データマーケティングにおけるデータ収集方法とは|課題とその対策も解説
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データマーケティングにおけるデータ収集方法とは|課題とその対策も解説

記載されている内容は2021年10月28日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日:2021年10月28日

更新日:2022年03月01日

データマーケティングのためのデータ収集はどのような方法で行えば良いのでしょうか。この記事では、データ収集によるデータマーケティングのメリットやデータ収集のポイント、データマーケティングのためのデータ収集方法などを紹介していきますので、参考にしてみてください。

データマーケティングにデータ収集が重要な理由

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データマーケティングとは、さまざまなデータを分析することによって、企業としての戦略を練ることです。また、データマーケティングを行う場合、ビッグデータを活用することが重要だと言われています。

その理由としては、昨今のビッグデータは従来のデータとは比べ物にならないくらいの量や質、多様さを持っており、データ収集を行い、ビッグデータを分析することで、マーケティングに必要なリアルな情報を取り出せるからです。

データ収集によるデータマーケティングの4つのメリット

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さまざまなデータを収集してデータマーケティングを行うことにより、多くのメリットを得ることができます。

ここではデータ収集によるデータマーケティングの4つのメリットを紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

1:データを集めた分適切なアプローチが可能

前述のとおり、昨今のデータ分析に利用されているビッグデータはかつてのデータよりも質や量、多彩さにおいて比べものにならなくなっています。そのため、このようなさまざまなデータを収集することにより、ターゲットごとに適切なアプローチができるようになります。

近年では市場が成熟したことにより、消費者のニーズも多様化してきているため、個々のニーズにマッチしたアプローチを行うことが重要です。

2:ツールを使って工数を減らせる

データマーケティングでは、データ収集によってデータの量が増えるほど、人の手で管理運用することは難しくなっていきます。しかし、専用のツールを利用すれば、膨大な量のデータであっても工数を削減して効率的に管理運用できるようになります。

そのため、専用のツールを使って多くのデータを管理できるようになれば、データマーケティングによる対策の精度も向上させることができ、高い販売促進効果を生み出すことができるでしょう。

3:顧客との関係性が向上する

かつての大量生産大量販売の時代と違い、昨今では消費者の商品やサービスへの価値観も変化し続けています。商品やサービスの金銭的価値だけでなく、それに付随する安心感や信頼性といった付加価値が重要視されるようになったことが大きな変化だと言えるでしょう。

その点、多様化した消費者ニーズを見出すことができるデータマーケティングを活用することにより、それぞれの顧客に合わせたアプローチやサポートもできるようになります。その結果、顧客との関係性も向上し、顧客満足度の向上へと繋げることができるでしょう。

4:ビジネスを拡大するための機会を見出せる

データマーケティングによってデータ収集して分析することにより、人気のある自社製品や改善の余地がどこにあるのかなども把握することが可能になります。そのため、ビジネスを改善したり拡大したりするための領域を見出すことができるでしょう。

たとえば、これまでの自社のベストヒット商品に注目し、その商品に近い商品を新しく開発することで、新たなヒットに繋げられる可能性もあるでしょう。

データマーケティングにおける5つのデータ収集のポイント

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データマーケティングを実施するためには、まずデータ収集を行う必要がありますが、どのようなデータでも良いというわけではありません。

ここではデータマーケティングにおける5つのデータ収集のポイントを紹介していきますので、参考にしてみてください。

1:活用できるデータを確認する

データマーケティングに使用するデータはとりあえず集めれば良いというものではありません。データ収集を行う場合は、目的に合わせて活用できるデータかどうかを確認する必要があります。

そのためには、何のためにデータを利用するのかという目的を最初に決定しておくことが大切でしょう。そうでなければ、不必要なデータ収集のためにコストが発生することになります。

2:データを集めるための土台を作る

データ収集を行う場合は、データを集めるための土台を構築することが重要です。データ収集のための受け皿としては、顧客管理システムやPOSシステムなどさまざまなシステムがあります。

既存のシステムがある場合はそのまま利用することができますが、ない場合は新しくデータ収集の土台を用意する必要があります。

また、データを利用するシステムがあっても社内に分散している場合は、データウェアハウスやデータマネジメントプラットフォームの導入を検討しましょう。

3:データ情報は個人に関連づけて管理する

データ収集を行う場合は、活用目的に合わせてデータを集めることが重要です。また、収集したデータ情報は個人に関連づけて管理するようにしましょう。

それぞれのデータに関連性がなくバラバラになっている状態では、データドリブンの障害にもなります。

4:分散しているときは収集したデータを集中管理するシステムを構築する

データ収集を行おうと思っても、自社で保有している情報がシステムや部署ごとに分散してしまっているというケースも多いです。データが分散していると効率的にデータ分析を行うことができないため、データを集中管理できるシステムを構築する必要があります。

このようなデータの一元管理ができるシステムとしてはデータウェアハウスが代表的でしょう。データウェアハウスはデータを収集して整理したもので、データ同士を関連づけて管理することも可能です。

5:ファースト・セカンド・サードパーティデータを上手く組み合わせる

質の高いデータマーケティングを実施するためには、ファーストパーティデータとセカンド、サードパーティデータを組み合わせて使用することが必要です。

ファーストパーティデータとは自社で直接収集しているデータ、セカンドパーティデータとは他社のファーストパーティデータ、サードパーティデータとは競合も購入や取得することができるデータのことです。

これらのデータにはそれぞれ強み、弱みが存在していることから、弱点を上手く補強する必要があります。

データマーケティングのための5つのデータ収集方法

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実際にデータ収集を行う場合、用いられるデータ収集の方法にもさまざまな種類があります。そのため、どのようなデータを収集したいのかによって選択する方法は異なりますが、一般的にどのようなデータ収集方法があるのか知っておくことが重要です。

ここではデータマーケティングのための5つのデータ収集方法をご紹介しますので、ぜひデータ収集を行う際の参考にしてみてください。

1:IoT機器を利用する

IoTとは「モノのインターネット」を意味する言葉で、これまでインターネットに接続されていなかった家電などがインターネットに繋がるようになることを意味します。

近年、IoTが利用されているのはロボット掃除機や冷蔵庫などの家電、自動販売機や商品のタグなどさまざまなところです。

IoT機器を利用することで、センサーがさまざまなデータを収集し、自動的にデータ収集が行えるようになるでしょう。

2:データ連携ツールを利用する

社外から新しくデータ収集するだけでなく、既に社内に存在しているデータをデータ連携ツールを利用することでも収集が可能です。

企業で使用しているデータベースやデータウェアハウスなどには利用価値の高い顧客情報などが蓄積されているため、データ連携することでそのままデータマーケティングに活用することもできるでしょう。

データ連携ツールとしてはさまざまな種類がありますが、オープンソースであれば「Embulk」、商用であれば「Asteria」が有名です。

3:Web APIからデータを取得する

Web APIを活用することでデータ収集を行うことが可能です。Web APIには有償のものと無償のものがあり、データカタログサイトやECサイト、SNSなどが公開しています。

たとえば、大手ショッピングサイトが公開しているWeb APIを利用して自社で使用しているBIツールとショッピングサイトを連携させることにより、ショッピングサイトでの商品ランキングデータを自動的に収集することも可能になります。

4:スクレイピングでデータ収集する

スクレイピングとは、Webサイトからデータを収集して使いやすいように加工する技術やソフトウェアを指す言葉です。Webページの情報を取得したくてもダウンロードするような機能が提供されていない場合は、スクレイピングを行うことでデータ収集を行うことができます。

スクレイピングを行う場合は、スクレイピングに利用できるライブラリを利用すれば基本的なプログラミングスキルのみで実施することが可能です。

ただし、スクレイピングはWebサイトに負荷を掛けたり著作権を侵害したりする可能性があるため、実施する場合は十分気を付ける必要があります。

5:WebページからCSVをダウンロードする

データ収集の方法としてもっとも簡単な方法が、WebページからCSVなどのファイルをダウンロードする方法です。CSV形式でデータを配布しているWebサイトからデータをダウンロードするだけであれば、専門的なスキルは必要ありません。

CSV形式のデータを配布しているWebサイトは「データカタログサイト」とも呼ばれており、代表的なサイトとしては日本政府が無償でさまざまなデータを配布している「e-stat」があります。

6:WebページからExcelをダウンロードする

WebページからExcel形式のファイルをダウンロードする方法もあります。前述のCSV形式のファイルを配布しているサイトと同様ですが、CSV形式で配布しているサイトはExcel形式でも配布しているケースが多いです。

Excel形式であればCSVと同様に簡単にダウンロードすることができるため、プログラミングスキルなどの特別なスキルがなくても簡単にデータ収集が行えます。

データ収集以降のデータマーケティングの5つのPDCAサイクル

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データマーケティングを実施する場合、まずは大前提としてデータ収集を行う必要があります。しかし、それ以降の工程として、立案した施策を実施するだけでは不十分でしょう。

ここではデータ収集以降のデータマーケティングの5つのPDCAサイクルを紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

1:データの可視化を行う

データ収集を行ったら、データ分析できるように可視化しましょう。データは収集した時点ではデータ分析に利用できないような形式、内容のデータも多く含まれています。

そのため、まずはツールなどを利用してデータを加工し、データ分析に利用できるように可視化する必要があります。

2:データの分析を行う

加工されたデータを使って分析を行っていきましょう。データ分析を行う場合は、何のために分析を行うのかというテーマに沿って分析を行う必要があります。

また、データ分析の結果にもとづいてビジネス上の課題を解決するための仮説や施策を見出していきます。

3:行動計画や施策を策定する

分析結果をもとに、行動計画やマーケティング施策の策定を行いましょう。データは分析して結果のレポートを作成するだけでは意味がないでしょう。データ分析結果をもとにビジネスの問題点などを見つけ出し、実際のマーケティング施策の立案などに活かすことが重要になります。

また、このような作業を行う専門家のことをデータアナリストやデータサイエンティストと呼びます。

4:行動計画と施策を実施する

策定した行動計画やマーケティング施策を実施しましょう。具体的なアクションプランも考案し、広告や宣伝などのマーケティング活動を行います。

また、施策の効果を測定するためにはそれぞれKPIを設定しておくことが重要です。

5:効果を測定する

マーケティング活動として施策を実施した結果を効果測定しましょう。施策は実施するだけでなく、実行した結果まで測定し、評価することが大切です。

また、期待したような効果が得られていない場合は、問題点を分析して改善し、また実施するというPDCAサイクルを回すことが重要でしょう。

データ収集における3つの課題と対策

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データ収集はデータマーケティングで必須の工程となりますが、実際に実行してみるとさまざまな課題にぶつかる可能性があります。ここでは最後に、データ収集における3つの課題と対策を紹介していきます。

1:新たなデータ収集に発生する費用対効果の説明課題への対策

データ収集に必要なコストが大きく、費用対効果の説明がしにくいという課題があります。また、データ活用が進むほどにコストが増大するため、費用対効果の説明のハードルも上がるでしょう。

このような課題に対しては、既に実行しているデータ収集を精査し、無駄なデータ収集のコストを削減することで、データ活用の価値を見直していくことがポイントです。

2:希望するデータが分からなく手に入りづらい課題への対策

データ活用をしたくても具体的に希望するデータが分からず、欲しいデータも手に入らないという課題があります。このようなケースでは、データ収集の段階で計画がストップしてしまいます。

このような課題に対しては、データ分析を専門に行うコンサルティング会社などに依頼し、データ収集や分析、戦略立案までトータルでコンサルティングしてもらうことで解決できるでしょう。

3:データ仕様の管理不備に起因するデータ品質課題への対策

データ仕様が十分に管理できていないことにより、仕様が不明瞭でデータ品質が低くなるという課題があります。このような品質の問題はファーストパーティデータに発生しやすい傾向があります。

このような課題に対しては、商品に識別コードを付けてログデータと組み合わせることができるようにするなど、データ仕様を地道に管理して定期的なチェックを行っていく必要があるでしょう。

データマーケティングのためにデータ収集を行おう

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データマーケティングを行う場合、まずはデータ収集を行うことが大前提となります。

ぜひ、この記事で紹介したデータ収集によるデータマーケティングのメリットやデータ収集のポイント、データマーケティングのためのデータ収集方法などを参考に、データマーケティングの必要なデータ収集を実践してみてはいかがでしょうか。

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