AIDMA(アイドマ)の法則とは?そのほかの消費行動のフレームワーク12選
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初回公開日:2021年08月25日
更新日:2024年05月31日
AIDMA(アイドマ)の法則とは?
AIDMA(アイドマ)の法則とは、消費者が1つの商品を知り、購入するまでの心理的な過程を表した消費者行動分析モデルのことをいいます。また、消費者行動のフレームワークともいわれています。
マーケティングの基本ともいわれているこの法則は、人が何かの商品を買うときに無意識で行っている行動について分析し、5つのステップに分け、各ステップの頭文字をとって、AIDMA(アイドマ)とつけられました。
AIDMA(アイドマ)の5つ仕組み
AIDMA(アイドマ)の法則とは、それらの過程を英単語で表したときの頭文字からできています。Aは「Attention(認知)」、Iは「Interest(興味・関心)」、Dは「Desire(欲求)」、Mは「Memory(記憶)」、Aは「Action(行動)」です。
それぞれのプロセスには、どのような心理行動が表されているのでしょうか。具体的な内容について紹介します。
1:Attention(認知)
1つ目、Aの「Attention(認知)」は、商品を認知することフェーズです。消費者は、まずサービスや物の存在を知ることから、消費行動を進めていきます。
どれだけ良いサービスや物を売りたくても、消費者がその商品の存在を知らなければ、消費行動につながりません。いかに、商品を消費者へ認知してもらえるか、マーケティングにおいて重要なファーストステップとなります。
2:Interest(関心)
2つ目、Iの「Interest(興味・関心)」は、消費者が商品に対し、興味関心を持つフェーズです。認知した後に、「この商品を使用することで、自分の課題解決になるのか」を、消費者自身が考えていきます。
ただ単に認知するだけでなく、自分の問題解決に役立つ商品だとわかることが、このステップでは大切なポイントとなります。ターゲットに対し、どのように役立つのか簡潔に伝えることが大切です。
3:Desire(欲求)
3つ目、Dの「Desire(欲求)」は、消費者が「この商品がほしい」と考えだすフェーズです。ここまでで、消費者は商品に対し、興味は持っていることでしょう。しかし、その興味が、必ずしも購入したいという気持ちにつながるかはわかりません。
このフェーズでは、消費者の心に生まれる疑問や不安を取り除くことがポイントです。この疑問や、不安は、2つ目の「Interest(興味・関心)」を受けて、より深く商品について知ったからこそ生まれるものです。しっかりと対応しましょう。
4:Memory(記憶)
4つ目、Mの「Memory(記憶)」は、消費者が「この商品がほしい」という気持ちを思い出すフェーズです。人は、さまざまな影響を受けながら、生活しているため、強く記憶に残っていないものについては、すぐに忘れてしまいます。
そのため、商品の印象深さも、消費行動につなげる際には大切です。
5:Action(行動)
5つ目、Aの「Action(行動)」は、消費者がその商品を買うという行動を行う最終フェーズです。こちらでは、すでに消費者は購入することを心に決めています。
しかし、購入までのルートや方法などがわかりにくい場合、消費者は購買行動を諦めてしまう可能性があります。そのため、購入までのルートを示してあげることで、スムーズに購買行動ができるよう配慮しておく必要があります。
AIDMA(アイドマ)とAISAS(アイサス)の違い
インターネットやSNSの普及により、消費者の購買行動は変化してきたことにより、新しいフレームワークが誕生しました。それが、AISAS(アイサス)というフレームワークです。
AIDMA(アイドマ)ではなかった、「Search(検索)」や「Share(共有)」の部分がAISAS(アイサス)では追加されました。インターネットやSNSの普及によって、マーケティングのフレームワークにも変化がもたらされたのです。
AIDMA(アイドマ)の具体例
AIDMA(アイドマ)の具体例を化粧品で考えてみましょう。消費者目線では、以下のような流れになります。
1.テレビのCMで毎日1回は必ず目にする(Attention)
2.電車の中刷りで「いつものCMのやつだ」と広告を見つける(Interest)
3.その広告に無料サンプルの案内を見つけ、申込んでみる(Desire)
4.サンプルを取り寄せた顧客限定のダイレクトメールによって、定価より割引されることを知る(Memory)
5.ネットから簡単に買えることを知り、購入する(Action)
AIDMA(アイドマ)では、メディアを上手く利用し、企業側から情報をどんどん展開していく必要があります。
AISAS(アイサス)の具体例
AISAS(アイサス)の具体例を化粧品で考えてみましょう。消費者目線では、以下のような流れになります。
1.ネット広告で新発売の化粧品について知る(Attention)
2.化粧品の特設ページでは、特徴などの情報が公開されていることを知る(Interest)
3.今使っている化粧品との違いなどを知るため、口コミサイトを確認する(Search)
4.口コミサイトを見て買う決心がつく(Action)
5.化粧品を使ってみた感想をSNSなどで投稿する(Share)
AISAS(アイサス)では、企業が展開しているだけの情報ではなく、口コミなどの利用者の声もプロモーションの1つになります。
そのほかの消費行動のフレームワーク12選
AIDMA(アイドマ)やAISAS(アイサス)のほかにも、消費者の購買行動についてのフレームワークがあります。商品のプロモーション活動の内容によってフレームワークを使い分けることで、マーケティング戦略を強化することもできるでしょう。
ここでは、AIDMA(アイドマ)やAISAS(アイサス)以外の消費行動のフレームワークを12個を紹介します。
1:SIPS(シップス)
SIPS(シップス)とは、「共感」「確認」「参加」「共有と拡散」から構成されたフレームワークです。SNSでのマーケティングでよく利用されています。
消費者の購買行動だけでなく、「共感」される数を増やす目的があります。「いいね!」やリツイートなどを数多く獲得できれば、幅広く拡散され、効率よくアピールすることができます。
2:AIDA(アイダ)
AIDA(アイダ)とは、「認知」「興味・関心」「欲求」「行動」から構成されるフレームワークです。企業から個人消費者へ向けたマーケティングで使用されています。
消費行動のフレームワークの基本とされており、AIDA(アイダ)をもとに、ほかの消費行動のフレームワークがつくられたともいわれています。非常にシンプルなステップで構成されているのが特徴です。
3:AIDCA(アイドカ)
AIDCA(アイドカ)とは、「認知」「興味・関心」「欲求」「確信」「行動」から構成されるフレームワークです。高価な商品などの購入に際して、消費者が躊躇してしまっている場合に使用します。
「Conviction(確信)」のステップで、消費者の背中を押してあげることにより、スムーズに「Action(行動)」へ誘導できます。
4:AIDCAS(アイドカス)
AIDCAS(アイドカス)とは、「認知」「興味・関心」「欲求」「確信」「行動」「満足」から構成されたフレームワークです。リピーターを獲得したいときに使用される手法です。
購入だけでなく、その後に商品について満足することで、次の購入へとつながり、効率よくマーケティングを進められます。
5:AIDEES(アイデス)
AIDEES(アイデス)とは、「認知」「興味・関心」「欲求」「購入、経験」「心酔、熱中」「情報共有」から構成されたフレームワークです。こちらは、SNSでのマーケティングで使用されます。
情報共有により、あらゆる消費者への情報の拡散や信憑性の向上が期待されます。しかし、消費者の心に留まらなければ、認知が広がらない恐れもあります。
6:AISA(アイサ)
AISA(アイサ)とは、「認知」「興味・関心」「ソーシャルフィルター」「行動」から構成されたフレームワークです。主にSNSで使用される手法です。
SNSで興味関心の近い人をフォローし、自分から情報を得ようとしなくても、情報を得ることができる「Social Filter(ソーシャルフィルター)」のステップが特徴です。
7:AISCEAS(アイセアス)
AISCEAS(アイセアス)とは、「認知」「興味・関心」「検索」「比較」「検討」「行動」「情報共有」から構成されたフレームワークです。
インターネット上での商品情報を収集したり、似た商品を比較したりして検討を行った上で、購入の意思を固める消費行動が特徴的です。
8:AMTUL(アムツール)
AMTUL(アムツール)とは、「認知」「記憶」「試用」「本格的な使用」「固定客」から構成されたフレームワークです。消費者を固定客として獲得したいときに使用します。
消費者が商品を購入した後の段階が、「Trial(試用)」「Usage(本格的な使用)」「Loyalty(固定客)」というステップで表されていることが特徴的な手法です。
9:ARCAS(アルカス)
ARCAS(アルカス)とは、「認知」「思い起こし」「比較」「行動」「満足」から構成されたフレームワークです。店頭でのプロモーションで活用されるマーケティング手法です。
商品が良いだけでなく、販促POPや誘導によって「Attention(認知)」させることができているか、また接客態度やお店の雰囲気に「Satisfy(満足)」できたかも、重要なポイントとなります。
10:SAIDCAS(サイドキャス)
SAIDCAS(サイドキャス)とは、「検索」「認知」「興味・関心」「欲求」「確信」「行動」「満足」から構成されたフレームワークです。企業対企業のマーケティングで主に用いられる手法です。
インターネットの普及とともに、人々の消費行動が変化したために誕生したフレームワークの1つで、大手のお客様を確保し、サービス需要を広げていく特徴があります。
11:DECAX(デキャックス)
DECAX(デキャックス)とは、「発見」「関係」「確認」「行動」「体験共有」から構成されたフレームワークです。ネット環境の普及によって、消費者自身が情報を取りに行くことが安易になったことにより誕生した手法です。
DECAX(デキャックス)では、消費者が情報を「Discover(発見)」する必要があります。そのため、企業側は、消費者に見つけてもらえるように工夫する必要があります。
12:VISAS(ヴィサス)
VISAS(ヴィサス)とは、「口コミ」「影響」「共感」「行動」「情報共有」から構成されたフレームワークです。主にSNSを活用したマーケティングで使用されます。
SNSの口コミでの認知後、情報発信した人物の影響を受け、商品へ共感し、購入後にSNSでレビューを書く、これらがずっと繰りかえされるのが、このフレームワークの特徴です。
AIDMAを活用するときの3つのポイント
会社の良い商品を、たくさんの人に届けたいという思いで、AIDMA(アイドマ)と睨めっこしながら、マーケティング戦略を考えている担当者の方もいらっしゃるでしょう。
AIDMA(アイドマ)を活用するとき、実は3つのポイントがあります。こちらでは、そんな活用術のポイントを紹介します。
1:認知段階の強化
AIDMA(アイドマ)のゴールは、消費者に最後のA「Acttion(行動)」をさせることです。そのためには、最初のA「Attention(認知)」させることが大切です。スタートさせなければ、ゴールはありません。
ターゲットとなる消費者に向けて、魅力的な商品になるような広告を準備する必要があります。認知段階を強化することで、認知度も高まり、引き込みやすくなります。
2:目標の設定
むやみやたらにフレームワークを使用するのではなく、使用したことによってどれだけの効果を得たいのか、目標設定を行いましょう。目標を定めることで、効果的にAIDMA(アイドマ)の法則が活用できたかを、数値として確認することができます。
また、目標に対する結果を分析することにより、何が課題なのかを洗い出しやすくなるため、次回への改善策を考えることも可能です。
3:消費者に適したコンテンツの提供
AIDMAの効果をより高めるには、消費者に適したコンテンツ提供が必要です。そのためには、どういうターゲット層の消費者なのかを明確にしておくと良いでしょう。
ターゲットを細分化しておくと、ターゲット層に響きやすいコンテンツが作成しやすいです。ターゲット層に響けば、消費行動へつながる確率が高まり、効果的なマーケティング戦略となるでしょう。
時代のニーズに合わせて購買行動をフレームワークを活用しよう!
時代の変化により、マーケティングの幅も広がり、消費者のニーズも多様化してきました。しかし、人間の本質までは変化しにくいです。
そのため、どれだけ時代の変化が早くとも、AIDMA(アイドマ)など、今あるフレームワークを理解しておく必要はあります。それらを理解した上で、時代のニーズに合った購買行動のフレームワークを活用していきましょう。