リダイレクトでSEO対策する方法|対策する必要があるWebサイトの状態とは
記載されている内容は2021年12月27日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。
初回公開日:2021年12月27日
更新日:2022年03月01日
SEO対策におけるリダイレクトとは?
「リダイレクト」とは、あるページにランディングしたユーザーを別のページに転送する処理を指すWebサイト管理用語です。URLリダイレクトと呼ばれることもあります。
URL変更やページ削除に伴い本来存在するページがなくなった場合、ユーザーを意図するページへ誘導する目的で使用されます。Webサイトに訪れたユーザーが見込み顧客だった場合、リダイレクトすることで自社への満足度や売上につなげることもできます。
このリダイレクトでは、GoogleやYahoo!といった検索エンジンからの評価が存在しなくなったページから転送先のページにも引き継がれるため、SEO対策の1つとして確認しておきたい仕組みです。
リダイレクトが持つ種類
リダイレクトにはいくつかの分類がありますが、特に「301リダイレクト」と「302リダイレクト」をおさえておきましょう。
ここでは、企業の広報・マーケティング担当が知っておきたい「301リダイレクト」と「302リダイレクト」について解説していきます。
- 302リダイレクトとは
- 301リダイレクトとは
302リダイレクトとは
「302リダイレクト」は、一時的に別ページに転送させたいときに用います。この場合のリダイレクト先は一時的なURLであることから、リダイレクト前のURLを保持しておく必要があります。
たとえば、サーバーエラーやメンテナンスでページが表示できなくなったとき、正常に閲覧可能なページにユーザーを一時的に転送します。
301リダイレクトとは
「302リダイレクト」が一時的な転送であるのに対して、「301リダイレクト」は永続的に別ページへ転送させたいときに用います。
Webサイトの移転・リニューアル等で元ページにユーザーを戻す必要がない場合に利用します。恒久的・永久的に転送されるため、時間が経過していくうちにWeb上でページが確認できなくなります。
リダイレクトを行う必要があるWebサイトの状態4つ
それぞれの状況によりリダイレクトが必要かどうかが異なります。これから紹介する状況に自社のWebサイトが当てはまる場合は、リダイレクトを検討してみましょう。
ここからは、リダイレクトを行う必要があるWebサイトの状態について4つに分けて紹介していきます。
- コンテンツが重複しているとき
- 新規ドメインを取得したとき
- URLは変わらずページ内容が変わるとき
- SSL化をしたいとき
1:コンテンツが重複しているとき
自社Webサイト内の2つのページ内容が重複していると、「片方が検索結果に表示されない」「被リンク評価が分散される」「検索エンジンからペナルティを受ける」と言った弊害が考えられます。
ページの重複を解消するためには、「301リダイレクト」を使って、意図するページへユーザーを誘導しましょう。
2:新規ドメインを取得したとき
Webサイトを引っ越す際、新規ドメインを取得することがあるでしょう。その際、旧ドメインから新規ドメインへ「301リダイレクト」しましょう。
リダイレクトを行わない場合、検索エンジンからの評価を一から新規ドメインで構築する必要がありますが、リダイレクトを行うことでその評価が引き継がれるとされています。
また、自然検索からのユーザーやダイレクトランディングのユーザー流入にも効果があるでしょう。
3:URLは変わらずページ内容が変わるとき
URLは変わらないがページ内容を修正変更したいときに「302リダイレクト」を使用しましょう。
「302リダイレクト」は一時的な転送を行うため、ページを修正変更するまでの間、ユーザーを別のページに誘導できます。
4:SSL化をしたいとき
WebサイトURL冒頭の「http」を「https」に変更するなど、「常時SSL化」したいときには「301リダイレクト」を活用しましょう。
常時SSL化することで、ブラウザとサーバー間のデータ通信が暗号化され、Webサイトのセキュリティ向上が期待できます。
その結果、ユーザビリティ向上や検索エンジンからの評価にも影響し、SEO対策にもつながるとされています。
リダイレクトでSEO対策する方法4つ
Webサイトのそれぞれの状況にあわせて適切なリダイレクトを活用することで、SEO対策につながります。
リダイレクト設定はいくつかありますが、ここでは、「.htaccessファイル」を用いた方法を軸に、リダイレクトでSEO対策する方法を紹介していきます。
- index.htmlを消して1つにまとめたい場合
- 301リダイレクトを新ドメインに設定する場合
- wwwを消して1つにまとめたい場合
- WordPressで公式プラグインを利用する場合
1:index.htmlを消して1つにまとめたい場合
WebサイトURLの「index.html」を消して、「http://〇〇.com/」にしたい場合、以下のコードを.htaccessファイルに記述してアップロードします。
・RewriteCond %{THE_REQUEST} ^.*/index.(html|php)
・RewriteRule ^(.*)index.(html|php)$ http://%{HTTP_HOST}/$1 [R=301,L]
2:301リダイレクトを新ドメインに設定する場合
永続的に転送する301リダイレクト先に、新ドメインを設定する場合には、以下のコードを.htaccessファイルに記述してアップロードします。
・RewriteEngine On
・RewriteRule ^(.*)$ http://〇〇.com/$1 [R=301,L]
3:wwwを消して1つにまとめたい場合
「http://www.◯◯.com/index.html」の「www」を消して1つにまとめたい場合、以下のコードを.htaccessファイルに記載してアップロードします。
・RewriteEngine on
・RewriteCond %{HTTP_HOST} ^www\.〇〇\.com$
・RewriteRule ^(.*)$ http://〇〇.com/$1 [R=301,L]
4:WordPressで公式プラグインを利用する場合
WordPressを利用しているWebサイトでは、公式プラグインを利用して、リダイレクトする方法もあります。
.htaccessファイルに記述する方法では、誤ったコードをアップロードしてしまうと、不具合が起きてしまう恐れがあります。しかし、公式プラグインを用いることで、初心者にも比較的容易にリダイレクト処理が行えるでしょう。
.htaccessファイルに詳しくない場合、公式プラグインの活用を検討しましょう。
リダイレクトの動作を確認したい場合
リダイレクトの動作を確認したい場合、インターネット上で直接確認するか、各ブラウザに備わっている開発者ツールを用います。他にも、使用しているブラウザの拡張機能を用いて動作を確認する方法があります。
また、リダイレクトの動作を確認したい場合は、無料のリダイレクト検証ツールの活用も検討しましょう。
リダイレクト処理がなされていない場合、送信した.htaccessファイルに記述ミスがないか、リダイレクト先は正しいか、アップロードがきちんとされているかなど、丁寧に確認していきます。
SEO対策にリダイレクトを行うときの注意点5つ
最後に、SEO対策にリダイレクトを行うときの注意点を5つに分けて紹介していきます。SEO評価にも関わってくるため、リダイレクトを行う前に以下の項目を確認しておきましょう。
- 新規ページを作成した方がSEO評価が高くなることがある
- 新旧サイトでサイトマップを準備しておく
- 対応するページごとにリダイレクトを行う
- canonicalタグも変更する
- robots.txtの記載は削除する
1:新規ページを作成した方がSEO評価が高くなることがある
たとえば、旧ページから新規ページへリダイレクトを行うと仮定しましょう。もし、旧ページのSEO評価がもともと低い場合、新規ページを作成した方がSEO評価が高くなることがあります。
旧ページのアクセス数や被リンク数が少なかったり、コンテンツとして中身が薄かったりする場合、リダイレクトとあわせて新規ページの作成も検討しましょう。
2:新旧サイトでサイトマップを準備しておく
リダイレクト後、新旧サイトの速やかな移行を促すために、新旧の各サイトマップを準備しておきましょう。
クローラはSEO評価のため、検索エンジン内を毎日巡回しています。その巡回を効率よく行ってもらうため、あらかじめWebサイトの構成をサイトマップを通して伝えておきます。
そうすることで、クローラが旧URLから新URLへのリダイレクト発生を把握しやすく、サイトの移転がスムーズに進むとされています。
3:対応するページごとにリダイレクトを行う
1つのページをリダイレクトする場合は対処しやすいですが、複数ページを扱う場合は対応するページごとにリダイレクトするようにしましょう。
数ページになればなるほどリダイレクト設定が増えるため、誤ってリダイレクト先を設定してしまうことも少なくないからです。
複数ページをリダイレクトする場合は、新旧サイトの各URLをリストにして、1つ1つ確実に設定しリダイレクトのミスを回避しましょう。
4:canonicalタグも変更する
URL正規化のためにcanonical(カノニカル)タグをheadタグに記述している方は注意が必要です。canonicalタグは、類似したページのうちどれが正規URLであるかをクローラに伝えるタグです。
リダイレクトされた旧ページに対するcanonical設定を残したままにしてしまうと、クローラがどちらの情報を重視すればいいか分からず、SEO評価の低下につながりやすいと言われています。
場合によっては、リダイレクト先のURLが検索結果に表示されない状態が継続する恐れがあります。
5:robots.txtの記載は削除する
robots.txtファイルは、検索エンジンのクローラにどのページのどの部分を優先的に巡回してもらうか、あるいはページ内のある項目はアクセス自体を控えて欲しい、といった旨を伝える指示書のようなものです。
リダイレクトされた旧サイトに対して優先巡回の指示があると、クローラに意図が伝わりにくく、リダイレクト先の新サイトを正しく評価してもらえない可能性があります。
リダイレクトする際はrobots.txtファイル内の記述にも気を配り、クローラにきちんとした指示を伝えるようにしましょう。
SEO対策にリダイレクトを実施しよう
広報やマーケティング担当の多くは、SEO対策を意識していることでしょう。リダイレクトを実施する場合、さまざまな作業工程に加えSEO評価への影響も考慮する必要があります。
リダイレクトを実施する予定のWebページ・個別ページを抱えている方は、この記事を参考にリダイレクトとSEO対策に関する知識を深めていきましょう。