Googleが行うスパムに対する取り組みとは?自分でできる対策も紹介
記載されている内容は2021年12月27日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。
初回公開日:2021年12月27日
更新日:2022年03月01日
インターネットにおけるスパムの意味
インターネットにおけるスパムは、検索エンジンでの検索順位を上位にするために行う不正な仕掛けのことを指すことがあります。
重複する内容のページが大量にあったり、他サイトのコピーばかりでオリジナルコンテンツが少なかったりすることなども、スパム行為として認定される可能性があります。
スパム行為とみなされるもの13選
スパム行為とみなされてしまうものはいくつかあります。Googleが定めたスパム行為に認定されてしまうと、ペナルティを受ける可能性があります。
意図せずにスパム行為をしてしまうことがないように、それぞれの項目をチェックしてみましょう。
- コンテンツの自動生成やコンテンツの無断複製を行う
- 相互リンクの自動生成や有料リンクがある
- 業者から購入した被リンクがある
- 重複したコンテンツがある
- 内容のないページを意図的に増やしている
- テキストやリンクを表示できないようにしている
- テキストやリンクを背景と同色にしている
- SEO目的でnoscriptを使っている
- キーワードをただ羅列している
- クローキングを行っている
- 関連性のないコンテンツへ強制的に移動させられる
- 高評価やレビューを記号やマークで偽装している
- 意味のないソーシャルブックマークからのリンクがある
1:コンテンツの自動生成やコンテンツの無断複製を行う
プログラムによって自動的に生成されたコンテンツや、他サイトのコンテンツの無断複製はスパム行為とみなされます。
自動生成プログラムを使って、検索ワードを繋ぎ合わせるだけで意味の通らない文章を作っている場合などがこれに該当するとされています。この行為は、検索上位にするための悪質な行為とされるため注意が必要です。
2:相互リンクの自動生成や有料リンクがある
他のサイトからリンクを貼ってもらうことは、検索エンジンで上位に入ることに効果があります。しかし、自動生成で相互リンクを行ったり、有料リンクを貼ることはスパム行為とみなされます。
過剰な相互リンクを自動生成によって行ったり、有料リンクをサイト内に設置したりすることは、ペナルティを受ける可能性があるので注意しましょう。
3:業者から購入した被リンクがある
被リンクが多いと検索上位に入ると言われていますが、業者から購入した被リンクがある場合は注意が必要です。
リンクの売買をしている業者は、同一のIPアドレスを使ったWebサイトからのリンクが多いとされています。そのため、業者から被リンクを購入した場合、検索順位の操作のための悪質な行為とみなされる可能性があります。
検索順位の操作のためではなく、宣伝のために購入した被リンクであれば、その旨を記載するようにしましょう。
4:重複したコンテンツがある
コンテンツが重複するのは、他人のサイトを意図的にコピーした場合や、オリジナルであっても全て、あるいは大半が同じ「ミラーサイト」と呼ばれるもので起こります。
「ミラーサイト」は、サイト制作者自身がサイトを移管した場合などにも作ることがあるため、新旧のサイトで重複したコンテンツが存在することはあり得るでしょう。
オリジナルのコンテンツであっても、「ミラーサイト」の内容が同じとみなされれば、Googleから重複コンテンツとしてペナルティを受ける可能性があるでしょう。ペナルティ回避のためには、Googleにミラーサイトではないことを伝える必要があります。
5:内容のないページを意図的に増やしている
内容のないページを意図的に増やす行為は、「ユーザーにとって価値のないページを表示させることで検索上位に入ろうとするもの」としてペナルティを受ける対象になる可能性があります。
アフィリエイトサイトなども、商品紹介の仕方にオリジナルの付加価値をつけていなければ、Google検索の順位が低くなるとされています。
6:テキストやリンクを表示できないようにしている
検索エンジンには認識されているが、ユーザーがページを開くとテキストやリンクを非表示にしたり、テキストのフォントサイズを0にしたり、リンクを正しく設置しなかったりすると、ペナルティを受ける可能性があります。
このような行為は、偽装行為とみなされ、ペナルティ対象とされています。
7:テキストやリンクを背景と同色にしている
テキストやリンクの文字色を背景と同じ色にして見えないようにしたり、画像に隠れるように文字を配置したりすることは「隠しテキスト」「隠しリンク」と呼ばれます。
検索エンジンに表示させるための偽装行為とみなされた場合は、Googleの「品質に関するガイドライン」に抵触しますので注意しましょう。
出典:品質に関するガイドライン|Google
参照:https://support.google.com/adsense/answer/35769?hl=ja
8:SEO目的でnoscriptを使っている
JavaScript未対応ブラウザに使用されるnoscriptですが、JavaScriptに対応しているブラウザ上では、noscriptで書かれたプログラムは表示されない仕組みになっています。
SEO目的でこの仕組みを使っていると判断されるのは、noscriptでキーワードやリンクを詰め込むことだとされています。このような行為を「NOSCRIPTスパム」と呼び、ペナルティの対象になる場合があります。
9:キーワードをただ羅列している
無関係なキーワードの羅列は、Google検索順位を上げるための目的に利用し、ユーザーの利便性を低下させるもの、とされるでしょう。
また、コンテンツに見合ったキーワードであっても、文脈に合わない同じ言葉を不自然に繰り返すものはキーワードの乱用とみなされることがあります。キーワードは文脈に見合った適切な使用を心がけましょう。
10:クローキングを行っている
人間のユーザーと検索エンジンに対して、それぞれ別のコンテンツを表示させることをクローキングと言います。この行為は、ユーザーの利便性を著しく低下させるものとしてスパム行為とみなされます。
クローキングを行った覚えがないのにその指摘を受けた場合、サイトがハッキングされている恐れがあります。
11:関連性のないコンテンツへ強制的に移動させられる
「不正なリダイレクト」や「誘導ページ」もGoogleの「品質に関するガイドライン」に抵触する可能性があります。サイトの移転に伴う、別URLアドレスへの移動のリダイレクトも含まれます。
ここでペナルティの対象となるのは、ユーザーの意思に関係なく、関連性のないコンテンツへ強制的に移動していると判定された場合です。
出典:品質に関するガイドライン|Google
参照:https://support.google.com/adsense/answer/35769?hl=ja
12:高評価やレビューを記号やマークで偽装している
評価やレビューを記号やマークで表示することを「リッチスニペットマークアップ」と言います。この仕様を活用することで、ユーザーの利便性が高まるとされています。
しかし、リッチスニペットマークアップを悪用して、サイトのGoogle検索順位を上げようとしたり、誤解を招く内容にリッチスニペットマークアップを施していたりすると、ペナルティの対象となり得るため注意しましょう。
13:意味のないソーシャルブックマークからのリンクがある
ソーシャルブックマークとは、Webサイトのページをブックマークしておくことで、オンライン上で他のユーザーと共有を行うサービスです。他のユーザーは不特定多数であることから、このサービスを使うと、外部からのリンクが増えやすいという特徴があります。
リンクが増えるほどGoogle検索順位は上がると言われていますが、意味のないリンク設定を行うことは、ペナルティの対象となる可能性があるため注意しましょう。
Googleが行うスパムに対する取り組み
Googleはスパム行為を見つけてから、調査・認定・ペナルティの動きが早いと言われています。
スパム行為の発見は、Googleのアルゴリズムによってスパムを検出する方法とユーザーがスパム発見の報告を行う方法の2通りです。
ここでは、その2つの取り組みについて詳しく解説します。
- スパムアップデートのリリース
- スパムレポートの設置
スパムアップデートのリリース
Googleは、スパムアルゴリズムを不定期に更新しています。
スパムアップデートがリリースされて以来、短期間のうちに複数回のスパムアップデートが行われており、そのいずれも公式Twitterで告知するというものでした。
直近のスパムアップデートも公式Twitterで告知され、数日中に完了すると言われていましたが、スパムアップデートの詳細は公表されていないため具体的な内容は不明とされています。
スパムレポートの設置
スパムレポートは、ユーザーが発見したスパムをGoogleに報告できるシステムです。スパム行為の報告を行うにはGoogleアカウントが必要です。
Googleはスパムレポート経由で、指摘されたサイトに対しユーザーが直接対処することはありませんが、スパム検出アルゴリズムの改善に役立てるとされています。
Googleにおけるスパムに対するペナルティ
Googleは、スパム行為には厳しく対応することで知られています。ガイドラインに抵触する行為を行った場合、課されるペナルティは比較的軽いものから重いものまで存在します。
ペナルティには、スパムアルゴリズムによってスパムを検出し自動的にペナルティを課す「自動ペナルティ」と、Googleの担当者が目で見てスパムを確認しペナルティを課す「手動ペナルティ」があります。
課されるペナルティによって、Google検索順位が下がったり、サイト検索で表示されなくなったりなどさまざまな影響があるでしょう。
手動ペナルティの場合、Googleからメッセージが届くため、ガイドラインに抵触した箇所を確認して改善することができます。メッセージがないまま検索順位が下がる場合は、自動ペナルティが課されている可能性があるため確認してみましょう。
自分でできるスパム対策3つ
スパム行為を行ってしまうと、Googleによりペナルティを受ける可能性があります。
ここでは、良質なコンテンツを目指すこと、ハッキングへの備えについて解説しています。健全なサイト運営のためには、自分でもできるスパム対策をしておくと良いでしょう。
- Googleへスパムの報告をする
- 良質なコンテンツを目指す
- ハッキングに備える
1:Googleへスパムの報告をする
隠しテキストやクローキング、誘導ページなどを発見した場合は、Googleへスパムの報告をすることができます。
スパム行為はGoogle検索順位の不正を招いたり、ユーザーの利便性を損ねる行為とみなされます。こういった行為を発見した場合は、Googleのサイトからスパムレポートを送りましょう。
Googleへ送ったスパムレポートは、スパムアルゴリズムの改善に役立てられ、自サイトの検索結果にも影響を与えるとされています。
2:良質なコンテンツを目指す
スパム行為とみなされるものを排除してサイト作成をしていても、コンテンツの見直しは適宜するのがおすすめです。
品質に関するガイドラインに抵触するリンクが貼られていないかなどを見直し、良質なコンテンツを維持することを目指しましょう。
3:ハッキングに備える
サイトへのハッキングによって、スパム行為が行われる可能性があります。
サイトに脆弱性があると、ハッキングによって悪意のあるコンテンツが実装されたり、リダイレクトによって不審なページが表示されたりといった恐れがあります。
サイトのセキュリティレベルを高く維持し、ハッキングに備えるとともに、もしハッキングが発覚したときには、迅速に修正対応しましょう。
Googleのスパムレポートの使い方
ここで、Googleのスパムレポートの使い方を解説します。スパムレポートは、ユーザーがGoogle検索で表示したサイトを閲覧して発見したスパムをGoogleに報告するシステムです。Googleのアカウント保持者であれば、スパムレポートを作成することが可能です。
Search Consoleからスパムレポートを選択するか、Google検索で「スパムレポート」と入れると、「スパム行為のあるコンテンツ」を報告する画面が表示されます。
スパムレポートは「不正行為があるWebサイトのアドレス」が必須入力となっており、「問題のある検索キーワード」や「その他の詳細」を任意で入力していきます。
出典:Search Console|Google
参照:https://www.google.com/webmasters/tools/spamreportform
Googleが行うスパム対策を知っておこう
Webサイトを作成する際にはSEOを意識した作りをしますが、Googleのガイドラインに抵触してしまってはSEO対策がスパム行為となります。
Googleはスパム行為とみなされるものを明確にしており、ペナルティも検索順位が下げられるだけではなく、検索結果からの除外などといった厳しい対応をとっています。
知らないうちにスパム行為をしていたということがないように、Googleが行うスパム対策を理解した上で良質なコンテンツ作成を行いましょう。