BtoBマーケティングについて|手法や戦略の流れもあわせて解説
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BtoBマーケティングについて|手法や戦略の流れもあわせて解説

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BtoBマーケティングについて|手法や戦略の流れもあわせて解説

記載されている内容は2021年08月25日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日:2021年08月25日

更新日:2022年03月03日

企業対企業の見込み客獲得や売上アップにつなげる戦略や活動としてBtoBマーケティングがあります。BtoBマーケティングのさまざまな手法や戦略を説明します。またBtoBマーケティングを活用して成功した事例を紹介しますのでBtoBマーケティングに役立てください。

BtoBマーケティングについて4つ

BtoBマーケティングについて|手法や戦略の流れもあわせて解説
※画像はイメージです

BtoBマーケティングとは、企業を対象にして商品やサービスを作ったり、情報を届けたりして売り上げに結びつく営業活動をするビジネス戦略のことです。

BtoBマーケティングの下記4つの項目について詳しく解説します。

・注目される背景
・BtoCマーケティングとの違い
・BtoCとの共通すること
・営業戦略に違いはある?

1:注目される背景

BtoBマーケティングが注目される背景についてみていきましょう。BtoBマーケティングが注目される背景は下記2つです。

・ITが発達して情報収集がしやすい
・市場の熟成による変化

ITが発達して情報収集がしやすい

BtoBマーケティングが注目される背景の1つが、ITの発達により情報収集がしやすくなったことです。商品やサービスの情報を提供する企業側の担当者は、インターネットやスマホを利用します。

また商品やサービスを購入する企業側の担当者もインターネットやスマホで商品やサービスを選んだり、情報を集めたりしているのが現状です。

そんな環境下では提供する企業側がITを使い情報発信すれば、個別に訪問といった営業活動より効率がよくなります。つまり、ITが発達したことで提供する企業側が売り上げに結びつく戦略として効果があるため、BtoBマーケティングが注目されているのでしょう。

市場の熟成による変化

BtoBマーケティングが注目される背景の2つ目が、市場の熟成による変化です。

従来は商品やサービスと情報を届けるときには、訪問したり電話したりする営業活動や、接待する形などで信頼関係を高め受注に結びつける方法でした。

多くの商品が市場にある中では、従来型のやり方で活動しても受注に結びつけることが難しいのです。そこで効率よく営業活動ができるBtoBマーケティングが注目されるようになったのでしょう。

2:BtoCマーケティングとの違い

BtoBとBtoCマーケティングでは、商品やサービスと情報を提供する相手が企業か個人かによって違います。BtoBマーケティングは提供する相手が企業です。

一方BtoCマーケティングは相手が一般的な個人の消費者になります。つまり、BtoBマーケティングは企業対企業間の営業活動で、BtoCマーケティングは企業対個人消費者間の営業活動になるのが違いです。

3:BtoCとの共通すること

BtoBとBtoCマーケティングで共通することは下記3つです。

・ターゲットを絞る
・提供する相手を知る
・商品やサービスの情報を提供する時期が大切

ターゲットを絞ることで提供する商品やサービスが決まることはBtoBとBtoCでは同じになります。提供する相手を知ることで価値のある商品やサービスが届けられるのも共通です。また、BtoBとBtoC共に商品やサービスを提供するタイミングが大切になります。

4:営業戦略に違いはある?

BtoBとBtoCでは営業戦略が違います。 BtoBの場合は、提供する商品やサービスが他社より優れていることをアピールする営業活動が始まりです。

購入側は、アピールされた商品やサービスを社内で検討して買うか買わないか決めます。つまり、BtoBの営業の流れはアピール---->購入側の担当者が検討--->社内で承認を得る--->購入といった流れです。

一方、BtoCの場合は、商品やサービスをアピールすることは同じですが、社内で承認を得る必要がなく即購入の流れになります。

つまりBtoBとBtoCでは、買うか買わないかの決定の仕方が違うのです。BtoBは部署内の承認が必要であり、多くの人で決定します。BtoCは個人または家族単位になるため、購入決定が少人数です。

またBtoBの場合は、アピールが何回も必要になるケースもあります。BtoCの場合は、ほとんど1回のアピールで決まることが多く戦略が違うと言えるでしょう。

BtoBマーケティングの手法13選

BtoBマーケティングの手法についてみていきましょう。BtoBマーケティングの手法には下記13項目があります。

・Web広告
・オフライン広告
・コンテンツマーケティング
・動画の活用
・自社の利益につながるCRM
・カスタマーサクセス
・アカウントベースドマーケティング(ABM)
・ホワイトペーパー
・関連するセミナーやウェビナーの開催
・カンファレンス
・テレアポ
・メールマーケティング
・展示会への出展

1:Web広告

BtoBマーケティングの手法「Web広告」についてみていきましょう。Web広告には下記4つの方法があります。

・SNS広告
・ディスプレイ広告
・リスティング広告
・リターゲティング広告

SNS広告

インターネット上のサービスInstagram・Twitter・Facebookを使って広告を出すのがSNS広告です。

SNSを利用している人は多くいます。そんなSNSを使って商品やサービスなどの情報を発信することで、日常的に多くの人に効率よく宣伝することが可能です。SNS広告は意図しなくても自然に情報が届けられるため、BtoBマーケティングの手法として使われるのでしょう。

ディスプレイ広告

WEBサイト上に画像・動画・テキストの宣伝を載せたりバナーで宣伝したりするのがディスプレイ広告です。

画像・動画で宣伝できるため、印象に残りやすい宣伝ができます。ですが、興味のないサイトには訪れない人もいるためSNS広告よりユーザーが限定されるでしょう。そのため、多くの人に興味や関心を持ってもらえる内容でWEBサイトに載せることが大切です。

リスティング広告

ユーザーの検索キーワードを活用して宣伝するのがリスティング広告です。キーワードで検索したときのページに表示される広告になります。

ユーザーが興味や関心事で検索したときに宣伝でき、新規見込み客を獲得しやすいため、BtoBマーケティングの手法として使われるのでしょう。

リターゲティング広告

Webサイトの訪問履歴を活用して宣伝するのがリターゲティング広告です。 リスティング広告と同じように興味や関心事のあるユーザーを絞って宣伝できるため、見込み客の獲得にとどまらずに購入に結びつけやすくなります。

またリターゲティング広告は、ユーザーが訪れたサイト内のページも絞れるため、購入といった成果がなくても違うアプローチで宣伝することも可能です。

2:オフライン広告

ネットショップで購入した人を対象として、会報誌や商品カタログなどで宣伝するのがオフライン広告です。

会報誌や商品カタログで宣伝できるため、印象に残りやすくなります。そのため購入に結びつけやすくなり、また紙といったアナログの宣伝になるため、インターネットの利用が少ない人など幅広い年齢層に宣伝でき、BtoBマーケティングの手法として使われています。

3:コンテンツマーケティング

ユーザーが興味のあるものに絞って宣伝するのがコンテンツマーケティングです。つまり、ユーザーが欲しい情報のコンテンツを発信して見込み客を増やしていき、最終的に購入に結びつける手法になります。

コンテンツを発信するためInstagram・Twitterなどのインターネット上のサービス利用や、YouTube動画やブログを使って行う手法です。

4:動画の活用

動画の活用の広告にはインストリーム広告・インバナー広告・インフィード広告・インリード広告があります。

YouTubeの動画内にタイトルと違う形で表示させるのがインストリーム広告です。サイト内にあるバナー広告エリア内に表示させるのがインバナー広告になります。SNSの投稿やコメントと一緒に表示させるのがインリード広告です。

5:自社の利益につながるCRM

見込み客、既存客の志向やニーズなどのデータベースを元に分析して取り組みを行うのがCRMです。

取引実績と意見や要望などをデータベース化しておくことで見込み客、既存客に価値のある宣伝ができ、購入につながりやすくなります。

ですが、結果をだすためには、客の住所などの基本的な情報、接点履歴など多くの入力が必要になり、また意見や要望などが集められる問い合わせフォームなどを作ることが必要になるため、覚えておきましょう。

6:カスタマーサクセス

購入したユーザーが満足するようにサポートするのがカスタマーサクセスです。 つまり、購入した商品やサービスをユーザーが満足できるように継続的にアプローチする手法になります。

この手法により、ユーザーの満足度が上がり信頼関係が築けたり、商品の売上アップにつながったりまたサービスの解約率を低下させられるでしょう。

7:アカウントベースドマーケティング(ABM)

アカウント(企業)をターゲットにしてマーケティング活動するのがアカウントベースドマーケティング(ABM)です。

アカウントベースドマーケティング(ABM)では新製品の差し出し・購入や訪問履歴客の別事業部へ広げる・新規顧客へ広げる・既存商品やサービス強化の4つの取り組みをします。

新製品の差し出しによって売上アップが期待でき別事業部へ広げることで、他部門に大きな影響のある人を見つけることが可能です。

ABMでは、企業データベースを利用して新規顧客に展開できます。既存顧客のニーズや不満などのデータベース化によって既存の商品やサービス強化に活用することが可能です。

8:ホワイトペーパー

企業のサイト上に、ユーザーに価値のあるものや知りたい情報を提供するのがホワイトペーパーです。 サイト内にある「お役立ち情報」などの資料が該当します。

この情報発信により企業のアピールが可能になり、企業のブランド力アップにつながるでしょう。また、「お役立ち情報」エリアにユーザー入力欄を設けることでユーザーの情報収集に役立ちます。

9:関連するセミナーやウェビナーの開催

関連するセミナーやウェビナーの開催とは、セミナーで企業の商品やサービスの説明と利用者の体験談などを紹介して購入に結びつける手法です。 セミナーによってユーザーが企業の技術などを知るきっかけになるなどの効果が期待できます。

10:カンファレンス

BtoBマーケティングの手法「カンファレンス」とは新規の顧客獲得のためにセミナー・展示会やオンラインイベントなどの配信により企業の商品やサービスを知ってもらうことです。

またカンファレンスによって企業のコンセプトや技術なども知ってもらえるため、見込み客獲得に期待ができます。

11:テレアポ

BtoBマーケティングの手法「テレアポ」とは従来型の営業で訪問する企業に電話でアポイントメントをとり商品やサービスを紹介するスタイルの営業活動です。

オンラインなどで商品やサービスを紹介するより、直接会うため顧客の課題や要望が聞けるなどのメリットがあります。

12:メールマーケティング

メールマガジンによって企業の商品やサービスなどの情報を配信するのがメールマーケティングです。

メールマガジン配信は、見込み客を獲得するために多くの企業が利用しています。そのため、すぐには効果が表れづらく継続的な配信が必要になります。

13:展示会への出展

BtoBマーケティングには、セミナーや展示会で自社の商品やサービスと、企業のコンセプトなどを説明する手法があります。

企業側の説明者や関係者が直接顧客の反応を見られるのがセミナーや展示会のメリットです。反応が見られるため見込み客獲得の説明の仕方などを変えて獲得数を増やすことができます。また、事例などが説明できるため顧客に内容が伝わりやすくなるのもメリットです。

BtoBの戦略や活動についての8つの流れ

BtoBの戦略や活動についてみていきましょう。BtoBの戦略や活動の流れは下記8つです。

・ターゲット層の需要を調査する
・売れるための商品づくり
・リードジェネレーションを行う
・リードナーチャリングを行う
・案件を作り商談を行う
・見積りや受注を行う
・新規顧客の維持をする
・既存顧客への満足度の調査をする

1:ターゲット層の需要を調査する

BtoBの戦略では効果的なマーケティングにするために年齢や性別などのターゲット層を絞り込むことが大切になります。

マーケティングでは、商品やサービスを購入したり利用したりしてくれるユーザーのニーズを理解し、それに合った形の宣伝をすることで見込み客の獲得や購入率のアップにつながります。

2:売れるための商品づくり

BtoBの戦略では売れるための商品づくりが大切です。売れるための商品を作るためには、商品やサービスの改善や、他にはない付加価値をつけることも必要になります。

そのためには絞ったターゲットがどんな商品やサービスを要望しているのかなどのニーズを正しく理解しておくことが大事です。

3:リードジェネレーションを行う

ターゲットを絞り売れる商品やサービスを明確にしたら次はリードジェネレーションつまり、見込み客の獲得が大事になります。

見込み客の獲得には、SNSや企業サイトでの宣伝やセミナー・展示会があり、どのような手法でも効率よく行うことが重要です。

4:リードナーチャリングを行う

見込み顧客を獲得したら信頼関係を結ぶリードナーチャリングが大切になります。見込み顧客を獲得しても信頼関係がなければ購入につながりません。

獲得した顧客の要望や課題などを親切に聞き、それらのニーズに合う商品やサービスを提案するなどの信頼関係を築きましょう。

5:案件を作り商談を行う

BtoBの戦略のリードナーチャリングで顧客との信頼関係が築けたら、案件化・商談化につながる活動が大事になります。

案件化・商談化に進めるためには、見込み顧客のニーズ調査をしっかり行い、正しく理解しておくことが重要です。

6:見積りや受注を行う

案件化・商談化に進めたら次は見込み客に対して商品やサービスの金額、数量、工程期間などの見積りを行い受注につなげることが大事です。

契約後に内容が違う、提示された工程期間が長いなどのトラブルを避けるために見積り書の提示が必要になります。

7:新規顧客の維持をする

見積り書を提示して見込み客を獲得したら、リピーターになってもらえるように維持活動することがBtoBマーケティングでは大事になります。

1度購入した後も企業の商品やサービスを買ってもらい売上アップにつなげるため、獲得した顧客が離れないようにする活動が大事です。

8:既存顧客への満足度の調査をする

売上アップには、獲得した顧客に企業の商品やサービスの満足度を調査することも大切です。調査によって改善や課題が明確になり、商品やサービスの品質の向上とともに、顧客の満足度アップにつながります。

BtoBの始める方法

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BtoBを初めて活用するときには、何から始めていいのか迷う方もいるでしょう。そんな方にリードジェネレーションがいない場合とリードジェネレーションがいる場合の進める方法を説明します。

リードジェネレーションがいない場合の進める方法

リードジェネレーションがいない場合つまり、提供する相手が決まっていないあるいは、獲得が見込めない場合は、相手が何か要求しているかなどの調査ができません。

その場合は、新規に獲得するためのリードジェネレーションを始める必要があります。 リードジェネレーションによって獲得したい見込み客の欲しがっているものや要望しているものを知るための調査を行えばいいのです。

その調査によって商品やサービスを提供できる見込み客のニーズに合っているように訂正したり、改良したりといった検討をすればいいでしょう。

リードジェネレーションがいる場合の進める方法

リードジェネレーションがいる場合つまり、提供する相手の獲得が見込める場合は、相手の要望や欲しいものの調査ができます。

提供する相手の要望や欲しがっているものつまり、相手のニーズが分かりそれに合わせて商品やサービス作りが可能です。 つまり、リードジェネレーションがいる場合はいない場合より効率よく活動がしやすくなるでしょう。

マーケティングオートメーション(MA)の活用

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リードナーチャリングのメリットと機能についてみていきましょう。 リードナーチャリングのメリットは下記3つです。

・見込み顧客の購入チャンスを逃がさない
・新規見込み客獲得に時間と労力が少なくなる
・見込み客獲得と売上アップにつながる

リードナーチャリングは、一元管理機能がありユーザー情報が一元管理できるため見込み顧客の購入チャンスを逃がしません。

リードナーチャリングのメール配信機能によって新規ユーザー獲得に時間と労力が少なくなります。スコアリング機能があり受注確度の高い顧客を絞り込むリストが作れて営業が利用できるため、購入率が上がるのがメリットです。

リードナーチャリングの一元管理機能のユーザー情報は、セミナーや展示会に訪れた人や企業のサイトからの問い合わせや資料を請求した人から集めることができます。

メール配信機能は、顧客の関心や興味などの志向の情報を基に自動的に配信することが可能です。スコアリング機能はメルマガの反応やセミナーや展示会に訪れた履歴からスコアリングできます。

BtoBのマーケティング事例

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BtoBのマーケティングには、Web広告、リターゲティング広告、コンテンツマーケティングなど事さまざまな手法があります。ここでは、それらBtoBのマーケティングの手法を使って成功した事例を紹介します。

従来型かあら脱却して問い合わせ数と受注率の向上をした事例

愛知県豊川市に本社がある「トヨコン」の包装設計課・物流企画課・システム販売課・購買課の従来型の営業活動から脱却して受注率の向上をした事例です。

包装設計課では、顧客に要望や課題をヒヤリングするスタイルの営業に変え、物流企画課では物流現場の課題に寄り添うような営業活動にしました。

「トヨコン」が従来型のルート営業やアポイントメントをとって企業を訪問して商品やサービスを売り込む営業スタイルを、顧客一人ひとりに向き合うスタイルに変えて問い合わせ数と受注率の向上をした事例になります。

MAを活用して新規加盟店を拡大した事例

LINE Payが簡単、便利、安全なキャッシュレス決済であることをマーケティングして新規加盟店を拡大した事例です。

LINE Payは立て替えた分の料金を簡単にしかも、手数料なく友達に送れるため割勘に便利に使えます。さらに支払いが簡単なことに加えていつでもどこでも簡単にチャージできるなどのマーケティングによって新規加盟店を拡大した成功の事例になります。

BtoBマーケティングのトレンドを参考に取り入れよう

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※画像はイメージです

BtoBマーケティングには、Web・SNS・ディスプレイ・リスティング・オフラインなど広告を活用した見込み客獲得から購入につなげる手法があります。

またコンテンツマーケティング、アカウントベースドマーケティング(ABM)、ホワイトペーパー、メールマーケティング、関連するセミナーやウェビナーの開催といった手法があり、見込み客獲得に効果が期待できるでしょう。

企業の業種などにより、手法の効果の表れ方に違いがあります。企業対企業のマーケティングの戦略として注目されているBtoBマーケティングのトレンドを取り入れましょう。

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