マーケティング・コンセプトの意味とは?歴史や活用事例もあわせて紹介
用語・フレームワーク
マーケティング・コンセプトの意味とは?歴史や活用事例もあわせて紹介

Share

Facebook
Twitter
はてな

マーケティング・コンセプトの意味とは?歴史や活用事例もあわせて紹介

記載されている内容は2021年08月25日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日:2021年08月25日

更新日:2024年05月31日

需要より供給が上回った結果、ものがあふれて環境問題の原因になったといわれています。その需要と供給について詳しく知りたいという方も多いのではないでしょうか。この記事ではマーケティング・コンセプトについて紹介します。興味がある方はぜひご覧ください。

マーケティング・コンセプトの意味とは?

マーケティング・コンセプトの意味とは?歴史や活用事例もあわせて紹介
※画像はイメージです

マーケティング・コンセプトとは、企業のマーケティングに対するとらえ方やモットーのことを表します。

マーケティング・コンセプトは時代と共に変化を遂げて、5つのタイプの志向が生まれました。これからマーケティング・コンセプトの歴史や種類、活用事例などをたどりながら、理解を深めていきます。

プロダクトアウト

企業が消費者のニーズより、企業側の意向を優先して製品開発を進めていく考え方のことを、プロダクトアウトといいます。

時代によって需要と供給に変化が生じ、多くの企業が需要に応じたサービスや製品を提供できるようになったことにより競争が激しくなったため、更なる品質向上を目指して製品開発に力を入れる結果となったのです。

マーケットイン

マーケットインとは、プロダクトアウトと真逆で、消費者の需要に合わせたサービスや製品を提供しようとすることを指します。

日本はバブル崩壊後、景気が悪化し高度経済成長期の時ほど、ものが売れなくなってしまいました。そこで、消費者のニーズを調査し必要なものを作ろうという「マーケットイン」という考え方が誕生したのです。

マーケティング・コンセプトの歴史について

マーケティング・コンセプトの意味とは?歴史や活用事例もあわせて紹介
※画像はイメージです

マーケティング・コンセプトをしっかりと理解するためには、マーケティング・コンセプトの変遷の歴史を知る必要があります。

企業から顧客、そして社会へと、時代の流れに沿って視点が変化していったといわれていますが、その変遷理由と変遷過程について、これから解説していきます。

マーケティング・コンセプトにおける5つの志向

マーケティング・コンセプトの意味とは?歴史や活用事例もあわせて紹介
※画像はイメージです

マーケティング・コンセプトの歴史の変遷をたどっていくと、以下の5つの志向に分けられます。時代によって、必要とされるマーケティング・コンセプトが活用されてきた歴史があるためです。

これより、この5つの志向について更に詳しく説明を加えていきます。

1:製品志向について

需要と供給のバランスが保たれてくると、消費者はより質の高いサービスや製品を求めるようになります。こういった消費者志向のことを、製品志向といいます。

ものが不足していた時代には、製品を比較して購入する余裕などなかったため、企業側も作れば売れるという状態で消費者のニーズなど気にする必要はありませんでした。

ところが、消費者の需要に供給が追いつき、製品を比較検討する余裕ができるようになったために、製品志向が必要になったのです。

2:生産志向について

生産志向とは、需要に対して供給が不足している等の理由から、品質よりも生産力を重要視する考え方のことで、マーケティング・コンセプトの起点ともいえます。

戦後の日本がまさにこの状態で、高度経済成長期のような需要に対して供給が不足している時に起こりやすいマーケティング・コンセプトです。品質に関係なく作れば売れたため、企業にとって、ものを売ることが楽な時代だったのです。

3:顧客志向について

前述の製品志向や生産志向が、企業側の視点に立ったマーケティング・コンセプトであるのに対し、真逆の消費者側の視点に立ったコンセプトのことを顧客志向といいます。

つまり、消費者の心理や行動特性について理解し、需要を生み出す努力が企業側に求められるようになってくるのです。

4:社会志向について

社会志向とは、従来の消費者に応えるコンセプトとは異なり、社会全体を視点に入れたマーケティング・コンセプトのことです。

生産志向の時代に起こった大量生産の影響により、環境汚染の問題も出てきました。これも消費を停滞させる原因の一つと考えられています。

こういった環境問題や福祉に関することなど、社会全体をまとめて視点に入れたマーケティング・コンセプトがこれから求められてくるのです。

5:販売志向について

需要の供給不足が改善され、次第に消費者のニーズが満たされた結果、今度は逆に需要より供給が上回ってしまうという事態になってしまいます。企業は過剰在庫をどのように販売するか、考えなくてはなりません。

従来同様に、良い製品を作り続けるという生産力に加えて、消費者の購買意欲を高めるための活動が必要になってきます。これが販売志向というマーケティング・コンセプトなのです。

マーケティング・コンセプトを活用した4つの事例

マーケティング・コンセプトの意味とは?歴史や活用事例もあわせて紹介
※画像はイメージです

マーケティング・コンセプトについてこれまで解説してきましたが、今後、企業はどのようなマーケティング・コンセプトを展開していくのでしょうか。

これより、マーケティング・コンセプトを上手く活用して成功させてきた実績のある4つの事例について紹介していきます。

1:今までと違う商品価格を出したことによる事例

コンビニ大手のセブンイレブンでは、「セブンプレミアム」という独自のプライベートブランドを立ち上げ、消費者のニーズに合わせて通常の商品とは違った価格帯のものを発売しました。

従来のプライベートブランドでは、低価格重視の傾向が見られましたが、セブンイレブンは消費者の生活のニーズに焦点を当てました。手頃な価格のものから高級な商品まで、幅広い展開によりお客様から高い支持を得ています。

2:環境問題について考えられた事例

「コカ・コーラ」でおなじみの日本コカ・コーラ株式会社では、環境問題に配慮して「100%リサイクルペット」を使用しています。

100%リサイクルペットとは、サスティナブルという環境に優しい素材を使用したペットボトルのことで、コカ・コーラシリーズや「い・ろ・は・す」、「ジョージア ジャパン クラフトマンメッセージボトル」に使用されています。

使用済みのペットボトルを再生し、もう一度新しいペットボトルへと生まれ変わらせ再利用する「ボトルtoボトル」という取り組みを推進し、廃棄物ゼロ社会を目指しているのです。

3:ニーズに答えることで市場シェア率が高まった事例

ヘアサロンに行きたいのに時間がない、ヘアカット代を浮かせたい、お洒落なヘアサロンは敷居が高くて入りにくいなど、そんな消費者が求めている要望に応えて誕生したのがヘアカット専門店「QB HOUSE」です。

従来のヘアサロンでは、シャンプー・カット・ヘアブローまで全てやってもらえますが、その分費用も割高なうえに、時間も掛かります。

シャンプーやブローは自分でもできますが、自分でカットするのは難しいものです。そこでカットだけ提供するという「QB HOUSE」は、消費者のニーズに見事にマッチしたケースだといえるでしょう。

4:安全性や品質が高く消費者が購入しやすい事例

消費者が商品を購入する際に特に重要視するのが、品質の高さと安全性です。ユニクロは「究極の普段着」というコンセプトを元に、品質の高い着心地の良い服を提供することを目指しています。

特にユニクロのニットは、素材の良さを生かしながら、高い耐久性や美しい縫製、肌あたりの良さなど、着る人のことを考えて作られているのです。

その他にも、ベビー服はデリケートな赤ちゃんの肌のことを考えて、素材など細部にまでこだわって作られているため、安心して使用できます。

マーケティング・コンセプトへの理解を深めよう!

マーケティング・コンセプトが時代の流れと共に、変化を遂げてきたことがわかりました。

今後はどのように変化していくのか、企業は常にアンテナを張って消費者のニーズを把握し、消費者から選ばれるための企業努力が必要となってくることでしょう。

Share

Facebook
Twitter
はてな

RELATED