参考にしたいプロモーション戦略の成功事例|手法や策定の流れも解説
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初回公開日:2021年09月24日
更新日:2022年03月03日
マーケティングにおけるプロモーション戦略の重要性
マーケティングにおいて、プロモーション戦略は重要な位置にあります。プロモーション戦略を上手く活用することにより、売り上げが上昇して企業の成長につながった事例は多数存在します。
プロモーション戦略は様々な種類が存在し、それぞれが有する効果を正確に把握した上で使い分ければより高い効果が望めます。複数のプロモーション戦略を組み合わせて活用するというやり方もあります。
プロモーション戦略に対する理解を深めれば、企業の大幅な成長が期待できます。この記事ではマーケティングにおけるプロモーション戦略の重要性と、有効活用の事例を解説します。
プロモーション戦略の種類
プロモーション戦略は「プル型」と「プッシュ型」の2つに分かれます。プル型・プッシュ型は顧客を(少し失礼な表現であるという点については目を瞑った上で)魚に例えたマーケティング用語です。
船上から餌を撒いた上で、魚が釣り糸に食いついたり網にかかったりする瞬間をイメージしたプロモーション戦略が「プル型」、積極的に水中へ潜って銛で魚を仕留めるイメージのプロモーション戦略が「プッシュ型」です。
プロモーション戦略の種類である「プル型」「プッシュ型」について、具体的に説明します。
プル型とは
プル型は、餌を撒いて魚が釣り糸や網にかかる瞬間を待つように、魅力的な情報を発信して顧客を集めるプロモーション戦略です。
種類としては「店舗の出店」「展示会への出展」「テレビ広告、ラジオ広告、新聞広告、折り込みチラシ、交通広告、ポスティング、ネット広告などの各種広告」「企業ホームページの運営」「SNSの企業アカウントの運営」「一括見積など、企業紹介サイトへの参加」等が存在します。
情報を発信するだけではなく、餌の撒き方を工夫するように顧客を上手く引き込める情報を提供し、集まってきた魚を確実に釣るために釣り糸等をしっかり整備するようにサービスを整えなければなりません。
入念なチェックを行わなければ、プル型のプロモーション戦略は上手くいかないため注意が必要です。
プッシュ型とは
プッシュ型は、水中に潜って銛で魚を仕留めるように、積極的に顧客獲得を狙うプロモーション戦略です。種類としては「商談会での営業」「訪問営業」「電話営業」「キャッチセールス」「ダイレクトメール」「企業ホームページの問い合わせフォームからの連絡」等が存在します。
プッシュ型は全体的に強引な手法の戦略が多いため、誤ったやり方で顧客に敬遠されて、企業のイメージダウンにつながってしまった事例も数多く存在します。担当スタッフの精神的な負担も大きくなりやすいため注意が必要です。
プロモーション戦略に活用できる手法7つ
プロモーション戦略として活用できる手法は、様々なものが存在します。どのようなサービスや商品を、どのようなターゲットに向けて売り出すかによって、活用したいプロモーション戦略は異なります。
複数のプロモーション戦略を組み合わせることでより高い効果を発揮するケースも存在し、マーケティングにおいてはプロモーション戦略の手法を深く理解しておく必要があります。ここからは、プロモーション戦略に活用できる手法を7つ、具体的に説明します。
1:広報の活用
プロモーション戦略に活用できる手法として、広報を活用するというやり方が存在します。広報は企業ならびに、商品のブランディングやイメージ形成を目的として展開される活動です。
メディア媒体などを利用してアピールする等のやり方が存在する他、イベント等への協賛や慈善活動への参加により、企業イメージをアップさせることも広報活動に含まれます。
2:紙媒体広告の活用
プロモーション戦略に活用できる手法として、紙媒体広告を活用するというやり方が存在します。広告として紙媒体を使うメリットは、情報の信頼性が高く顧客に受け入れてもらいやすいという点です。
紙媒体広告はプロのライターが書いたものであるため情報の権威が高く、信頼性が非常に高いと言えます。さらに物理的に所有できることによる「保有効果」や、五感に訴求できる等、紙特有の強みにより情報が顧客の記憶に定着しやすいでしょう。
3:ダイレクトマーケティングの活用
プロモーション戦略に活用できる手法として、ダイレクトマーケティングを活用するというやり方が存在します。ダイレクトマーケティングとは、顧客に直接的なコミュニケーションをとるタイプのプロモーション戦略を指します。
企業側が顧客のニーズを把握した上で情報を発信し、情報を受け取った顧客側が問い合わせ・資料請求・来店などのレスポンスを行います。顧客からのレスポンスを受けた企業側が改めて、より顧客のニーズに合致した情報を提供します。
ダイレクトマーケティングのメリットは、顧客からのレスポンスによりサービス等の改善が可能であるという点です。
デメリットとしてはレスポンスに依存している分、反映に時間がかかったり顧客によってサービスの内容を変える必要があったりと、全体的に時間や手間がかかりやすいという点があります。
4:PRの活用
プロモーション戦略に活用できる手法として、PRを活用するというやり方が存在します。PRは「Public Relations」の略称です。広報誌の発行や新聞・雑誌・TV等のメディアを利用し、プレスリリースを配信するプロモーション戦略です。
5:イベントの活用
プロモーション戦略に活用できる手法として、イベントを活用するというやり方が存在します。イベントを利用して宣伝すれば、ユーザーに対してダイレクトにアプローチできます。
イベントに商品を出品すれば、ユーザーは商品に触れるなどの直接的な体験ができます。さらにイベントに参加した顧客たちに対してアンケートを実施することにより、商品のみならず企業全体の改善を行える可能性もあります。
しかしデメリットもあり、コストや手間が非常にかかります。さらに来場者数が少なかった場合、コストに対して宣伝効果が見合わないという結果に終わるリスクもあります。
イベントを行う際は、事前に入念な準備が必要です。目標や目的を明確にしてチーム内で共有します。次にターゲットを決めて、情報発信等で計画的に集客することで参加者を増やして効果を高めましょう。
6:人的販売の活用
プロモーション戦略に活用できる手法として、人的販売を活用するという手法が存在します。人的販売とは、見込み顧客や既存顧客に直接アプローチする販売活動のことを指します。
具体的には訪問販売や店頭で行う実演販売、展示会・見本市で営業担当者が行う接客や製品の利用方法指導、商品購入後のアフターフォロー等を指します。人的販売は顧客の購買意欲を高めるのみならず、商品やサービスに対する理解度の向上も望めます。
さらに、営業担当が顧客と対面で接することにより、企業自体に対する信頼度の上昇も期待できます。
7:販売促進の活用
プロモーション戦略に活用できる手法として、販売促進を活用するという手法が存在します。「セールス・プロモーション」とも呼び、通常の広告と比較してさらにダイレクトに購買に繋げられるプロモーション戦略です。
具体的にはデモンストレーションの実施を行ったりクーポンやプレミアム・ノベルティを配布したり、商品やサービスを「お試し」で使ってもらったりするなどの手法があげられます。販売店のモチベーション上昇を並行して狙うために、販売コンテストを実施した事例も存在します。
参考にしたい9つのプロモーション戦略の成功事例
プロモーション戦略を上手く駆使すれば、商品の売り上げが上昇するのみならず、サービスの質の向上や企業の成長等様々な効果が期待できます。事実、プロモーション戦略で成功をおさめた企業の事例は多く存在します。
参考にしたい9つのプロモーション戦略の成功事例を紹介します。
1:SNSを駆使したキャンペーンの開催
プロモーション戦略の成功例として、SNSを駆使したキャンペーンを開催した事例が存在します。ファストフード店のマクドナルドは、SNSを利用して顧客の声を聞き、マーケティングを行っています。
また、SNSで話題になるような特徴的な商品を開発するなどして、成功をおさめました。
2:佐賀県によるYouTubeの活用
佐賀県によるYouTubeの活用は、プロモーション戦略が成功をおさめた事例の1つといえます。佐賀県が「佐賀モデル」と呼ばれるYouTube広告で、インバウンド拡大を狙いました。
2017年9月に始めた佐賀モデルは「世界で2060万視聴、Like率98.5%」という当初の予想を大きく上回る結果となり、佐賀県を訪れる外国人観光客も大幅に増えました。
出典:2060 万視聴のインバウンド広告「佐賀モデル」を発明した Google と佐賀市の戦略|Think with Google
参照:https://www.thinkwithgoogle.com/intl/ja-jp/marketing-strategies/video/saga/
3:女性支援団体への寄付で好感度アップ
プロモーション戦略が成功をおさめた事例として、「女性支援団体への寄付で好感度をアップさせた」というものがあります。ポーラは「リンクルショット」シリーズの売り上げの一部を女性支援団体へ寄付することにより、好感度を大幅に上げました。
4:有名俳優を起用したプロモーション
有名俳優を起用したプロモーション戦略も、成功した事例の1つです。宝酒造は「松竹梅白壁蔵『澪』スパークリング清酒」のCMに、有名俳優の井上真央さんと玉木宏さんを起用することでPR効果を上げました。
5:映画の世界観を表現した新聞広告
プロモーション戦略として、映画の世界観を表現した新聞広告が成功をおさめた事例が存在します。映画『君の名は。』の世界観をイメージした秀逸な新聞広告は大きな話題となり、映画のPRとして大成功しました。
6:有名な写真家による広告写真
有名な写真家による広告写真が、プロモーション戦略として成功した事例もあります。サントリーは伊右衛門の広告写真を有名な写真家・篠山紀信に撮影してもらったことにより、話題になりました。
7:SNSでの共感を生む仕組みの構築
SNSでの共感を生む仕組みを構築したことにより、プロモーション戦略に成功した事例もあります。ハーゲンダッツジャパンはSNSユーザー向けのキャンペーンを開催し、顧客を確保しました。
8:自動販売機を使ったスマホアプリによるスタンププログラムの運営
成功したプロモーション戦略の事例として、自動販売機を使ったスマホアプリによるスタンププログラムの運営があります。コカ・コーラは「Coke ON」というアプリでスタンプを集めてお得なサービスを享受するシステムにより、売り上げが増えました。
9:コーヒーショップとのポジションニングの棲み分け
他のコーヒーショップとのポジションニングを棲み分けることで、成功したプロモーション戦略の事例も存在します。ドトールコーヒーは、ビジネスマン向けのプロモーション戦略をとったことで顧客を獲得しました。
プロモーション戦略を策定するときの7つの流れ
プロモーション戦略が上手くいけば、企業全体の大きな利益になります。しかし、プロモーション戦略を策定するときは、正しい流れを踏む必要があります。プロモーション戦略を策定するときの7つの流れを具体的に説明します。
1:広告費の数値目標を設定する
まずは、広告費の数値目標を設定します。計画的なプロモーション戦略を策定するためには、具体的な数値目標を設定しておく必要があります。
KPI指標を比較するために、CPA(顧客やユーザーの獲得費)とLTV(収益)の算出・比較を定期的に行いましょう。明確にすることで、企業内のコミュニケーションもスムーズに行えます。
2:ターゲットを絞る
次にターゲットを絞ります。ターゲットを大雑把にではなく、具体的に絞り込んでおくことでプロモーション戦略を策定するにあたって効率も効果も上昇しやすくなるでしょう。
それにあたって、ニーズは潜在ニーズと顕在ニーズの2つに分かれており、ニーズの種類によってターゲティングも異なるため、定義づけをした上で戦略を変える必要があります。
3:ターゲットユーザーの特徴を明確にする
次に、ターゲットユーザーの特徴を明確にします。プロモーション戦略を策定するにあたって、成功のためには顧客を深く理解する必要があります。ターゲットユーザーのニーズ等を正確に分析しましょう。
4:提供価値や提示価格を明確化する
次に、提供価値や提示価格を明確化します。分析したターゲットユーザーの特徴に基づいて、提供価値や提示価格を決めることで、プロモーション戦略を策定するにあたって計画がスムーズに進みます。
5:訴求メッセージを考える
次に、訴求メッセージを考えます。分析したターゲットユーザーを元に、多くの顧客を引き込めるような訴求メッセージを考えて、商品を売り出すためのキャッチコピーにします。
6:プロモーション媒体の選定
次に、プロモーション媒体の選定を行います。分析したターゲットユーザーに応じて、顧客をより多く引き込むにはどのようなプロモーション媒体を使えば良いか具体的に分析します。
7:出稿量と金額を選定する
最後に、出稿量と金額を選定します。ここまでの過程を踏んだ上で、媒体ごとの具体的な出稿量や金額を決めましょう。ここで適切な選定をできるか否かが、最終的にプロモーション戦略が上手くいくかを決めると言えます。
プロモーション戦略の事例を参考にしよう
プロモーション戦略は上手く行えば企業全体に大きな利益をもたらし、実際にプロモーション戦略により大きく成長した企業の事例は多く存在します。
そのために企業が取るべき戦略として大切なのは、実際に成功した企業から学び、確実にプロモーション戦略を成功させる方法を導き出すことです。プロモーション戦略の事例を参考にして、マーケティングを成功させましょう。