マーケティングを行う3つの手順|営業との違いと歴史・重要性も紹介
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初回公開日:2021年10月28日
更新日:2022年03月01日
マーケティングとは?
製品やサービスを企業や商店が販売していくときに、「マーケティング」という言葉を聞くことがあります。マーケティングとは、企業が製品やサービスを顧客に売れ続けるようにする仕組みづくりです。
ここでは、マーケティングについて詳しく解説していきます。
マーケティングの定義
マーケティングの定義には、様々なものがあります。日本での定義では、マーケティングは、企業が顧客のニーズや満足を満たすための製品やサービスを調査し、それに合う製品やサービスを作り、売れ続ける仕組みを作り出すという活動を表しています。
しかし、アメリカの定義には、マーケティングには、顧客を創造することや売り込みを不要にすること、といったことも含まれます。
営業との違い
顧客に製品やサービスが売れ続ける仕組みを作り出すマーケティングと営業には、どのような違いがあるのでしょうか。
営業は、顧客に製品やサービスを販売する行為そのものを指します。つまり、マーケティングでは売れ続けるための仕組みを作り、営業では顧客に製品を説明し販売するという違いがあります。
マーケティングを行う3つの手順
マーケティングの手順は、製品やサービスを販売するのにどのようにすればいいかという戦略を立てる行動と、その戦略を実際に実施する戦術的なプロセスに分けられます。
戦略的なプロセスでは市場調査を、戦術的なプロセスでは、価値を伝達することの実施とその評価や見直しをします。ここからは、マーケティングを行う3つの手順を見ていきましょう。
1:市場調査
市場調査(マーケティングリサーチ)とは、アンケートを使って顧客のニーズや市場の動向、製品やサービスの認知について調べることです。
顧客にどのようなプロモーションをすれば、販売量が増えるか、製品やサービスについて説明し、いくらなら妥当なのか、新製品やサービスを開発時に、顧客のニーズとはどのようなものなのかを調査するといったものがあります。
2:広告宣伝活動
広告宣伝活動は、様々なメディアを通じて、企業やその製品およびサービス、その特徴について顧客に広めるために行う活動のことです。
この広告宣伝活動のために、テレビや新聞・雑誌等のマスメディアやインターネットの広告枠に広告費を投じて、広告掲載を行います。
3:効果検証
マーケティング活動の効果検証は、マーケティング活動の目標を明確化し、その効果を正しく判断するために行います。目標を明らかにすることで、マーケティングの目標を達成できなくても、そのための課題を見出すことができるでしょう。
マーケティングの4つの歴史
マーケティングという概念が生み出されたのは、20世紀初めのアメリカであると言われています。ここからは、マーケティングの4つの歴史について解説していきます。ご興味がある方は、参考にしてください。
1:マーケティング1.0(製品中心)
マーケティング1.0とは、1900年代から1960年代の大量生産・大量消費の時代のマーケティング概念のことです。安く大量に作られる製品を、どのように顧客に販売していくかといった、売る側である企業が中心となる時代の考え方でした。
また、「Product(製品)」や「Price(価格)」、「Promotion(プロモーション)」「Place(流通)」の4つの要素から、製品中心のマーケティング戦略を考えるようになりました。
2:マーケティング2.0(消費者志向)
マーケティング2.0とは、1970年代から1980年代の消費者志向の時代のマーケティング概念のことです。1970年代のオイルショックにより物価の上昇があり、企業による製品の供給が過剰になった結果、モノがあふれるようになりました。
その結果、製品やサービスを選ぶ側の顧客がマーケティングの中心となり、顧客が求めるものが何かといった顧客志向・消費者志向に変わったのです。
顧客に対する製品の差別化のアピールのために、「Segmentation(セグメンテーション)」、「Targeting(ターゲティング)」、「Positioning(ポジショニング)」といったSTP分析が行われるようになりました。
3:マーケティング3.0(価値主導)
マーケティング3.0とは、顧客がインターネットを使って情報検索ができるようになり始めた、1990年代から2000年代のマーケティング概念のことです。
あらゆる製品の性能や品質が向上し、差別化がしづらくなりました。さらに、顧客がインターネットやSNSで情報収集や情報発信をするようになったことで行われるようになったのが、製品を作る企業の理念を表現するなど、商品価値以外のマーケティングです。
マーケティングの方法にもSNSやインターネットが注目されるようになり、「Attention(注意)」、「Interest(興味)」、「Search(検索)」、「Action(行動)」、「Share(共有)」といったインターネットを使った行動である「AISAS」が注目されました。
4:マーケティング4.0(自己実現)
マーケティング4.0とは、SNSが発達し、顧客がその製品を使いSNSで拡散、承認欲求を満たすという2010年代以降のマーケティング概念のことです。
自己実現とは、マズローの欲求5段階説によるもので、アメリカの心理学者アブラハム・ハロルド・マズローにより提唱されたものです。
人間の欲求は生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、承認欲求、自己実現欲求の5段階で構成されており、自己実現欲求は5つのステップの最後の欲求とされています。
マーケティング4.0では、「企業は顧客がどのような自己実現を求めているか」「ニーズを調査し、製品やサービスを通して自己実現が図れるか」を考える活動を行います。
代表的な3つのマーケティング
マーケティングには、様々なテレビやCMなどを使って大きく費用をかけるもの、小さなショップがSNSで顧客に働きかけるような、ほぼ費用をかけずにできるものなど、様々な手法があるでしょう。
企業がアピールしたいサービスや製品の種類やその目的により、様々な手法を使い分けます。ここからは、代表的な3つのマーケティングにはどのようなものがあるかを見ていきましょう。
1:マスマーケティング
マスマーケティングは、マスコミ(マスコミュニケーション)と同じ「マス(大衆)」という言葉が使われています。不特定多数の顧客に、テレビやラジオを使ったCM、新聞や雑誌を使った誌面広告など、同様のマーケティング方法を行います。
大量生産される製品を大量に販売するために使われる手法で、大きな費用を必要とするため、大企業を中心としたマーケティング手法と言えるでしょう。一方で、少量多品種の製品には向かないこと、テレビや新聞を見ない層が多くなってきているなどの問題があります。
2:ダイレクトマーケティング
ダイレクトマーケティングとは、アメリカのレスター・ワンダーマンが1961年頃に提唱したもので、製品やサービスの購入が見込まれる顧客と、直接の関係を作り上げていくマーケティングの手法です。
テレビCMや雑誌などの誌面広告などのマスマーケティングとは反対の考え方であり、顧客が多様化する中でダイレクトマーケティングがより注目を集めています。
ダイレクトマーケティングには、ダイレクトメールやSNSによるコミュニケーションやECサイトの「あなたにおすすめ」といったリコメンド機能といった手法が挙げられるでしょう。
3:インバウンドマーケティング
インバウンドマーケティングとは、顧客がホームページの検索やSNSの閲覧などで自分の関心に基づき行動した結果、役立つ情報として企業の製品やサービスに興味を持つというもので、顧客側からやってくることから「インバウンド」と呼ばれています。
ターゲットとする顧客が好むような情報を、企業公式ホームページやオウンドメディア・動画で用意しておき、SEOやSNSを使い顧客が見るように仕込んでいく、というものです。
マーケティング活動の重要性
マーケティングの目的は、企業が提供する製品やサービスが売れ続ける仕組みを作るということです。
マーケティング活動により、製品やサービスが売れるようになれば、顧客から積極的に買ってもらえるようになり、コストの削減につながります。ここからは、マーケティングの重要性について、確認していきましょう。
マーケティング活動をしない製品が売れない時代
マーケティング活動をしないと、企業が出した製品やサービスの存在を知らしめることはできないでしょう。その製品を欲しがる層にマーケティングを行うことで、製品を売れるようにすることができます。
売れる仕組みを考えることが大切
マーケティングの目的は、企業の製品やサービスを購入してくれそうな人を集め、実際に購入してくれる顧客に変えることです。そのためには、集客を行うことや信頼関係を構築すること、セールスを行いフォローをするという仕組みを考えることが大切でしょう。
マーケティング活動のメリット
企業がマーケティング活動を行うことで、顧客の欲している製品やサービスを理解することができるでしょう。また、企業が顧客からの共感を得ることで、価格競争によらない競合製品やサービスに対する優位性を保つことができます。
マーケティングについての理解を深めよう!
大量生産・大量消費の時代から、多様性の時代となり、企業が製品やサービスを作り出すだけでは売れない時代となりました。
顧客を理解し、効果的に製品やサービスを売るためにマーケティングは欠かせない存在です。マーケティングに関して、より理解を含めて活用していきましょう。