マーケティングリサーチとは?定量調査・定性調査のメリットやデメリットも紹介
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マーケティングリサーチとは?定量調査・定性調査のメリットやデメリットも紹介

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マーケティングリサーチとは?定量調査・定性調査のメリットやデメリットも紹介

記載されている内容は2021年09月24日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日:2021年09月24日

更新日:2022年03月03日

マーケティングリサーチとはどのようなものでしょうか。この記事では、マーケティングリサーチの目的や方法について解説していきます。さらに、定量調査・定性調査のメリットやデメリットなども紹介していきますので、ご興味がある方はぜひ参考にしてください。

マーケティングリサーチとは?

マーケティングリサーチとは?定量調査・定性調査のメリットやデメリットも紹介
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マーケティングリサーチとは、マーケティング活動の課題を明らかにし、細かい部分まで調査や分析をすることです。 企業のマーケティング担当者は下記のような課題を抱えています。

・自社の商品やサービスをどのような方たちに買ってもらうか
・自社の商品やサービスの評価
・自社の新商品やサービスの投入と価格設定
・どのようなキャンペーンやイベントに効果があるのか

このような課題はマーケティング担当者だけではなく、企業全体において重要と言えるでしょう。その課題解決のためには、マーケティングリサーチは大事なことです。

マーケティングリサーチを行う目的

マーケティングリサーチを行う目的は、自社の商品やサービスの開発・改善に役立つこと、サービスの向上、リスクに備えられることです。

マーケティングリサーチによってユーザーに好まれる、あるいは求められている商品やサービスが分かり、開発・改善に役立ち、サービスの向上に役立つでしょう。

さらに、マーケティングリサーチによって、新商品やサービスの投入のタイミングと価格設定が分かり、リスクに備えられます。

「商品やサービスの開発・改善に役立つ」「サービスの向上」「リスクに備えられる」は、自社の商品やサービスの売上アップになることです。マーケティングリサーチする最大の目的は売上を上げることと言えるでしょう。

市場調査との違い

マーケティングリサーチと似たような言葉に市場調査があります。マーケティングリサーチと市場調査の違いには、調査対象が「ユーザー」または、「商品やサービス」ということが挙げられます。

市場調査とはユーザーのことを知る調査になります。また、マーケティングリサーチは自社の商品やサービスをユーザーに問う調査です。細かく言えば、マーケティングリサーチの1つの調査手法ということになります。

マーケティングリサーチの方法

マーケティングリサーチとは?定量調査・定性調査のメリットやデメリットも紹介
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マーケティングリサーチは、さまざまな要求や要請の情報を利用して実施されます。調査方法は、企業ごとに最適な方法で実施され種類が豊富です。

マーケティングリサーチには、定量調査と定性調査があります。 その定量調査と定性調査には何種類かの方法があるため、しっかりと覚えておきましょう。

9つの定量調査

ここでは、マーケティングリサーチを数値で集計して分析する定量調査についてご紹介します。数値で分析できるため、不確定にならない信頼性の高い調査と言えるでしょう。

定量調査には下記9つあります。

・電話調査
・FAX調査
・訪問調査
・店頭調査
・郵送調査
・インターネット調査
・会場調査
・ホームユーステスト

これらの9つについて詳しくみていきましょう。

1:電話調査

電話調査とは、年齢や性別、趣向など自社の商品やサービスの提供の対象となる方に電話で調査することです。

電話調査では、自社の商品やサービスについて生の声が聞けるため、精度の高い調査方法と言えるでしょう。電話調査は、長い時間行うことが難しいため、聞きたいことや質問事項が短いときに有効な調査方法です。

電話調査には名簿方式とRDD方式があります。名簿方式は電話帳や年齢、性別、趣向などの項目で作成の調査対象者リストを使い、RDD方式は数字を無作為に組みわせた番号で調査する方法です。

2:FAX調査

FAX調査とは、自社の商品やサービスの提供が見込める方を対象に、質問事項などをFAXして調査する方法です。

FAX調査には、紙を使用する方法とパソコンやスマートフォン、タブレットを使用する方法があります。紙を使用しない方法をFAXの電子化と呼び、共有フォルダや電子メールで受け取ることが可能です。電話調査より多くの質問事項での調査を可能にします。

3:訪問調査

訪問調査とは、自社の商品やサービスの提供が見込める対象者宅に出向き、意見や要望などのアンケートを実施することです。

訪問調査には、その場回収と後日回収があります。その場回収は短いアンケート内容のときに向いています。また、日を改めて訪問して回収するのが後日回収で、アンケート内容が長い場合に向いている調査方法と言えるでしょう。

4:店頭調査

店頭調査とは、店舗内や店舗の入口でアンケートによる調査することです。店頭調査には出口調査も含まれています。

出口調査とは、店舗に訪れて商品やサービスを買った方と訪れたけど買わなかった方に話を聞くことです。

つまり、買った方には商品やサービスを買った動機を聞き、買わなかった方には何が満足できなかったかなどを聞く調査になります。この調査は、自社の商品やサービスの満足・不満足の内容が明確になり、今後の商品やサービスの開発に役立つ調査です。

5:街頭調査

街頭調査とは、街頭で自社の商品やサービスについてアンケートを実施することです。調査を担当する方が、街中を歩いている方たちの中から、自社の商品やサービスを買ってくれそうな方を見つけて調査する方法になります。

街頭調査は電話調査と同じように生の声が聞けることがメリットです。また、その場でアンケートができるため、回収の手間が省けるでしょう。

6:郵送調査

郵送調査とは、郵送手段を利用して行う調査です。郵送手段つまり、調査票が送れるため、多く質問事項での調査が可能になります。 小さい自社の商品であれば、調査票と一緒に送れるため、精度の高い調査ができるでしょう。

さらに、調査票に回答する方も時間に制限されないため、他の調査よりも回答してもらえる傾向にあります。ですが、郵送手段のため、紙ベースとなり少し手間がかかることを理解しておきましょう。

7:インターネット調査

インターネット調査とはインターネットを使ってアンケート欄に回答してもらう調査方法です。自社のホームページにアンケート欄を設け、そこに回答してもらう方法などになります。

インターネット調査は、調査に行くあるいは調査をお願いするなどの手間が省けます。また、調査データの分析なども他の調査方法より比較的簡単です。動画を見せての調査が可能になるなど効果が得やすい調査方法と言えます。

8:会場調査

会場調査とは、ホールなどに自社の商品やサービスを並べ、訪れた方に実際に使ってもらい、その感想やアンケートを実施することです。

会場調査は、自社の商品やサービスを使っているユーザーの声だけでなく、表情を見ることができるため、数値や言葉以上の効果が見込めるでしょう。

9:ホームユーステスト

ホームユーステスト(Home Use Test)は、自宅で自社の商品やサービスを使ってもらうテスト調査になります。つまり、ホームユーステストとは、自社の新商品やサービスをある一定期間使ってもらいその意見・感想や評価を聞く調査方法です。

この調査方法では、自社の商品やサービスを最後まで使ってもらえることが大事です。そのため、飽きさせない工夫が必要になるでしょう。また、たとえ飽きた場合でも、途中で使用を辞めた理由の調査にも役立ちます。

5つの定性調査

ここでは、数値で測れない生の声や商品やサービスを使っている様子などの表情を分析する定性調査についてご紹介します。

定量調査では分からないイメージ評価や行動パターンが調査できるのが定性調査です。そのような定性調査には、さまざまな方法があるため、しっかり覚えておきましょう。

代表的な定性調査は下記5つです。

・グループインタビュー
・デプスインタビュー
・ミステリーショッパー
・ショップアロング
・行動観察調査(オブザベーション)

これらの方法について詳しくみていきましょう。

1:グループインタビュー

グループインタビューとは、集団調査のことです。数人のグループに自社の商品やサービスを説明したり使ってもらったりして、みんなの意見を座談会形式で調査する方法になります。

さまざまなユーザーの意見や発言が聞けるのと、参加者の理解や反応が見られるのがメリットと言えるでしょう。自社の新商品やサービス開発に役立つ調査方法です。

2:デプスインタビュー

デプスインタビューとは、調査する担当者とアンケートの対象者がインタビュー方式で調査する方法です。調査内容を1つずつ、また1対1のインタビュー方式で聞けるため、本音が聞ける調査と言えるでしょう。

本音が聞けることで、なぜ商品やサービスが購入されたのか、なぜ購入されなかったのかといった意思決定の詳しい情報が得られます。

3:ミステリーショッパー

覆面調査と呼ばれているのがミステリーショッパーです。覆面調査つまり、調査員であることを明かさずに内緒で調査する方法になります。

飲食店を始めドラッグストア、ガソリンスタンドなどに訪れるユーザーを対象に実施するのがミステリーショッパーです。

4:ショップアロング

ショップアロングとは、調査員とユーザーが一緒に店舗内で行動し、商品価格などについて意見を聞く調査方法です。 ユーザーが商品やサービスを手に取りどのような反応しているのか、また価格設定や陳列の状況に満足しているのかなどが知れます。

また、調査員のみならずピンマイクを利用すれば、何人か同時に生の声が聞けるのがメリットと言えるでしょう。

5:行動観察調査(オブザベーション)

行動観察調査(オブザベーション)とは、ユーザーの行動を観察する調査方法です。 ユーザーが商品やサービスを手に取り、どのような反応しているのか観察ができます。

また、商品やサービスの検討している様子から購入に至るまでの様子の観察も可能です。ユーザーの購買行動の実態を知るには有効な調査と言えるでしょう。

定量調査のメリット

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定量調査のメリットは、説得力のある調査と多くのアンケート情報が得られることです。 定量調査は数値で結果が出ます。

結果が数値化できれば科学的で説得力のある調査と言えるでしょう。また、調査票の作り方によっては数多くの質問事項での調査が可能で、多くのアンケート情報が得られるのも定量調査のメリットになります。

定量調査のデメリット

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定量調査のデメリットは、商品やサービスに抱いているユーザーの気持ちと、興味や関心事が分からないことです。定量調査は数値が結果になるため、数値のみの判断になり表情などが分からず、満足しているのかどうかが分からないでしょう。

自社の商品やサービスの満足度や評価が、数値だけでは測れないのが定量調査のデメリットと言えるでしょう。

定性調査のメリット

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定性調査のメリットは、数値では分からないことが分かることでしょう。つまり、定量調査では、商品やサービスへの満足度や購入に至る行動の特徴などが調査できません。

定性調査なら表情が読み取れるため、商品やサービスへの評価や満足度などを調査することが可能です。

定性調査のデメリット

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定性調査のデメリットは、結果が遅くなることです。定量調査の場合は、調査票に記入してもらい回収するだけのため、結果が早く出ます。

定性調査の場合は、インタビューといった形になるため、定量調査より時間がかかる上に、結果がすぐ出せないことがデメリットと言えるでしょう。

マーケティングリサーチを行う5つのポイント

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マーケティングリサーチは、新商品やサービスの開発に役立ちます。また、ユーザー獲得にも影響するでしょう。そのようなマーケティングリサーチは効率よく、またしっかり結果を出すことが大事です。

そのためには下記5つのポイントが大事になります。

・目標を明確にする
・現在の状況を把握する
・仮説を構築する
・予算を設定する
・期限を設定する

これらのポイントについて詳しくみていきましょう。

1:目標を明確にする

マーケティングリサーチでは目標を明確にすることが大切になります。つまり、調査によってどのようなことを明確にしたいのかはっきり決めておくことです。

目標を明確にせず調査した場合、効果的な調査にはならないでしょう。また、目標が明確でなければ、調査する対象者の絞り込みも難しくなります。

2:現在の状況を把握する

マーケティングリサーチでは現在の状況を把握することが大切になります。現在の状況把握とは、現在の市場規模とニーズやトレンドの把握のことです。

市場規模つまり、市場で取引されている商品やサービスの総額になります。市場規模は売上高と業界シェア数などで知ることが可能です。

3:仮説を構築する

マーケティングリサーチでは仮説を構築することが大切になります。つまり、課題に対して何が問題になりそうか予測しておくことです。

たとえば、自社の商品やサービスが市場のニーズに合っていない場合は、認知度が低いと予想しておくことが大切になります。

4:予算を設定する

マーケティングリサーチでは、予算を設定することも大切になります。自社で調査する場合は、それほど予算設定を気にしなくてもいいでしょう。

しかし、リサーチ会社に依頼するときには自社でどこまでやるかによって費用が大きく変わります。つまり、調査表を作成は自社で行い、調査自体をリサーチ会社に依頼するなどによって費用が変わるため、予算はしっかり設定しておきましょう。

5:期限を設定する

マーケティングリサーチでは期限を設定することが大切です。マーケティングリサーチの目的によっては定期的な調査が必要になります。

そのため、リサーチ会社のスケジュールを確認し、定期的な調査が行えるように期限を設定しておくことが大事です。

統計データを入手できる必見サイト7選

マーケティングにおいては市場の規模を知る、ユーザーの商品やサービスを選んだ理由と選ばなかった理由など意識を知ることが大事になります。

また、市場の今後動向を確認することも必要です。これらの情報を統計データサイトで見ることができます。

統計データが見られるサイトは下記7つです。

・総務省 統計局 統計ダッシュボード
・株式会社矢野経済研究所
・ITmedia inc.調査のチカラ
・NTTコム リサーチ
・ナレッジジャングル 経済レポート専門ニュース
・博報堂生活総研 生活定点
・JMR生活総合研究所

これらのサイトについて詳しくみていきましょう。

1:総務省 統計局 統計ダッシュボード

総務省 統計局 統計ダッシュボードは、統計データを視覚的に、折れ線グラフなどで見ることができるサイトです。

総務省 統計局 統計ダッシュボードでは人口や消費者物価指数、金融市場、サービス産業の売上高など多くの分野ごとにデータが収録されているため、必要な統計データが探せます。

2:株式会社矢野経済研究所

株式会社矢野経済研究所は、インターネットモニター・電話アンケート・郵送アンケートなど統計データを入手できるサイトです。

商品やサービスの価格でのマーケットデータや業界別の企業業績データなども知ることができます。また、成長が期待できるアイテムの市場規模の予測、市場概況なども分かるサイトです。

3:ITmedia inc.調査のチカラ

ITmedia inc.調査のチカラは、サイトのクリック率や最終的な成果に結びつく確率を上げるために欠かせないツールの導入状況をデータで提供しているサイトです。

棒グラフで見られるため、各企業の導入状況が一目で分かります。週替わりで提供しているため、常に最新のデータを見ることが可能です。

4:NTTコム リサーチ

NTTコム リサーチは、ネットリサーチ、海外モニターリサーチ、企業満足度調査、社員のモチベーションなどの調査したデータを提供しているサイトです。

グラフ描画したファイルで分かりやすいことと、集計やレポートが楽に作成できる無料クロス集計ツール使ったデータを提供しています。

5:ナレッジジャングル 経済レポート専門ニュース

経済レポートニュースとデータが見られるのがナレッジジャングル 経済レポート専門ニュース のサイトです。RESTとSOAPのオンラインデータ送信によりWebサービスでデータを提供しています。

また、新着のさまざまなレポートを見ることができる、簡単にレポート作成ができるサイトでもあります。さらに、アクセスランキングや今日のまた週間、月間のランキングレポートを見ることも可能です。

6:博報堂生活総研 生活定点

博報堂生活総研 生活定点は、生活者への時系列調査統計データを入手できるサイトです。インターネットで商品やサービスなどを購入した方の割合のデータを見ることができます。また、経済状況と景気の情報に対しての関心の度合いを知ることも可能です。

7:JMR生活総合研究所

JMR生活総合研究所は、市場、通信、流通、外食、輸出入、家計、労働などの項目のデータをExcel形式で提供しているサイトです。飲食店の経営強化のための食生活と、外食に関するアンケート調査のデータも見ることができます。

目的にあわせたマーケティングリサーチを行おう!

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マーケティングリサーチには定量調査と定性調査があります。どちらの調査方法にもメリット・デメリットはあります。マーケティングリサーチする目的に合わせて選ぶといいでしょう。

また、マーケティングリサーチは、効率よく、しっかり効果がある調査が必要です。目的によっては定期的な調査と継続的な調査が必要になります。

定量調査には9つ、定性調査には5つの調査方法があり、調査する目的に応じた方法を選んでマーケティングリサーチを行ってみてはいかがでしょう。

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