戦略思考を習得するための5つの手順|マネジメントにおけるメリットも紹介
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初回公開日:2021年11月22日
更新日:2022年03月01日
戦略思考とは?
戦略思考とは、企業が抱えている経営課題を経営者目線で正しくとらえ、解決の優先順位を明確にしながら目標達成へと導くための思考方法です。戦略思考にはさまざまな解釈が存在しますが、いずれもゴールに向かってどのような道筋を引くかという点が共通しています。
このような戦略思考は、すべてのビジネスパーソンが身につけたい思考スキルだと言えるでしょう。
戦略思考を習得するための5つの手順
戦略思考を持っていると、会議などの議論の場でも本質をついた的確な発言ができるようになります。このような戦略思考は生まれながらに持っているわけではなく、いくつかのポイントを押さえた学習を行うことで習得することができます。
ここでは戦略思考を習得するための手順について解説していきますので、参考にしてみてください。
- 自己分析を行う
- 新しい知識を習得する
- 課題へ挑戦する
- 困難を乗り越えることを通じて思考を拡張する
- 再び自己分析を行い何度もサイクルを繰り返す
1:自己分析を行う
戦略思考を習得するには、まずは自己分析を行うことが大切です。この工程を「アセスメント(自己認識)」と呼びます。
戦略的思考を身につけるには、自分自身の強みや自分が抱えている課題を把握する必要があります。そのため、自己分析によってまずは自分が認識している自分自身の意識や思考、発言や行動について理解しましょう。
さらに他者から見た自分自身の態度などを顧みて、自己変革を行えるようにしましょう。
2:新しい知識を習得する
戦略思考を獲得するには、戦略を立案するための新しい知識を得ることが大切です。この工程を「インプット(知識習得)」と呼びます。
たとえば戦略思考に関するフレームワークや発想法、リーダーシップを発揮する方法などを学ぶことで、実際にスキルを向上していくことが可能になります。
また、さまざまなケースを想定して繰り返しトレーニングを行い、実際のビジネスシーンでも試行錯誤を繰り返すことによって、戦略思考のスキルを磨くことができるでしょう。ただし、戦略的に考えることをやめればすぐに能力は低下してしまうため、日々繰り返すことが重要です。
3:課題へ挑戦する
さまざまな新しい知識を習得したら、習得した知識を活用して課題への挑戦を行いましょう。この工程を「チャレンジ(修羅場)」と呼びます。
これまで自分自身が経験したことのないような解決が難しい状況に身を投じて、戦略的思考のフレームワークや発想法などを利用して自らの力で困難を乗り越える努力を行いましょう。
さまざまな障壁を自ら解決へ導くことにより、自分なりの戦略的思考を身につけていくことができます。
4:困難を乗り越えることを通じて思考を拡張する
困難な場面に遭遇した場合、どうしても閉鎖的な思考や行動に陥ることも多いです。しかし困難を乗り越えることにより、思考を拡張していくことができます。
この工程を「サポート(自己限界打破)」と呼びます。他の人からのサポートを受けたりさまざまなきっかけを提供してもらうことにより、自分自身の限界を突破し、思考や行動などを拡張していきましょう。
5:再び自己分析を行い何度もサイクルを繰り返す
ひととおりのステップが終わったら、再び自己分析を行いましょう。ここまで紹介した「アセスメント」「インプット」「チャレンジ」「サポート」を1つのサイクルとして、何度も繰り返すことが大切です。
戦略思考を身につけるには場数を踏むことが重要になるため、この基本ステップを繰り返すことで訓練し、戦略思考を自らのスキルとして習得していきましょう。
戦略思考を身につける5つのメリット
戦略的思考を身につけることにより、さまざまなメリットがあります。戦略的思考を習得することで物事の本質をついた解決策を講じることができるため、ビジネス面や私生活でも役に立つでしょう。
ここでは戦略思考を身につけるメリットについて紹介していきます。
- 一貫性のある行動がとれるようになる
- 根拠のある意思決定ができるようになる
- 効率よく目的を達成することができる
- 失敗を次に生かせるので労力が無駄にならない
- 行動の取捨選択ができるようになる
1:一貫性のある行動がとれるようになる
戦略思考を身につけることによって物事の本質をとらえることが可能になるため、一貫性のある行動がとれるようになります。戦略に基づいた意思決定ができれば、物事を考える上での軸がぶれることもありません。
そのため、常に合理的な行動をとれるようになるでしょう。
2:根拠のある意思決定ができるようになる
経営者の中には自分の希望に基づいた根拠のない意思決定を行いがちですが、根拠のない意思決定はビジネスを停滞させます。しかし戦略思考はものの本質を考えるスキルであるため、戦略思考を身につけることで根拠を持った意思決定も可能になります。
ビジネスの停滞から抜け出すには、常に根拠を持った結論が重要だと言えるでしょう。
3:効率よく目的を達成することができる
戦略思考を身につけることによって、効率的にリソースを運用できるようになります。そのため、戦略思考を持っていない場合と比べ、より効率的に目的達成を行えるようになるでしょう。
また、自分自身の戦略を持つことで、ただ目的を達成するよりも、よりよい目的達成を実現できる可能性もあります。
4:失敗を次に生かせるので労力が無駄にならない
たとえ目的を達成できなかったとしても、戦略思考を身につけていれば経験値として次に生かすことができます。そのため、目的達成のために消費した資源が無駄になることはありません。
たとえ失敗したとしてもしっかりとその経験を学習していれば、同じような局面に遭遇した場合に挽回することもできるでしょう。
5:行動の取捨選択ができるようになる
戦略思考があれば、取捨選択を行う上での意思決定に役立ちます。生きる上で日々さまざまな意思決定を行うことになりますが、戦略思考を身につけていれば効率的な選択ができるようになるでしょう。
また、戦略をベースに意思決定を行えば、なぜその選択をしたのかも根拠を持って説明することができます。
戦略的思考が身についているか判断するには?
戦略的思考が身についているか判断するには、一般社団法人日本能率協会(JMA)が提供している「戦略思考力アセスメント」を活用する方法があります。
戦略思考力アセスメントは、企業の管理職や管理職候補者などを対象とした人材開発に役立つソリューションです。戦略思考力アセスメントでは受験者の戦略的思考力を戦略的なマインドと戦略的な思考スキルの両面から測定することができます。
戦略思考を身につけてマーケティングにも活用しよう
戦略思考を身につけることで、常に戦略に基づいた合理的な意思決定ができるようになります。ぜひ本記事で紹介した戦略思考を習得するための手順や戦略思考を身につけるメリットなどを参考に、戦略思考を習得してみてはいかがでしょうか。