マーケティングの定義とは?基本的な種類と分析手法もあわせて解説
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マーケティングの定義とは?基本的な種類と分析手法もあわせて解説

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マーケティングの定義とは?基本的な種類と分析手法もあわせて解説

記載されている内容は2021年09月24日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日:2021年09月24日

更新日:2022年03月03日

マーケティングの定義とはという方も多いのではないでしょうか。近年、企業の戦略媒体も多種多様になっており、マンパワーによる営業活動では片手落ちの傾向にあります。この記事では、マーケティングの定義から分析手法まで紹介していきますので、ぜひ読んでみてください。

マーケティングの定義とは?

マーケティングの定義とは?基本的な種類と分析手法もあわせて解説
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マーケティングとは、企業を問わず顧客が存在するすべての機関・団体において、顧客との信頼関係を達成するために活動することです。

ここではマーケティングの誕生した背景などをもとに、マーケティングの定義について見てみましょう。

誕生した歴史について3つ

マーケティングの定義とは?基本的な種類と分析手法もあわせて解説
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マーケティングが誕生した背景には企業がビジネスを行う上で、理論的にモノやサービスが売れる理由を明らかにし、顧客動向や求めているものを実際のビジネスに反映させるために必要になった部分があります。

とくに、現代においては企業が市場参入する前から情報収集を行い、顧客が自社のモノやサービスを購入する仕組みを十分整えた上で、実際のビジネスを行うことが重要視されています。

マーケティングの誕生した歴史について3つのファクターを見てみましょう。

1:日本には戦後に普及したテレビから

日本のマーケティングの創世記は第2次大戦後、敗戦から復興へ歩んでいた高度経済成長期に端を発します。

日本は技術革新が進んでいた頃で、モノと情報の不足していた人々にとって、当時登場したテレビが普及したことにより、ビジネスにも通用する媒体として注目されました。

当時は製品を作ったら作っただけ売れる時代だったため、情報の発信も媒体も製品中心に進んでいた時期に当たります。

2:その後は通販が割合を占めた

その後、経済の発展が一段落し、安定期に入っていくとテレビによるCFなどは当たり前になり、提供される情報も製品中心から消費者中心へ変化を遂げていきます。

そして、1970年代のオイルショックで消費者動向が落ち込みを見せ、顧客の購買アクションが慎重になります。

そこで進歩したのが、テレビを中心とした通信販売であり、実演によるプロモーションで製品の魅力を伝えるスタイルの提供方法中心へシフトしていきます。

3:現在はインターネットが主流に変わった

そして、近年急激に普及し、人々の日常に溶け込んでいるインターネットの登場により、テレビ媒体による販売活動は下火になり、インターネットを利用した販売活動が主流になります。

この流れにさらに拍車をかけたのが、爆発的なスマートフォンの普及です。スマートフォンによるインターネット需要をどう取り込むかが現在のビジネステーマになっています。

この流れはさらに細分化していき、マーケティング手法の世界にもITを活用した分析チャートが必要不可欠になっています。

マーケティングの基本的な手法6種類

現在のビジネス活動において欠かすことのできなくなったマーケティング活動ですが、媒体の細分化によってさまざまな手法が試みられており、その役割や効果もいろいろです。

では、現在確立されているマーケティングの手法には、どのようなものがあるのでしょうか。

ここではマーケティングの基本的な手法について、6つの種類を解説します。

1:インターネットを利用したWebマーケティング

現在主流といえるマーケティングが、インターネットを利用したWebマーケティングで、膨大な情報をもとにさまざまな手法が取り入れられています。

企業にとってはインターネットでのマーケティング活動がメインになってしまい、他の方法は淘汰されつつある媒体も存在するほどの勢いです。

中でも代表的な3つのWebマーケティング手法について、見てみましょう。

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、まだ確かなニーズが顕在化していない潜在的な顧客層に対して、コンテンツを発信することで、自社の存在を認知してもらい、最終的に購買へ後押しすることを目的としたマーケティングを指します。

各プロセスで適切な価値のあるコンテンツを製作して配信することを目標として、段階的なマーケティングプロセスを実現するための概念がコンテンツマーケティングという手法です。

インバウンドマーケティング

インバウンドマーケティングとは、今までのマンパワーによるアウトバウンドマーケティングとは異なり、Webサイトやブログ・ソーシャルメディアなどを活用し役立つ情報を提供することで自社の存在をアピールし、見込み客の獲得・育成で顧客にするまでのプロセスを指します。

従来までのDMやTVCF、飛び込み営業といった売り手/企業本位で行われるマーケティングが顧客離れを起こしていることから、逆の発想でマーケティングを行う新しい手法です。

SNSマーケティング

SNSマーケティングとは、InstagramやTwitterなど人気SNSを活用してファン獲得を行い、企業自体のイメージアップ・売上・ビジネス成長につなげるマーケティングを指します。

SNSはコミュニティングツールとして現在のネット社会には欠かせないものであり、このSNSを媒体として利用して企業広告を作成したり、役に立つ情報発信を行ったりして、ブランド理解を促して購買につなげていく手法で、近年かなり注目されているマーケティング手法です。

2:費用対効果を数字で見ることができるダイレクトマーケティング

マーケティングで大切なことが、費用対効果を数字化してみることができる手法で、ダイレクトマーケティングがそれに該当します。

1つまたは複数のメディアを使用し顧客の反応を獲得するマーケティング手法のことで、双方向でのコミュニケーションが生じるように、ダイレクト・レスポンス広告が設計されていることが大きなポイントとなります。

ダイレクト・レスポンス広告に対してユーザーが直接反応を示し、企業側が即回答をするようなコミュニケーションが理想です。

3:ブランディング目的で利用されるマスマーケティング

マスマーケティングとは、企業自体のブランド化を実現し、ビジネスの価値を上げるために市場セグメントを考慮せず、1つのオファーまたは1つの戦略で市場全体へのアピールを行う手法を指します。

対象とするのが1つの戦略になるため、すべての消費者を対象に同じ手法でマーケティング活動を行います。

企業のブランディングが最終目的であり、細かい複数の広告が必要ないため、企業イメージに集中した戦略を取ることができるでしょう。

4:スモールビジネス向けのゲリラマーケティング

インターネット上でマーケティング活動を行う際にポイントになるのがコストの問題で、今までのマーケティングはマンパワーに頼ったものが多く、コストがかさむ要因が多くありました。

大企業には向いているこの手法も中小・零細企業にはきつくなる場合があり、そこで考えられたのがスモールビジネス向けのゲリラマーケティングです。

低コストで慣習にとらわれない手段をあえて用いることで効果が高く、低コストで運営ができるマーケティング戦略です。

5:各分野の専門知識を持った人材を利用したインフルエンサーマーケティング

速度の速い情報が飛び交うインターネット上で即効性のある効果を狙いたい場合には、徹底したインフルエンサーマーケティングが有効になります。

インフルエンサーマーケティングとはSNSなど特定のコミュニティにおいて、強い影響を与えるインフルエンサーを企業が積極起用し、顧客の購買意欲を高める効果を狙うマーケティング手法です。

専門知識を持ったインフルエンサーの持つフォロワーを企業に取り込み、情報をシェアすることでリーチ数を伸ばすのが狙いです。

6:商品や開発などが合わさったグロースハック

マーケティングを行う上でユーザーから提供される情報の活用は非常に役割が重く、できるだけ多くの情報を分析することが必要です。

これらユーザーから得た製品やサービスのデータを分析にかけ、できるだけコストをかけずに改善を行いマーケティングの問題を解決へ導く手法をグロースハックといいます。

Webマーケティングでは自社で作業を行うのではなく、グロースハックを専門に行うグロースハッカーへ依頼する重要性が指摘されています。

マーケティングの基本的な分析手法8種類

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このようにインターネットの登場でマーケティングの手法も時代に応じて変化しており、さまざまな媒体を活用したマーケティングが生み出されています。

しかし共通して、マーケティングで得た情報をいかに分析・活用できるかが大切で、とくにデータの分析手法にはいろいろな種類が存在します。

そこでマーケティングにおいて基本的な分析手法をここでは8種類に分けて紹介していきます。

1:ファイブフォース分析

ファイブフォース分析とは業界の収益性を分析し、その中で自社の利益性を推し測るフレームワークを指します。

分析の対象は業界内での競争・業界への新規参入・代替品の分析・顧客との交渉力・売り手の交渉力、これら5つの脅威について分析します。

最終目的はこれらの横軸・縦軸を検証することによって業界全体の収益性と構造をかんがみた上で、自社の利益が確保しやすいかどうかを分析結果により新たな発想へつなげます。

2:SWOT分析

SWOT分析とは企業が置かれている内部環境や外部環境それぞれの由来する要素を洗い出し、現状分析を試みる手法です。

自社における強み(S)・弱み(W)・機会(O)・脅威(T)の各要素から自社が抱える内部環境と、市場の状況や競合他社の存在のような外部環境をプラス面とマイナス面に分けて分析を行い、外部環境にマッチしたマーケティング戦略を構成します。

ただし、内部環境によっては要素が強みと弱みのどちらにも分類することが難しいという弱点があるため、それを踏まえた上で活用することがポイントです。

3:STP分析

STP分析とはセグメンテーション(S)・ターゲティング(T)・ポジショニング(P)の3つの要素から分析を行うマーケティング分析を指します。

主な分析要素としては市場の細分化・標的市場の決定・市場優先性をもとにポジショニングマップを作成して視覚的な方向から情報を整理し、分析していきます。

この場合、分析内容は鮮度が薄れやすいため、定期的に見直しを行い市場の変化に合わせた分析データを用意しておくことが大切です。

4:4P分析

4P分析とは製品/サービス・価格・販売場所/提供方法・販促活動の4つの要素からエレメントを集めて、それぞれの視点に立って分析を行う手法をいいます。

主に、マーケティング手法の中ではマーケティング施策立案を指すことが多く、目的に即したチャネルから解放的チャネルや選択的チャネル、排他的チャネルなどのチャネル要素から顧客へのアプローチ法や販売コントロールの違いなどを総合的に検討します。

5:3C分析

3C分析とは自社・競合・顧客のすべての面をリサーチし、それによって得られた情報を分析して戦略を立案するフレームワークです。

ここでいう3Cとは、市場/顧客・競合・自社のことを指します。この3つの関係性として、市場や顧客のニーズの変化、競合がカスタマーの変化にどのように対応しているか、顧客・競合を踏まえた上で、自社が成功できる要因を発見できるかを明確にする必要があります。

そのため、分析を行う範囲が広がりすぎることによって、方向性がぶれることを防げます。

6:PEST分析

PEST分析とは自社を取り巻く環境の中からマクロの環境要因に注目し、事業の戦略立案などに生かすためのマーケティング手法のことを指します。

分析要素としては政治/法律的な要因・経済的な要因・社会/文化/ライフスタイル的な要因・技術的な要因の4つの要素からビジネスのニーズや市場の変化、自社に対しての影響を抽出します。

時間軸としては中期から長期の事業計画作りに向いており、大きな外部変化に対応します。

7:4C分析

4C分析とは商品開発を新しくする際に企業戦略策定に利用される分析手法で、言葉はよく似ていますが、4P分析とは異なる手法で顧客から望ましい反応を得られるようにすることが目的です。

4C分析は4P分析で定義したマーケティング施策立案を顧客視点で再定義したものになり、膨大な情報の中から自社の商品に顧客が辿り着くプロセスを重視しています。

8:バリューチェーン分析

バリューチェーン分析とは製品を生産する時に原材料を調達してから商品やサービスが顧客に届くまで、企業が行う活動の連鎖とモノの連鎖だけでなく価値の連鎖としてとらえたものです。

バリューチェーン分析の役割としては、各行動にかかるコストを把握し、コストの削減を実現することや、自社の強みになる点をあぶり出し、差別化戦略に応用することです。

マーケティングの間違いやすい考え方4つ

マーケティングは企業の事業戦略を遂行するにあたって非常に重要な作業の1つですが、正しい考え方で内容を分析しないとかえって逆効果になる場合もあり、慎重に行うことが大切になってきます。

考え方が常に同じになってしまうと情報を上手く使いこなせなくなり、大きなミスにつながります。

ここでは、マーケティングで陥りやすい間違った考え方を4つに分類していきます。

1:マーケティングとは売り込みのことである

マーケティングとは需要喚起をさせるための手段であって、商品を売り込んでセールスすることとは意味合いが異なります。

あくまでマーケティングは販売促進のためであって、顧客の購買意欲を煽り立てるものではありません。

2:マーケティングとは広告宣伝である

マーケティングを広告宣伝の手段の1つと考える方が多くいますが、それは違います。確かにマーケティングはプロモーションを行いますが、プロモーションはあくまで需要喚起のために行うものであり、広告宣伝ではありません。

マーケティングの定義は需要喚起のための情報収集に特化したものであることを、押さえておかなくてはなりません。

3:マーケティングとはリサーチのことである

マーケティングは情報収集が大切になることからリサーチ作業と考えるのは違っており、リサーチとは意味合いが異なります。

マーケティングは、調査やアンケートなどの結果を導き出し商品開発に生かす手段ではなく、情報収集によって企業戦略を組み立てるための手段になります。

4:マーケティングとは多くの利益を出すための活動である

マーケティング活動はインターネット媒体などを使って企業戦略を組み上げるための手段であり、直接多くの利益を生み出す作業ではありません。

結果として利益確保にはつながりますがそれ以前のプロセスに必要な作業がマーケティングであり、企業戦略の基礎となるものです。

マーケティングの基本的な手法を理解しよう

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マーケティングは現在の企業戦略において不可欠なものであり、その重要性は近年非常に高くなっています。

マーケティングを効果的に成功させるためには、基本的な手法を十分理解した上で行わなくては良い結果が得られないため、十分に検討を重ね企業戦略に役立てましょう。

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