自社分析の方法やコツを解説|3C・SWOTに関する基礎知識も覚えよう
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初回公開日:2021年10月28日
更新日:2022年03月01日
3C分析内に含まれる自社分析とは
そもそも3C分析とは、「市場・顧客(Consumer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」という3つの観点から経営環境を分析するフレームワークです。この中の「Company」である自社の商品や売り上げなど自社製品の現状を分析することを自社分析と呼びます。
自社分析を行うことにより、競合と比較した場合の自社の強みや弱みを把握することができ、さらに自社の課題を見つけ出すことによって成功要因の発見へ繋げることができます。
自社分析を理解する上での3C分析に関する5つの基礎知識
自社分析を実施するためには、まずは3C分析について理解を深めることが重要です。ここでは自社分析を理解する上での3C分析に関する5つの基礎知識を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
1:マーケティングにおける3C分析の目的
3C分析は顧客や競合、自社についてそれぞれ調査分析を行うことにより、分析結果をマーケティング活動における経営戦略の立案に活用することを目的としています。
3C分析で分析対象となっている3つの要素をそれぞれ分析することにより、自社の強みや弱み、経営リソースなどの現在の状況が把握できるようになります。
また、自社が業界で成功するために必要となるポイントや改善することを把握できるため、施策や対策の立案に活かすことが可能です。
2:3C分析における流れ上の自社分析の位置付け
3C分析において、自社分析は自社商品やサービスの現状分析を行うという位置付けです。3C分析における市場や顧客、競合などが外部要因であるのに対して、自社は内部要因に当たります。
業界や競合に対して自社が保有している人材や資本などのリソース、商品ラインナップなどを分析することにより、自社の現状を見つめ直して何ができるかを検討します。
3:3C分析における内部環境分析とは
3C分析における内部環境分析とは、ここまで紹介してきているとおり自社を分析対象とすることです。マーケティング戦略を検討する場合は、自社がコントロール可能な内部環境と自社でコントロールすることができない外部環境の両面から分析を行っていく必要があります。
3C分析における内部環境分析では、自社の経営資源や売上高、収益性、技術力、市場におけるシェア、販路、組織力などのさまざまなポイントに注目して、自社の強みや弱み、成功要因を導き出します。また、内部環境分析に用いられる手法としてはSWOT分析が代表的です。
4:3C分析における外部環境分析とは
3C分析における外部環境分析とは、市場や顧客、競合を分析対象とすることです。マーケティング活動において、最初に分析する対象は市場や顧客です。これらを分析する手法としては、PEST分析や5フォース分析などが用いられます。
また、競合を分析する場合は、競合のビジネスを結果と要因の2軸を使って分析し、競合の優れた部分を自社のマーケティングにも取り入れることが重要です。
5:マーケティングで3C分析を行うメリット
3C分析を行うことにより、自社が実施すべきKSF(成功要因)を見つけ出すことができます。また、KSFを見つけ出すことができれば、自社のビジネスを成功させるための方向性も見えてくるようになります。
そのため、マーケティングで3C分析を実施することにより、自社の強みを生かした効率的なマーケティング活動が行えるようになるでしょう。
自社分析を理解する上でのSWOT分析に関する3つの基礎知識
前述のとおり、3C分析で自社分析を行う際にはSWOT分析を利用するケースが多いです。そのため、自社分析を行うためにはSWOT分析についての基礎知識も必要になります。
SWOT分析は自社の強みや弱みを発見するためのフレームワークで、内部環境である「自社の強み(Strength)」「自社の弱み(Weakness)」と外部環境である「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の4つの観点によって分析を行います。
ここでは自社分析を理解する上でのSWOT分析に関する3つの基礎知識を紹介していきますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
1:内部環境分析に属するもの
SWOT分析では「強み・弱み」が内部環境分析に属します。「強み」は自社が保有している経営資源の中で競合に比べて優れているもの、「弱み」は自社の経営資源の中で競合と比較して劣っているものが該当します。
これらは自社で育成した経営資源に注目して分析するため内部環境分析です。
2:外部環境分析に属するもの
SWOT分析では「機会・脅威」が外部環境分析に属します。「機会」は自社にとって好ましい外部環境のことで、「脅威」は自社にとって好ましくない外部環境を指します。
外部環境とは自社を取り巻く環境を指し、該当するものとしては競合他社や経済状況、政府、顧客などです。
3:SWOT分析を実行するに当たっては2面性があることを意識する
SWOT分析を行う上で注目する要素は「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4つですが、そのすべてに2面性があることを意識する必要があります。
たとえば非常に人気の高いブランドを有している企業の場合、強みはブランド力だと言えます。しかしブランド力が強い商品に頼るばかりに、新しい事業展開が行えないという弱みも持っていると言えるでしょう。
このように、強みと弱み、機会と脅威にはそれぞれ2面性があることを意識して分析する必要があります。
自社分析の4つの方法やコツ
実際に自社分析を行う際には、市場や顧客、競合について分析を行った結果を基に分析を行っていくことになります。それでは具体的にどのような方法で分析を行えばよいのでしょうか。
ここでは自社分析の4つの方法やコツを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1:競合が市場・顧客の変化に対する対応を自社と比較する
自社分析と言っても、自社の商品ラインナップや経営資源など自社の内部ばかりを分析するわけではありません。自社分析では、まずは市場、顧客の変化やその変化に対して競合が行った対応などを、自社と比較していきましょう。
また、競合の対応と自社を比較することにより、自社についてより深く把握していきます。
2:自社の強み・弱み・KSFを導き出す
自社分析では、自社の強みや弱み、KSF(成功要因)を導き出していきます。自社の強みや弱みを自社の市場でのブランディングや売り上げ高、企業規模、商品のシェア状況、人材や資本力などのリソースといったさまざまな要素から見つけ出し戦略に活かせるKSFを導き出しましょう。
3:SWOT分析を併用すること
自社分析の際に用いる手法としてはSWOT分析が代表的です。SWOT分析は自社の強み、弱み、機会、脅威という4つの観点でそれぞれに該当する内容を書き出すことになるため、自社分析に必要な要素を抽出することが可能です。
4:KSFの発見にはクロスSWOT分析も適している
KSFを見つけ出すためにはクロスSWOT分析を活用するのがおすすめです。クロスSWOT分析とは名前のとおりSWOT分析の4つの要素をクロスして分析するというフレームワークです。
「強み×機会」では自社の強みを生かして機会を活かす戦略で、「強み×脅威」では強みを生かして脅威を退ける戦略になります。
さらに「弱み×機会」では自社の弱みを補強することで機会を最大化する戦略で、「弱み×脅威」では弱みを踏まえて脅威による影響を最小化するための戦略を検討することが可能です。
このように4つの要素を漏れなく分析するクロスSWOT分析を活用することで、KSFを見つけ出しやすくなります。
中小企業である場合の自社分析方法の具体的なやり方
中小企業が自社分析を実施する場合は、3C分析に沿って5つの質問について考えていく方法があります。
「お客様はどこの誰か?」「お客様が求める価値は?」「自社の強みは?」「競合他社は?」「競合と比較して差別化できる優位点は?」について順番に考えていくことで、自社分析を深めていくことができます。
また、大企業と比較して資源が限られている中小企業の場合、自社の強みを強化する、もしくは弱みを補完するという方向で考えるようにしましょう。
自社分析以外の分析方法
3C分析では自社分析を行う前に、市場・顧客分析、競合分析を行う必要があります。これらの外部環境を分析した結果を基に、自社分析を行うためです。
ここでは最後に自社分析以外の分析方法について紹介していきます。
競合分析のやり方
競合分析の方法としては、競合の売り上げや市場シェア、社員数、競合の商品やサービスの強み、弱みなどを分析します。また、競合分析では競合のビジネスを「結果」と「要因」の2軸で分析するのがおすすめです。
結果では競合の売り上げや利益率といったビジネスでの成果を挙げ、要因では販売ルートや顧客サポートなどのビジネスの結果に繋がった背景を探りましょう。
市場・顧客分析のやり方
市場・顧客分析の方法としては、マクロ分析である「PEST分析」とミクロ分析である「5フォース分析」などを利用して分析します。PEST分析は「政治」「経済」「社会」「技術」の4つの要因によってマクロ環境を分析するものです。
また、5フォース分析は「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」「競合との敵対」「新規参入の脅威」「代替品の脅威」という5つの競争要因を分析します。
自社分析の方法を理解してマーケティングを進めよう
自社分析とは自社の強みや弱みを把握し、成功要因を導き出すことです。
ぜひ本記事で紹介した自社分析の概要や3C分析に関する基礎知識、SWOT分析に関する基礎知識、自社分析の方法やコツなどを参考に、自社分析を行ってマーケティングに活かしてみてはいかがでしょうか。