戦略的思考を考えるうえでポイントとなること5つ|身に付ける方法を知ろう
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初回公開日:2021年11月22日
更新日:2022年03月01日
なぜマーケティングには戦略的思考が重要か
マーケティングに求められる「戦略的思考」とは、生産性の向上や日常業務などビジネスにおける行動全体に関連する重要な考え方です。近年では採用部門や人事部門、研究開発部門などの事業活動においても採用されるケースが見受けられます。
「戦略的思考」の根底には、達成したい目標を掲げその目標に向かってさまざまな資源(リソース)をどの分野に注力させるかを選定することを言います。また「達成すべき目的があり」かつ「資源が不足している」場合に、戦略的思考が必要です。
ここでは、仕事をするうえでの戦略的思考とは何かについて詳しく解説していきます。
戦略的思考を考えるうえでポイントとなること5つ
マーケティングをするうえで戦略的思考を身に着けることがとても大切です。そのうえで、これから紹介する5つのポイントをしっかりと把握し、実践に応用してみましょう。それでは詳しく紹介していきます。
- 経営資源について意識する
- 戦略と戦術の違いを意識する
- 論理的な思考も持つ
- 相手側の視点に立って考える
- マーケティングフレームワークを活用し組み合わせる
経営資源について意識する
戦略的思考を考えるうえで、冒頭でも述べた経営資源を意識・理解しておく必要があります。経営資源とは、会社を運営するうえで必要となる要素の総称であり、とりわけ「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」「時間」「知的財産」は「6大経営資源」と呼ばれています。
「ヒト」とは企業のビジネスを遂行する労働力つまりは人材を意味しており、「モノ」とは商品・サービスやそれを製造する機械設備などのことです。
「カネ」はその名の通り「お金」であり、「情報」とは顧客の購買履歴やマーケティング環境などのビジネスにおいて役立つデータ全般のことです。
「時間」とは会社経営や事業環境、サービストレンドなど時間との競争や、タイミングを意味しており、「知的財産」は無形の財産に与えられた財産権を言います。たとえば、著作物やプログラムなどの創作物、商標、商号などです。
これらの経営資源を意識することで企業の強みや弱みを客観的に把握することができ、戦略的思考を実践するうえでウェイトの変更や優先順位などを合理的に判断することができます。
戦略と戦術の違いを意識する
「戦略(Strategy)」とは、企業がより成長するためにはどのようにしたらよいかを示すものです。つまり戦略を練るということは、企業にとってポジティブに作用することをどのように実現するかを検討することです。
一方で「戦術(TacticまたはExecution)」とは、戦略を達成するうえでより具体的な手段のことを指しています。「戦術」はつねに「戦略」の下位概念であり、戦略的思考は「目的」「戦略」「戦術」と下方展開することから、戦術よりも戦略の方が大切と言われています。
具体的な例としては、「見込顧客を増やすこと」や「見込顧客を販売実績につなげる」といったことはここでいう「戦略」に当てはまり、戦略を達成するための具体的な手段として活用するのが戦術であるため、「Webメディアの活用」などが「戦術」に該当するということです。
論理的な思考も持つ
戦略的思考を実践するうえで全体像を的確に捉え、「抜けなく漏れなく」考える論理的な思考も大切です。
それぞれの要素間において重複なく同じレベルで並行して検討すること、それぞれの要素間において論理的矛盾が発生しないことなどを徹底する論理的な思考(ロジカル・シンキング)が求められます。
ロジカル・シンキングを実践することで、論理を積み重ねていきながら自らの考えを整理することができ、くわえて垂直方向に深堀りすることで有用性を追求することができます。
また導き出した答えは、矛盾のない答えが導き出せるため、論理的な思考(ロジカル・シンキング)は戦略的思考力を高めてくれるため、欠かすことのできない思考法です。
相手側の視点に立って考える
戦略的思考を実践するうえで「相手側の視点に立って考える」つまりは、主観的な思考ではなく客観的な思考を重要視する必要があります。戦略的思考は、顧客が抱えている問題や顧客であっても気づいていないような潜在的な問題まで迫ることが大切です。
このような問題を見出し、解決先を導き出すことができれば、今後のイノベーションにつなげることもできます。
マーケティングフレームワークを活用し組み合わせる
ビジネスの基本を構成するマーケティングフレームワークを活用し、組み合わせることは非常に重要です。「マーケティングフレームワーク」とは、経営戦略において役立つ分析のためのツールや枠組みのことを言います。
開発や運用、意思決定などを行う際にこれらの基礎となる構造やアイデアなどの集合体です。ここでは5つのマーケティングフレームワークについて確認していきましょう。
3C分析の活用と組み合わせ
1つ目は、「3C分析」というビジネスフレームワークの活用です。「顧客・市場(Customer)」「競合他社(Competitor)」「自社(Company)」の3つのマーケティング環境を分析する方法であり、それぞれの頭文字であるCから「3C」と呼ばれています。
「3C分析」を活用し組み合わせることで、客観的視点からそれぞれの要素を抽出することができます。また自社の強みを生かしながら、競合他社に勝るための道筋を導き出すことができるマーケティングフレームワークです。
3C分析のポイントは正確な情報を収集することであるものの、情報収集に時間をかけすぎてしまうとマーケティング自体が変容してしまう可能性もあることから、分析するために必要と想定される情報のみに絞った調査が求められます。
くわえて自社分析に限らず、顧客となる企業を理解するためにも有効なマーケティングフレームワークであるため、より効果的に活用することができます。
4Pの活用と組み合わせ
2つ目は、「4P」というビジネスフレームワークの活用です。4つの観点からマーケティング(市場)を分析し、企業の課題と強みを明確にすることで、より具体的な立案をするためのフレームワークとして活用されます。
「製品(Product)をどのようにつくるか」「価格(Price)をどのように設定するか」「流通(Place)をどのように設定するか」「販売促進(Promotion)をどのようにするのか」からなる4つの頭文字であるPから「4P」と呼ばれています。
5Cの活用と組み合わせ
3つ目は、「5C」というビジネスフレームワークの活用です。これは企業の現状を分析、理解することで次の戦略を立案するためのフレームワークとして活用することができます。
「自社理解(Company)」「消費者理解(Consumer)」「中間顧客理解(Customer)」「競合他社理解(Competitor)」「地域社会理解(Community)」からなる5つの頭文字であるCから「5C」と呼ばれています。
SWOT分析の活用と組み合わせ
4つ目は、「SWOT分析」というビジネスフレームワークの活用です。
「強み(Strengths)」「弱み(Weaknesses)」「機会(Opportunities)」「脅威(Threats)」の4つの要素を分析することで、今後のマーケティング戦略や事業計画を立案する際に活用することができます。
SWOT分析を行う場合、分析を行う目的を明確にすることが大切です。また外部環境である「機会」や「脅威」から分析することが推奨されており、内部環境である「強み」や「弱み」を分析する際にも外部環境を考慮した客観的な分析を行うことが求められます。
すべての要素の抽出が完了した後は「クロスSWOT分析」を実践し、4つの要素を組み合わせて分析を行うことも可能です。
STP分析の活用と組み合わせ
5つ目は、「STP分析」というビジネスフレームワークの活用です。
市場を細分化し標的市場を決定する「セグメンテーション(Segmentation)」、ターゲット層を抽出する「ターゲティング(Targeting)」、自社の立ち位置を明確にし、競合他社との競争優位性を設定する「ポジショニング(Positioning)」の3つの視点から分析を行います。
市場や顧客のニーズを分類分けすることで、どのマーケティングにおいてどのようなサービスを提供していくかを決定する際に活用することができます。
また競合他社との差別化要因を見出すためにも活用されるフレームワークであり、経営資源を無駄に消費することなく販売促進活動を実践することを可能にするものです。
戦略的思考を身に付ける方法
世の中には後から出てきたビジネスであっても、成功をおさめているビジネスが存在します。それは成功事例から模倣して学びながら、戦略的思考を身に付けていったからです。
ビジネスにおける戦略的思考を身につける第一歩は、「自分の得意とすることや好きなこと」から物事を分析してみることも有効な方法と言われています。
得意とする分野や好きな分野であれば、興味・関心が強い傾向にあるため、これらの成功事例などをいち早く吸い上げることができるといったメリットもあります。
身に付け方や鍛え方は多くの手法があるため、本屋などでこれらに関連する書籍や教科書などを探してみることもおすすめです。
戦略的思考について理解しよう
「戦略的思考」は、本質を捉えた論理的な解決先を導き出すうえで非常に重要です。
とりわけビジネスにおいて用いられることが多く、経営課題などに対して経営者視点で環境を正しく捉えながら、課題の優先順位を明確化させることで戦略目標を達成に導くことができる思考方法として活用されています。
戦略的思考を正しく理解しておくことで、職業にかかわらず目の前にある問題解決だけでなく、将来的に企業が発展していくために必要となるものを捉えることもできます。
将来的にも企業を成長させるために、またいま何をするべきかということを分析するためにも、戦略的思考を身に付けるようにしましょう。