マーケティングオートメーションの必要性とは?主な機能やメリットなど多数紹介
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マーケティングオートメーションの必要性とは?主な機能やメリットなど多数紹介

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マーケティングオートメーションの必要性とは?主な機能やメリットなど多数紹介

記載されている内容は2021年09月13日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日:2021年09月13日

更新日:2022年04月13日

マーケティングオートメーションはマーケティング活動の自動化、見込み客の育成をしてくれるツールです。導入を検討中の企業も多いのではないでしょうか。そこで、マーケティングオートメーションの様々な面について解説します。ぜひ、参考にしてください。

マーケティングオートメーションとは

マーケティングオートメーションの必要性とは?主な機能やメリットなど多数紹介
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以前は、企業のマーケティングは人手で行われていました。しかし、人手では作業時間も手間も大変です。そこで、マーケティングを効率化・自動化するために、マーケティングオートメーションが生まれました。

マーケティングオートメーションによって、新規顧客の獲得や見込み客の育成が、よりスムーズに行われるようになり、良好な関係が築けるようになりました。

SFAとの違い

SFAを略さずに表記すると、「Sales Force Automation」となり、「営業支援システム」と訳されます。このSFAとマーケティングオートメーションでは役割が異なっています。

SFAは営業を支援し、商談開始から契約までのプロセスを可視化し、管理するツールと手法です。一方、マーケティングオートメーションはマーケティング活動を管理、効率化するもので、見込み客の育成をします。

もう少し分かりやすく言うと、マーケティングオートメーションで購入意欲がそそられた見込み客に営業担当がSFAで営業活動を管理し、成約を狙っていきます。

CRMとの違い

CRMの正式名称は「Customer Relationship Management」で、日本語では「顧客関係管理」「顧客関係性マネジメント」と言います。CRMもマーケティングの一つですが、こちらは顧客との接触記録を一元管理し、より良い関係を築いていき、売り上げの拡大を目指します。

マーケティングオートメーションとCRMでは重なり合う部分もありますが、マーケティングオートメーションが見込み客の育成・選別を行うのに対して、CRMでは既存顧客との関係維持・向上を狙っている点が違っていると言えるでしょう。

マーケティングオートメーションが必要な主な理由3つ

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マーケティングを従来の手法で行っていては、効率的とは言えないでしょう。リストに載っている連絡先すべてにアプローチしても、見込み客が獲得できるとは限らず、時間も苦労も無駄に終わる可能性があります。

それだけにマーケティングを効率化・自動化してくれるマーケティングオートメーションの必要性が高まっていますが、その理由をさらに分析してみましょう。

1:従来の営業スタイルの限界

インターネットがなかった時代、見込み客は訪問販売やテレビCM、新聞などから新製品に関する情報を仕入れていたため、営業活動をする方のアプローチ方法も画一的で済んでいました。

ところが、パソコンやスマートフォンの普及により、見込み客は簡単に情報収集できるようになりました。そのため、従来のような営業スタイルが通用しなくなり、見込み客の獲得・育成は難しくなりつつあります。

2:顧客による情報収集の一般化

現在では、情報収集活動が広く一般化し、購入前にはほとんどの顧客がネットなどを通じて商品情報を収集している状況です。

それだけに、見込み客の数も大幅に増え、アプローチの仕方を考え直さなければならなくなりました。その数多い見込み客に手動で働きかけていたのでは、効率も悪いでしょう。そのため、マーケティングオートメーションの必要性が高まってきました。

3:従来のマーケティングの流れを一元化できる

見込み客の発掘から育成に至るまでには一定のプロセスが必要です。以下のようなものがあります。

1.見込み客の創出
2.獲得した見込み客の情報を管理
3.アプローチを続けて、見込み客を育成
4.見込み客に優先順位をつける

このようなプロセスを経たのちに、営業担当にバトンタッチし、成約を目指すことになります。

マーケティングオートメーションでは、このプロセスを一元化できるため、効率的に運営が可能です。企業の業務効率化も図れるため、とても重要なツールになっています。

マーケティングオートメーションの主な流れ4ステップ

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マーケティングオートメーションの導入では、適切な流れに従って、ステップを踏んでいくことが非常に重要です。そこで、どのようなステップを踏んだらいいのか詳しく説明していきますので、よく覚えておきましょう。

1:リードジェネレーション

マーケティングオートメーションの手始めはリードジェネレーションです。リードジェネレーションとは、見込み客の獲得のことです。見込み客の獲得には、従来の手法と新しい手法の両方が用いられますが、具体的にどうなっているのか見てみましょう。

Web広告

リードジェネレーションの一つの手法がWeb広告です。Web広告を出稿し、自社のホームページやランディングページに見込み客を導きます。

Web広告にはいろいろな種類がありますが、ターゲット層によって出稿の仕方を変えると効果的です。例を挙げてみましょう。

1.関心が薄い層には純広告
2.潜在的な見込み客にはリスティング広告(検索連動型)
3.一度自社サイトを訪れたことがある見込み客にはリターゲティング広告

このように出稿すれば、見込み客の獲得が狙いやすくなるでしょう。

SNS

リードジェネレーションにおいて、TwitterやFacebookなどのSNSは重要なツールです。見込み客とのつながりが得られる上に、企業側の押し付けイメージを払しょくできるツールになっています。

また、SNS活用のメリットは、拡散という形で現れます。SNSで配信した情報に見込み客が「いいね!」を押してくれれば、さらに情報が拡散し、顧客獲得が進むようになるでしょう。

ダイレクトマーケティング

リードジェネレーションでは、ダイレクトマーケティングの手法を利用することもあります。ダイレクトマーケティングとは、見込み客のニーズに合わせて、企業がコミュニケーションを図ることです。

具体的には、ダイレクトメッセージやレコメンデーションなどです。ダイレクトメッセージでは、ターゲットに合わせたはがきや手紙などを送ります。レコメンデーションは見込み客の購入情報を分析し、その結果をもとに相手が関心を持ちそうな情報発信をする手法です。

イベント・展示会

イベントや展示会を開催して、リードジェネレーションに活かす方法もあります。この方法では、Web広告などに反応しない層や、まだ自社商品やサービスの購入まで考えていない層にまで訴えかけることが可能です。

ただ、Webを使った手段よりもコストも手間もかかる上、行ったイベントが終わると、急速に見込み客の関心が下がってしまうデメリットがあります。それを避けるためにも、きめ細やかなフォローが必要でしょう。

2:リードナーチャリング

リードジェネレーションに次ぐマーケティングオートメーションのステップは、リードナーチャリングです。リードナーチャリングとは、獲得した顧客の購買意欲をそそり、最終的に成約へ持っていく手法を意味します。

リードナーチャリングを一言で言い表すと、見込み客の育成です。リードナーチャリングにも様々な手法が用いられます。

セグメントメール

すべての見込み客に対して、同じような商品を同じような情報で配信したのでは、成約にはつながりにくいでしょう。そこで活用されるのがセグメントメールです。セグメントメールとは、年齢、性別、住所、訪問ページ、購入履歴に応じて送信するメールです。

一斉送信ではメール自体を見込み客に読んでもらえない場合も多くあります。ところが、セグメントメールを送信すれば、開封率も上がって、見込み客の購入意欲も高まる可能性があります。

ステップメール

ステップメールとは、資料請求や無料会員登録、商品購入などの行動を起こしてくれた顧客に対して自動的に送信するメールのことです。対象がすでに行動を起こしているときに有効な、リードナーチャリングの手法になります。

オウンドメディア

今の時代、オウンドメディアはリードナーチャリングに欠かせない手法になってきました。見込み客もオウンドメディアに掲載されている情報を見て、企業や商品に関する情報を入手することが多くなっています。

また、企業側にとっても、オウンドメディアを通じて有益な情報を見込み客に提供することで、信頼も得られ、ファンになってもらえるというメリットもあるでしょう。そうなれば、成約まで一歩前進です。

SNS

SNSはリードジェネレーションだけでなく、リードナーチャリングにおいても有効な手段です。

企業がSNSアカウントを取得し、有益でユニークな情報を発信すれば、見込み客が関心を示すだけでなく、ファン化し、購入への気持ちも高まります。それが成約につながる場合もあるでしょう。

SNSによるリードナーチャリングはBtoCで効果が大きいとされていますが、BtoBにおいても企業の購買担当者に働きかけることができます。

セミナー

セミナーもリードジェネレーションだけでなく、リードナーチャリングにも役立ちます。自社商品やサービスに関心がある見込み客にセミナーで商品説明を行うことで、購入意欲をそそることができるでしょう。

セミナーにはオフラインセミナーとオンラインセミナーがあります。オフラインセミナーは直接見込み客に話しかけられるのがメリットですが、会場や資料の準備が大変であるのと、時間と場所が制約されるところがデメリットでしょう。

一方、オンラインセミナーは、会場の必要もなく、時間も場所も自由です。そのため、遠方の見込み客にも働きかけができる上、録画によって何度でも開催できます。チャット機能で双方向コミュニケーションも可能です。

リターゲティング広告

リターゲティング広告とは、一度自社のサイトを訪れたことがある方にまた広告を配信することです。パソコンやスマートフォンを見ていると、一度見た商品やサービスの広告が別のサイトで表示されることがありますが、それがリターゲティング広告になります。

リターゲティング広告により、一度商品やサービスの購入を検討した方がまた同じ広告を見ることで、購入しようという気になることもあります。その効果を狙ってリードナーチャリングで使用される手法です。

3:リードスコアリング

続いて、リードスコアリングというマーケティングオートメーションのステップを解説していきます。リードスコアリングとは、育成した見込み客に点数付けをすることです。点数付けにより、自社商品やサービスの購入意欲が高い順に見込み客を分別できます。

点数付けの方法は企業ごとに違いますが、購入の可能性が高い見込み客を「ホットリード」と言います。

リードスコアリングにより、マーケティング部門と営業部門の関係がスムーズに運ぶようになるでしょう。マーケティング部門が高い優先順位をつけたホットリードを中心に営業担当がアプローチをかけていけば、成約に至る可能性も上がります。

また、保有する見込み客のリストを最大限に活かすという意味でも、リードスコアリングは有効な手段です。

4:リード管理

最後に紹介するマーケティングオートメーションのステップがリード管理です。リード管理とは、見込み客の情報や自社との関係性についてデータ化し、一元的に管理することを言います。このデータを関係者間で共有して、購入や成約につなげるようにします。

具体的なデータは次のようなものです。

・見込み客の氏名(企業名)
・住所
・性別
・商談の履歴
・商談時の会話の内容
・自社との関係

リード管理の目的は、売り上げの向上です。営業担当が十分なデータも持たず、やみくもに見込み客に当たったのでは、成約にはつなげにくいです。

営業担当は見込み客について正確なデータを持つことで、適切なアプローチ方法も見つかり、商談成立につなげやすくなります。

マーケティングオートメーションの主な役割12選

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マーケティングオートメーションの主な役割を知ることで、より効率的な活用もできるようになるため、主な役割を12個ピックアップしていきます。

マーケティングオートメーションの主な役割についてご興味がある方は、参考にしてください。

1:顧客情報の収集・管理

マーケティングオートメーションを利用すると、見込み客情報を収集、一元管理ができます。オウンドメディアやランディングページを通して集められた見込み客の登録情報だけでなく、Web訪問履歴、流入経路などの情報収集も可能なツールが多いです。

そして、それらの情報を必要に応じで取り出せるようになっています。この情報がもとで、見込み客が顧客へと変わるきっかけになることもあるでしょう。

2:メールマーケティング機能

マーケティングオートメーションのメールマーケティング機能は、見込み客の段階をもとに個々に応じたメールを自動配信し、良好な関係構築に努めたり、商品やサービスの宣伝を行ったりする機能です。

以前からメールによる見込み客への働きかけは行われていましたが、マーケティングオートメーションツールの登場で、より効率的にできるようになりました。ステップメールやHTMLメールなども送信できます。

3:Webサイトの構築

新たにマーケティングオートメーションを導入した場合、既存のWebサイトでは、効率的な運営ができません。来訪した見込み客に対する的確なフォローもしにくいでしょう。

そこで必要になってくるのが新しいWebサイトの構築です。マーケティングオートメーションの機能の中にもそのようなものがあります。見込み客の興味や関心に合わせたWebサイト構築が可能です。

4:社内アラート機能

マーケティングオートメーションには社内アラート機能がついています。これは、見込み客がメール開封や自社サイトの訪問などを行った際に、営業担当にお知らせ(アラート)をする機能です。

メールだけでなく、SlackやChatworkなどのツールにアラート設定もできます。社内アラート機能により、タイミングを失わずに見込み客にアプローチできるでしょう。

5:トラッキング機能

トラッキング機能とは、アクセス履歴と見込み客を紐づける機能です。トラッキング機能により、いつ誰がどのページにアクセスし、どれくらい滞在したかを把握できるようになります。

トラッキング機能を活用すると、現在自社商品やサービスに関心がある見込み客を抽出でき、営業担当に引き継げるようになるでしょう。

6:スコアリング機能

スコアリング機能とは、見込み客の行動に点数をつけて、一定以上の点数になったら情報配信を行う機能です。例を挙げてみましょう。

・メール開封なら2点
・URLをクリックしてWebサイトへ流入したら2点
・特定の商品ページを見たら3点
・データをダウンロードしたら5点
などのように点数をつけ、合計点で一定以上になれば、特定の情報を配信します。

7:ホットリード抽出

マーケティングオートメーションには、見込み度合いの高い見込み客(ホットリード)を抽出し、リスト化する機能があります。

たとえば、同じ商品のサイトに何度も訪れ、機能や価格、特徴などをチェックしているホットリードをピックアップすることも可能です。ピックアップしたホットリードの情報を営業担当に回せば、購入にまで持っていける場合もあるでしょう。

8:キャンペーン管理

マーケティングオートメーションのキャンペーン管理では、条件の合った見込み客に対して、個人ごとに最適な施策を実施します。

たとえば、「一定以上のスコアの見込み客が自社サイトで価格のチェックをしたら、ポップアップでクーポンを示す」などのような施策です。そして、その結果を分析し、次のキャンペーンにつなげていきます。

9:広告の管理・分析

企業が広告を出稿したら、その結果がどうなっているのか知りたいという方も多いでしょう。結果を知ることで次の方針も決まってきます。

そこで活用できるのがマーケティングオートメーションの広告の管理・分析機能です。見込み客が広告媒体にどのように接触し、成約にまで至ったかの管理と分析ができます。

利用されたデバイスから媒体ごとの比較、前月比・前年度比データなどの分析をしてくれるマーケティングオートメーションツールもあります。

10:パーソナライズ機能

パーソナライズ機能は、見込み客の対応に応じて、コンテンツの出し方を変える機能です。自社のWebサイトを初めて訪問した見込み客と再訪者で、表示するバナーのデザインやメインイメージを変えたりします。

11:SFA・CRMとの連携

マーケティングとSFAとCRMの役割をもう一度整理しておきましょう。

・マーケティングオートメーション:見込み客の育成と選別
・SFA:商談開始から購入・成約を目指す
・CRM:既存顧客との関係を維持し、向上させる

それぞれ役割は違いますが、この3つは連携させてこそ、大きな効果を生み出します。マーケティングオートメーションにもSFAやCRMと連携できるものが多く、顧客情報の紐づけ・管理ができるようになっています。

12:APIとの連携

マーケティングオートメーションのAPI連携とは、マーケティングオートメーションツールと他のツールを連携させて共有したり、他のツールの機能を呼び出したりする機能のことです。

API連携により、異なるツール同士のデータの同期が可能になり、非常に使いやすくなります。マーケティングや営業活動の効率化、違う部署間での円滑な連携なども期待できるでしょう。

マーケティングオートメーションのメリット5つ

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マーケティングオートメーションのいろいろな役割を見てみましたが、ここからはメリットについて解説していきます。マーケティングオートメーションの導入を図ることで、様々なメリットを享受できるでしょう。以下に具体的なメリットを挙げていきます。

1:押し売りしてしまう可能性が減る

営業担当が直接見込み客のもとを訪れて、自社商品やサービスの案内をするときは、押し売りになってしまうことがあります。相手の状況も考えずに、自社商品やサービスの売り込みにばかり夢中になってしまうでしょう。

その点、マーケティングオートメーションなら、見込み客の状況に合わせた働きかけができます。自社の都合ではなく、相手に合わせられるため、押し売りまがいの行動を避けられるでしょう。

2:見込み客を顧客へ育成できる

見込み客の状況は個々で異なるため、手動で対応するのでは非常に効率が悪いです。そこでマーケティングオートメーションを活用し、1人1人の見込み客に応じたアプローチをする必要が出てきます。

個々の状況に合わせたアプローチとフォローアップができれば、良好な関係が築け、やがては見込み客を顧客へと育成できる可能性も高まります。

3:他の部門との連携が取りやすい

マーケティングオートメーションの登場で、他の部門との連携も取りやすくなりました。たとえば、マーケティング部門と営業部門の連携です。

マーケティングオートメーションでは、マーケティング施策の実施履歴や見込み客のWebサイト閲覧状況などを一元管理でき、いろいろな部門で共有できます。そのため、マーケティング部門も営業部門も同じ情報にアクセスでき、連携しながらそれぞれの活動に活かせるでしょう。

4:クロスセルにつながりやすい

マーケティングオートメーションは見込み客を顧客に変えるのに役立つツールですが、既存顧客にも働きかけができます。既存顧客とメール配信などで継続的な関係をキープし、そこからクロスセル・アップセルにつなげることも可能です。

5:マーケティング施策の効果が数値で証明できる

マーケティングの効果を上げるためには、実施した施策の結果と顧客情報をもとに状況を分析し、次なる改善へ向けて活かしていくことが重要です。

その際に役立つのがマーケティングオートメーションで、メールの閲覧回数、自社サイトへのアクセス数などを計測でき、数値として結果を表してくれます。これで、施策がどの程度効果があったのかを証明できるでしょう。

マーケティングオートメーションのデメリット4つ

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マーケティングオートメーションのメリットをいくつかご紹介しましたが、メリットの裏にはデメリットもあります。

そこで、デメリットも取り上げるため、マーケティングオートメーションの利用を考えている方は、両方をよくチェックしてください。

1:成果が出るまで時間がかかる

マーケティングオートメーションを導入したら、すぐ確実に成果が出るというわけではありません。期待していたほどの成果が出ないことも結構あります。

また、マーケティングオートメーションはただ導入するだけでなく、改善していくことも大切です。ただ、そのプロセスには時間がかかるため、成果を焦っても上手くいかないでしょう。

2:ランニングコストがかかる

マーケティングオートメーションには、導入費用やランニングコスト、担当者の人件費、教育費などがかかります。したがって、ツール自体の価格だけではなく、長期的なランニングコストについても考慮しながら、導入を進めなければいけません。

3:アナログデータのデジタル化が必要

従来の人手によるマーケティングでは、見込み客のデータはアナログ情報として蓄積していました。しかし、マーケティングオートメーションの導入では、このアナログデータをデジタルデータに変換する必要があります。

デジタル化によって業務は効率化しますが、検討や実施に時間や手間がかかるのがデメリットです。

4:導入後に使いこなせない場合がある

マーケティングオートメーションには、いろいろな機能が備わっています。しかし、その多機能を上手く使いこなせず、単にメール配信用にしていたり、何もさせないまま埃をかぶらせたりしている企業もあるでしょう。

コストと時間をかけ導入したマーケティングオートメーションもこれでは十分な効果を得られません。したがって、導入前に自社に必要な機能を確認しておくこと、導入後はコンサルタントに相談するなどの対策も必要でしょう。

マーケティングオートメーション導入手順6ステップ

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マーケティングオートメーションの効果を上げるためには、導入手順、ステップをしっかり学んでおく必要があります。ここではそのステップを6つに分けて解説していきます。

1:課題と現状を確認する

マーケティングオートメーションの導入に当たっては、まず課題と現状を確認しましょう。マーケティングや営業活動にかかわっている部署や担当者から、現在どのような課題が持ち上がっているのか詳しくヒアリングします。

また、売り上げの推移を見たり、アンケート調査の結果をチェックしたりすることも課題を浮き彫りにする方法です。

2:マーケティング戦略を練る

マーケティングオートメーションを導入すれば、確実にマーケティングが成功すると保証されているわけではありません。成功のためには、適切なマーケティング戦略を練る必要があります。

見込み客の行動を予想しながら、段階に応じた戦略を立て、優れたコンテンツを作成するようにすることで、マーケティングオートメーションの効果が上がってきます。

3:誰に・いつ・何をするのか決定する

次に重要になってくるのが、誰に・いつ・何をするのか決定することです。見込み客といっても漠然としていますが、どのような人物が自社商品やサービスに関心を持ってくれるのかを考えることが大切です。

そして、どのようなタイミングでどんなコンテンツを提供すれば、成約にまで至るのかを詳細に分析し、今後の方針を定めましょう。

4:どのツールを使うか選び出す

マーケティングオートメーション導入に先立って準備することはいろいろありますが、その後はいよいよツールの選択です。マーケティングオートメーションツールにはいろいろな機能が備わっていますが、代表的なものをチェックしてみましょう。

・名刺管理
・他ツールとの連携
・スコアリング
・メール配信システム
・リード管理
・アクセス解析
・問い合わせフォームの作成
・ランディングページの作成

他にも様々な機能がありますが、大事なのは自社にとって必要な機能を備えたツールを導入することです。その使用感なども確かめた上で導入すれば、選択失敗の可能性も減るでしょう。

コンサルティング業者の力も借りる

マーケティングオートメーションツールの選択は簡単なことではありません。自社に必要な機能といっても、まだ使い方が分からない段階では、どれが必要なのかも判断しにくいです。今後の戦略の構築も難しい部分があるでしょう。

そこでおすすめするのがコンサルティング業者の力を借りることです。コンサルティング業者はマーケティングオートメーションツールの設計から運営、管理までサポートしてくれるため、力強い助っ人になってくれるでしょう。

5:ツールを実装する

マーケティングオートメーションツールの選定が済んだら、実装です。どのようなプログラムを実装するのか、よく考えることが大切でしょう。ただ、基本的には、ランディングページやメールのテンプレート、実行する施策、サンプルプログラムなどを組み込みます。

6:結果を分析しPDCAを回す

PDCAは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の略語で、この流れでマーケティングオートメーションを運用していきます。

マーケティングオートメーション導入後は、結果を分析して、PDCAを回し、上手くいっていない場合は課題を解決し、成功している場合は新たな取り組みをします。

マーケティングオートメーションを活用するポイント6つ

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マーケティングオートメーションの効果を上げるためには、活用するポイントを押さえておく必要があります。ポイントを押さえておけば、より効率的に運用ができるようになり、見込み客を顧客にまで変えられるようになるでしょう。

そこで、その活用ポイントを6つご紹介します。

1:カスタマージャーニーマップが重要

カスタマージャーニーとは、見込み客が商品やサービスについての情報を得て、実際に購入し、購入後にどのような行動をとったのかを示す一連のジャーニー(旅)、つまりプロセスのことです。

このカスタマージャーニーマップの作成ができると、顧客に対する理解が深まり、マーケティング施策の立案がより精度を増し、スムーズに運ぶようになります。そうなれば、マーケティングオートメーションの運用もしやすくなるでしょう。

2:ツール設定が難しすぎないものを選ぶ

マーケティングオートメーションツールには様々な機能がついていますが、その設定を最初に行わなければいけません。ところが、あまり高機能なツールを選んでしまうと、設定の段階で挫折してしまうこともあります。

それでは効果を得られないため、まずは設定が難しすぎないものを選びましょう。

なお、海外製のマーケティングオートメーションツールもありますが、機能が非常に多くなっています。それだけに扱いが難しい場合もあるでしょう。また、海外製はサポート体制が充実していないものがあり、中には日本語サポートがないものもあるため、要注意です。

3:意欲的な人材を担当に選ぶ

マーケティングオートメーションの導入・運用には様々なスキルが求められます。オンラインとオフラインでのマーケティングに関する知識、営業部門・IT部門・法務部門との調整、シナリオ設定やコンテンツ制作の作業などです。

これらのスキルを1人で担当するわけではありませんが、とても重要な責任を伴うため、意欲的な人材を選ばなければいけません。

また、マーケティングオートメーションの成果が出るまでは時間がかかるため、PDCAを繰り返すことになりますが、それができる担当をしっかり決める必要もあるでしょう。

4:リードスコアリングに頼り過ぎない

リードスコアリングでは、見込み客に点数をつけて、購入意欲を分析しますが、必ずしも点数通りの結果になるわけではありません。点数の低い方が購入意欲が高く、実際に商品を購入するということもあります。したがって、リードスコアリングに頼り過ぎないようにしましょう。

5:アクセス数が少ない場合はすぐに対策を練る

マーケティングオートメーションを導入しても、自社サイトへのアクセス数が増えないことがあります。よくあるケースなため、このようなときは手をこまねることなく、すぐに対策を練りましょう。

対策として、Webサイトの問題箇所を分析し、改善・リニューアルする方法もあります。

6:経営陣にデジタルマーケティングの理解を得る

マーケティングオートメーションはデジタルマーケティングの一つの手法ですが、マーケティングオートメーションを効率よく実行するためには、経営陣からデジタルマーケティングへの理解を得ることが大切です。

ただ、すぐに理解を得られない場合は、小規模で実践して、成功事例を集め、その成果を示せば、やがて経営陣も理解を示すようになるでしょう。

マーケティングオートメーションを学ぶ方法

マーケティングオートメーションは現在、日本の企業に導入中というところです。まだまだ導入事例やその手法については行き渡っているとは言えない段階でしょう。それだけに、始めから学ぶ必要もあるでしょうが、そのために役立つ方法をいくつかご紹介します。

書籍を参考にする

マーケティングオートメーションについて学ぶ方法に関連する書籍を参考にすることがあります。数多くそのような書籍が出版されていますが、いくつかおすすめのものをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

マーケティングオートメーション導入の教科書

「マーケティングオートメーション導入の教科書」では、マーケティングオートメーションはどのようなツールで、どのように準備して臨めばいいか、導入プロセスはどうなっているか、運用の実態はどうなのかなどを解説しています。

また、ノウハウについてBtoBとBtoCに分類して説明しているため、それぞれの企業に応じた知識が得られます。

BtoBのためのマーケティングオートメーション 正しい選び方・使い方

「BtoBのためのマーケティングオートメーション 正しい選び方・使い方」を執筆したのはBtoBマーケティングの第一人者である庭山一郎氏です。本書ではマーケティングオートメーションによる自動化だけでなく、「デマンドジェネレーション」にも焦点を当てています。

「デマンドジェネレーション」とは、需要創出のしくみの確立のことで、リードジェネレーション、リードクオリフィケーションなどを含んでいます。

その他、主要ツールベンダー7社への取材情報、日本のトップ営業マンの座談会などの収録付きです。

マーケティングオートメーションに落とせるカスタマージャーニーの書き方

「マーケティングオートメーションに落とせるカスタマージャーニーの書き方」は、マーケティングオートメーションに活かせるカスタマージャーニーの作成方法を詳述した書籍です。

自動実行可能なカスタマージャーニーを作成し、PDCAを回すための方法を解説しています。

セミナーに参加する

書籍以外では、マーケティングオートメーションのセミナーに参加することでも、知識や情報が得られます。どのベンダーのツールを選ぶ場合でも、セミナーに参加して基本的なことを学んでからにすると、賢い選択ができるでしょう。

マーケティングオートメーションの成功事例

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マーケティングオートメーションの成功事例をいくつかご紹介します。BtoBとBtoCのそれぞれの事例です。成功事例を見ると、参考になる部分もあり、自社でのマーケティングオートメーションの運用にも役立つ情報が得られるでしょう。

BtoBの例3つ

まず、BtoBにおけるマーケティングオートメーションの成功事例を見てみましょう。BtoBでのマーケティングでは、BtoCに比べてターゲットが狭い、購入にかかわる方が複数人いる、複数人が多角的に検討するため、購入まで時間がかかるなどの特徴があります。

そのようなBtoBでのマーケティングオートメーション導入の成功事例がどうなっているのか、3社ご紹介します。

1:LINE Pay株式会社

LINE Pay株式会社はスマートフォンによるモバイル決済の先駆者と言われています。ユーザー数は2017年頃には約3,000万人を超えました。

そんなLINE Pay株式会社はマーケティングオートメーションツールとして、「Marketo Engage」、CRMツールとして「Salesforce」を導入しています。

その導入状況について、「Marketo Engage」を販売しているAdobe社の「Adobe Experience Cloud」のサイトから引用します。

2:コクヨ株式会社

コクヨ株式会社は、現在ステーショナリー関連事業、ファニチャー関連事業、通販・小売関連事業に携わっています。このうち、ファニチャー関連事業で「Marketo Engage」を活用中で、その理由を「Adobe Experience Cloud」のサイトから引用します。

3:株式会社マックスプロデュース

株式会社マックスプロデュースは社員総会や株主総会などの社内イベントの企画・運営を手掛けている会社です。

同社では、「BowNow」というマーケティングオートメーションツールを使用しています。

BtoCの例4つ

続いて、BtoCにおけるマーケティングオートメーションの導入成功事例を見てみましょう。

BtoCの特徴として、検討から購入までの期間が短い、決済は個人でする、見込み客の数が非常に多い、チャンネル数も多岐に渡るなどがあります。このようなBtoCにおけるマーケティングオートメーションで成功している企業の例を4つご紹介します。

1:株式会社ビープラウド

株式会社ビープラウドはプログラミング言語Python(パイソン)を採用したシステム開発事業、Pythonのプログラミング教育事業、技術書執筆・監修事業などを展開している会社です。

同社では、2018年5月頃に「Marketo Engage」を導入し、いろいろな施策を実行しました。以下のようなものです。

1.収益サイクルモデルの構築
2.Python言語の最新情報・学習情報などを配信するメールマガジン配信
3.ステップメール配信
4.無料体験プランを紹介するリコメンドメールの配信

これらの施策がどのような成果を上げたのか、「Adobe Experience Cloud」のサイトから引用します。

2:タイガーモブ株式会社

タイガーモブ株式会社は高校生、大学生、若手社会人に海外でのビジネスインターンシップの機会を提供している会社です。

同社のこれまでのマーケティングにおいては、Webからの問い合わせに人手不足で対応できないことやコミュニケーションツールがばらばらで共有がしにくいなどの課題が持ち上がっていました。

そこで行ったのはマーケティングオートメーションツールとして、「Pardot」を導入し、顧客情報の管理、情報の共有をスムーズにできるようにすることです。その結果、各人の業務量も減り、新たな試みもできるようになりました。

成果は、平均商談日数が短縮、メールチェック時間が短縮、商談数が約2倍になるなどの形で現れました。

3:株式会社パソナ

株式会社パソナは人材紹介サービスで有名な会社です。同社では、人材の新規獲得が困難になりつつあることや求職者の活動スタイルの変化を受け、マーケティングオートメーションツールとして、2017年3月頃から「Marketo」を導入しました。

最初に取り組んだのは「Marketo」からのメール送信の自動化で、キャンセルやリスケのリスク軽減を実現しています。その他、送信内容も工夫し、アラート機能も使っています。これらの施策の成果について、「Adobe Experience Cloud」のサイトから引用します。

4:株式会社ホテルおかだ

株式会社ホテルおかだは大型宿泊施設や日帰り温泉、足湯などを運営する会社です。同社では、オンライン予約によるキャンセルの増加、リピート率の低下などに悩むとともに、サービス・生産性向上の両立を考えていました。

そこで、2015年頃に「Salesforce」、2017年頃に「Pardot」の導入を決めました。そして、「Pardot」のコンテンツはホームページの情報の出し分けに利用しています。TOPページもFAQもターゲット別に設定して、利用者が使いやすいようにしています。

その成果を「Pardot」を提供しているtoBeマーケティング株式会社のサイトから引用します。

マーケティングオートメーションの導入を検討しよう

マーケティングオートメーションの必要性とは?主な機能やメリットなど多数紹介
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時代の変遷とともに従来のマーケティング手法が通用しなくなってきました。パソコンやスマートフォンの普及がその背景にあります。そこで活用したいのがマーケティングオートメーションであり、顧客管理や情報発信を自動化、効率化してくれるため、注目が集まっています。

これから多くの見込み客にアプローチして、成果を生み出すためにも、ぜひこのマーケティングオートメーションの導入を検討してください。

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