ビジネスフレームワークとは? 活用できる使い方などもあわせて紹介
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ビジネスフレームワークとは? 活用できる使い方などもあわせて紹介

記載されている内容は2021年09月24日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日:2021年09月24日

更新日:2024年05月31日

ビジネスフレームワークとはどのようなものなのでしょうか。本記事では基礎的なビジネスフレームワークや活用出来るビジネスフレームワーク、ビジネスフレームワークを活用するメリットなどを紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

ビジネスフレームワークとは

ビジネスフレームワークとは、企業における自社の経営上の問題解決や戦略立案などに活用できる考え方の枠組みです。フレームワークとは「枠組み」を意味する言葉で、ITでは開発を効率化するツールを意味しますが、ビジネスでは考え方を指します。

ビジネスフレームワークには様々な種類があり、それぞれ異なる役割を持っています。

基礎的な8選のビジネスフレームワーク

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※画像はイメージです

ビジネスフレームワークには様々な種類がありますが、一般的によく使用されるような基本的なビジネスフレームワークから、あまり聞きなれないようなビジネスフレームワークも存在しています。

ここでは基礎的な8選のビジネスフレームワークを紹介していきますので、どのようなフレームワークなのか参考にしてみてください。

1:3C分析

3C分析とは「自社(Company)」「市場・顧客(Customer)」「競合(Competitor)」という3つのCの頭文字を取ったフレームワークです。

「自社」では自社のビジョンや強み、「市場・顧客」では市場の規模やニーズ、「競合」では業界のポジションや競合のシェアなどを分析します。

3C分析を活用することで、自社の経営環境を分析し、経営上の課題を発見したり、戦略を立案したりすることが可能になります。

2:4C分析

4C分析とは「顧客にとっての価値(Customer Value)」「顧客が費やすお金(Cost)」「顧客にとっての利便性(Convenience)」「顧客とのコミュニケーション(Communication)」という4つのCの頭文字を取ったフレームワークです。

4C分析は顧客目線で分析を行うフレームワークとなっており、顧客の目線で商品やサービスの特徴をまとめます。

3:4P分析

4P分析とは「製品(Product)」「価格(Price)」「流通(Place)」「販売促進(Promotion)」という4つのPの頭文字を取ったフレームワークです。

4P分析は企業目線で分析を行うフレームワークで、自社のビジョンとターゲットが求めているものの合致点を探ることがポイントです。また、4C分析と組み合わせて利用することで、企業目線、顧客目線両方で分析が行えるようになります。

4:5W1H

5W1Hとは情報を「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰が)」「What(何を)」「Why(何故)」「How(どのように)」という要素に分けて検討するフレームワークです。

ビジネスフレームワークは使用するシーンが限られるものが多いですが、5W1Hの場合はさまざまなシーンで利用できる汎用性の高さが特徴です。また、5W1Hは5W2Hや5W3Hなどのフレームワークとして派生しています。

5:MECE

MECEとは「Mutually Exclusive,Collectively Exhaustive(モレなく、ダブりなく)」という意味の言葉で、情報の漏れや重複などをなくして正確な判断を行うためのフレームワークです。

MECEを意識することにより、物事を分析する際に必要な要素を漏れなくダブりなく分類し、課題に対して適切にアプローチができるようになります。

6:PDCAサイクル

PDCAサイクルとは「計画(Plan)」「実行(Do)」「評価(Check)」「改善(Action)」という4つのプロセスのサイクルを回すことで、業務効率を改善していくフレームワークです。

プロジェクトは計画して実行するだけでなく、結果を評価し、問題点などを改善していくことが重要です。PDCAは改善を繰り返すことで効果を生み出す基本的なフレームワークとなっています。

7:SWOT分析

SWOT分析とは「自社の強み(Strengths)」「自社の弱み(Weaknesses)」「機会(Opportunities)」「脅威(Threats)」という内部、外部要因によって事業を分類するフレームワークです。

SWOT分析ではこれらの要素を組み合わせることにより、自社の市場機会や事業課題を発見することができます。

8:ロジックツリー

ロジックツリーとは課題をツリー上に分解していくことで原因や解決策を見出すフレームワークです。ロジックツリーを利用することで問題の全体像を把握しやすくなり、論点のズレを無くすことができます。また、アクションの優先順位を付けやすくなるでしょう。

活用できる16選のビジネスフレームワーク

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※画像はイメージです

ここまで基本的なビジネスフレームワークを紹介してきましたが、他にも活用できるさまざまなフレームワークが存在しています。ここでは活用できる16選のビジネスフレームワークを紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

1:AIDMA

AIDMAとは消費者の購入決定までのプロセスを表すフレームワークです。

「Attention(注意)」「Interest(関心)」「Desire(欲求)」「Memory(記憶)」「Action(行動)」の頭文字を取ったもので、消費者が商品を購入するまでの購買行動はこの5つに分類することができます。

消費者の心理がこの5段階のどこにあるのかを見極めることで、最適なアプローチを行えるようになり、購買へつなげることができます。

2:AISAS

AISASとはAIDMAを改良したインターネット時代における消費者の購買行動のフレームワークです。「Attention(注意)」「Interest(関心)」「Search(検索)」「Action(購買)」「Share(共有)」の頭文字を取ったもので、AIDMAとは後半部分が異なっています。

インターネットやSNSが普及した現代における消費者の購買行動を表すフレームワークとなっており、購入後にSNSで感想をシェアするという流れになっています。

3:SIPS

SIPSとはSNS時代における消費者行動モデルのフレームワークです。SNSを通じた消費者行動に注目したフレームワークで、「Sympathize(共感)」「Identify(確認)」「Participate(参加)」「Share&Spread(共有&拡散)」の頭文字を取ったものです。

SIPSを利用することで、SNSを通じた消費者の購買行動における各段階に合わせた施策を実行することができます。

4:パレートの法則

パレートの法則とは社会全体の8割の富が2割の富裕層に集中し、残りの2割が8割の低所得者に配分されているという統計に関するフレームワークです。

経済における数値の多くは全体を構成する一部によって生み出されているという理論で、ビジネスにおいては「売り上げの8割を全顧客のうちの2割が生み出している」と置き換えることができます。

5:TOWS分析

TOWS分析とはSWOT分析を拡張したフレームワークです。「クロスSWOT分析」とも呼ばれており、SWOT分析によって書き出した強み、弱み、機会、脅威のそれぞれの項目を掛け合わせるものです。

TOWS分析では、「強み×機会」は強みの最大化、「強み×脅威」は脅威への対処、「弱み×機会」は弱点の補完、「弱み×脅威」は弱みの最小化という具体的な対応策を検討することができます。

6:PEST分析

PEST分析とは「Politics(政治)」「Economy(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」の4つの観点によってマクロ環境を分析するフレームワークです。

これらの4つの視点で自社にとってのプラスとマイナスの要因を整理します。PEST分析を行うことにより、自社を取り巻く外部環境がどのような状態なのかを把握することができます。

7:PLC

PLCとは「プロダクトライフサイクル」を略した言葉で、「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」によって商品の成長を表すフレームワークです。

PLCを利用することで、商品の成長ステージにマッチしたマーケティング施策を行ったり、競争環境の変化などを予測することで自社が取るべきアクションを検討したりできます。

8:5フォース

5フォースとは「売り手」「買い手」「競合」「新規参入者」「代替品」というビジネスにおける5つの脅威を表したフレームワークです。外部環境からの脅威について解説したもので、これらのバランスによって企業の収益性が決まるという理論になります。

5フォースを利用することで業界全体を分析し、利益を多く得る方法について考察することができます。

9:バリューチェーン

バリューチェーンとは事業活動における一連の活動を価値の連鎖として捉えたフレームワークです。原料の調達から製造、物流、販売を通して消費者の手に渡るまでの流れを価値のつながりとして表現します。

バリューチェーンを分析することにより事業活動のどのプロセスによって価値が生み出されているのかを把握できるため、自社の事業戦略に活かすことができます。

10:デコンストラクション

デコンストラクションとはバリューチェーンの再構築を意味するフレームワークです。

これまでとは異なった視点からビジネスにおいて通らなければいけないシチュエーションを観察、分析するというもので、デコンストラクションを行うことで新しいビジネスチャンスを見出すことも可能になります。

経営における壁にぶつかった場合にデコンストラクションを行えば、打開策を見つけることができるでしょう。

11:バリューポートフォリオ

バリューポートフォリオとは「ビジョンとの整合性」と「ROI」という2軸によって事業を分割し、分析するフレームワークです。

「ビジョンとの整合性」は企業が掲げているビジョンにマッチした事業なのかという経営者視点、「ROI」はリソースに対してどれだけの利益がでているかという株主視点になっています。

バリューポートフォリオを活用することで、これらの2つの視点で事業の課題を抽出することができます。

12:コアコンピタンス分析

コアコンピタンス分析とは自社の事業のもととなる技術力を特定するためのフレームワークです。

コアコンピタンス分析では最終製品を整理することでコア製品を選別し、さらにコア製品を生み出すコンピタンスを発見し、コアコンピタンスの3条件を満たすコアコンピタンスを特定します。

自社のコアコンピタンスを特定できれば、今後の戦略に活かしていくことができるでしょう。

13:マンダラート

マンダラートとは3×3の9マスで構成されたフレームの中心にテーマを記載し、連想されるアイデアを他の8マスに書き出していくフレームワークです。

マンダラートではアイデアや課題などに関する思考を連想によって広げていくことができるため、アイデア発想に行き詰った場合などに活用することができます。

14:VRIO分析

VRIO分析とは「経済価値(Value)」「希少性(Rarity)」「模倣困難性(Imitability)」「組織(Organization)」の4つの頭文字を取ったもので、市場での自社の競争優位性を把握するために用いられるフレームワークです。

VRIO分析は3C分析における自社の分析の際に使用します。

VRIO分析では経済価値、希少性、模倣困難性、組織の順に分析していくことで、自社の競争優位の状態を「競争劣位」「競争均衡」「一時的な競争優位」「持続的な競争優位」のいずれかの状態に位置づけることができます。

15:STP分析

STP分析とは「セグメンテーション(市場細分化)」「ターゲティング(狙う市場の決定)」「ポジショニング(自社の立ち位置の明確化)」の3つの頭文字を取ったフレームワークです。

STP分析ではセグメンテーションによって市場を特定項目でグループ分けし、ターゲティングによって自社が狙う市場を決定し、ポジショニングで自社の立ち位置を決定します。

STP分析はマーケティングプロセスにおいて、自社のポジショニング戦略を立案するための基本となるフレームワークです。

16:PPM分析

PPM分析とは「市場成長率」と「市場占有率」の2軸によって自社の製品やサービスを分類するフレームワークです。PPM分析では自社製品やサービスを「花形」「金のなる木」「問題児」「負け犬」の4つに分類することができます。

そのため、結果をもとに経営資源をどのように配分するのかを決定したり、競合との売上格差を把握したりできます。

ビジネスフレームワークを活用する5つのメリット

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ビジネスフレームワークとマーケティング活動に利用することで、フレームワークを利用せずに思考する場合よりも多くのメリットを得ることができます。ここではビジネスフレームワークを活用する5つのメリットを紹介しますので、参考にしてみてください。

1:思考が整理できる

マーケティング活動において自社や市場などを分析する場合、さまざまなことを考える必要があります。

ビジネスフレームワークではあらかじめ考えるべき項目が用意されているため、ビジネスフレームワークを使ってセクションごとに思考することにより、自然と思考を整理することができます。

2:思考の漏れを防止できる

物事を整理する場合、書き出すべき要素が抜けてしまうケースは多いです。しかしビジネスフレームワークを利用すれば、フレームワークに沿って検討していくことになるため、このような思考の漏れを防止することができます。

たとえばフレームワークのMECEを利用すれば、要素が抜けてしまったり重複してしまったりというミスを防止することができます。

3:思考時間を短くできる

自社のビジネスについて検討する場合、ビジネスフレームワークを利用すればすでに完成している枠組みの中に要素を書き加えるだけで検討することができるため、ゼロから思考する必要がなくなります。

そのため、ビジネスフレームワークを使用せずに検討する場合よりも考える時間を短縮することが可能です。

4:アウトプットが出しやすい

ビジネスフレームワークを利用すれば戦略などをアウトプットすることができます。また、実際の戦略やアクションなどもまとめることができるため、メンバー全員が戦略を把握することができるでしょう。

そのため、ミスコミュニケーションを防止し、事業のスピードを高めることも可能になります。

5:思考プロセスを共有できる

ビジネスフレームワークを利用すれば該当する要素をアウトプットしながら検討を進めていけるため、メンバーと思考プロセスを共有することができます。

また、メンバーそれぞれで課題を検討してもらう場合でも、同じフレームワークで思考すれば情報共有や思考結果の比較も容易になります。

ただし、そのためにはビジネスフレームワークを共通言語として浸透させることが大切です。

ビジネスフレームワークの活用で仕事の効率化をはかろう

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※画像はイメージです

ビジネスフレームワークを利用することで効率的な思考が可能になります。

本記事で紹介した基礎的なビジネスフレームワークや活用できるビジネスフレームワーク、さらにはビジネスフレームワークを活用するメリットなどを参考に、企業の課題解決に役立つビジネスフレームワークを活用してみてはいかがでしょうか。

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