ブランディングとは?実施する利点や構成要素と種類もあわせて紹介
記載されている内容は2021年11月22日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。
初回公開日:2021年11月22日
更新日:2022年03月01日
ブランディングとは?
ブランディングとは、ブランドを構築するための活動などを指している言葉です。
ブランディングは自社商品を顧客に認知させることが目的です。そのため、商品のシンボルやロゴ、デザインなどで自社商品の強みや他社とのポジショニングを構築する役目も担っています。
この記事では、ブランディングについて紹介していきますので、参考にしてください。
ブランディングとマーケティングの違いとは?
ここでは、ブランディングとマーケティングの違いについて解説していきます。
ブランディングは他社商品との差別化を対象とした行動を指し、マーケティングは需要の高い商品を流通させ、販売して消費者に届けるための経営上のプロセスを指しています。
どちらも内容は違うように見えますが、「商品を売るために行うこと」という目的は一致しているでしょう。
ブランディングに注力する理由
続いて、ブランディングに注力しなければならない理由について解説していきます。
企業がブランドを構築することができれば、他社との違いを生み出すことにも繋がるため、消費者に自社商品を選んでもらいやすくなります。
また、商品を利用した顧客の満足度を向上させていくことができれば、リピート率を上げることに繋がり、ブランドイメージの向上も図ることが可能になるでしょう。
ブランディングを評価する基準とは
ブランディングの評価はさまざまな要素を基準の対象としているため、評価基準を構成している事柄について知っておくことが必要でしょう。
見込み客に自社商品の認知度を示す指標となっているブランド認知、愛着や親近度を示しているブランドロイヤリティといった評価基準があります。
また、品質の良さを知覚している度合いを示す知覚品質やブランドから連想されるイメージを示したブランド連想などがあります。
ブランディングを実施する利点3つ
ブランディングとは、顧客に自社商品を認知させることを目的に行われており、確固たるブランドを構築することができれば多くのメリットを得ていくことが可能です。
自社商品のブランディングを成功させることができれば、社会的な信用を得ることにも繋がるため、優秀な人材を集められます。また、確固たるブランドを構築することができれば、取引先や顧客との交渉に役立てられるでしょう。
- より良い人材を獲得できる
- 安定的な収益や利益の増加が見込める
- 交渉時に優位に立てる
1:より良い人材を獲得できる
ブランディングを行っていくことでより良い人材を確保する機会を得ることが可能になるでしょう。
企業のブランディングを行い、他社との差別化を図ることが可能になれば会社の知名度や規模を上げることにも繋がるため、優秀な人材を集めることができるようになります。
より良い企業経営を行うためにもブランディングを実施し、企業としての知名度を向上させましょう。
2:安定的な収益や利益の増加が見込める
安定的な収益や利益の増加が見込めることもブランディングで得られるメリットの1つです。
ブランディングによって自社商品のブランドを形成することができれば、競合している他社との差別化を図れるでしょう。
他社との差別化を図ることで消費者の商品を購買した際のリピート率を向上させることに繋がり、競合他社より一歩進んだ事業展開を行うことが可能になります。
3:交渉時に優位に立てる
ブランディングは、自社商品を多くの人に認知させる役目も担っているため、取引先との交渉の際に優位な立場で渡り合っていくことが可能になります。
ブランディングによってブランド力を備えておけば、下請けや広告代理店に生産性が低い仕事を依頼しても、相手の企業は自社の実績にできることから取引を断れないため、交渉時に優位に立てるでしょう。
ブランドの構成要素とは?
ここからはブランドを構成しているさまざまな要素について紹介していきます。
ブランドは可視的ブランドメディアや抽象的ブランドメディア、ブランドアイデンティティといった形で構成されており、ブランディングを構築していくためにはこれらの要素について理解を深めておく必要があるでしょう。
- ブランドメディアの要素
- ブランドアイデンティティの要素
ブランドメディアの要素
ブランドメディアとは、ブランドのアイデンティティを抽象的、可視的な形で具現化させたものです。
自社のブランディングをSNSや自社サイトを活用して行う場合、それらのメディアがブランドメディアです。また、ブランドメディアはブランドを形成する要素の中でブランドアイデンティティの下位に属しています。
それらのメディアの中で可視的ブランディング、抽象的ブランディングを選択し自社のブランドを構築していきます。
可視的ブランドメディアの場合
ブランドメディアの要素の1つに可視的ブランドメディアがあります。
可視的ブランドメディアとは、スローガンやコンセプトをテレビCMや雑誌、新聞広告用のコンテンツとして分かりやすく可視化したものです。
また、ブランドメディアの中で可視的ブランドメディアは抽象的ブランドメディアの下位の要素として位置付けられています。
抽象的ブランドメディアの場合
ブランドメディアには抽象的ブランドメディアがあり、可視的ブランドメディアとは別のブランドメディアとして認識されています。
抽象的ブランドメディアは、ブランドアイデンティティを具現化させたもので、商品を知ってもらうためのキャッチコピーやスローガンといった言葉に置き換えたものです。
抽象的ブランドメディアはアイデンティティを抽象的に具現化したものとなり、企業の商品を象徴するロゴマークなどが該当します。
ブランドアイデンティティの要素
ここでは、ブランドアイデンティティの要素について解説していきます。
ブランドアイデンティティとは、企業ブランドの普遍的な価値やイメージを示しており、確固たるブランドを形成することができれば時代の流れに左右されることがありません。
また、ブランドアイデンティティはブランドメディアの中で頂点に位置している要素となるため、ブランドメディアを形成していくために欠かせない事柄となっています。
ブランディングにおいてコツとは?
ブランディングを行う場合、コツを押さえたブランドの構築が必要となります。
ターゲットやポジショニングを明確にしておかないと自社の強みを活かした製品開発が難しくなるため、SNSを用いて顧客の声を集めることが重要です。ターゲットが明確になればどのようなフレームワークを選べば良いか知ることができるでしょう。
商品のブランドアイデンティティが明確になれば、ブランドメディアを使い認知度を向上させることができます。
ブランディングの種類6つ
続いて、ブランディングの種類について紹介していきます。
企業単位でブランディングを行う企業ブランディングや社内で働く従業員を対象にしたインナーブランディング、その他に消費財を提供している企業が行うBtoC企業ブランディングや、ビジネス財を提供しているBtoB企業がブランディング事業を展開するブランディングなどがあります。
- 商品やサービスのブランディング
- 企業のブランディング
- インナーブランディング
- アウターブランディング
- BtoB
- BtoC
1:商品やサービスのブランディング
商品やサービスに関わるブランド構築などもブランディングの手法の1つです。
商品やサービスのブランディングは、自社が展開している商品や提供しているサービスを対象に行われるブランディングを指しています。
商品やサービスのブランディングは、自社の商品やサービスの見込み客として認識している顧客に向けて行われるブランディングとなり、この手法はマーケティング施策も兼ねているのです。
2:企業のブランディング
ブランディングには、企業規模でブランドを構築していく企業ブランディングがあります。
企業ブランディングを行う際、1つの商品ではなく企業の従業員や取引先、株主、投資家、社会がブランディングの対象です。企業のブランディングは、会社の名称を変更するなどして企業規模でのブランド構築を行うようにします。
3:インナーブランディング
ブランディングの種類には社内の従業員を対象としたインナーブランディングがあります。
インナーブランディングを行えば、社内の求心力を高めながらブランドミッション(社会的使命)、ブランドビジョン(在りたい姿)、ブランドバリュー(価値観、マインドリセット)を社内で働いている社員に浸透させることが可能でしょう。
このブランディングを導入すれば、各部署などでブランドビジョンに基づいた行動を取ることができます。
4:アウターブランディング
ブランディングには、自社以外の顧客や消費者を対象にしたアウターブランディングがあります。
アウターブランディングは、通常のブランディングを行う際の言葉として用いられるのが一般的です。
ブランドは消費者や顧客にとって商品を使う際の安心感や、信用を示す度合いとしても考えられているため、ブランディングはユーザーと信頼関係を構築する役目も担っていると言えます。
5:BtoB
ブランディングには、ビジネス商材を提供しているBtoB企業が行う、BtoBブランディングがあります。
ブランド力のないBtoB企業だと他社との比較で良い取引をすることが難しかったり、導入までの稟議申請が降りなかったりといった事態に陥ることがあるため、ブランディングが必要になるでしょう。
また、BtoBブランディングによって企業の認知度を上げることができれば、他社との差別化を図りながら優秀な人材の確保も可能です。
6:BtoC
ブランディングには、一般消費者向けの商品を提供しているBtoC企業が行っているBtoCブランディングがあります。
BtoCブランディングは一般消費者向けの商品を提供している企業が、消費者に対して行うためのブランディングです。
SNSなどを用いて環境分析を行い、収集したデータからブランドを形成している要素について把握し、ブランドアイデンティティやブランドメディアに反映させブランドを構築していきます。
ブランディングを行う3つのステップ
最後に、ブランディングを行う際に必要となる3つの工程について紹介していきます。
ブランディングを行うためには3C、SWOT分析などによる環境分析を実施し、自社が置かれている現状を把握することが必要でしょう。
その後、環境分析で知り得た情報からブランドアイデンティティを設定し、どのようなフレームワークやブランドメディアを用いるか考え、ブランディングを行っていきます。
- 環境分析・理解
- ブランドアイデンティティの設定
- 戦略を具体化する
1:環境分析・理解
ブランディングを行う際の工程に、環境分析と分析結果の理解を深めるステップがあります。
環境分析とは顧客、競合、自社に的を絞った3C分析や政治、経済、社会、技術といった要素から外部環境を知るためのPEST分析などがあり、把握しておきたい環境に合わせてこれらの分析を試すことが可能です。
その他にも、自社の強みと弱み、社会や市場による機会、脅威をプラス面とマイナス面に分けて分析するSWOT分析もあります。
2:ブランドアイデンティティの設定
ブランディングを行う行程にはブランドアイデンティティの設定も重要になってきます。
ブランドアイデンティティとは、自社製品の強みを活かしながら、築いていきたいブランドへ商品の強みを反映させ、顧客に受け入れてもらうことのできるイメージを作り上げることです。
アイデンティティが明確に設定されていないとキャッチコピーやロゴが曖昧な形になってしまうため、ターゲットに合ったブランドアイデンティティを決めておきましょう。
3:戦略を具体化する
ブランディングを行う際のステップに、戦略を具体化する工程があります。
製品の内容や価格、流通経路、告知方法などをもとにブランディング戦略を具体化していきましょう。
その後、マーケティング戦略の1つである4P分析で得た結果を踏まえながらペルソナとアイデンティティを設定し、どのくらいの時期までに実績を上げていくのか目標を定めておきます。
ブランディングを正しく理解して活用しよう
ブランディングとは自社商品のブランドを構築させ、商品やサービスを多くの人に認知させることを目的に行われています。ブランディングを成功させることができれば、安定的な収益を得たり、取引先との交渉を有利に進めたりしていくことが可能でしょう。
ぜひ本記事で紹介したブランディングに関する利点や実施する際の工程を参考に、自社商品を確固たるブランド製品に形成してみてはいかがでしょうか。