種類別で見る環境分析の方法|SWOT分析やコツあわせて紹介!
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初回公開日:2021年09月24日
更新日:2024年06月24日
マーケティングにおける環境分析の重要性
環境分析とは、自社を取り巻く外部環境や自社の内部環境などを分析することです。マーケティング活動では、まずは自社が置かれた状況を正確に把握する必要があるため、自社の強みや弱み、市場における競合などを分析する環境分析は必要不可欠でしょう。
自社のビジネスに影響を与える可能性を持つ内部環境、外部環境については、あらゆる角度から分析し、方向性を探っていくことが重要です。
種類別で見る環境分析の方法
環境分析の方法としては、大きく分けて自社でコントロールすることができる経営資源を分析する「内部環境分析」と、自社でコントロールすることができない経営資源を分析する「外部環境分析」の2種類があります。
ここでは種類別で見る環境分析の方法を紹介していきますので、参考にしてみてください。
内部環境分析の種類から見る方法
内部環境分析の手法としては、SWOT分析というフレームワークがあります。SWOT分析では「自社の強み(Strengths)」「自社の弱み(Weaknesses)」「機会(Opportunities)」「脅威(Threats)」という内部、外部要因をカテゴリ分けし、それぞれを洗い出していきます。
また、洗い出した要素を組み合わせることで、自社にとっての市場機会や事業課題を見出すことができるでしょう。
外部環境分析の3種類から見る方法
外部環境分析は、「競争環境」「顧客分析」「マクロ環境」の3種類に分けることができます。また、これらの外部環境を分析するフレームワークをそれぞれ「ファイブフォース分析」「3C分析」「PEST分析」と呼びます。
ここでは外部環境分析について紹介していきます。
1:競争環境(ファイブフォース分析)の方法
競争環境(ファイブフォース分析)とは、自社が置かれている競争環境を分析するフレームワークです。外部環境からの「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」「競合との敵対」「新規参入の脅威」「代替品の脅威」という5つの脅威を整理するものです。
ファイブフォース分析を利用することで、業界全体を分析して、自社の商品やサービスがどの業界に適しているのかを定義することができます。また、自社の利益をアップさせるための戦略を検討するのに役立つでしょう。
2:顧客分析(3C分析)の方法
顧客分析(3C分析)とは、「自社(Company)」「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」という3つの要素で分析を行うフレームワークです。
「自社」は自社のビジョンや強み、「顧客」は市場の規模やニーズ、「競合」は業界のポジションや競合のシェアなどが該当します。
3C分析を行うことにより、自社の経営環境を分析し、戦略の立案の検討に役立てることができるでしょう。
3:マクロ環境(PEST分析)の方法
マクロ環境(PEST分析)とは、マクロ環境を分析することで自社の環境が現在だけでなく未来にどのような影響があるのか予測するフレームワークです。
「政治(Politics)」「経済(Economy)」「社会(Society)」「技術(Technology)」の4つの観点によってマクロ環境の全体を分析します。
PEST分析では中長期的なシミュレーションを行うことで、現状の方向性や世間がどうなっているのか、業界に影響を与える可能性がある要素を分析していきます。
SWOT分析による環境分析の具体的な5つの方法やコツ
SWOT分析は「強み」「弱み」「機会」「脅威」という事実情報を分析することで、戦略目標を立案するものです。そのため、SWOT分析はマーケティングプロセスにおける「環境分析」のフェーズで利用するフレームワークとなります。
SWOT分析ではPEST分析や3C分析によって整理されたファクトを利用して解釈を行うことになります。ここではSWOT分析による環境分析の具体的な5つの方法やコツを紹介していきますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
1:自社にとって重点的に投資をすべき戦略目標を絞り込む
SWOT分析のアウトプットは戦略目標です。これまでの分析によって集めた事実情報を解釈することにより、マーケティング戦略を立案することが最終的な目標になります。
そのため、SWOT分析では「強み」「弱み」「機会」「脅威」という4つの視点から得られたメッセージを俯瞰することで、自社が重点的に投資をすべき戦略目標を絞り込むことになります。
2:強み・弱み・機会・脅威を組み合わせて多面的な分析をする
SWOT分析では「強み」「弱み」「機会」「脅威」を書きだして整理するだけでなく、これらの要素をマトリックスで組み合わせて解釈することがポイントです。
「強みと機会」「弱みと機会」「強みと脅威」「弱みと脅威」のように組み合わせて解釈を行うことを、クロスSWOT分析と呼びます。
このように組わせることにより、同じ事実情報からでも複数の解釈を導き出すことが可能になります。
3:脅威を分析するポイント
SWOT分析の脅威を分析するフレームワークにはファイブフォース分析があります。先に紹介したとおり、ファイブフォース分析では「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」「競合との敵対」「新規参入の脅威」「代替品の脅威」などの競争要因について分析することができます。
ファイブフォース分析を利用することで、自社を取り巻く脅威にはどのようなものがあるのか具体的に抽出することができるでしょう。
4:企業の強みと弱みを分析するポイント
SWOT分析での自社の強みと弱みを分析するフレームワークにはVRIOがあります。VRIOとは「リソース・ベースト・ビュー」と呼ばれる企業における強みと弱みを分析する考え方における代表的なフレームワークです。
VRIOは「Value(経済価値)」「Rarity(希少性)」「Imitability(模倣困難性)」「Organization(組織)」の頭文字を取ったもので、VRIOによってこれらの要素を分析することで、市場における自社の競争優位性を把握することが可能になるでしょう。
5:戦略目標を決めるポイント
SWOT分析では同じ事象でも見方によって異なる解釈を行うことができるため、複数の解釈を引き出すことが可能になります。
そのため、SWOT分析で最終目標を決める場合も様々な見方によって複数の可能性を引き出し、最終的に戦略目標を策定するという方法で決定すると良いでしょう。
ここでは戦略目標を決めるポイントを紹介していきますので、参考にしてみてください。
様々な見方で複数の可能性をオプション思考で洗い出す
SWOT分析で戦略目標を決める場合は、オプション思考によって様々な案を出しましょう。オプション思考とは、決め打ちにせずに一旦複数の戦略目標を出すというものです。
SWOT分析では事実情報の組み合わせによって異なる解釈を行うことができるため、戦略目標についても複数作成することが可能です。そのため、まずは複数の戦略目標を出し、その中から最適なものを選ぶようにしましょう。
プラス要素の考え方
SWOT分析でのプラス要素とは「自社の強み」と「機会」です。
これらのプラス要素は事実情報から解釈する必要があるため、たとえば「自社には全国に営業拠点がある」という事実がある場合、「自社は強い営業力を持っている」というようにプラス要素として解釈することができます。
マイナス要素の考え方
SWOT分析でのマイナス要素とは「自社の弱み」と「脅威」です。プラス要素と同様に「自社には全国に営業拠点がある」という事実がある場合、「自社は高コスト気質である」というようにマイナス要素として解釈できるでしょう。
このように、同じ事実でもプラス要素とマイナス要素に解釈できます。
マーケティングにおける環境分析方法の3つの流れ
マーケティング戦略検討プロセスで環境分析を行う場合は、PEST分析と3C分析でまとめた環境情報をもとにSWOT分析で解釈を行い、戦略目標を設定するという流れになっています。
ここでは最後に、マーケティングにおける環境分析方法の3つの流れを紹介していきます。
1:PEST分析を行う
環境分析を行う場合、まずはPEST分析によってマクロ環境の全体を分析します。
ビジネスを規制する法律などの「政治」、経済水準や所得変化などの「経済」、人口動態や流行といった「社会」、ビジネスに影響を与える技術動向である「技術」の4つの要素によって、マクロ環境要因を網羅的に洗い出すことができます。
2:3C分析を行う
3C分析によってマーケティング環境分析の分析を行いましょう。3C分析で業界環境である市場環境、自社環境、競合環境について項目を洗い出すことで、自社を取り巻いている業界環境を整理することができます。
3:SWOT分析を行う
PEST分析と3C分析によって整理された事実情報をもとに、SWOT分析を行いましょう。ここまでの分析によって、SWOT分析で解釈を行うための材料が出そろっています。
SWOT分析によって戦略目標を立案すれば環境分析のフェーズは終了になり、次のマーケティングプロセスである「基本戦略」のフェーズへと移ります。
環境分析の方法を理解してマーケティングを進めよう
マーケティングにおいて、自社内部、外部の経営環境を分析する環境分析は非常に重要です。
ぜひ、この記事で紹介したマーケティングにおける環境分析の重要性やSWOT分析による環境分析の具体的な方法やコツ、マーケティングにおける環境分析方法の流れなどを参考に、自社の戦略立案のために環境分析を利用してみてはいかがでしょうか。