KGI達成に使えるSMARTの法則|KPIを設定する3つの注意点
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初回公開日:2021年09月24日
更新日:2024年06月24日
KGIとは?
KGI(Key Goal Indicator)とは、日本語で「重要目標達成指標」と訳されるもので、ビジネスの最終目標を定量的に評価するために用いられる指標です。たとえば、成約数や売上高といった数値はKGIだと言えるでしょう。
KGIはビジネスにおけるゴールを評価する指標となっており、経営レベルでの指標と目標水準を設定します。KGIを設定することによって、自社が力を入れるべき目標を明確化することができます。
KPIについて
KPI(Key Performance Indicator)とは、日本語で「重要業績評価指標」や「重要目標評価指標」と訳されるもので、KGI達成までの中間目標の指標となります。目標達成に至るまでの各プロセスが的確に達成できているかどうかを定量的に評価するものになります。
KPIとして使用される指標にはクリック数やセッション数などさまざまな指標が存在していますが、自社の目標を達成するために適切な指標を設定することが重要です。
KSFについて
KSF(Key Success Factor)とは、日本語で「重要成功要因」と訳されるもので、目標達成のためのもっとも重要なキーとなる要因を意味します。目標を達成するためにもっとも重要になると思われるプロセスがKSFに設定されます。
KSFを設定する際には、3C分析によって自社の強みや競合他社との格差、顧客対応能力といった点を分析して策定が行われます。
OKRについて
OKR(Objectives and Key Results)とは、日本語で「目標と主要な成果」と訳されるもので、会社全体の目標(O)と目標達成に繋がる主要な成果(KR)を設定するものです。
また、これらを設定した後は、会社の主要な成果を各部署と個人の目標として分解して割り当てていきます。
OKRは中間目標であるKPIに似ていますが、KPIと違って最終目標を達成するための道のりを社内で共有するために用いられます。また、達成の期待水準も60~70%程度となっています。
KGI達成に使えるSMARTの法則
SMARTの法則とは、「Specific(明確性)」「Measurable(計量性)」「Attainable(達成可能性)」「Result-based(関連性)」「Time-oriented(期限)」という5つの要件によって、企業や組織の目標設定を行うためのフレームワークです。
SMARTの法則は正しいKPIを設定することができるもので、最終目標を確実に達成するために用いられています。ここではSMARTの法則について詳しく紹介していきます。
Specific(明確性)
「Specific(明確性)」とは、設定する目標を具体的で明確な内容にするということです。目標が抽象的な内容になっていると、目標を達成するための具体的な行動も取りづらくなります。
しかし、明確性のある目標を設定することにより、KPIに関わるすべての方が同じようにKPIを理解することができ、目標達成のために行動できるようになるでしょう。
Measurable(計量性)
「Measurable(計量性)」とは、設定する目標を測定が可能な内容にするということです。KPIを定期測定できる内容にしておき、さらに定期測定の結果を評価、分析しましょう。
このように目標に対する結果を分析することにより、目標の達成率も数値化することができるようになります。
Achievable(達成可能性)
「Achievable(達成可能性)」とは、設定する目標が現実的に達成することができるかどうかということです。目標は高い方が良いですが、非現実的な目標を設定してしまうと、上手くいかないことも多いでしょう。
現実的に達成できる見込みの高いチャレンジ可能な目標を設定することにより、関係者も目標に対して合意し、達成に向けてのアクションを実行してくれるでしょう。
Relevant(関連性)
「Relevant(関連性)」とは、企業目標と個人的数値目標や、企業の最終目標とKPIなどの関連性を意味する言葉です。目標を立てる場合はこれらに関連性があることもポイントになります。
また、何のために目標を達成するのか、目標を達成した先に何が待っているのかといった点についても関連性を持たせることにより、目標達成のモチベーション向上などが期待できるでしょう。
Time-bound(期限)
「Time-bound(期限)」とは、設定する目標の期限を明確にするということです。目標達成までの期限が明確になっていない場合、目標達成のモチベーションを高く維持することが困難になります。
そのため、期限が設定されていなければ目標が達成できなくなるケースも多いです。
KGI・KPIを設定する3つの注意点
ビジネスにおけるゴールの指標であるKGIとKGIを達成するまでのプロセスの達成度を測るKPIは、適切に設定することで社内のモチベーションを高める効果などが期待できます。しかし、これらの指標を設定する際には、いくつかの注意点があります。
ここではKGI・KPIを設定する3つの注意点を紹介していきますので、参考にしてみてください。
1:定量的に評価できる指標にする
KGIもKPIも定量的に評価できる指標を設定するようにしましょう。定量化できる指標でなければ、目標が達成できているのかどうか人によって判断が変わってしまいます。メンバーどうしでも認識を共有することができなくなるでしょう。
たとえば、「アプリのユーザー満足度をアップしたい」ということであれば、「アプリストアのレビューの平均評価点」といった定量化できるものを指標にすることができます。
2:KGIにつながるKPIを設定する
KPIはKGIを分解したものなので、KGIにつながるKPIを設定しましょう。KPIとKGIが紐づいていなければ、たとえKPIを達成したとしてもKGIの達成に結びつかないでしょう。
KPIは、KPIで設定している数値を達成した先にKGIの達成が繋がるように設定するようにしましょう。また、KPIの設定にはKGIの構成要素を分解してKPIの洗い出しを行うことができるKPIツリーを利用するのがおすすめです。
3:改善可能なKPIにする
KPIは施策を実施することによって改善可能な内容を設定しましょう。いくら定量化できるKPIであっても、施策で改善できないようであればKPIに設定する意味がありません。
そのため、KPIは施策とセットで検討するようにしましょう。
KGIの4つのメリット
KGIを設定することで多くのメリットがあります。また、具体的にどのようなメリットがあるのか自然に把握しておくことで、KGIを設定する意味を理解できるようになり、適切なKGIの設定もしやすくなるでしょう。
ここでは最後に、KGIの4つのメリットについてそれぞれ紹介していきます。
1:企業の意図を従業員が理解できる
KGIを設定することにより、企業としてのビジョンや意図を従業員が理解できるようになります。最終目標であるKGIがはっきりしていれば、従業員にも会社や事業が目指しているゴールが見えます。
一方で、経営者が会社としてのビジョンを明確に示していなければ、従業員にも不安や不信感を与えてしまうでしょう。そのため、KGIを設定して会社としてのビジョンを示すことが大切です。
2:優先順位が明確になる
KGIを設定することにより、目標達成のためにやるべきことの優先順位を明確にできます。KGIは最終目標であるため、KGIを設定すればそれを達成するために具体的に何を行えば良いのか検討することも可能でしょう。
企業として目指すべき最終目標が決まっていないと、会社としての方向性も曖昧なままになってしまいます。そのため、KGIを設定し、従業員に対してもやるべきことを共有するようにしましょう。
3:進捗を客観的に把握できる
KGIを設定することにより、目標までの進捗状況を客観的に把握しやすくなるでしょう。KGIは定量的に評価できる指標となっているため、目標となる数値や期限が設定されており、これらに対する達成率が管理できるようになっています。
そのため、進捗状況を把握して経営判断に活かすことも可能になります。
4:モチベーションの維持につながる
KGIを設定することによって共通の目標が持てるため、モチベーションを維持しやすくなります。企業として目指すべきゴールがあれば、従業員もモチベーションを保って業務に取り組むことができるでしょう。
また、個人レベルでのKGIを設定することにより、自分が達成を目指す目標を持たせてモチベーションを上げることもできます。
KGIを取り入れたいIT業界
KGIは多くの業界で取り入れられていますが、IT業界やWeb業界は特にKGIを取り入れるべき業界だと言われています。これらの業界は目に見えにくい情報を多く扱っているため、ダウンロード数や受注数などのKGIで具現化する必要があるでしょう。
KGIを取り入れることにより、従来であれば無意識に行われていた手法を見える化し、共有していくことができます。
KGIを達成するためにKPIを正しく設定しよう!
KGIとはビジネスにおける最終目標を評価するための指標です。ぜひ、この記事で紹介したKGI達成に使えるSMARTの法則やKGI・KPIを設定する注意点、KGIのメリットなどを参考に、KGIやKPIを適切に設定して企業としての目標達成に活用してみてはいかがでしょうか。