データマイニングで分析を行う3つの方法とは|データサイエンスとの違い
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初回公開日:2021年08月25日
更新日:2024年06月18日
データマイニングとは?
データマイニングとは、収集した多くのデータを分析することにより、データの中から有用なパターンやルールなどを見つけ出すことです。データマイニングを行うことで、企業のマーケティング活動をより効率化することができるようになります。
本記事ではデータマイニングについて解説していきます。
データマイニングの現実
データマイニングに使用する実際のデータには、不可思議なデータも混ざっています。そのため、データマイニングを行うためには、まずは分析に使用できないようなゴミデータを削除したり、データの形を整えたりといった事前準備を行う必要があります。
このようなデータの修正作業に多くの時間を費やすケースも多いです。また、データの中から効率よく有益なルールやパターンを見出すためには、さまざまな工夫を行う必要があります。
データマイニングによって得られるもの
データマイニングでは統計学的な手法やAIを活用することでデータを分析します。このようなデータマイニングを行うことで、一見して何の関連性もないようなデータ群の中から有用なパターンやルール、類似性などを見つけることができます。
また、データマイニングによって得られた知見はさまざまなビジネスで活用されることになります。
データマイニングの手法
データマイニングを行う際の具体的な手法には、事前に仮説を立てない「機械学習」と、事前に仮説を立てる「統計分析」の2種類があります。そのため、データマイニングを行う際にはそれぞれの手法の違いについても理解しておくことが大切です。
ここではデータマイニングの手法についてそれぞれ解説していきます。
機械学習
「機械学習」とは、人工知能を活用して行われるデータマイニングの手法です。機械学習は与えられたデータの中からコンピュータが自分自身で学習しながらパターンやルールなどを抽出していくことになるため、事前に仮説を立てる必要はありません。
機械学習を活用することで、人が手作業で行う場合には見つけられないような新しいパターンや分類を発見することができます。また、機械学習は特定の事象の原因を発見したり、さまざまな条件が絡んだ課題を分析することが得意です。
統計分析
「統計分析」とは、統計学や確率論などを活用して行われるデータマイニングの手法です。統計分析の場合は事前に仮説を用意し、必要なデータを収集して、検証したい課題に応じて適切な分析手法を使用して分析を行うことになります。
また、代表的な統計手法としては「回帰分析」「因子分析」「主成分分析」などがあります。実際の現場で統計分析を行う場合はさまざまな手法を組み合わせ、ビジネスの課題を解決するための方法を導き出すことになります。
データマイニングで分析を行う3つの方法
データマイニングではさまざまなデータ分析手法を組み合わせて、ビジネスに役立つアウトプットを得ることを目的としています。それでは、具体的にどのようなデータ分析手法が用いられているのでしょうか。
ここではデータマイニングで分析を行う3つの方法をそれぞれ解説していきます。
1:ロジスティック回帰分析
ロジスティック回帰分析とは、質問に対する回答を「YES」または「NO」で集計し、事象が発生する確率を予測する手法です。ロジスティック回帰分析では確率を導き出すことができるため、結果は0から1の間の数値となります。
そのため、ロジスティック回帰分析はキャンペーンを実施した際にターゲットが商品を購入する確率を予測する場合などに活用できます。事前にロジスティック回帰分析を行うことで、施策の効果を上げることもできます。
2:クラスタリング
クラスタリングとは、商品やサービスを購入した人のデータの中から近い行動を取っている人をグループ化し、グループごとに施策を実施する手法です。クラスタリングでは、あらかじめ定義した属性や購入金額といった項目でグループ分けを行います。
クラスタリングを行うことで、顧客のグループごとに効果的な施策を実施できるようになります。また、クラスタリングは顧客セグメントを作成する場合などに使用されます。
3:アソシエーション分析
アソシエーション分析とは、ビッグデータを分析することで商品やサービスの相関関係を分析する手法です。分析する対象を購入した商品に限定する場合は、「マーケットバスケット分析」という名前で呼ばれます。
アソシエーション分析では一見して関連がないように見えるデータでも、共起性のある項目を分析することによって関連性を見出すことが可能です。アソシエーション分析はECサイトのレコメンドエンジンにも用いられています。
データマイニングの5つのプロセス
データマイニングを行う場合、分析の元となるデータを収集する必要があります。また、データは集めただけではそのままだと分析に利用できないようなものも混ざっているため、分析を行う前の事前工程としてデータの加工を行う必要があります。
ここではデータマイニングの5つのプロセスについて紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
1:データの収集
まずはデータマイニングに使用するデータの収集を行いましょう。基本的には分析対象のデータが多ければ多いほど、有用なパターンやルールを発見できる可能性が高くなります。
そのための方法として、膨大な量のデータを管理し、保管しておくためのデータシェアハウスを用意しておくケースも多いです。データシェアハウスはデータを蓄積するためのものなので、データベースと違ってデータを削除したり更新したりするといったことはありません。
2:収集したデータの整理と加工
収集したデータをデータマイニングが行えるように整理し、加工しましょう。データマイニングはシステムを使って行われるケースが一般的なので、データマイニングシステムが利用できる形にデータの加工を行う必要があります。
特にデータ形式に関しては統一する必要があるため、数値データやテキストデータなどが混在しないようにしましょう。このようなデータの加工を「クレンジング」と呼びます。
3:分析
データクレンジングされたデータを分析していきましょう。分析のプロセスでは、本記事でも紹介したようなロジスティック回帰分析やクラスタリングといった手法を用います。
このようなデータ分析手法を用いることで、データの中に含まれる有用なパターンを発見したり、データを特定の属性によって分類したりできるようになります。
4:検証
データ分析の結果に基づいて、要因について検証していきましょう。データは単に分析するだけでなく、なぜそのようになったのかまで特定することが重要です。
また、検証結果をもとにしたルールを作成し、仕組みを構築することで、実際のデータにあてはめられるようになります。
5:評価
検証によって導き出されたルールや仕組みを実際のデータに当てはめ、評価を行いましょう。実際のデータに対して利用することで、データマイニングによって得られたマイニングモデルの精度を評価することができます。
データサイエンスとの違い
データサイエンスとは、コンピュータを使用して多くのデータを取得し、さまざまな性質を持つデータを分類、整理、データ分析、モデル構築、検証、課題解決まで一貫して行うものです。
一方、データマイニングはデータサイエンスが担う領域の中でも、データ分析やモデル構築のみを指すものだと言えます。
データマイニングによって解決するもの
データマイニングを行うことで、企業が抱えているマーケティング課題を解決することができます。
具体的には、どこでどのような商品がどの程度売れているのかや自社の商品の分類といった商品に関して企業が知りたいこと、顧客がどのような商品を購入するのかや優良な顧客の分類といった顧客に関して企業が知りたいことなどをデータマイニングによって抽出することができます。
これらのマーケティング課題を解決することがデータマイニングの目的だと言えます。
データマイニングの可能性
データマイニングを活用することで、人間の頭で考えるよりもデータ分析結果を正しく読み解けるようになります。また、これまで行われてきた営業戦略の立案も、データマイニングによって顧客行動などを分析することで、より高い精度で実行できるようになるでしょう。
さらに、インターネットの検索ワードにデータマイニングを行うことで、世の中の人々がどのような事柄に関心を持っており、理解しているのかを把握することもできるようになります。
データマイニングについての理解を深めよう!
データマイニングとは、データを分析することで有用な知見を得るための技術です。
ぜひ本記事で紹介したデータマイニングの手法や分析方法、プロセスなどを参考に、データマイニングとはどのようなものなのか理解を深めてみてはいかがでしょうか。