経営戦略に役立つフレームワーク24選|経営計画と事業戦略との違い
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経営戦略に役立つフレームワーク24選|経営計画と事業戦略との違い

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経営戦略に役立つフレームワーク24選|経営計画と事業戦略との違い

記載されている内容は2021年08月25日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日:2021年08月25日

更新日:2022年03月03日

事業の成長のためのフレームワーク24選をご紹介します。数多くのフレームワークですが、現在あなたの企業や事業が抱えている、問題点や課題と照らし合わせてそのフレームワークを活用するかの参考にしてみてください。今後の事業成長に役立つでしょう。

経営戦略とは?

経営戦略に役立つフレームワーク24選|経営計画と事業戦略との違い
※画像はイメージです

「経営戦略」という言葉は、経営にあたって何度も使う言葉でしょう。経営戦略を簡単にいうと経営をしていく上での戦略のことを指します。

ここでは、経営戦略について詳しく説明していきます。

経営計画との違い

「経営戦略」は、企業同士が競争していく環境内でどのように生き残り、そして企業の成長を図るかの、方針や計画のことをいいます。

「経営計画」は、経営戦略で企業の目標を設定した後、目標を達成するために必要なものです。

「経営計画」を作ることによって、目標を社内で共有することが可能です。そうすると、社員同士で同じ目標に向かって仕事と向き合うことができます。一体感が生まれてお互いに協力しやすい環境作りにもなります。

事業戦略との違い

「事業戦略」は、事業ごとの部門別に定める目標のことをいいます。また、同時に目指す内容のことも指し「月間で顧客を200人ずつ増やそう」などというのも事業戦略です。

「経営戦略」は、企業としての指針となる内容を指します。

具体的には「こういう企業でありたい」「これを大事にしたい」などといったものです。経営戦略があって、その中でさらに事業計画を立てる、という流れです。

経営戦略に役立つフレームワーク24選

経営戦略に役立つフレームワーク24選|経営計画と事業戦略との違い
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多くのフレームワークがどんどん活用されている世の中ですが、ここでは、厳選された24種類のフレームワークを紹介します。経営戦略を立てていくにあたり活用できるものばかりです。ぜひ参考にしてください。

1:バリューチェーン

バリューチェーンとは、製品製造、販売、またそれらを支える開発や労務管理などの活動を連鎖として捉える考え方です。

まず、競合企業と比較して自分の企業の強みや弱みを分析し、のちに事業戦略の改善策を探っていく、というフレームワークです。

2:サービス・プロフィット・チェーン

顧客満足や従業員満足、企業利益の因果関係を示すものが、「サービス・プロフィット・チェーン(SPC)」です。

販売などのサービス業や、接客業には特に有効と考えられているフレームワークです。「7つの段階」に企業の活動を分類して考えます。それぞれの活動を循環させることで企業収益の改善を可能にすることが目標です。

3:バリューポートフォリオ

これは、バリューの「価値」とポートフォリオの「作品集」という意味を掛け合わせた言葉です。金融業界でポートフォリオは、「金融資産の一覧」という意味もあります。

このバリューポートフォリオは、企業の事業に対しての価値を、様々な視点で評価する際に使用します。具体的には、事業の撤退や再構築について、各事業の分析をします。

4:デコンストラクション

デコンストラクションとは、日本語では脱構築という意味です。つまり既存の構造を一度壊し、再度構築することをいいます。経営を行う上で必要な様々なシチュエーションを、異なる視点で観察し分析します。

デコンストラクションによって新規事業や新しいビジネスモデル、ビジネスの大幅な見直しを実現できる可能性があります。

さらにいえば、既存のビジネスモデル、既存の流通チャネル、既存のバリューチェーンを多角的な視点で見直すことによって変革を起こすこともできます。

5:VSPROモデル

VSPROモデルは、理想とするマネジメントシステムと現状のマネジメントの問題点を比較し、分析します。

まず、現状のVSPROモデルを構成要素ごとに分析して、改善点を割り出していきます。構成要素は、Vision(ビジョン)、Strategy(ストラテジー)、Process(プロセス)、Resource(リソース)、Organization(オーガニゼイション)です。

VSPROは、各構成要素それぞれの頭文字で、このマネジメントの5つの構成要素で分析していきます。

6:PEST分析

PEST分析とは、政治、経済、社会、技術といった視点から分析するフレームワークのことをいいます。この4つの視点で、外部の環境にある事業へのプラスやマイナスを与える要因を整理します。そして、影響度を評価します。

マーケティング分野の第一人者といわれる人が、PEST分析を考案したといわれています。

7:SWOT分析

SWOT分析は、内部環境と外部環境それぞれの要素を抽出して現状を分析する手法です。

強み(Strength)のS、弱み(Weakness)のW、機会(Opportunity)のO、脅威(Threat)のTとそれぞれの頭文字をつなげてSWOTとなります。

「内部環境」と、「外部環境」の要素をプラス面とマイナス面に分けて分析を行います。事業の可能性や自覚のなかった強みに気づくことのできる古典的な方法です。

8:コアコンピタンス分析

コアコンピタンス分析とは、企業の中心(コア)になって、他の企業より勝っている部分や技術(コンピタンス)を分析するフレームワークです。

自社の「強み」と「弱み」やそれぞれの「機会」と「脅威」を分析するSWOT分析などを行う際に同時に使用する場合もあります。

9:VRIO分析

VRIO分析とは企業の経営資源の観点から事業を、客観的に評価します。

Value(経済的な価値)、Rareness(希少性) 、Imitability(模倣可能性)、Organization(組織)の頭文字でVRIO分析です。この4つの要素は、他社より優位な位置を確保するために重要なものです。

自社のビジネスモデルは、経営資源の観点から見て強みになっているのか、弱みになっている場合はどう強みに変えるか、を考える際に使うと良いでしょう。

10:ファイブフォース分析

ファイブフォース分析は、競合社や業界全体の状況と収益構造を明確にして、自社の利益の上げやすさを分析するものです。

新規事業の参入や新ブランドの立ち上げ時などに、どの程度の収益が見込めるかなどを検証するのに役立ちます。

11:PPM分析

PPM分析とは、「市場成長率」と「市場占有率」の2つの軸に、事業や製品やサービスを分類して、経営資源をどの事業にどの程度分配するかを判断するためのフレームワークです。

戦略として自社や競合社の事業の立ち位置を確認することに役立ちます。

自社事業を、花形(Star)、金のなる木(Cash Cow)、問題児(Problem Child)、負け犬(Dog)の4つのポジションに分けて、自社の事業を把握し、競合企業との格差を認識できます。

12:7S分析

7S分析は、企業戦略において複数の要素の相互関係を表します。各要素がお互いを高め合い、戦略を実行することで優良企業と証明できるとされています。

7Sは、ハードの3S(戦略、組織構造、システム・制度)と、ソフトの4S(共通の価値観、人材、スキル、社風・経営スタイル)に分類されます。

13:3C分析

3C分析とは、Company(自社)、Competitor(競合)、Customer(顧客)をリサーチし、戦略を考えるフレームワークです。この3つの視点から調査し、分析します。

ここから、自社の事業展開に関する課題を探し出す事ができます。

14:4P・4C

4P分析は、「企業側」「売る側」の視点でマーケティングについて考えます。

製品(product)、価格(price)、流通(Place)、販促(Promotion)の、4つの頭文字をとったもので、製品、価格設定、売るまでの流通経路、販促の方法などを「企業側」の視点で考えることが基本です。

4C分析は、「顧客側」や「買う側」の視点でマーケティングを捉えます。

顧客価値(Customer Value)、経費(Cost)、顧客利便性(Convenience)、コミュニケーション(Communication)の4つの頭文字をとったもので、「顧客側」の視点で考えます。

この2つの違いは、「企業側」主体か、「顧客側」主体か、ということです。

15:アイドマ(AIDMA)

AIDMAは、消費者の購買意思決定においての心理的プロセスを仮説として採用します。

Attention(注意)、 Interest(関心)、 Desire(欲求)、 Memory(記憶)、 Action(行動)の頭文字を取ったものです。

消費者の状況を把握、分析して、状況に合わせて適切な方法を検討し実施できます。

16:PDCAサイクル

PDCAサイクル とは、 品質管理等の業務管理においての継続的な改善方法です。 Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、 Act(改善)の4段階を繰り返して改善を試みます。

消費者が商品を認知し、購買に至るまでのプロセスモデルとして、広告などマーケティング手法の選択の際に使われています。

17:5W1H

5W1Hとは思考やコミュニケーションにおいて用いるフレームワークのことです。

When(いつ)、 Where(どこで)、 Who(誰が)、 What(何を)、 Why(なぜ)、 How(どのように)の6つで構成されています。

18:ロジックツリー

ロジックツリーとは、課題をツリー状に分けて、体系的に比較する手法のことで、物事を検討する際に役立ちます。

これを用いることで、論点のズレをなくしたり、原因を見付けられたり、行動の優先順位を付けやすくなります。

19:ビジネスモデルキャンバス

ビジネスモデルキャンバスは、新規ビジネスモデルを考えるにあたって必要な全体像や要素、関係性を把握することに適しています。

顧客セグメント、価値提案、チャネル、関係、 収益の流れ、 リソース、主要活動、パートナー、コスト構造の9つから構造される要素に分けて考え、組織の中で共通の認識を持つための設計図を作り出します。

20:プロダクトライフサイクル(PLC)

プロダクトライフサイクルとは、商品が歩む人生のことです。

どれだけ売れた大ヒット商品も、のちに売り上げが伸びなくなる日が来るでしょう。また、新しい商品が市場に浸透するまでには時間がかかります。この過程には、「4つの段階」があり、この段階をプロダクトライフサイクルとよんでいます。

21:アンゾフの成長マトリクス

アンゾフの成長マトリクスは、事業の成長が伸び悩んだ時に、または新たに成長戦略を模索する時に使うマトリックスです。

「市場(顧客)」と「商品」のそれぞれが、「新規」か「既存」かの2軸に分け、組み合わせて考えます。「アンゾフのマトリックス」や「製品・市場マトリックス」などとも呼ばれます。

22:アドバンテージ・マトリックス

アドバンテージ・マトリックスとは、業界の競争環境を分析するマトリックスです。

競争上の競争要因が多いか少ないか、ある事業の中で優位性を構築する可能性が大きいか小さいかという2つの軸で、世の中の業界を4つのタイプに分けます。

それぞれのタイプによって事業の経済性が異なり、成功の可能性も異なるため細かく分類することが必要です。

23:GEのビジネススクリーン

GEのビジネススクリーンは、自社のリソースをどの事業に分配するかを考えるフレームワークです。

縦軸横軸に分けて、事業のタイプを9種類に分類します。縦軸は「業界の魅力度」、横軸は「業界の地位」を当てはめて考えます。表を利用するため分かりやすく、人気です。

24:ポーターの基本戦略

ポーターの基本戦略は、競争優位を築くためのフレームワークです。業界の中で、どのようにポジションをとり、同業他社との競争に打ち勝っていくのかを考えます。

コスト・リーダーシップ戦略、差別化戦略、集中戦略の3つに分類して、自社が生き残っていくための戦略をたてます。

経営戦略の3つのプロセス

経営戦略に役立つフレームワーク24選|経営計画と事業戦略との違い
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経営戦略についてのフレームワーク24選をご紹介しました。これからは、経営戦略における3つのプロセスについてみていきましょう。

このプロセスを理解すれば、もっと深く戦略をたてられます。

1:外部環境の分析

外部環境の分析は、企業を取り巻く様々な外部の要因・状況に対し、適切な経営戦略を立案していくための分析手法です。分析対象はマクロ環境、市場環境、競争環境の3つに分類されます。

外部環境分析の手法としては、PEST分析や、5フォース分析など、有効なフレームワークがいくつかあります。

企業経営は、外部環境からの大きな影響を受けます。一方で、外部環境をコントロールすることは困難です。外部環境を分析し、経営戦略の立案や企業としての意思決定を適切に行いましょう。

マクロ的な要因を分析することで、社会構造の変化に対して事業として必要な対応ができます。

市場的な要因を分析すれば、経営資源の効果的な配分ができます。社会構造の変化によっては各市場からの撤退等も検討できます。

また、競争的な要因を分析して、市場での戦略を考えます。他社の市場占有率や競合商品の競争力を検討し、投資分野やターゲットとなる購買層を絞り込み、視野を広げていくことが可能です。

2:内部環境の分析

内部環境分析とは、内部環境(経営資源)の分析をして、自社の強みと弱みを明らかにしていく手法です。

内部環境分析を通して、自分たちのことを知ることができます。自社の長所や弱点、その能力のレベルを競争相手と比較し、優位を保つことを目指します。

競合他社より優れているのか劣っているのかを分析し、経営戦略の指針とします。内部環境分析に使われるフレームワークは、様々ですが、SWOT分析が多く用いられています。

自社の強み弱みを挙げると同時に、競合他社複数の強み・弱みも挙げて考えます。ここで必要なことが「客観性」です。分析対象となる項目の設定と、どの視点から分析を行うか、ということが重要になります。

経営能力、技術力、人材、財務力、資産、設備、生産体制、価格競争力などを経営戦略上の要請や財務、生産力などの視点から捉えていきます。

この手法により、自社の弱みが強みだと気づくこともあります。すでに保有している、技術や手続き的知識の再検討も行いましょう。

3:戦略の立案

戦略の立案とは、企業と事業を目標とする、あるべき姿に向かわせるためのマネジメントの方針と計画を策定することです。企業のあるべき姿と合致した経営・事業計画においての、行動を選択しましょう。

また、経営理念に沿って作ることも大切です。経営理念は、経営者から社員全員が共有する、事業活動の根本といえます。

フレームワークを経営戦略に役立てよう!

本記事では、多くのフレームワークをご紹介しました。それぞれの特徴や出てくる結果などを検討して、どのフレームワークを使うか検討しましょう。

今後の成長を見据えて、あなたの企業にも当てはめて活用してみてください。

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