ダイレクトマーケティングの成功事例6選|主な手法や注意点も紹介
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ダイレクトマーケティングの成功事例6選|主な手法や注意点も紹介

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ダイレクトマーケティングの成功事例6選|主な手法や注意点も紹介

記載されている内容は2021年09月13日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日:2021年09月13日

更新日:2024年06月18日

IT化の流れにも伴い、ダイレクトマーケティングについて知りたいという方も多いのではないでしょうか。ここではダイレクトマーケティングの手法やメリット・デメリットを紹介しています。具体的な成功事例についても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

ダイレクトマーケティングとはどのような手法のこと?

ダイレクトマーケティングとは、企業と顧客の直接的なやり取りによって企業の商品を顧客が購入するように働きかけることです。また商品販売時のみならず、その後定期的に顧客と接触することで、顧客が常連となることを目指します。

ダイレクトマーケティングには様々な手法があります。例えばダイレクトメールは、広告物を顧客に届ける手法です。他にも、電話やSNSを利用した手法などがあります。

これらの手法を用いることで顧客1人1人に合わせたアプローチが可能となります。

ダイレクトマーケティングの歴史

ダイレクトマーケティングという概念が生まれたのは1961年です。コロムビアレコードやアメリカン・エキスプレスなどの事業拡大を支援した、レスター・ワンダーマン氏が提唱したと言われています。

日本でダイレクトマーケティングが広がったのは第二次世界大戦後です。1970年代にはカタログ通販が創業し、クレジットカードや化粧品などにも取り入れられるようになりました。

21世紀に入ると、CMや電話といったアナログな手法からEメールなどインターネットを利用したデジタルな手法へと変化しました。

ダイレクトマーケティングと言われる5つの手法

ダイレクトマーケティングには様々な手法があります。その中でもよく利用されている手法を5つ紹介します。これらの手法の特徴を理解し、対象となる顧客に適したアプローチを実践しましょう。

1:テレマーケティング

テレマーケティングは、顧客に直接電話をかけて商品の購入を促す方法です。電話をよく利用する高齢者や主婦にアプローチしたり、1対1でじっくり対応したりする場合に適した手法です。

電話営業に対しては不快感を持つ顧客もいるため、購入に結びつけるためにはしっかりと顧客を分析することが必要になります。

不在で電話がつながらないこともありますが、その場合は時間帯を変えて発信するとつながることがあります。また、断られても日を置いて再度アプローチすると成約につながることもあるでしょう。

2:Eメールマーケティング

Eメールマーケティングは、顧客リストにEメールを送信する手法です。同じようにEメールを用いた手法にはメールマガジンもあります。

メールマガジンが顧客に対して一斉に情報を送信するのに対し、Eメールマーケティングでは顧客1人1人に合わせたメール配信をします。そのため、より効果的なマーケティングが可能となります。

3:SNSマーケティング

SNSマーケティングは、TwitterやInstagramといったSNSを利用する手法です。特にSNSをよく利用する若者に対して効果的な手法となります。

SNSでは発信した内容が共有されると、そこから次々と拡散され多くの人に情報が広まるという現象が起こります。この特徴により効果的なプロモーションが可能です。

またコストがかからないところも利点です。広告機能を利用しなければ、アカウントを作成して発信するだけで済みます。

4:ECサイト

ECサイトとは、ネット上でものやサービスを提供する販売サイトのことです。Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどが当てはまります。

ECサイトで利用されるダイレクトマーケティングの手法に、レコメンデーション機能というものがあります。これは購入履歴や閲覧履歴をもとに、顧客の興味に合わせたおすすめ商品を表示する機能です。

この機能を利用することで、顧客に商品の購入を効果的に促すことが可能となります。

5:通信販売

通信販売とは、カタログやテレビなどのメディアを用いて商品を紹介し、そのメディアを見た顧客から注文を受けるというやり方で商品を販売する手法です。

通信販売で重要なのがリピーターを獲得することです。リピーター獲得のために、まずは無料サンプル等で見込み客を獲得します。この見込み客や単発購入者に対してアプローチし、定期購入へ誘導するという手法が用いられています。

ダイレクトマーケティングのメリット7選

ダイレクトマーケティングは、顧客の興味・関心の多様化に合わせたマーケティングか可能です。その特徴から、不特定多数の顧客を対象とするマスマーケティングとは違ったメリットがみられます。

ここではダイレクトマーケティングのメリットを7つ選んで紹介していきます。

1:コストを抑えられる

ダイレクトマーケティングは店舗が不要なためコストを抑えられます。店舗の維持管理費や人件費を削減できます。

テレマーケティングでは、オペレーターやコールセンターに対する費用が必要になります。このようなコストを抑えるには、外注化や業務委託といった方法を利用するのも手です。

2:顧客とダイレクトにコミュニケーションできる

ダイレクトマーケティングは顧客と直接やり取りする手法です。これは、一方的に不特定多数に向けて情報を発信するマスマーケティングにはないメリットになります。

顧客とのダイレクトなコミュニケーションにより、リアルな反応をすぐに確認できます。また特定の個人との双方向的なコミュニケーションによって、その個人に関する情報収集が容易に行えることもメリットです。

3:レスポンス広告が打ちやすい

ダイレクトマーケティングにはレスポンス広告が打ちやすいというメリットがあります。レスポンス広告とは顧客からの購入や問い合わせ、資料請求といった反響(レスポンス)を獲得するための広告のことです。

ダイレクトマーケティングでは1人1人の顧客の特性に合わせたマーケティングが可能です。特定の顧客について分析することで、その顧客から反響を得られそうな広告を選んで提示できます。

4:正確な効果測定ができる

ダイレクトマーケティングでは顧客との直接的なやり取りにより、反応や効果を測定することが可能となります。

例えば、クーポンなどを付与したDMを送付した場合、DMを持参した顧客の属性を調べることでどのような人物に効果があったのか数字で確認できます。これらのデータを分析することで、新たなサービスやより効果的な戦略を立てられます。

5:費用対効果を追求できる

ダイレクトマーケティングは、特定の顧客に対して特徴を分析し、その顧客が興味・関心を持っている商品を選んで提示します。


顧客にあったマーケティングの手法を選択することができるため、無駄のない効果的なマーケティングが可能です。

6:PDCAが簡単にできる

ダイレクトマーケティングでは正確な効果測定が可能なため、PDCAが簡単にできます。

DM等から得られたデータを収集して数値化し、そこから効果を検証します。さらに改善策を考え再び実行へと移します。このように、PDCAを楽に回すことが可能です。

7:少人数でも事業拡大できる

ダイレクトマーケティングは少人数でも事業を拡大できます。メールやSNSなどを利用した手法であり営業職が不要となるためです。

また費用対効果が高く、PDCAを回しやすいためコストも抑えられます。そのため多くの資金を準備する必要がありません。

事業拡大には顧客数を増やす必要があり、そのためには営業担当者の数も増やす必要があります。しかし、ダイレクトマーケティングではその必要がないため、少人数での事業拡大が可能となります。

企業によるダイレクトマーケティングの成功事例6選

ここでは企業によるダイレクトマーケティングの成功事例を6つ紹介します。1対1で直接的なやり取りが可能というダイレクトマーケティングの特性を活かした具体的な成功事例です。

ぜひ参考にしてみてください。

1:ユーザーのルーティングに合わせた提案

フィンランドで開発されたモビリティアプリケーション「Whim」の成功事例です。このアプリを利用すると、移動手段の予約と支払いをすべてまとめて行うことが可能となります。

渋滞情報を取得して時間のロスがない経路を選択したり、最短経路を提案することで排気ガスの削減にも役立ったりします。

Whimはバスやタクシー、自転車やカーシェアリング等の様々な交通手段を組み合わせて最適な移動手段を提供する交通サブスクリプションです。

2:アプリゲームでリアルイベントの開催

「パズル&ドラゴンズ」のスマホゲームで有名なガンホーの成功事例です。

「パズドラ」等のゲームを1つのゲームとして終わらせるのではなく、ゲームに関連したイベントをオフラインで開催することでより満足度の高いサービスを提供しています。

またリアルイベントのみならず、アニメやコミック、キャラクターグッズなどを合わせて展開することで、1つのゲーム資産を多様な形態で提供する仕組みを作り出しています。

この仕組みは、ユーザーが長期に渡り自社のサービスを利用し続けることを可能としています。

3:パーソナライズ性がある案内の配信

世界中に展開するECサイトとして成功しているAmazonの成功事例です。

Amazonではユーザーの閲覧履歴や過去の購入履歴といったデータをもとに、ユーザー個人の興味に関連した商品をページ上に表示する仕組みをとっています。いわゆる「おすすめ商品」のことです。

ユーザーが興味を持っている商品を選択して配信するため、購入に結びつく確率が高くなります。興味のない商品を紹介しないため、不快感が抱かれにくい手法です。

4:スマートフォンとの親和性の高さを活用

タクシーアプリ、(ジャパンタクシー)の成功事例です。 スマホアプリを利用したサービスであり、スマートフォンと親和性が高いところが特徴です。

このアプリでは、タクシーの手配から予約、料金の支払いまでまとめて行うことが可能です。アプリで表示される地図から乗車場所を指定すると、近くにいるタクシーとマッチし、時刻や運賃が表示される仕組となっています。

わざわざ電話等でタクシーを手配したり駅前のタクシー乗り場まで移動したりする必要がなく、スマホ利用者にとって快適で便利なサービスです。

5:LINEの有効活用

ヤマト運輸がLINEを活用した成功事例です。

LINEでヤマト運輸の公式アカウントを友達登録すると、便利な宅急便のサービスを利用できます。荷物の配送状況の確認や再配達依頼がLINE上で可能です。電話やネット上でのやり取りによる煩わしさを解消しました。

また、メッセージの語尾に「にゃ」「にゃー」などを付けて質問するとクロネコがネコ語で答えてくれるというユニークな仕組みによりユーザーに親しみやすさを与えています。

6 :顧客に合わせたプレゼントを直接郵送

化粧品や健康食品の通信販売をするDHCの成功事例です。DHCは新聞広告や、CM、DM、イベント協賛など様々な方法でマーケティングを行っていますが、ダイレクトマーケティングの例としては顧客へのプレゼントがあります。

これは自社の商品を購入した顧客に対して、オリジナルのプレゼントを一緒に郵送する方法です。プレゼントが欲しい顧客へ商品の購入を促したり、一定金額以上の購入でプレゼントといった条件を付けることで本来購入する予定ではなかった商品の購入へと結びつけたりします。

ダイレクトマーケティングを行うときの4つの注意点

それでは実際にダイレクトマーケティングを行う際、どんなことに気をつけたらよいのでしょうか。ここからは、ダイレクトマーケティングを行うときの4つの注意点について解説します。

1:効果には時間がかかる

ダイレクトマーケティングは効果が表れるのに時間がかかります。時間をかけて何度も試行錯誤しなければならないためです。

まず顧客リストを作成し、それからシステムの構築や契約が必要となります。そして実際に顧客と接触し、その効果を記録して改善策を考えていきます。このようにPDCAサイクルを回しながら効果をあげていく仕組みのため、すぐに効果を出すことが難しいです。

2:押し売り感が出てしまう可能性がある

ダイレクトマーケティングを利用すると押し売り感が出てしまう可能性があります。

テレマーケティングでは顧客から押し売りだと思われ、電話を切られてしまうことがあります。メールでも、迷惑メールだと判断されると読まれることなく削除されてしまう可能性があるでしょう。

一方的に商品の購入を勧めると押し売り感が出てしまい顧客に拒否されてしまいます。顧客が受け入れやすい方法でアプローチしてくことが重要です。

3:ターゲットごとに手法を変える必要がある

ダイレクトマーケティングではターゲットに合った手法を用いることが重要になります。年代や性別等によって効果のある手法が異なるためです。

若者に対してSNSマーケティングが有効だと思い利用したとしても、TwitterとInstagramでは反応が異なる場合もあります。同じSNSを用いた方法だとしても、それぞれのユーザーの特性が異なるということを知っておくべきでしょう。

4:SNSでの強制的な広告による不快感を与えてしまう

SNSの広告はユーザーに対して不快感を与える可能性があります。興味のない広告が常時表示されたり何度も同じ広告が表示されたりすると不快に感じるでしょう。

広告を不快に感じたユーザーは、その広告を非表示にしたり報告したりすることがあります。さらには、他のユーザーに不快だとシェアする場合もあるため注意が必要です。

ダイレクトマーケティングの成功事例を参考にしよう

ダイレクトマーケティングを利用した企業の成功事例はここで紹介したものや、それ以外にも多く見られます。

これらの事例を参考にして、効果的なダイレクトマーケティングになるように活用しましょう。

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