他に、鋭い指摘をされたら「いい視点のご質問ありがとうございます」などと添えるなど、相手を上げることも忘れてはいけません。そうすると相手も気持ちよく質問できます。
また、回答を提示した後は、「ご納得いただけましたか」などと尋ねて確認するのも大事です。納得していなさそうなら、後で個別で話を聞くことができます。
質問者と同じ言葉を使って答える
質問者と同じ言葉や言い回しを使って答えるのも、質疑応答のテクニックの1つです。相手の言葉や仕草を真似る行為は「ミラーリング効果」と言われ、「良い関係を築きたい相手」へのアピールだと言われています。
会話のコツなどで「相手の発言をまずおうむ返しにする」と言った方法が紹介されますが、それと似た原理で、相手に好感を持たせることができるでしょう。
質問がない場合は自分で質問を投げて回答する
質疑応答の時間と言っても、質問が出ずに、気まずい沈黙が訪れることもあるでしょう。
質問がない場合は、自分で質問を投げかけて、自分で回答してみましょう。あらかじめ、聞き手が何を疑問に思うかを想定して質問を作っておき、それに答える形式を取れば、質問したいのに踏み出せない人の疑問点を解消できます。
また、「今お話しした使い方について、何か不安な点はありますか」など、聞き手に質問を促す質問も効果的です。
その場で答えられない質問は持ち帰る
質疑応答では、その場では答えられない質問が出てくることもあります。しかし、そこで無理やり答えを考えながら回答すると、矛盾が生じてプレゼンで紹介してきた論理が崩れることもあるでしょう。
質問に答えられなかった時は、素直に想定していなかったことを認めて謝りましょう。この時、聞き手に「鋭い質問だから、よく考慮した上で答えたい」というアピールをするのも有効です。
そして、答えられなかった質問はちゃんと持ち帰って、いつでも質問者に答えを提示できるように検証をしておきましょう。
プレゼンテーションでよくある失敗例
最後に、プレゼンでよくある失敗例を紹介していきます。準備不足だったり、あれこれ工夫を凝らしたのが裏目に出たり、資料の作りが甘かったりと、プレゼンには色々な失敗がつきものです。
しかし、失敗例をあらかじめ知っておくことで、防げることもあるのです。これから紹介することに気を付けるだけでも、プレゼンが良くなるでしょう。
スライドに色を使いすぎている
プレゼンに使うスライドですが、カラフルにした方が見栄えがいいと思うのは間違いです。スライドで色を使いすぎると、重要なポイントかそうでないかの判断がしづらくなり、見てほしい所を見てもらえなくなる可能性が高まります。
できるだけ使う色の種類は減らし、また、注目してほしい所には鮮やかな色を使うことで、その部分の重要性をアピールできます。
アニメーションを使いすぎている
プレゼンのスライドを作るソフトには、アニメーションを付けられる機能があります。このアニメーションをあちこちに使いすぎると、目立たせたい部分が目立たなくなってしまう危険があります。
アニメーションは、特に目立たせたい部分を強調する際にだけ使うようにしましょう。
メモを準備していない
プレゼンでは、台本代わりのメモが必要となってきます。例え何度も練習したり、プレゼンの内容を暗記したりしても、本番で緊張のあまり頭が真っ白になり、話す内容が飛んでしまうこともあるでしょう。
メモばかり見て話すのも良くありませんが、不測の事態を考慮してメモは準備しておきましょう。
スライドが予定通りに動かない
用意したスライドが本番で上手く表示されないこともあります。
スライドの動作不良を防ぐ方法の1つに、表やグラフの貼り付け方法を変えるというものがあります。別資料から直接貼り付けるよりは、画像形式で貼り付ける方が動作不良が起こりにくいでしょう。
聞き手の様子を確認できていない
聞き手を無視して自分の話に集中しすぎてしまうのも、よくある失敗例の1つです。聞き手の方を見ずにスライドばかり見て説明していると、聞き手は自分に対して話をしているわけではないと感じて、真剣に聞いてくれない可能性もあります。
この失敗は、話術に悪い意味で自信がある人や、場慣れしてきている人が陥りやすいと言われています。プレゼンはあくまでコミュニケーションで、聞き手の気持ちに変化を起こすことが目的だということを忘れないようにしましょう。
早口になってしまう
極度に緊張したり、感情がこもったりしてくると、つい早口で話してしまいます。早口で話すと、聞き手が話を理解できずに会話が進んでしまい悪印象を与えてしまう可能性があります。
早口を克服するには、何度もプレゼンの練習をするのが効果的です。また、声の大きさにも気を付けましょう。
プレゼンテーションの流れについて理解しよう
ここまでプレゼンの流れやコツ、そして失敗例などを紹介してきました。プレゼンは、要点を押さえた資料の準備や、人を惹きつける話し方の練習など、ちゃんと対策をすれば上手くいくものです。この記事を参考にプレゼンの流れを把握して、プレゼンを成功へと導いていきましょう。
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