プロモーション戦略ってどうやるの?4つの手法とポイントについても紹介
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初回公開日:2021年08月25日
更新日:2024年05月31日
プロモーション戦略って?
プロモーション戦略とは、顧客に商品やサービスを購入してもらうための活動です。
プロモーション戦略の具体的な手法は、新聞の折り込みチラシやポスティング、比較的新しい手法でいえばSNS広告などです。
販売戦略の一環としての販売促進活動を、プロモーション戦略と呼びます。
マーケティングとの違い
プロモーション戦略はマーケティングの一部です。企業はマーケティングの一環としてプロモーション戦略を行い商品やサービスを販売します。
要するに、商品やサービスを販売するための活動をマーケティングと呼び、マーケティング手法の一つとしてプロモーション戦略があります。
マーケティングには、プロモーション戦略の他にPRや広報、ブランディングなどがあります。プロモーション戦略も含めて、このような活動すべてをマーケティングと呼びます。
企業がプロモーション戦略を行う重要性
商品やサービスを消費者に買ってもらうためには、プロモーション戦略が必要になります。消費者に商品を認知させ、購買意欲を高めなければ商品は売れません。
プロモーション戦略を行って消費者に商品を知ってもらい、さらには購買意欲を高められれば商品を買ってもらえます。
企業がプロモーション戦略を行う理由は、多くの消費者に商品を効率よく販売するためです。
プロモーション戦略で重要なマーケティングの4Pと3Cとは?
プロモーション戦略では「4P」と「3C」といったフレームワークを活用します。プロモーション戦略は「4P」と「3C」をうまく組み合わせることで効果的な施策が行えるからです。
この項目ではマーケティング手法のフレームワークである「4P」と「3C」について具体的にご紹介します。
4Pについて
「4P」とは「Product:プロダクト(製品)」「Price:プライス(価格)」「Place:プレイス(場所)」「Promotion:プロモーション(活動)」の4つの単語を表すマーケティング用語です。
具体的に説明すると、Product(プロダクト)は販売する商品やサービス、ブランディングなどの意味になります。Price(プライス)は商品やサービスの価格、支払い方法などです。
Place(プレイス)は、商品やサービスの販売場所や流通ルートを意味します。Promotion(プロモーション)は販売促進活動や広告、宣伝などです。
これらの要素を使って企業はマーケティング戦略を行います。
3Cについて
「3C」とは「Customer:カスタマー(顧客)」「Competitor:コンペティター(競合)」「Company:カンパニー(自社)」の3つの単語を意味するマーケティング用語です。
マーケティング戦略では顧客・競合企業・自社の3つを比較、分析して現状を見極めます。そのうえで4Pと3Cを組み合わせれば効果的な戦略を立案できます。
プロモーション戦略の主要な4つの手法とは?
プロモーション戦略の基本的な手法は4つあります。プロモーション戦略はターゲットにする客層や市場によって手法を変えます。
この項目では、プロモーション戦略の4つの手法を具体的にご紹介します。
1:顧客に直接アプローチする
プロモーション戦略には、顧客に商品やサービスを直接販売する手法があります。
具体的には、店頭での実演販売や企業への訪問営業、展示会での接客などです。おもな目的は、顧客の購買意欲を促進したり、商品やサービスの理解度を高めたりすることです。
直接顧客と顔を合わせるため、企業や商品の信頼性を向上させる効果も期待できます。
2:商品やサービスを実際に試してもらう
プロモーション戦略には、顧客に商品やサービスを試してもらう手法があります。
商品やサービスを顧客に試してもらうプロモーション戦略は、広告などのプロモーション戦略より購買に繋がりやすい手法です。
たとえば、顧客が商品を実際に使用できるサンプルやノベルティを配布する手法は、商品の魅力をダイレクトに伝えられます。
このような手法は、商品やサービスを購入してもらうことがおもな目的です。その他に商品の理解度を高めたり、顧客との良好な関係を築いたりする目的もあります。
3:インターネットやテレビを活用する
インターネットやテレビに商品の「広告」を掲載する手法もプロモーション戦略です。プロモーション戦略の中ではもっとも一般的な手法といえます。
テレビやインターネットへの広告掲載はコストがかかりますが、多くの人に商品を認知してもらえるメリットがあります。
具体例は、テレビCMやインターネットのリスティング広告などです。最近ではSNS広告に力を入れている企業も多くあります。
直接的な販売促進が目的ではなく、商品の認知度を高めることがおもな目的です。
4:メディアや口コミなど第三者のプロモーション効果を利用する
プロモーション戦略には、メディアや口コミなど第三者のプロモーション効果を利用する手法もあります。
たとえば、インフルエンサーによる口コミで商品を宣伝する方法です。他には自社の商品をプレスリリースで配信して、メディアを使って商品を宣伝する手法などがあります。
販売元ではない第三者が商品を宣伝することで、商品やサービスの信頼度を高められます。またコストを少なく商品を宣伝できることもメリットです。
プロモーション戦略のポイント7つ
プロモーション戦略を効果的に行うには、さまざまなデータや調査の結果を分析し、プロモーションの目的を明確化することが大切です。そのうえで効果的な手法を組み合わせてプロモーション戦略を行うと高い効果が期待できます。
この項目では、効果的にプロモーション戦略を行うためのポイントを7つご紹介します。
1:市場の調査を徹底して行う
市場の調査を徹底して行うことでターゲットのニーズを見極められます。
ターゲットのニーズを明確にしないことには、売上の期待ができる商品やサービスを販売できません。どんなに優れた商品でも消費者ニーズを満たしていなければ売れないため、ターゲットのニーズを知ることがプロモーション戦略では重要です。
市場へのアンケートやサンプリングの配布などで市場調査をして、ターゲット層のニーズを明確にしましょう。
2:結果を分析し戦略を改善していく
プロモーション戦略によって得られた結果を分析して戦略を改善していくことで、循環型のプロモーション戦略を行えます。
プロモーション戦略は結果を分析して、戦略を立案し、再び結果を分析します。この繰り返しによってより効果のあるプロモーション戦略を行えます。
たとえば、結果を分析することでターゲット層にずれが生じているのが分かったり、消費者ニーズがより明確になったりします。
商品やサービスの売上を伸ばすためには、プロモーション戦略の結果を分析して次のアプローチを改善することが重要です。
3:ターゲットを明確化する
プロモーション戦略では、ターゲットの選定が最重要ポイントです。ターゲットを明確にしなければ効果的なプロモーション戦略を行えません。
ターゲットを明確化すると的確なプロモーション活動ができ、商品やサービスの購買に繋げられます。
たとえばターゲットを「30代の男性」と設定するより、「既婚者の会社員・30代男性」とより詳細に設定したほうが、消費者の心に響くプロモーション戦略になります。
ターゲットを明確にすると消費者の購買意欲を高められるプロモーション戦略を行えます。
4:複数のプロモーション施策を組み合わせた戦略を立てる
プロモーション戦略は、複数の施策を組み合わせることで相乗効果を期待できます。
たとえば、テレビCMに商品を掲載して、消費者への認知度を高めます。認知度が高まったら商品を販売している店頭などでサンプリングを実施して、消費者に商品を使ってもらいます。この段階で消費者に商品の魅力が伝われば、売上に繋がる可能性が高まります。
このように複数のプロモーション戦略を組み合わせることでより効果的な施策を行えます。
5:事実に基づいたデータを収集・分析する
プロモーション戦略は、事実に基づいたデータを収集・分析することが大切です。
予想や仮定といった不確かな材料を反映させたデータには確実性がありません。そのような不確実なデータを使ったプロモーション戦略では、効果を得られる根拠が曖昧です。
事実に基づいたデータを根拠にすることでプロモーション戦略の効果を期待できます。
6:目的を明確化する
プロモーション戦略の立案は、目的を明確にすることがスタートです。
そもそもプロモーション戦略をする目的が明確でなければ緻密な戦略は立てられません。目的を明確にするには「3C」を活用するのが一般的です。顧客と市場、自社を比較・分析することで目的を明確化でき、ターゲットやプロモーション戦略の方向性を決められます。
プロモーション戦略を立てるには、まず目的を決めることから始まります。
7:BtoCとBtoBの視点に分けて考える
プロモーション戦略では「BtoC」と「BtoB」を分けて考えましょう。「BtoC」と「BtoB」では販売対象が異なるため、別々のプロモーション戦略を考えなければなりません。
たとえば、一般消費者を対象とする「BtoC」では、商品やサービスの認知が重要な要素です。
一方、企業を対象とした「BtoB」では、認知度アップを狙ったプロモーションの効果は期待できません。企業は一般消費者より絶対数が少なく、顧客としての数が限定されてしまうからです。
「BtoC」と「BtoB」では別の視点でプロモーション戦略を立てる必要があります。
プロモーション戦略を立案する際の注意点3つ
プロモーション戦略では「他のマーケティングミックスと整合性が取れているか」「顧客の態度変容モデル(AIDMA)とリンクしているか」「ターゲティング・ポジショニング(STP)と整合性が取れているか」の3つが重要です。
この項目ではプロモーション戦略を立案する際の注意点を具体的にご紹介します。
1:他のマーケティングミックスと整合性が取れているか
プロモーション戦略を成功に導くためには、マーケティングミックスと整合性を取ることが大切です。
とくに商品と価格、販売場所に一貫性を保つことが重要になります。この3つは密接に関係しているため、整合性がないと顧客は不安になります。
商品と価格、販売場所に一貫性が保たれていれば消費者は不安なく商品を購入できます。
2:顧客の態度変容モデル(AIDMA)とリンクしているか
プロモーション戦略を立案する際には、プロモーション戦略の手法と顧客の態度変容モデル(AIDMA)がリンクしていなければなりません。
顧客が商品を購入するには段階があります。まず商品を認知してもらうのが第一ステージです。
第二ステージでは顧客に商品に対する興味を持ってもらい、第三ステージではプロモーションなどによって顧客の購買意欲が高まり、商品を購入してもらえます。
プロモーション戦略を立案するときは、顧客がどのステージにいるのか把握して、顧客の態度変容モデルにリンクしたプロモーションを行いましょう。そうすることで効果的なプロモーション戦略を行えます。
3:ターゲティング・ポジショニング(STP)と整合性が取れているか
プロモーション戦略では、ターゲティング・ポジショニング(STP)の整合性が取れているかも大切です。
なぜなら狙いを定めたターゲット層とプロモーション戦略が噛み合わなければ効果的な施策にならないからです。
たとえば、テレビをあまり見ない20代の男性をターゲットにした場合、テレビCMのプロモーション戦略を行っても効果を期待できません。
20代の男性がターゲットの場合には、20代のユーザーが多いSNSなどに広告をだすことがターゲティング・ポジショニングの整合性が取れていることになります。
このようにターゲット層とプロモーション戦略の整合性が取れていれば効果的なプロモーション戦略になります。
プロモーション戦略について理解を深めよう
マーケティング活動の一環であるプロモーションは、商品やサービスを販売するための重要な戦略です。
また、プロモーション戦略を行う際には循環型のアプローチが効果的です。施策を施して結果を分析し、より効果的な戦略を再び行うといった流れを作ることで商品の売上を伸ばせます。
プロモーション戦略の理解を深めるとマーケティングの理解も深まります。プロモーション戦略を学んで日々のマーケティング業務に活かしましょう。