ランチェスターの法則の2つの基本法則とは|戦略と法則をビジネスに応用
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ランチェスターの法則の2つの基本法則とは|戦略と法則をビジネスに応用

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ランチェスターの法則の2つの基本法則とは|戦略と法則をビジネスに応用

記載されている内容は2021年10月28日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日:2021年10月28日

更新日:2022年03月01日

ランチェスターの法則とは、戦場で弱者と強者が取るべき戦略をまとめた2種類の概念です。近年ではビジネスにおいても有効な経営戦略理論として人気です。本記事では、ランチェスターの法則の意味と、それぞれの立場での活用方法を紹介します。

ランチェスターの法則とは?

ランチェスターの法則の2つの基本法則とは|戦略と法則をビジネスに応用
※画像はイメージです

ランチェスターの法則とは、競争に勝つための方法と進め方を示した理論で、特に弱者が強者に勝つための戦略がまとめられているものです。

軍事戦略を元に作られた法則ですが、現代では中小企業が大企業に勝つための戦略として、ビジネスシーンでの利用が注目されています。

この記事では、ランチェスターの法則の2つの基本法則と、ビジネスでの活用方法について紹介します。

ランチェスターの法則の2つの基本法則

ランチェスターの法則の2つの基本法則とは|戦略と法則をビジネスに応用
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ランチェスターの法則は、イギリスの航空工学エンジニアであったフレデリック・ランチェスターによって考案されました。

戦争時の、戦闘要員の減少度合いを数理モデルにもとづいて記述した概念で、弓矢や槍などを使った古典的な戦闘に関する第1法則と、銃などを使った近代的な戦闘に関する第2法則の2種類があります。

それぞれの基本法則は以下の通りです。

ランチェスターの第1法則(弱者戦略)

ランチェスターの第1法則(弱者戦略)では、近距離での一騎打ちを想定しています。100人と120人が一騎打ちで戦うと、100人の軍は全滅しますが120人の軍は20人が生き残ります。公式は「戦闘力=兵士数×武器効率」です。

つまり、「同じ武器を持った兵士同士が戦う場合は人数が多い方が勝つ」という理論です。

しかし、120人の相手を何らかの形で60人ずつに分散させ、片方を集中攻撃する戦略を立てれば、数が少なくても勝てる可能性があります。ビジネスシーンでは、中小企業にとって有効な戦略となります。

ランチェスターの第2法則(強者戦略)

ランチェスターの第2法則(強者戦略)では、遠距離戦での「1人が複数の相手を攻撃する、または集団同士の戦い」を想定しています。

30人と50人が同じ能力の武器を使って戦う場合、兵士数はそれぞれ2乗になると考え、50人の軍が、40人を残して勝つことになります。公式は「戦闘力=(兵士数の2乗)×武器効率」です。

ビジネスシーンでは、大きな資本を持つ大企業にとって有利な戦略だと考えられています。

ランチェスターの法則をビジネスに応用

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ランチェスターの法則をビジネスシーンで応用する場合は、企業規模やマーケットのシェアによって強者と弱者、どちらの戦略をとるのかを考える必要があります。

ビジネスにおける強者は「その分野で1番のシェアを持つ企業」と定義され、それ以外はすべて弱者です。

それぞれの戦略の立て方と進め方について、順に紹介します。

強者は複数の戦場に乗り込み弱者を圧倒する

強者はすでに十分なリソースとノウハウを持っているので、多くの市場に参入して弱者を圧倒できるでしょう。そのため、積極的に新規市場に参入していくことが戦略の基本です。

また、すでに参入済の市場を守る際には第2法則を使うことで、仮に失敗した場合でも損失は少なく抑えられます。

弱者は敵を分散させて局地戦に持ち込む

弱者は正面から戦っても、強者に勝つことはできません。勝つためには「勝者の数が少ない場所で局地戦に持ち込む」か、「高性能な武器を持つ」のいずれかが必要です。

強者との差別化を行い、1点集中で冷静に戦うことで勝機は見えてきます。

ランチェスター戦略

ランチェスター戦略では、弱者は「第1法則を使い、業界大手のシェアを削ること」、強者は「豊富な経営資源を生かし、他社を圧倒してさらにビジネスの多角化を図ること」が目的です。

弱者は1点集中戦略で資本を投下し、1番のシェアを持つ企業が未着手のエリアや客層に参入して顧客を獲得するという戦略をとります。4Pや4Cなどのフレームワークを使用し、市場調査を行った上で他社との差別化を図ることがのぞましいでしょう。

強者は自身が持つブランド力や知名度、広範囲なチャネルを生かし、豊富な資金を元にして市場拡大を狙うのが基本です。知名度を生かしたCMや、他社が追随できないような多品種展開を行うなど、強者ならではの戦略を行えます。

マーケットシェア理論

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マーケットシェア理論とは、ビジネスにおける業界内のシェアをどの程度獲得しているのかを示す指標です。

シェアは「市場占有率」とも呼ばれ、高いほどその業界内では強い立場であり、今後のビジネスを有利に進めることが可能です。マーケティングやマネジメントにおいて、自社の置かれた位置や市場における商品の競争力を正しく把握し、今後の目標や経営戦略を立てるのに使われます。

ランチェスターの法則とほぼ同時期に考案され、第2次世界大戦でアメリカ軍が採用して勝利を収めた理論としても有名で、現在でも高く評価されています。

ランチェスターの法則についての理解を深めよう!

ランチェスターの法則には「第1法則」と「第2法則」の2種類があり、自身の立場が弱者か強者によって使い分ける必要があります。

この法則を実践する場合は、自社の分析はもちろん、その業界や競合他社の情報を収集し、分析することが重要なポイントです。

ランチェスターの法則の理解を深め、正しく活用してビジネスチャンスをものにしていきましょう。

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