商品分析を行なうための手法とは?活用する際のポイントもあわせて紹介
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初回公開日:2021年10月28日
更新日:2022年03月01日
商品分析って何?
商品分析とは、マーケティングの中でも自社のサービス・商品の購買データを分析することによって市場でそのサービスや商品がどのような位置づけにあるのかを分析する手法を指します。
自社のサービスや商品が市場でシェアを獲得するためには、商品分析によって見出した強みを活かしたり、改善点を発見したりすることが重要です。
また、商品分析によって売り上げに貢献している「売れ筋商品」や、ほとんど利益に貢献していない「死に筋商品」なども把握することが可能になります。
商品分析の主な8つの手法
商品分析の手法にはさまざまな種類があるため、目的に合わせた適した手法によって分析を行うことが大切です。ここでは商品分析の主な8つの手法についてそれぞれ解説していきますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
- 商品カテゴリー分析
- クラスター分析
- デシル分析
- ABC分析
- 4P分析
- トライアルリピート分析
- アソシエーション分析
- マーケットバスケット分析
1:商品カテゴリー分析
商品カテゴリー分析とは、商品の性質によってグループ分けを行う分析手法です。商品の大分類、中分類、小分類などの分類は、ECサイトやカタログで顧客に商品をイメージしてもらうために非常に重要なポイントになります。
また、商品のタイプを分類しておくことにより、売れ筋の商品から今後売り上げが伸びそうな商品を予測できるようになります。
2:クラスター分析
クラスター分析とは、さまざまな性質を持った複数のものが混ざり合っている集団の中から、似たものを集めてグループ分けを行う分析手法です。クラスター分析には階層クラスター分析と非階層クラスター分析の2種類があります。
クラスター分析を行うことによって特性が近いものをグループ分けすることができるため、グループの特性に合わせたマーケティング活動が行えるようになります。
3:デシル分析
デシル分析とは、購入金額が高い順番に顧客を10等分してグループ分けを行う分析手法です。
購入金額が大きい順に10個のグループに分け、それぞれのグループ一人あたりの購入金額や累積購入金額、累積購入金額比率などを算出することにより、顧客の上位何%が売り上げの多くを占めている層なのかを明らかにすることができます。
デシル分析を用いることにより、優先すべき顧客層に対して効率的なマーケティングを実施することができるようになります。
4:ABC分析
ABC分析とは、商品や顧客などの指標を重要度によってA、B、Cのランク付けを行う分析手法です。たとえば商品を指標にABC分析を行う場合、売り上げ高の高いものからAランク、Bランク、Cランクにグループ分けを行います。
このようにランク分けを行うことで、今後マーケティングで優先すべき売れ筋商品であるAグループや、最低限の在庫のみに絞ったり商品の入れ替えを検討したりする必要のあるCグループを可視化することができるようになります。
5:4P分析
4P分析とは、「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(販売促進)」という4つのPの頭文字を取った分析手法です。
4P分析では、自社のどのような製品をどのくらいの価格でどのような流通経路でどのように販促するかといった内容を顧客視点で検討することができます。
6:トライアルリピート分析
トライアルリピート分析とは、商品の購買データから商品の購買特性を明らかにする分析手法です。顧客の「トライアル率」と「リピート率」を分析することで、その商品に顧客がどれだけ定着しているのか分析することができます。
また、この2つの率が高い商品は顧客ニーズをとらえた商品であることから、トライアルリピート分析を行うことで売れる商品を明らかにできます。
7:アソシエーション分析
アソシエーション分析とは、大量のデータを分析することで隠れている法則などを見つけ出す分析手法です。
アソシエーション分析では「支持度」「確信度」「リフト値」という3つの指標によって顧客の行動パターンなどを分析することで、実際の商品の売れ行きとの関連性を見つけ出します。
アソシエーション分析を行うことで一緒に購入されやすい商品を見つけることができるため、近くの棚で販売するなどの相乗効果を期待した戦略を立案できます。
8:マーケットバスケット分析
マーケットバスケット分析とは、先に紹介したアソシエーション分析の1つです。スーパーなどの買い物かごに何が入っているのかを分析するもので、「おむつを購入する顧客は一緒にビールを購入している」という「おむつとビールの法則」を発見しました。
マーケットバスケット分析ではPOSシステムなどの購買データをもとに、一緒に購入されやすい商品を分析することができます。ここではマーケットバスケット分析について詳しく解説していきます。
共起性を表す指標
共起性とは、文章の中である文字列とある文字列が同時に出現するといった性質を指す言葉です。マーケットバスケット分析では、共起性を表す基本的な指標として「共起頻度」があります。
共起頻度とはある商品Aとある商品Bの両方を購入した人数のことで、2人であれば共起頻度は2です。他にもDice係数、Jaccard係数、Simpson係数、Cosine係数などさまざまな指標が存在しています。
分析に必要なデータ
マーケットバスケット分析では顧客の買い物かごのデータ、レシートのデータを基本として分析を行います。そのため、実際にはPOSデータを利用して分析を行うことになります。
Aprioriアルゴリズムの組み合わせ
Aprioriアルゴリズムとは、「Support(支持度)」が一定以下の商品が含まれる組み合わせは「Confidence(信頼度)」を計算しないというアルゴリズムです。
実際のマーケットバスケット分析では、複数の組み合わせでレコメンデーションを考える必要があります。しかしAprioriアルゴリズムを利用することで、膨大な量の計算を行わなくて済むようになります。
レコメンデーションに必要な指標
レコメンデーションに必要な指標として、「Confidence(信頼度)」「Support(支持度)」「Lift(リフト)」があります。
その中でも「Confidence(信頼度)」はレコメンデーションの基本となる指標で、商品Aを購入した人の中でどのくらいの人が商品Bも購入したのかという確率のことです。
「Support(支持度)」は商品Aと商品Bがどれくらい一緒に売れているのか、「Lift(リフト)」は売れ筋商品をどのように扱うのかという指標になります。
レコメンドルールの作成方法
レコメンドルールを作成する場合、まずは「Support(支持度)」の指数を決定します。50%にした場合、5人中3人が購入している商品だけを計算するということです。
次に、残った商品の「Confidence(信頼度)」と人気度を算出します。「Confidence(信頼度)」が60%以上、「Lift(リフト)」1以上に設定する場合、「Confidence(信頼度)」が60%以上かつ人気度よりも「Confidence(信頼度)」が低い商品は除外されます。
残った商品で具体的にどの商品が売れた場合にどの商品を推薦するのかというレコメンドルールを検討します。
商品の短所長所にはSWOT分析
SWOT分析とは、企業の内部環境である「Strength(強み)」、外部環境である「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の4つの単語の頭文字を取った分析手法です。
これら4つの観点によって内部環境と外部環境両方から分析を行えるため、自社の課題や市場機会を見つけることができます。
商品分析手法を活用する際の3つのポイント
ここまで紹介したとおり、商品分析にはさまざまな手法が存在しています。しかし、さまざまな手法を駆使して分析を行わなくてもいくつかのポイントを押さえて商品分析を行うだけで、有益な情報を見つけることができるでしょう。
ここでは最後に、商品分析手法を活用する際のポイントについて解説していきます。
- 目的を持つ
- 分析した情報をどう活用するか
- データに見当をつける
1:目的を持つ
商品分析を行う際に、とりあえず分析を行ってから得られた情報をビジネスに活かそうとするケースがあります。しかし「とりあえず分析する」というスタンスでは商品分析は失敗します。
商品分析を行う場合は、最終的にどのような形で得られた情報を活用したいのか考えたうえで、適切な商品分析を行うことが大切です。
2:分析した情報をどう活用するか
商品分析を行うことで確かに有益な情報が見つかることはありますが、大切なのは「見つけた情報をどのようにして活用するのか」です。
分析を行う人によって得られた情報の使い方も変わるため、商品分析を宝探しのように考えず、活かす方法を重視するようにしましょう。
3:データに見当をつける
企業が保有しているデータは膨大な量が存在しているため、すべてのデータを分析することは不可能です。そのため、商品分析の前に分析を行うデータに見当をつけておくようにしましょう。
最初からある程度データにあたりをつけておくことで、商品分析にかかる時間や手間を削減することができます。
商品分析を行なうための手法を知って活用しよう
商品分析を行うことで商品の問題点を改善したり、マーケティング施策に活かしたりすることができます。ぜひ、本記事で紹介した商品分析のさまざまな手法や商品分析手法を活用する際のポイントなどを参考に、自社のマーケティングに商品分析を活用してみてはいかがでしょうか。