マーケティングの誕生と4つの歴史|コトラーとドラッガーの定義
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マーケティングの誕生と4つの歴史|コトラーとドラッガーの定義

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マーケティングの誕生と4つの歴史|コトラーとドラッガーの定義

記載されている内容は2021年10月28日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日:2021年10月28日

更新日:2022年03月01日

マーケティングは企業が売上・利益を伸ばすためには重要な戦略です。マーケテイングには歴史があり、それぞれの時代に応じたマーケティング手法が存在します。ここでは、マーケティングの歴史を解説しながら、マーケティングの現在の流れ、基礎を解説します。

マーケティングとは?

マーケティングとは「売れる仕組みを作る」ことです。マーケティングの基本は「誰に対し」「どのような物、価値」を「どうやって提供するのか」ということです。

ここでは、マーケティングの誕生の歴史や、マーケティングを代表する人物である「コトラー」と「ドラッカー」のマーケティングの定義について解説します。

コトラーのマーケティングの定義

「近代マーケティングの父」とも呼ばれる「フィリップ・コトラー」は、マーケティングの定義を以下のように提唱しています。

「マーケティングとは顧客のニーズに応えて利益を上げることである。」

コトラーのマーケティングでは、闇雲に商品を紹介、営業を行うのではなく、明確にターゲットを絞り、明確になったターゲットに対し営業を行い、ターゲットを満足させたうえで利益を上げることといわれています。

ドラッカーのマーケティングの定義

近代マーケティングでコトラーと同様に有名な人物が「ドラッカー」です。ドラッカーの定義するマーケティングは以下のようになります。

「マーケティングの理想は販売を不要にすることである。顧客のニーズを理解し、製品やサービスを顧客に合わせることで自然に商品が売れる仕組みを作ることである。」

コトラーとは若干ニュアンスは違いますが、ドラッカーも闇雲に営業、販売を行うのではないことをマーケティングの定義に挙げています。

マーケティングの誕生と4つの歴史

マーケティングの誕生と4つの歴史|コトラーとドラッガーの定義
※画像はイメージです

マーケティングの歴史は、19世紀に遡ります。マーケティングは19世紀にアメリカで誕生しています。19世紀は、18世紀後半から始まった産業革命により、大量生産が始まった時期です。

当時のアメリカは大量生産しても、その商品を国内でしか販売することができなかったため、国内の需要拡大を考えます。

そこで登場したのがマーケティングという概念です。マーケティングは時を重ねることで、進化を遂げていき、現在はマーケティング4.0という概念が主流になっています。ここでは、マーケティングの歴史を4つに分けて解説を行います。

1:マーケティング1.0(製品中心)

マーケティング1.0は販売活動としてのマーケティングで「製品中心のマーケティング」と言われていた時代です。年代としては1900年から1960年代までを指しており、大量生産・大量消費の時代になります。

当時は、大量生産により製造コストを抑え、大量の人に商品を販売するというマーケティング手法です。「良い商品は顧客に伝えれば売れる」という製品中心のマーケティングの時代です。

2:マーケティング2.0(消費者志向)

マーケティング2.0は「消費者志向のマーケティング 」の時代です。年代としては1970年代から1980年代を指します。

大量生産・大量消費の時代を迎え、先進国では物が溢れるようになり、消費者は物があるだけでは満足することはなく、逆に大量生産による弊害により、公害問題等が大きくなってきていた時代です。

また、市場には同じような機能・性能を持つ商品が多く並ぶようになり、機能・性能のアピールだけでは商品が売れない時代になっていました。

この時代のマーケティングは、商品の機能や性能だけではなく、いかに消費者を満足させることができるのか、という「消費者中心」のマーケティングの時代です。

3:マーケティング3.0(価値主義)

マーケティング3.0は「価値主義の時代」です。年代的には1990年代から2000年代を指します。この時代の大きな特徴は、インターネットが出現したことです。インターネットの出現により、消費者が情報を自由に取得できることになったのが特徴です。

今までは、企業から提供される情報をメインに価値判断をしていた消費者が、インターネットを通じ、簡単に世界中の人と繋がれるようになり、口コミやレビューを参考にすることが可能になっています。

企業と消費者の関係が大きく変わり「この企業の商品はどのようなビジョンがあるのか」「この商品はどのような社会的価値があるのか」という消費者が製品の機能や性能だけではなく、商品の社会的価値についても判断材料にしはじめた時代が「価値主義」の時代です。

4:マーケティング4.0(自己実現)

マーケティング4.0の時代は「自己実現」の時代です。年代としては2010年代から現代に繋がります。現代の先進国は、モノや情報が溢れており、消費者は自分の好みの商品を自由に選択できる時代になっています。

この時代では、商品の機能や性能だけではなく「自分にとって、もっとも精神的価値のある製品を選ぶ」ようになっています。例えば他の人と違う自分を求める人は、一般消費者が選択する商品とは違う商品を選択することで、自己実現を目指します。

マーケティング4.0の時代は企業が提供する価値と消費者の求める価値が合致し、ブランド力が重要になる時代です。

マーケティングの歴史からわかること

マーケティングの歴史から分かることは、マーケティングが販売からブランディングへと移行していることがわかります。ただ商品を作って提供する時代から、消費者に精神的価値も提供する時代に変わっています。

ただし、現在においてマーケティング1.0が通用しないかといえばそうではなく、それもマーケティングであり、全てが現在マーケティングの一部であるということです。

現在は精神的価値を提供することも重要ですが、それと同時に生産能力、機能的価値も有していることが必要になります。

マーケティングの5つのプロセス

マーケティングの誕生と4つの歴史|コトラーとドラッガーの定義
※画像はイメージです

マーケティングを行ううえで、重要なのが「マーケティングプロセス」をしっかりと行うことです。マーケティングプロセスとは「マーケティングの過程」になります。マーケティング戦略から実行に関しての流れを考え、実践する方法です。

ここでは、マーケティングの5つのプロセスに関して解説を行なっていきます。

1:市場調査

マーケティングを行う場合に、はじめに行うのが「市場調査」です。市場調査は「外部環境」「内部環境」に分けて行います。

外部環境は「流行」「競合」「顧客ニーズ」を探り「内部環境」は「自社の強み・弱み」を分析します。分析に使用するのが「PEST分析」「5F分析」「SWOT分析」「3C分析」などになります。

2:基本戦略

市場調査を行った後は「基本戦略」を決めます。市場を細分化するなどして、明確なターゲットを分類し、販売戦略を立てていくことになります。

「年代」「地域」「ライフスタイル」「所得」などといったカテゴリで分類し、ターゲットとなるユーザーを明確にして、ターゲットに対し自社商品の差別化戦略を決定することを意識して、販売の基本戦略を組み立てていきましょう。

3:実行戦略

「実行戦略」はターゲットに対し、どのようなアプローチをかけるのかを決定する段階です。実行戦略は、多くの戦略を組み合わせて行うことから「マーケティングミックス」とも呼ばれており、ここで具体的な戦略を組み立てていきます。

4:実行

今までの分析や戦略を持って、実行に移ります。どれだけ戦略をうまく練っても、実行した場合には、イレギュラーなことや不本意な結果も出ますが、それは当然のことです。重要なのは、実行に移した結果をしっかりと認めて分析することになります。

5:効果検証

実行した後の結果は、必ず効果検証することが重要です。うまくいっても失敗しても、この効果検証は必ず行うようにしましょう。効果検証を行い、継続する点、改める点を明確にすることで、次回の展開に活かすことができますので、次回の戦略実行の成功率も上がります。

マーケティングの歴史についての理解を深めよう!

今回はマーケティングの歴史や、マーケティングの基礎について解説を行いました。マーケティングを行う意味や目的をしっかりと把握することで、自社にとって大きな利益に繋がります。

今回の記事を参考にし、マーケティングの現在の潮流を知り、自社のビジネスに活用していきましょう。

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