KPI分析を活用してマネジメントしよう|おすすめの分析ツール5選も紹介
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KPI分析を活用してマネジメントしよう|おすすめの分析ツール5選も紹介

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KPI分析を活用してマネジメントしよう|おすすめの分析ツール5選も紹介

記載されている内容は2021年10月28日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日:2021年10月28日

更新日:2024年05月31日

KPI分析は業績の管理に重要な指標と言われています。しかし、KPIの理解が浅く、導入できないという方も多いのではないでしょうか。この記事では、KPI分析のメリットと設定や活用方法、分析ツールをご紹介します。ご興味がある方は、参考にしてください。

KPI分析とは?

KPI分析とは、業績管理をするための重要な指標です。「Key Performance Indicator」の略で、日本語では「重要業績評価基準」を意味します。

KPIは組織の達成目標に対し、達成の度合いを評価する指標です。KPIを正しく設定することで目標に向けて正しく進行できているかを確認できます。

目標値とされるKPIと組織のパフォーマンスが近づいていれば適切に進行できていることがわかるでしょう。

KPIはこのように組織の目標達成に大きく役立つ指標です。うまく導入することで、組織のパフォーマンスを大きく向上させられるでしょう。

この記事では、KPI分析のメリットと設定や活用方法、おすすめの分析ツールをご紹介します。KPIを使いこなし、自社のマーケティングに役立てましょう。

KGIとの違い

KPIと似た指標としてKGIがあります。KGI(Key Goal Indicator)とは、「重要目標達成指標」を意味します。

KGIは組織の最終目標に対しての達成度合いを評価する指標です。KGIは最終目標に対して、KPIは中間目標に対しての評価基準となっています。

まずはKGIを設定し、過程としてKPIが設定されます。KGIを分解したものがKPIであると捉えましょう。

KSFとの違い

KPIと並べて取り上げられる用語にKSFがあります。KSF(Key Success Factor)とは、日本語で「重要成功要因」を意味します。

KSFは、目標達成に必要な要素を定めたものです。KPIで定められた数値目標を実際に行うべき事項として落とし込んだものがKSFと言えます。最終目標がKGI、中間目標がKPI、目標達成のために行う事項がKSFです。

組織でKPI分析をするメリット5つ

KPI分析をすることで組織が得られるメリットは大きく5つあります。適切なKPI設定で組織のパフォーマンスは大きく向上します。実際に導入する前にメリットについても把握しておきましょう。

1:目標が明確になる

KPIを設定することで目標が明確化されます。目標が明確に設定されるため、各社員で共有しやすくなるでしょう。

逆にKPIが設定されていない場合、目標が不明確で共有しづらくなってしまうため、注意しましょう。

2:具体的な行動計画ができる

KPIで目標達成度が示されることによって、具体的に取るべき行動がはっきりします。目標達成へのプロセスがわかりやすいため、スムーズに検討できるでしょう。

最終目標だけでなく、KPIとして中間目標をはっきり定めることで必要な行動も洗い出しやすくなるのです。

3:目標の達成度が可視化できる

KPIの設定は目標達成度の可視化にも役立つでしょう。KPIを設定することで目標に対してのプロセスが明確に示されます。

目標達成までにクリアすべき過程がはっきりするため、達成度も測りやすくなるというメリットがあります。

4:PDCAサイクルを回すことができる

KPIは目標達成度合いを知るための数値です。目標や達成度を明確に示すことで、課題を見つけやくなります。

課題がはっきり見つかるため、改善へのサイクルをすぐに回せるでしょう。設定したKPIについて都度検証していくことが大切です。

5:公平な評価基準になる

目標達成度が数値化されることにより、評価基準がはっきりするでしょう。KPIでは定量的な数字を設定します。感覚的な評価ではないため、誰でも納得しやすく公平です。

数値によって公平な評価基準が与えられることにより、組織全体の士気も高まりやすいでしょう。

最適なKPIを設定する6つの手順

KPI分析を活用してマネジメントしよう|おすすめの分析ツール5選も紹介
※画像はイメージです

KPIは組織の行動指針となる大切な指標です。最適なKPIを設定することは組織のパフォーマンスを決定する重要な要素と言えます。最適なKPI設定をできるように手順を確認していきましょう。

1:はじめにKGIを設定する

まず、最終的な目標数値であるKGIを設定しましょう。KGIを設定するときには、なるべく具体的に、誰にでもわかる数値で設定することが大切です。

「売上をアップさせる」というような漠然とした目標では意味がないでしょう。「〇か月後までに○○万円売り上げをアップさせる」というようになるべく具体的に、数値を用いて設定しましょう。

売上高や粗利益(売上総利益)、営業利益、貢献利益を目標数値として設定することが多くなります。

目標の難度設定も適切に行うことが必要です。達成が難しすぎたり、簡単すぎたりしないような目標設定をしましょう。

2:KGIと現在のギャップを明確にする

KPIを設定するためには、KGIを分解していく必要があります。最初の段階でKGIと現在の状況を比較して、不足している部分を明確にしましょう。

最終目標は、現状の水準では達成できないことがほとんどです。予測数値を算出し、それに対してのギャップを考えましょう。

明確にする方法としては、自社の営業活動を考慮して、プラスの要因・マイナスの要因を洗い出すと良いでしょう。プラスの要因は「顧客数を〇%アップする」などの向上させるべき課題です。マイナスの要因は「顧客の流出を〇%抑える」などの低減すべき課題です。

現状のデータと最終データをよく見比べながら設定していきましょう。

3:KGI達成のためのKSFを抜き出す

次はKGIをKPIに落とし込むために、必要な要素となるKSFを抜き出しましょう。KGIと現在のギャップから出た課題を改善すべき要素として抜き出していきます。

最初にギャップを埋めるために実際取り組むべき要素を考えていきましょう。営業活動であれば「顧客訪問数」、「受注数」などの要素になります。

KGIに対しての戦略や成功をさまざまな視点から判断した上で決定することが大切です。

4:KSFに適したKPIを設定する

KSFを抜き出したら、それに適したKPI設定をします。プロセスごとの目標設定と考えましょう。

例えば、「顧客訪問数」をKSFとして抜き出したとします。それに対して、「月〇件訪問する」「訪問数を〇%アップする」というKPI設定をします。

はっきりわかる目標として設定することが大切です。具体的で明確な数値を用いるよう注意しましょう。

5:KPIを具体的な行動まで細分化する

KPIとして明確な目標数値を作成したら、具体的な行動に落とし込んでいきましょう。目標数値だけでは、行動すべき事項があいまいです。

例えば、「月〇件訪問する」という目標に対して、「営業地域を細分化し、効率化する」など具体的な行動を作成していきましょう。

組織の人員が適正に取り組める行動指標であることが大切です。程よい難度の目標が明確に示されることで一人一人の取るべき行動がはっきりします。モチベーションの向上にもつながるでしょう。

6:PDCAサイクルでKPIを見直す

実際にKPIを定め、行動すると課題点も見えてきます。数値目標と成果が明確化されるため、どの部分がどれくらい不足しているかがはっきりするのです。

そのため、PDCAサイクルで都度KPIを見直すことが大切です。KPIは社内・社外それぞれの状況によって変化しうるものです。適正なKPIの設定を見直しながら進行しましょう。

KPI分析の活用方法4つ

KPIを適切に運用するためには、分析方法が大切です。KPI分析の可視化、共有、優先順位の決定、ツールの使用といった4つの観点から解析方法を解説します。KPI分析を正しく理解することで、より効率的に利用できます。ぜひ参考にしてみてください。

1:KPIの達成度をグラフ化する

KPIで定めた数値目標に対して、グラフ化しましょう。グラフ化することで、達成度合いが見えるようになります。達成度合いが可視化されることで目標に対しての意識を常に持てるでしょう。

グラフ化するためにはExcelなどの表計算ソフトでも問題ありません。KPI分析ツールを使用するとさらに便利でしょう。

2:KPI分析の結果を共有する

KPI分析のメリットには、数値化することにより組織の方向性を適切に定められることがあります。そのメリットを引き出すためには、KPI分析の結果を共有することが大切です。

全員がKPI分析の結果をしっかり理解できるように共有しましょう。報告をお互いにしっかり行い、組織の各員が主体的に動ける状況を作ることがより良いパフォーマンスにつながります。

3:状況に合わせてKPIの優先順位を検討する

実現性と重要度の観点から、KPIの優先順位を検討するようにしましょう。状況に合わせ、都度検討することが大切です。

多くの要素を盛り込みすぎてしまうと逆に組織の混乱を引き起こします。また、KPIは状況によって変化するため、知らず識らずのうちに最終目標に対してのズレが生じてしまっていることもあります。

人員や時間など、リソースは限られた中で進めなければなりません。そこで優先順位を設定すれば、改善すべき行動が明確になります。目標が絞り込まれ、組織のパフォーマンス向上にもつながるでしょう。

4:KPI分析ツールを使う

KPI分析ツールを使用すれば、初めてKPIを使用するときもスムーズに進むでしょう。KPI分析ツールではデータの管理や営業活動の可視化を簡単に行えます。

ツールに一元管理することで、状況把握や蓄積、分析が迅速かつ効率的にできるようになります。課題発見もより円滑に行えるでしょう。

グラフとして「見える化」することも簡単です。データ分析に不慣れな場合、積極的に導入を検討しましょう。

KPI分析ツール5選

KPI分析にはExcelなどの表計算ソフトを使うこともできます。しかし、KPI分析ツールを採用すれば、より簡単かつ適切に管理できます。

グラフの作成も簡単で、データ分析に不慣れな方でも操作しやすいため、目標の共有にも重宝します。

ここからは、おすすめのKPI分析ツール5選を紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。

1:DOMO

多くの大企業で採用実績があるのが「DOMO」です。「DOMO」の特徴は、データ集積の多様性です。

さまざまな形のデータを取り込み、ツール内で一元管理できます。また、組織内のすべての方がリアルタイムでそのデータにアクセスできます。グラフ化も簡単で、デザインや枠組みなど自由度も高いツールです。KPIに基づいた行動指針を誰もが確認しやすいシステムになっています。

2:Googleアナリティクス

「Googleアナリティクス」は、Web運用に関わる方なら誰でも知っているほどの定番ツールです。「Googleアナリティクス」は、分析ツールが充実しています。

本来はサイトへのアクセス解析をするツールです。しかし、そこで得たデータを分析する方法が充実しています。Webサイトに関わるKPI分析の際には、「Googleアナリティクス」が便利でしょう。

3:Analytica

「Analytica」は株式会社ヴィクセスが提供するKPI分析ツールです。ITサービス事業者やEC事業者を中心に導入されています。

「Analytica」は複数ダッシュボードの作成ができ、加工機能が豊富です。IT業界でよく利用されるチャットツール「Slack」との連携もしています。情報の共有がスムーズなのも大きな特徴です。スピード感のある情報共有ができるKPI分析ツールだと言えるでしょう。

4:Queues Reporter Plus

「Queues Reporter Plus」は、コールセンター用に開発されたKPI分析ツールです。応答呼数や対応率、稼働時間などのコールセンター業務独自の数値を集積・分析できます。

通常のKPI分析ツールで分析しづらいコールセンター向けの指標に対応しており、コールセンター内のKPIを考慮するならば有用なツールでしょう。

5:ろじたん

「ろじたん」は日通総合研究所が提供するKPI分析ツールです。倉庫作業のKPI分析に特化したツールになっています。

スマホアプリとWebの連携で倉庫作業の時間を計測します。取得したデータを一元管理し、分析することで作業効率を上げられるでしょう。物流の業務改善に欠かせない、倉庫作業効率の向上に一役買ってくれるツールです。

KPI分析の注意点4つ

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KPI分析はうまく使えば組織のパフォーマンスを向上させられます。しかし、誤ったやり方をすると組織を誤った方向に進めてしまうこともあります。注意点をしっかり把握した上で正しくKPI分析をできるようにしましょう。

1:できる限り最新のデータでKPI分析をする

KPI分析をするときにはなるべく最新のデータで行うようにしましょう。目的を明確化するため、時間的変化に対応するための2点で大切な要素です。

広くデータを集めすぎると要点が埋もれてしまう危険性があり、目標の設定もあいまいになってしまうでしょう。

また、KPI目標達成の過程での指標ともなるため、時間的変化によって修正の必要があります。最初に設定する段階でなるべく現状に即したデータを採用しましょう。

2:KPIの数は多く設定しすぎない

KPIの設定をするときには、なるべく目標を絞るようにしましょう。最終目標に対しての目標を多く洗い出すことは大切ですが、そこでしっかりと優先順位を決めてKPIを設定しましょう。

多く設定しすぎると結局行動指標が明確でなくなってしまったり、組織の士気が下がってしまったりします。

3:分析結果によってKPIは柔軟に変更する

実際に運用を開始し、行動してみると想定と異なる場合があります。KPIは都度見直し、変更しましょう。そうすれば、目的とのズレを感じたり、状況が変わったりした場合にも対応できます。

KPIの見直しをする際もKGIとの整合性はしっかりと保つようにしましょう。KGIを見据えて調整することが成功のカギと言えます。

4:KPIの要素は社内と社外の環境に分けて考える

KGIからの要素抽出を漠然と行うと、KPIがあいまいになってしまいます。カテゴリ化して、要素を抜き出していくとKPIも明確になるでしょう。

そのやり方として、社内と社外の環境に分けて考えることは有用です。社内の環境としては、自社で起きている課題やその変化が、社外の環境としては競合他社の状況や顧客ニーズの変化などが挙げられます。

KPI分析を活用しよう

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自社の営業活動を向上させるために大変役立つ指標がKPIです。しかし、その導入方法を誤ると逆に組織のパフォーマンスを低下させてしまいます。

KPIは、KGIやKSFに合致した指標となってはじめて価値を発揮します。全体の整合性を意識することが成功のカギと言えます。

KPIを設定して放置するのではなく、適宜見直しをしながら運用していきましょう。それが組織のモチベーションやパフォーマンスの向上につながります。

最初にしっかりとKPIの正しい設定方法を学ぶことが大切です。メリットや注意点を把握した上で、自社のマーケティングへ効果的に導入しましょう。

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