SEOスパムとは?主に使われる手法やGoogleによる防止策を解説
記載されている内容は2022年02月01日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。
初回公開日:2022年02月01日
更新日:2022年03月01日
SEOスパムが検索エンジンにとって迷惑である理由
SEOスパムとは、Googleのガイドラインに違反するSEO対策のことです。
このSEOスパムが放置されれば、ユーザーである検索者が望んでいる価値ある良質なコンテンツは検索上位にほとんど無くなり、役に立たないものばかりが並ぶ結果になるでしょう。
結果として、検索者は「この検索エンジンは役に立たない」と判断し、他の検索システムに乗り換える可能性があります。
SEOスパムを知る必要性
SEO対策で上位表示されるためには、Googleの「品質に関するガイドライン」に沿っていることに加え、スパム行為をしていないことが要求されます。
しかし、ガイドラインにない不正行為もスパム判定されるため、むやみにSEO対策を進めるのは非常に危険と言えるでしょう。
そのため、スパム行為について充分理解し、ユーザーにとって価値のあるサイトであることを意識しながらSEO対策に取り組む必要があります。
なお、スパム行為はシンプルだった検索エンジンの裏をかこうとする行為ですが、現在ではほとんどのものが通用しなくなっています。
進化を続けるGoogleのアルゴリズムの前では、「順位が下がる」「検索上から消される」など、圧倒的にデメリットが上回っていると言えるでしょう。
たとえうまくいったとしても、手間の割に効果が薄くリスクが高いなど、割に合わない結果になると認識しておきましょう。
主なSEOスパムの手法10個
SEOスパムの目的は検索順位を上げることで、リンク系スパムとキーワード系スパムによるものが大半を占めています。これは、大量のサイトからリンクを貼ったり、大量のキーワードを記載したりすることで検索順位を上げることを狙ったものです。
以前のこうした手法は、単純な仕組みだった検索エンジンをごまかそうとしたものでしたが、Googleがアップデートを重ねた結果、今ではほとんど効果がなくなっています。
しかし、意図せずスパム行為をしてしまうことや、スパム手法を用いる業者を使ってしまうことがないとは限りません。
無意識にガイドライン違反することがないよう、以下で紹介するSEOスパムの具体的な手法を知っておきましょう。
- クローキングを行う
- コンテンツを丸ごとコピーしたサイトを使う
- コンテンツを他サイトから盗む
- テキストを隠すように掲載する
- 内容と無関係なリンクや広告文をコメントに投稿する
- サイト内で似たコンテンツを多用する
- フッターに過度なリンクを置く
- ページ内に過剰にキーワードを追加する
- Webサイト同士で過剰に相互リンクを付ける
- 自動でコンテンツを作成する
1:クローキングを行う
クローキングとはSEO手法の一種で、あるURLにクローラーがアクセスした時、検索者がアクセスしたのとは異なるWebページに切り替える方法のことです。
この場合、検索した人には違法なコンテンツを見せていても、検索エンジンに対しては合法的なコンテンツを見せているような設定がなされています。
検索エンジンは、テキスト中心でキーワードの頻出度が高いページや、HTMLの構造が簡潔なWebページを評価し、フラッシュやフレームセットを多用したWebページを好まないことで知られています。
そのため、ユーザーがアクセスしてきた際にはフラッシュなどを多く用いて見栄えの良いWebページを見せ、検索エンジンがアクセスしてきた時にはSEOを重視した簡素なページを読ませるように切り替えるという「クローキング手法」が使われるようになりました。
しかし、現在の検索エンジンはクローキング行為をスパムと判定し、発覚時にはインデックスからの削除などのペナルティを受ける可能性があるため、SEO手法として使われることは少なくなっています。
2:コンテンツを丸ごとコピーしたサイトを使う
既存のWebサイトとまったく同じコンテンツをもつサイト、あるいは一部が同一で複製のWebサイトのことを「ミラーサイト」と呼びます。
このミラーサイトは、有益な目的で使われることもあるため、一概にペナルティの対象になるとは限りません。
例えば、アクセスの集中によるサーバーダウンを防ぐ目的のために、災害時などにアクセスが集中する自治体のWebサイト等で、サーバーにかかる負荷を軽減する目的のためにもミラーサイトが使われています。
その一方で、個人情報やログイン情報取得のためにミラーサイトを作り、本物のサイトと思いこませ、ユーザーが入力する情報を盗み取ろうとする「フィッシングサイト」のようなものが存在するのも事実です。
それらのサイトは「SEOに悪影響をもたらすサイト」としてペナルティの対象になります。
急に検索順位が下がった場合は、ミラーサイトが作られた可能性があるため、ツールを用いて原因をチェックしましょう。その結果ミラーサイトが見つかったら、Googleに著作権侵害の申請をしてください。
3:コンテンツを他サイトから盗む
盗用スパムとは、インターネットに公開されたコンテンツをコピーすることです。検索結果の上位にあるコンテンツはとくに狙われやすく、他社に盗用される恐れもあります。
時には盗用した他社のサイトの方が上位になることもあり、そのことにより実害が出る可能性も否めません。
その際は、GoogleにDMCA侵害申告をしましょう。侵害が認められれば、検索結果から他社のサイトは排除されるでしょう。
Googleでは、コピーサイトが多い場合、検索結果に同じようなコンテンツのサイトが並んでしまうため、2つ以上の類似サイトは載せないようにしています。
ただし、Googleではサイトの評価をロボットが行うため、類似コンテンツが多いときには、ロボットの判断でサイトが削除されることも把握しておきましょう。
4:テキストを隠すように掲載する
隠しテキストとは、検索エンジンには認識されてもユーザーには認識されないようにして、大量のキーワードを埋め込むSEOスパムのことです。具体的にはフォントサイズを0にしたり、文字の色を背景色と同じにしたりして、ユーザーには見えなくする手法です。
これは、過去にたくさんのキーワードを含んだテキストが検索エンジンに高評価されたことによるものですが、現在はSEOスパムと判断されるため評価は下がります。
Webデザインに凝りすぎているサイトの場合も、スパムと判定されるケースがあります。このようなことを避けるために、検索エンジンが認識する情報とユーザーが認識する情報に差が出ないよう気をつけましょう。
5:内容と無関係なリンクや広告文をコメントに投稿する
外部のサイトのコメント欄などに自分のサイトへのリンクを貼ることは、「トラックバック」というブログの機能ですが、大量に貼るとSEOスパムとみなされます。
過去には被リンクの数が多いことで評価が高まる傾向もありましたが、現在はコンテンツの質が重視されるため、スパム判定をされてしまう危険性の高い方法です。
6:サイト内で似たコンテンツを多用する
「コピーコンテンツ」とは、コンテンツの内容が全部、あるいはほとんど同じもののことです。この場合、他社に限らず、自社のものであっても、内容がほとんど同じであれば「コピーコンテンツ」に当たります。
もちろん、すべてのコピーコンテンツが悪いというわけではありません。同一商品でグレード違いの説明書のように、インターネットの性格上必然的なものもあるでしょう。
良くないとされるコピーコンテンツは、参照元を表さないまま他のサイトの表現をそのまま用いたものや、同一サイト内で同様の内容があるもの、または少しだけ言葉を変えただけのものです。
上記のようなものはスパムと判定され、検索結果が表示されない場合があることを把握しておきましょう。
7:フッターに過度なリンクを置く
サイト内の記事をつなぐことを内部リンクといいますが、SEO効果を高めるためには、内部リンクと外部リンクのバランスが重要です。
クローラーにとっての内部リンクは、サイト内を巡回しインデックス化や評価をするために必要不可欠なものです。また、SEO効果を上げるためには、サイトのページがバランスよく評価される必要があるため、リンク設定のルールを十分理解することが大切になります。
設定方法を間違え、どこからもリンクが貼られていなければ、そのページは認識されずインデックスされません。さらには、クロール頻度が高くなってキャッシュが更新されなかったり、評価が思うように上がらなかったりということもあるでしょう。
フッターにリンクを貼る時には、ページやコンテンツに関連性の高いリンクが有効になりますが、リンクの数が不自然に多いとスパム判定を受けるケースもあるため、適切な量を考えましょう。
8:ページ内に過剰にキーワードを追加する
検索結果の順位を上げるため、上位表示希望のキーワードをページ内に不自然なほど詰め込むような行為は、ユーザーの利便性を損なうため、スパム行為としてペナルティを受け、検索順位が下がることになります。
SEOのことを考えすぎるあまり、無意識にキーワードを詰め込んでしまうケースもあるため、不自然に多用していないか十分に確認するようにしてください。
9:Webサイト同士で過剰に相互リンクを付ける
SEO効果を狙って、不自然に多くのサイトと相互リンクをしたものを「リンクファーム」といいますが、たくさんのサイトを立ち上げ、相互リンクを貼る手法が増えています。
しかし、リンクファームのコンテンツ同士は内容的に関連を持たないため、検索エンジンからは不適切なリンクとみなされます。
適切な相互リンクであれば価値があるため、優良なリンクとして評価も上がると言えるでしょう。
10:自動でコンテンツを作成する
以前はSEO効果を高めるために自動生成されたコンテンツや、自動翻訳で作られた文章を用いる方法が広く行われたことがありました。
しかし、自動生成された文章は支離滅裂でユーザーの役に立つものではなく、自動翻訳された文章もそのままでは非常に読みづらいため、スパムの対象となりました。
自動生成された文章のことを「ワードサラダ」と呼ばれます。ワードサラダはスパムと判定されるため、ワードサラダを使ったWebサイトは評価が下がると言われています。
Googleによるスパム防止策
可能な限り高品質な検索結果が得られるようにすることがGoogleの重要課題です。そのため、Googleでは日々検索結果の改良に取り組まれています。
その成果として、スパムに遭遇する確率が減り、リンク系スパムも大部分で検出され、抑制されるようになったと言われています。
ここでは、Googleによるスパム防止策を詳しく紹介していくので、気になる方はご覧ください。
自動的にスパムを見つけてペナルティを与える
Googleのアルゴリズムによる自動ペナルティには、「パンダ・アルゴリズム」「ペンギン・アルゴリズム」「ヴェニス・アルゴリズム」「トップヘビー」の4種類があります。
それぞれの内容は以下の通りです。
・パンダ・アルゴリズム:オリジナルコンテンツが少ないページの順位を下げる
・ペンギン・アルゴリズム:スパム対抗が目的
・ヴェニス・アルゴリズム:検索者の所在地によって検索結果、順位が変動する(ペナルティではない)
・トップヘビー:ページのファーストビューに画像、内部リンク、外部リンク等が専有している場合にペナルティを受けることがある
しかしながら、たとえペナルティが与えられたとしても、実際には自動でスパム認定されたかどうかの見極めは難しいため、原因の特定は困難でしょう。
そのため、SEOの変更を取り消しても元に戻せないペナルティの場合、復旧できない可能性が高いと認識しておきましょう。
社員の目視によって手動でペナルティを与える
Googleでは、自動ペナルティだけでなく、目視での手動ペナルティも行なっています。
そのため、手動ペナルティで順位が下がったりインデックスが削除されたりした場合は、「Googleサーチコンソール」を用いて原因や解決方法を調べることが可能です。
操作方法はシンプルで、サーチコンソールのサイドメニューから「セキュリティと手動による対策」を開き、「手動による対策」をクリックするだけです。さらに詳細ボタンを押すことで、その後の手順が確認できます。
また、Googleサーチコンソールでは、問題解決後に「このサイトが本当にペナルティにあたるのか」の再審査の請求も可能なため、利用してみるのも良いでしょう。
SEOスパムに注意してマーケティングを進めよう
現在のマーケティングにおいて、自社のコンテンツを知ってもらうことは非常に重要で、そのためのSEO対策は不可欠なものとなっています。
しかし、過剰なSEO対策をしてしまったために「スパム」と認定されてしまっては元も子もないでしょう。
スパム認定などの予期せぬ状況を避けるために、SEOスパムの状況をしっかり理解し、適切なSEO対策をして行きましょう。