マーケティングにおける4Pとは?要素と分析の際のポイントについても紹介
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マーケティングにおける4Pとは?要素と分析の際のポイントについても紹介

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マーケティングにおける4Pとは?要素と分析の際のポイントについても紹介

記載されている内容は2021年08月25日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日:2021年08月25日

更新日:2022年03月03日

この記事では、マーケティング戦略を立てる中で有名なフレームワークである4P分析と4C分析についてや、それぞれを活用する際の注意点をまとめています。成功した4P分析の事例も紹介していますので、有効なマーケティング戦略に役立ててみましょう。

マーケティングにおける4Pとは?

マーケティング戦略を立てる上で有名なフレームワークの1つに4P分析があります。4P分析とはProduct(製品)、Price(価格)、Place(流通チャネル)、Promotion(販売促進)の頭文字をとったものです。

4P分析をする際の注意点や事例などをまとめましたので参考にしてください。

ぶつかる課題について

4P分析を用いてマーケティング戦略を立てる際、思ったような効果を得られないことがあります。その時はそれぞれの要素の整合性がとれているか確認しましょう。それぞれの要素がかけあわさることで4P分析の効果を発揮することができます。

企業のマーケティングでは、4Pすべてに対して施策できないこともありますが、4P各要素を分析し、部署間で連携して一貫した体制を組むことが重要になります。

また近年では、企業視点での4P分析に対して、顧客視点で行う4C分析に転換しています。

マーケティングミックスとの違い

マーケティングミックスとは、マーケティングの一連の施策を実行するにあたり複数のフレームワークやツールを用いることで、大きな効果を得るための手法です。4Pはマーケティングミックスの一環と言えます。

4Pは、ターゲット絞り込み後に他社との差別化をして、商品の魅力を伝えるかを考えるタイミングで活用します。

マーケティングにおける4Pの要素4つ

4P分析はマーケティング戦略の立案・実行の目的で使われ、Product、Price、Place、Promotionの頭文字をとったものです。

4P分析では「どのような製品」を「どのくらいの価格」で「どういう経路で販売」し、「ターゲット層にどのようにアプローチするか」という戦略を検討する手法です。

ここでは、4P分析それぞれの違いについて説明してきます。

1:Product(プロダクト=製品)について

これは、企業の利益の源泉となる製品のことです。商品本体だけでなく品質、デザイン、ブランド名、パッケージ、サービス、保証などを含めて製品と考えます。

どのようなニーズを満たすかなど消費者に提供できるメリット、自社製品を既存市場の中でどの位置づけにするのかを明確にすることでPrice、Place、Promotionを決める根拠になる重要な要素です。

2:Price(プライス=価格)について

市場で販売する上での価格です。価格を設定することでターゲット層が決まります。顧客となるターゲット層が買いやすく、自社の利益が大きくなるギリギリのラインを見出すことが求められます。

価格を設定するにはターゲットに適しているか、製品の価値と整合性があるかなどの検討が必要です。また売る場所によっても売れやすい価格があるため、販売価格を決めることは商品の売り方も決める要素にもなります。

3:Place(プレイス=流通)について

Placeは、製品を市場に流通させるための流通経路や、販売する場所のことです。実店舗で販売する場合、自社店舗、コンビニ、百貨店など様々な形態があります。近年では、インターネット上で受注から販売まで行うネット販売も増加しています。

どのような経路で販売するかによって、その製品のイメージ戦略にもつながるでしょう。

4:Promotion(プロモーション=販売促進)について

Product、Price、Placeを決めた後、製品を認知してもらうか検討する必要があります。製品がいかに優れていても、認知されていなければ意味がありません。

代表的な例として広告やCMがあります。この他にもイベント、メルマガなどもプロモーションの手法です。Placeの検討と同様に、ターゲット層に届けるために最適なプロモーション方法を検討する必要があります。

4Pをマーケティングに活用した4P分析のポイント3つ

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4Pをマーケティングに活用するには自社の製品を理解し、それぞれのPの整合性を保ち、ターゲットを明確にすることが重要になります。気付かないうちに整合性がとれておらず、後から見直すと締まりのない戦略になってしまう可能性がありますので、ぜひ参考にしてください。

1:自社の商品やサービスの強みと課題を分析して戦略を導く

4P分析では、どのように製品を売るか戦略を立てる上で、自社の製品の強さと課題を分析することは重要になります。自社の製品の強みを活かした戦略や、課題を補う戦略を立てることで、製品を売ることができます。

マーケティング戦略を立てるにはまず自社製品を分析しましょう。

2:4つのPの整合性を取りながら施策を考える

4Pの各要素間で整合性がとれていることで、初めて4P分析の効果を発揮することができます。例えば「製品に対して価格が妥当か」などをチェックすることが大切です。

しかし、企業のマーケティング担当の業務範囲では、プロモーション以外に施策を打てないケースもあります。価格や製品仕様を異なる部署で決定し、相互調整がされない場合は戦略をとることが難しく、4P分析が形骸化してしまう可能性もあるでしょう。

3:ターゲットを明確にする

ターゲットがぶれてしまうと戦略もぶれてしまうため、ターゲットは明確にしておく必要があります。

しかし、それぞれのPを分析していると、ターゲットがいつの間にかずれてしまうこともよくあるため、適宜ターゲットを確認しながら4P分析しましょう。

4Pを顧客目線へ変換した4Cとは

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売り手側の視点からマーケティング戦略を立てる4Pに対して、4Cとは顧客視点でマーケティング戦略を立てるフレームワークです。ここからは4C分析について説明します。活用事例も紹介していますので参考にしてください。

4Cの4つの要素

4CとはCustomer Value(顧客にとっての価値)、Customer Cost(顧客が負担する費用)、Convenience(顧客にとっての利便性)、Communication(顧客とのコミュニケーション)の4つの要素を表す用語です。

検討すべき項目は4Pと変わらないものの、4Cを活用することにより顧客目線で近づくことができます。顧客中心の観点が重要視される現代のマーケティングでは、有効なフレームワークの1つです。

ホームページ運用における4Pと4Cの活用例

ホームページで商品を販売する運用者に対して、4Pと4Cを活用して例を紹介します。

同じ商品を販売しているサイトよりも商品を販売するためには、販売価格を低くすれば良いのでしょうか。商品を選ぶ際には価格も1つの基準になりますが、サイトの信頼性や納期、決済方法、配送方法も他のサイトと比較していることも多いでしょう。

顧客目線で考えると、説明がしっかりしていることや画像が充実していること、さらにサイトの信頼性も重要です。検索エンジンでは、ユーザーに役立つコンテンツを提供しているサイトを評価するポリシーのため、結果的にSEO施策の強化が重要であることが分かります。

また検索エンジンを使用せず、SNS経由でのアクセスも近年増えています。SNSなどの別チャンネルでのプロモーションも必要であることが分かるでしょう。

4P、4Cはマーケティング手法の1つでしかないため、様々なフレームワークの活用や何度も繰り返し検討することが重要になります。

4Pを活用したマーケティング戦略の事例3選

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4Pを活用したマーケティング戦略の事例を3つ紹介します。今回は、JR東日本のTRAIN SUIT四季島、H&M、ライザップが成功した戦略を4P分析で説明します。参考にしてみてください。

1:豪華寝台列車の場合

東日本旅客鉄道(JR東日本)が2017年5月に運行開始した「TRAIN SUIT四季島」の事例を紹介します。

四季島は旅行代金が2名1室の場合、32万円~95万円とかなり高額にもかかわらず平均倍率が5.0倍と人気な寝台列車です。

乗車すること自体を旅の目的としたことによって、これまでは移動手段に過ぎなかった列車に「上質な空間やサービス、時間を提供する(Product)」という新たな価値(Price)を加えました。

今までにないような形態の旅行スタイルを提案することで、新たなブランドを確立できたことが成功の要因となりました。

2:人気ファストファッションブランドの場合

全世界に店舗展開し、年間売上3兆円を誇るH&Mの事例を紹介します。

H&Mの製品コンセプトは「高級ブランド製品の類似品(Product)を低価格で提供する(Price)」です。従来高級ブランド製品に手を出すことができなかった層に対して、代替品を提供することで市場のニーズ(Place)に応えました。

高級ブランド製品の類似品と決めることで、自社でデザインしたりする製造コストを抑えることが可能です。また世界中のコストの安い工場で生産し、海運で輸送することで生産・流通コストの低減を実現しています。

これらの価格低減への取り組みがH&M成功の重要な要因となっています。

3:大手トレーニングジムの場合

今やトレーニングジムの代表格となった「ライザップ」の事例を紹介します。

従来のトレーニングジムでは、プールやトレーニングマシンなどのトレーニングする場所を提供する形態が主でした。

ライザップは「トレーナーのマンツーマン指導、筋力トレーニングや厳しい食事管理」という新しい形態を打ち出しました。1人では甘えてしまう人のニーズに応えること(Product)で成功した事例です。

ライザップが成功した要因として、サービス内容だけでなく優れたプロモーション(Promotion)もありました。

独特の音楽で小太りの人の映像が流れたと思ったら、明るいメロディーと共に同じ人が劇的に変化した体型で現れるCMは大きな反響をよび、知名度の向上に貢献しました。

またCMのモデルに有名芸能人などを起用したことで、サービスに対する信頼度を向上させることにも成功しています。

マーケティングにおける4Pとは何なのかを理解しよう

マーケティングにおける4Pとは?要素と分析の際のポイントについても紹介
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マーケティング戦略を立てるためのフレームワークの1つである4P分析を紹介しました。4P分析をする際にはターゲットを明確にし、各要素の整合性を図る必要性があります。

紹介した4C分析も参考にしながら、それぞれのフレームワークを活用して有効なマーケティング戦略を立てましょう。

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