ダイレクトマーケティングに活用できる5つの手法とは?利点や事例も紹介
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初回公開日:2021年11月22日
更新日:2022年03月01日
ダイレクトマーケティングとはどのような手法のこと?
ダイレクトマーケティングとは、企業や売主が、消費者と直接的にコミュニケーションをとり、商品やサービスを販売、宣伝する手法です。ダイレクトマーケティングという手法が生まれる前は、マスマーケティングという手法が主流でした。
ダイレクトマーケティングは、通信販売が始まりといわれています。郵便でユーザーに対し直接宣伝を始めたことが、ダイレクトマーケティングの始まりといわれています。
今回の記事では、ダイレクトマーケティングの基本や利点、手法について解説をします。
ダイレクトマーケティングとマスマーケティングとの相違点
ダイレクトマーケティングと対比した手法であるのがマスマーケティングです。
ダイレクトマーケティングの手法が、顧客に直接情報提供や営業をかけるというものに対し、マスマーケティングは、外部企業を利用しCMなどを行ない、不特定多数にリーチをかける手法になります。
ダイレクトマーケティングが持つ8つの利点
ダイレクトマーケティングを活用していく場合、ダイレクトマーケティングの利点や特徴をしっかりと理解しておかなければ、ビジネスに有効活用することが難しくなります。
ここからは、ダイレクトマーケティングが持つ8つの利点を解説していきます。
1:メディアをフル活用できる
ダイレクトマーケティングはメディアをフル活用できるのも利点です。ダイレクトマーケティングでは、DMやSNS、メルマガ、テレマーケティングなど、ありとあらゆるメディアをフル活用し、顧客へのアプローチにつなげることができます。
ダイレクトマーケティングの手法は、顧客のニーズにあうマーケティングを行ない、双方向でコミュニケーションをとるのが特徴です。
2:個人に向けてのコミュニケーションである
ダイレクトマーケティングは、マスマーケティングとは違い「1対1」のマーケティングになります。マスマーケティングは「1対多」です。
ダイレクトマーケティングは、アプローチをかけた相手が反応した場合、さらに踏み込んだマーケティングを展開する手法です。
こうすることで、ターゲットになる相手に対し、より効果的なマーケティングを行なうことが可能になります。
3:施策の効果を測定することができる
ダイレクトマーケティングは、顧客に送付したメールの数に対してのメールの開封率、レスポンス率、サイトへのアクセス数、コンバージョン率といった顧客の行動や反応を測定することが可能です。
ダイレクトマーケティングでは、このような顧客の行動や反応を数値として確認することで、マーケティングの施策の効果を測定することができます。
4:中間に流通業者を挟まない
ダイレクトマーケティングは、中間に流通業者を挟まないのが特徴です。通常のマーケティングだと広告仲介業者などを挟み、会社案内やサービス、製品に関して顧客へアプローチをとりますが、ダイレクトマーケティングは直接的に顧客とやりとりを行ないます。
ダイレクトマーケティングは、直接顧客とやりとりを行なうことで、顧客の反応や行動も確認できるのです。
5:販売場所に影響されない
ダイレクトマーケティングは、販売場所に影響されないのも利点です。基本的に商品を販売する場合には、店舗を設けて販売を行ないますが、店舗を設けることでその分のコストが発生します。
ダイレクトマーケティングであれば、店舗がなくても有効な販売が可能です。ダイレクトマーケティングは、店舗費用や人件費などをカットして販売ができるため、販売場所や人材にも影響されず、利益を生むことが可能です。
6:PDCAサイクルが回しやすくなる
ダイレクトマーケティングの手法は、PDCAサイクルが回しやすくなるのも利点のひとつです。
ダイレクトマーケティングは、まずは資料やクーポンを配布後、反応を数値化します。数値化した反応率をベースに、次回のプロモーションに活かせるかどうかを検証しながら、新たな行動に活かしていきます。
ダイレクトマーケティングを行なうことで、効果的な宣伝や販売が可能になります。
7:費用対効果を高められる
ダイレクトマーケティングの利点として、費用対効果が高められるという点があります。
ダイレクトマーケティングは、既に接点のあるユーザーやリピーターを相手にマーケティングを行ないます。そのため、宣伝費用をそれほどかける必要がないのがポイントです。
新規顧客を取り込むために、手の込んだ宣伝やマーケティングを実施しなくても、比較的簡単にマーケティングを受け入れてもらえることがダイレクトマーケティングのメリットになります。
8:人件費を抑えられる
ダイレクトマーケティングは、店舗などを活用しなくてもビジネスを展開できるメリットがあります。店舗などを設けないということは、その分、人を雇うことも必要ないため、人件費を抑えることが可能です。
ダイレクトマーケティングの1つであるテレマーケティングを行なう場合でも、専任の人材を雇うのではなく、外注業者に頼むなどすることで、余計な人件費をカットすることができます。人件費を効率よく抑え、ダイレクトマーケティングを展開していきましょう。
ダイレクトマーケティングに活用できる5つの手法
ダイレクトマーケティングには、多くの手法があります。ここでは、ダイレクトマーケティングに活用しやすい、代表的な5つの手法について解説をしていきます。
ダイレクトマーケティングを活用しようと考えているのならば、この5つの手法は確実に押さえて置きましょう。
1:メルマガの活用
ダイレクトマーケティングでは、メルマガも活用します。顧客データに基づき顧客の属性を見極めて、メールマガジンを配信していくのがメルマガの手法です。導入のハードルが低いため、メルマガは多くの企業が採用しています。
ただし、同じ内容のメールを多くの顧客に一斉に送るのではなく、顧客の属性や状況に応じて、メールの内容を変えるなどの工夫をしましょう。
2:SNSの活用
ダイレクトマーケティングの手法では、SNSを効果的に活用します。SNSマーケティングでは「Twitter」「Instagram」「Facebook」などを使用し、マーケティングを行ないます。SNSでは、ファンと直接やりとりを行なうことが可能です。
ファンと直接やりとりを行なうことで、商品の購入を促しやすく、また、リピーターにもなってもらいやすいというメリットがあります。ダイレクトマーケティングを行なう場合には、SNSを有効活用していきましょう。
3:ダイレクトメールの活用
ダイレクトマーケテイングでは、ダイレクトメールという手法も活用します。現在は、SNSやメールなどのインターネットを使用することが多いですが、ダイレクトメールの手法も有効です。
ダイレクトメールとは、顧客にカタログやチラシを送り、購入を促す手法です。初回購入見込みの顧客、リピーターになる可能性のある顧客と、顧客の状況に応じて、送るダイレクトメールも変化させることで、効果を発揮することができます。
4:電話の活用
ダイレクトマーケティングでは、インターネットやダイレクトメールと並行して、電話も活用します。テレフォンアポインターと思われがちですが、それとはまた別です。
テレフォンアポインターは、新規顧客獲得のため不特定多数に電話を行ない、アポをとって商談に結びつけますが、ダイレクトマーケティングでは、ターゲットを明確にし顧客と良好な関係を築き、購入まで結びつける手法です。
5:FAXの活用
ダイレクトマーケティングでは、FAXも有効活用できます。封書やハガキのDMを送る場合、コストがそれなりに発生しますが、FAXであればそこまで多くのコストは発生しないことがメリットです。
また、FAXは目に留まりやすいため、読んでもらえる確率も高いといえるでしょう。ダイレクトマーケティングを行なう場合には、上記で挙げた手法と同時並行しながら、FAXも活用することで高い効果を得られる可能性があります。
ダイレクトマーケティングを活用すべき仕事
ダイレクトマーケティングを活用すべき仕事としては、通信販売やEC関連の仕事が挙げられます。
また、直接販売ができる仕事として活用可能な仕事に「生命保険」や「動画のサブスクリプションサービス」「ソフトウェア販売」などがあります。
ダイレクトマーケティングの手法を活用した事例4選
ダイレクトマーケティングは、主要なマーケティング手法として、これからも多くの企業で活用される可能性があります。
ここで解説する4つの企業は、ダイレクトマーケティングを活用して業績を伸ばしている企業です。事例を参考に、ダイレクトマーケティングを自社に活用していきましょう。
1:化粧品の通信販売会社によるUGCの活用
ダイレクトマーケティングの活用例として、化粧品の通販会社のUGCの活用があります。UGCとは(User Generated Contents)の略語であり、企業ではなく一般個人が制作したコンテンツです。
化粧品通販会社では、モニターに実際に商品を使用してもらい、商品の感想などをSNSにアップしてもらう戦略をとっています。消費者目線からの情報発信のため、SNSなどを見ている潜在顧客に対し、より自然なアプローチをかけることに成功しています。
2:アメリカの多国籍テクノロジー企業によるクロスセルを促す仕組み
アメリカの多国籍通販大手企業では、会員限定イベントの開催や、購入履歴や閲覧履歴を元におすすめ商品の購入オファーを顧客に出すなどして、マーケティングを行なっています。
顧客に自分の興味のある分野から商品を紹介するため、追加購入を促す効果があります。
3:タクシー配車アプリ運営会社によるスマートフォンとの親和性の高さを活用
タクシー配車アプリの運営会社では、アプリにクレジットカード情報を紐付け、タクシーの走行中に支払いを完了する仕組みを構築することで、支払い作業をなくすことにしています。
双方向での対話も可能にし、満足度も向上、待機ストレスをなくすことで、顧客から大きな支持を集めているアプリです。
4:宅配便事業会社によるLINEの活用
国内大手の宅配便事業会社では、LINEを活用した営業を行なっています。宅配便企業のアカウントとLINEを連携することで、簡単にやりとりをしながら再配達の要望や日時の指定が可能です。
また、配送の依頼を双方向でやりとりが可能なため、利便性と関係性も深まります。
ダイレクトマーケティングを行なうときに気を付けること4つ
ダイレクトマーケティングはメリットの多いマーケティング手法ですが、デメリットももちろんあります。ここでは、ダイレクトマーケティングのデメリットを4つ解説していきます。
ダイレクトマーケティングのデメリットを把握し、適切にマーケティングを行なっていきましょう。
1:ターゲットとなる顧客が異なると広告や手法を変える必要がある
ダイレクトマーケティングは、マスマーケティングとは違い「1対多」ではなく、「1対1」で行なうマーケティング手法です。マスマーケティングは、不特定多数の人間を相手にするため、広告パターンもそこまで多くなくても通用します。
しかし、ダイレクトマーケティングは、個人を相手にするため、その顧客にあったアプローチの手法を考える必要があります。
2:初期投資が必要となる
ダイレクトマーケティングを本格的に行なう場合には、初期投資が必要になります。Webサイトやデータベースの作成のほか、宣伝のための費用も発生します。
特に特定多数の見込み客にアプローチする場合だと、それぞれにコミュケーション、アプローチが必要なためそれなりのコストが発生します。
3:専門的なスキルと知識を備えた人材が必要となる
ダイレクトマーケティングは、マスマーケティングのように、膨大な資金と人材が必要ではないため、中小企業や零細企業が取り入れやすいマーケティングです。
しかし、ダイレクトマーケティングはやり方を間違えると、効果を得ることができないこともあるため注意してください。
また、ダイレクトマーケティングを行なう場合、綿密な計画や専門的なスキル、知識を備えた人材が必要となることもあります。
4:広告の劣化に注意する
ダイレクトマーケティングでは、広告の劣化に注意する必要があります。広告の劣化とは、良い反響を得られた広告が、永続的に良い反響を得られるとは限らないということです。
現在は、移り変わりが激しい時代といわれています。ひと昔前までは、連絡手段の主流がメールであったのが、現在はLINEなどが主流といった具合に、変化が早く、流行り廃りもスパンが短いです。
広告も同様であるため、効果検証は忘れずにやっていきましょう。
ダイレクトマーケティングの手法を利用して事業を進めよう
現代のビジネスにおいて、ダイレクトマーケティングは大きな武器になります。人材や資金が限られた企業には尚更のことでしょう。しかし、ダイレクトマーケティングは、業種などによって、やり方や効果などは変わります。
今回の記事を参考にしながら、ダイレクトマーケティングの基本やメリットデメリットを把握し、自らのビジネスに活かしていきましょう。