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市場調査とは？行なう手法17選と失敗しないためのコツもあわせて紹介
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市場調査とは？行なう手法17選と失敗しないためのコツもあわせて紹介
記載されている内容は2021年11月22日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。
初回公開日：2021年11月22日
更新日：2022年03月01日
市場調査とは？
市場調査とは、現在の市場を数値によって把握し、マーケティング戦略の立案に役立てることです。市場調査は英語で「マーケットリサーチ」と呼ばれるもので、マーケティングリサーチと混同されることも多いですが、厳密には両者は異なります。
新しい商品を企画する場合、まずは顧客のニーズやトレンドなどを調べる必要があります。また、得られたデータによって企画、開発する商品の方向性も変わります。このように、商品開発の前に事前に必要な情報収集を行い、分析することを市場調査と呼びます。
市場調査の分類
市場調査は「一次的市場調査」と「二次的市場調査」の2種類に分けることができます。一次的市場調査はフィールド調査、二次的市場調査は机上調査とも呼ばれており、それぞれ調査の仕方などが異なります。
ここでは市場調査の分類について解説していきます。
- 一次的市場調査
- 二次的市場調査
一次的市場調査
一次的市場調査とは、実際に現場で調査を行うことです。アンケート調査やインタビューなどの方法で直接消費者や企業などから情報収集を行うため、一次的市場調査ではデータの生成が行われます。
実際に市場調査を行う場合、まずはインターネット上で公開されている統計データなどの二次データを調査し、足りない情報を補うために一次的市場調査を実施すると効率的です。
二次的市場調査
二次的市場調査とは、既存の調査データを収集することです。インターネット上には国が実施した統計データや調査会社などが発表した資料が存在するため、二次的市場調査ではそのような第三者が作成したデータを収集します。
そのため、二次的市場調査では新しいデータの生成は行われません。二次的市場調査とは誰でもデータを入手できますが、情報が古かったり知りたい内容がピンポイントではわからないこともあります。
市場調査を行なう利点とは？
新しく開発した商品やサービスが顧客に受け入れられない場合、大きな損失を生むことになります。しかし事前に市場調査を行なうことにより、現在の市場を数字や数値というわかりやすい形にして把握し、顧客がどのように評価するのか予測できます。
また、得られた情報は自社のマーケティング戦略や商品開発にも役立てることができます。
市場調査を行なうための5つのステップとは？
マーケティング担当者としてはじめて市場調査を実施する場合、どのような手順で進めれば良いのかわからないというケースも多いでしょう。ここでは、市場調査を行なうための5つのステップについて解説していきます。
- 調査目的を明確化・共有する
- 調査設計をする
- 調査の実行をする
- 調査結果の分析・仮説検証をする
- 今後の意思決定をする
1：調査目的を明確化・共有する
市場調査を実施する場合は、まずは調査目的を明確化しましょう。そのためには、現状で自社が抱えている問題点の洗い出しを行う必要があります。
調査目的が曖昧なままでは課題解決に繋がる市場調査を実施することはできないでしょう。また、設定した調査目的は社内で共有するようにしましょう。
2：調査設計をする
採用する調査方法や調査期間などの設計を行いましょう。定量調査の場合は多くのサンプルを比較的短期間で回収でき、定性調査の場合は時間がかかります。
また、定量調査を行う場合、質問紙の設問文や選択肢によっても結果が変わるため、どのような書き方にするのかが重要なポイントです。
3：調査の実行をする
調査設計によって決めた調査方法で調査を実施しましょう。調査には一次的市場調査と二次的市場調査があり、前者は新しくインタビューやアンケート調査などでデータを収集する方法、後者は既存の統計データを利用する方法です。
両方のデータを組み合わせることにより、的を絞った市場調査が実現できます。
4：調査結果の分析・仮説検証をする
調査が終了したら、結果を集計、分析してレポートを作成しましょう。結果をただまとめるのではなく、その後の活用方法を踏まえた上でレポートを作成するのがポイントです。
また、あらかじめ仮説を立てておいた場合は、その仮説が正しいかどうか検証することが重要です。調査結果から仮説を検証し、仮説に間違いがあった場合は他の仮説で再度検証を行うといった作業を繰り返しましょう。
5：今後の意思決定をする
市場調査とは、調査結果から導き出された考察をもとに何らかの意思決定を行うことを目的としています。そのため、調査後は調査結果をもとに新しいマーケティング戦略を検討したり、商品の改善に繋げたりといった課題解決のための意思決定を行いましょう。
市場調査の代表的な利用方法5つ
市場調査を行う目的としては、商品開発や価格の決定、ブランドイメージを知るためなど、さまざまなものがあります。
そのため、どのような場面で市場調査が活用できるのか把握しておくことが大切です。ここでは市場調査の代表的な利用方法について解説しますので、参考にしてみてください。
- 商品開発をするための調査
- 価格を決定するための調査
- ブランドイメージについての調査
- 販促を考えるための調査
- 顧客の満足度に関する調査
1：商品開発をするための調査
市場調査は商品の企画開発を行う際に商品をより良くするための調査です。商品を開発して顧客に受け入れてもらえなかった場合、大きな損害になってしまいます。
そのため、事前に市場調査を行い、現在の市場にない新しい価値を創造するヒントを発見することで、商品開発に活かせます。
2：価格を決定するための調査
価格を決定するための市場調査では、「どのくらいの価格なら売れるか」「ターゲットにこの価格は適正か」といった内容を知るために調査を実施します。事前に価格調査を行うことで適切な価格を設定できるため、売り上げ向上が期待できます。
また、価格は安ければ良いというものではなく、ターゲットに商品を購入したいと思わせるためには、商品の価値が価格にきちんと反映されていることが大切です。
3：ブランドイメージについての調査
ブランドイメージについての調査では、自社ブランドに関する戦略がターゲットに届いているかどうかなどを調査します。具体的には、顧客が自社製品と競合他社の製品に対してどのようなイメージを持っているのかを調べます。
また、このような調査を行うことで、現在の市場よりも有望な市場がないかどうかも調べられます。
4：販促を考えるための調査
販促を考えるための調査では、販売支援として何を行えば販売量が増えるのかを調査します。販促調査を実施することで、実際に販促を行う際にどのツールがもっとも効果的なのかを事前に把握できます。
販促調査の代表例としては、広告デザインなどを複数のパターン用意して、どちらが良いか選んでもらうABテストがあります。
5：顧客の満足度に関する調査
顧客満足度に関する調査では、自社の商品やサービスの顧客の感想や評価などを調査します。顧客満足度に関する調査は既存顧客の満足度を維持し続けるだけでなく、新規顧客の獲得に繋げるためにも大切な調査です。
市場調査を行なう手法17選
市場調査をひと口に言っても、その種類はさまざまです。イメージしやすいアンケート調査やインタビュー調査、行動観察調査や面接調査など多くの種類があります。
ここでは市場調査を行なう手法について紹介していきます。
- アンケート調査
- インタビュー調査
- 行動観察調査
- 面接調査
- ショップアロング調査
- 定量調査
- 会場調査
- 郵送調査
- ミステリーショッパー調査
- ホームユーステスト
- 競合分析
- ソーシャルメディアリスニング調査
- 訪問観察調査
- リサーチの購入
- 売り上げデータの分析
- パブリックドメインデータ調査
- フォーカスグループ調査
1：アンケート調査
アンケート調査とは、調査対象者に質問内容が書かれた質問紙を配布し、回答が記載された質問紙を回収する調査手法です。アンケート調査には郵送やFAX、インターネット上で行われるものなど、さまざまな種類があります。
アンケート調査は市場調査の中でも一般的な手法であり、コストも抑えられることから多くの企業が大規模な市場調査に利用しています。
2：インタビュー調査
インタビュー調査とは、調査対象者に対面で質問を行うことで情報収集を行う調査手法です。インタビュー調査では調査対象者の回答によって質問を変えられるため、より深く情報を聞き出すことができます。
また、インタビュー調査には複数人の調査対象者に座談会を行ってもらう「グループインタビュー」と、1対1でインタビュアーと回答者が向き合う「デプスインタビュー」の2種類があります。
グループインタビュー（FGI）調査
グループインタビュー（FGI）調査とは、6~8人程度の参加者と進行役のモデレーターで行われる座談会形式のインタビュー調査です。複数人で進行していくため、さまざまな意見を一度に得られます。
また、参加者同士が意見交換を行うことにより、参加者自身も気付いていないような本音が聞けたり、新しいアイデアが生まれたりといった相乗効果が期待できるでしょう。
デプスインタビュー（DI）調査
デプスインタビュー（DI）調査とは、インタビュアーと回答者が1対1で行うインタビュー調査です。デプスインタビューでは込み入った内容を深堀したり、お金や健康などの他の人の前では喋りにくいようなデリケートな内容を質問しやすいというメリットがあります。
ただし1対1で行われるデプスインタビューは効率が悪いため、多くのサンプルが必要な調査には適していません。
3：行動観察調査
行動観察調査とは、調査対象者の行動を観察する調査手法です。直接現場で調査対象者を観察することにより、事実に即したデータを収集し、調査対象者が行動を起こす前のパターンなどを考察します。
行動観察調査は店舗への来店客数や、店頭で販売されている商品の価格などを調査する際によく用いられます。近年では調査員ではなくコンピューターを使用し、記録を取る方法で行われるケースも多いです。
4：面接調査
面接調査とは、調査者が調査対象者と対面して面接形式で行われる調査手法です。面接調査では調査者が直接その場で説明できるため、質問への理解度を高められます。
ただし、調査者バイアスによって回答に偏りが発生したり、質問の仕方が悪いとうまく回答が得られない可能性があることや、調査に時間やコストがかかることなどのデメリットがあります。
5：ショップアロング調査
ショップアロング調査とは行動観察調査の一種で、調査対象者が買い物をしている様子を観察して購買行動やプロセスを調べる調査手法です。また、調査対象者が買い物後にインタビューを行い、購買行動における意識や行動の実際などを探ります。
ショップアロング調査では、他の調査ではわからない調査対象者の視線の動きなども録画した映像から把握できるため、購買行動をより深く調査することが可能です。
6：定量調査
定量調査とはアンケート調査など、収集したデータを数値化することを想定して行われる調査手法です。市場調査は大きく分けて「定量調査」と「定性調査」に分けることができ、定量調査にはアンケート調査や郵送調査などの種類があります。
定量調査では数値データを収集できるため、短期間でサンプルを回収しやすいというメリットがあります。ただし、質問に対する回答か集められないことはデメリットです。
7：会場調査
会場調査とは、会場に調査対象者を集めて製品テストなどを行う調査手法です。CLT（Central Location Test）調査とも呼ばれる調査で、会場で参加者に商品を試食してもらったり、商品を実際に触ってもらうことで、参加者からの評価や感想を集めます。
製品テストやパッケージテストなど、同じ状況下で商品を使用してもらいたい場合などに用いられる調査です。
8：郵送調査
郵送調査とは、調査対象者の自宅や職場に質問紙を送付し、回収することで行われる調査手法です。官公庁などでよく用いられる方法で、インターネットを利用しないような高齢者を対象した調査にも適しています。
郵送調査は調査費用を抑えられますが、回収率が低いことはデメリットであるため、予想回収率をどのように設定するのかによって調査フレームも変わるでしょう。
9：ミステリーショッパー調査
ミステリーショッパー調査とは、調査員や顧客や見込み客を装って店舗に赴き、売り場の状況などを評価する調査手法です。小売店舗や飲食店などでよく実施される手法で、商品の陳列状況や清掃レベル、接客態度などを観察、調査します。
もともとミステリーショッパー調査は従業員を監視するために生まれた調査ですが、近年では顧客満足度を高めるための調査手法として経営層が実施するケースが多いです。
10：ホームユーステスト
ホームユーステストとは、調査対象者の自宅に商品を送付し、アンケートの回答を回収する調査手法です。ホームユーステストでは、普段の環境に近い状況で使用した感想や評価を得られます。
ホームユーステストは、使用するのに時間がかかる商品や日用品など、会場調査では試してもらいにくいような商品を対象に実施されるケースが多いです。
11：競合分析
競合分析とは、自社の競合他社を分析する戦略的な調査手法です。競合分析では競合と比較したい内容により、製品やサービス、ブランド、セグメントなどを定義していきます。
競合分析を行うことにより、自社ブランドが市場の中で競合に対して優位性を持っているかどうかを知ることができます。なお、競合分析では「SWOT分析」が用いられるケースが多いです。
12：ソーシャルメディアリスニング調査
ソーシャルメディアリスニング調査とは、ソーシャルリスニングツールを使用してSNS上に投稿された内容を分析する調査手法です。
たとえば自社ブランドの名前がSNSに投稿された場合、そのブランド製品についてユーザーがどのような内容を投稿しているのか追跡するといった調査内容です。ソーシャルメディアリスニング調査を実施することで、フィルターのかかっていない消費者のインサイトを収集できます。
13：訪問観察調査
訪問観察調査とは、調査員や調査対象者の自宅を訪問して行われる調査手法です。普段生活している中でインタビューを実施することで、リアルな生活シーンを観察したり、気付きを得たりすることができます。
訪問観察調査では生活者にモニターになってもらうことで、定期的に情報収集する可能です。このようなケースはベビー用品などの調査に適しています。
14：リサーチの購入
リサーチの購入とは、言葉のとおりリサーチ結果を購入することです。実際に調査報告を購入できるサブスクリプションサービスなども存在しており、そういったサイトではさまざまな業界に関するレポートが販売されています。
既存の調査報告書を購入することで、自社で市場調査を実施する手間やコスト削減が可能になるでしょう。
15：売り上げデータの分析
売り上げデータの分析結果と市場調査の結果を組み合わせることにより、実施した施策と結果の関係性をより深く分析できるようになります。売り上げデータは全体的な市場インサイトの把握のための重要な要素です。
売り上げデータはすでに顧客になっている層からしかもたらされませんが、いずれにしても既存顧客データや売り上げデータの分析は市場調査でも非常に重要だと言えるでしょう。
16：パブリックドメインデータ調査
パブリックドメインデータ調査とは、インターネット上に公開されているデータを活用した調査手法です。インターネット上には政府が調査した統計データやファストタンクのデータなど、市場調査に有効なさまざまなデータが存在しています。
パブリックドメインデータ調査は、インターネットだけで情報収集できるため、リソースが限られている場合などに便利です。
17：フォーカスグループ調査
フォーカスグループ調査とは、参加者を一か所に集めて記録を取りながらインタビューを行う調査手法です。
フォーカスグループ調査は新商品への意見を聞きたい場合などに用いられるもので、複数の参加者同士で自然な意見や議論が行えるため、議論からインサイトを引き出すことができます。
ただし、自然な会話を中心に議論を進めることから、主催者が想定していなかった方向に進んでしまうケースもあります。
市場調査で失敗しないためコツ5つ
市場調査は新商品やサービスの企画開発などを行う際の方向性を決定する上で重要な調査です。しかし市場調査のやり方によっては、期待していたような結果が出せないケースもあります。
市場調査を行うには多くの時間や費用がかかるため、失敗を避けたいと思うのは当然でしょう。ここでは市場調査で失敗しないためコツについて紹介していきます。
- 調査の目的を明確にする
- 定量調査と定性調査の両方を行なう
- 調査ターゲットを具体的に設定する
- サンプル数は多くしすぎない
- 外部の業者やリソースを上手に活用する
1：調査の目的を明確にする
市場調査を実施する際には、まずは調査の目的を明確にしましょう。目的が定まっていない状態で調査を行っても、曖昧な結果しか生み出せません。
特にアンケート調査などの定量調査を実施する場合、数値データを取り扱うことになるため、目的を絞り込み、優先順位を決めてから調査を実施するようにしましょう。
2：定量調査と定性調査の両方を行なう
市場調査には大きく分けて定量調査と定性調査があります。定量調査では広く浅い数値データを収集でき、定性調査では生の声などの狭く深い情報を収集できるため、どちらか一方ではなく両方実施するのが最適です。
仮説を立ててから調査を行う場合は、定量調査を先に実施し、次に定性調査で深堀するのがおすすめです。同時に行うのではなく、間隔を空けて実施するようにしましょう。
3：調査ターゲットを具体的に設定する
市場調査の調査対象は曖昧なものは避け、できるだけ具体的に設定するようにしましょう。
たとえばノンアルコールビール市場に関する市場調査でターゲットを「ビール飲用者」とする場合、発泡酒などのジャンルを含むのか、自宅で飲む人も自宅外で飲む人も対象とするのかなど、細かく条件を設定しましょう。
ターゲットの設定によって調査結果も大きく変わるため、目的に合わせた適切な条件設定を行うことが大切です。
4：サンプル数は多くしすぎない
調査を実施する場合、どうしてもサンプルを多くしたくなりますが、サンプル数は適切な数に抑えましょう。もちろんサンプル数が多いほど調査の精度は上がりますが、コストも大きくなります。
基本的には1000ほどのサンプルがあれば信頼できる結果が得られるため、サンプルは多くしすぎないように注意しましょう。
5：外部の業者やリソースを上手に活用する
市場調査では専門家でなければ難しい調査などもあるため、外部の業者などもうまく活用すると良いでしょう。予算の範囲内で自社によって実施する工程と外部に委託する工程を組み合わせましょう。
また、インターネット上のリソースを活用したコストのかからない調査方法も組み合わせるのがおすすめです。
市場調査をする上でのコツを押さえておく
市場調査を成功させるためには、ここまで紹介したようなさまざまなコツを押さえて実施することが大切です。
コツを押さえて実施された市場調査であれば、目的達成のために役立つ有益な情報を集められるため、自社の商品改善や新しい戦略の立案などへと繋げることができるでしょう。
市場調査を理解して正しい手法を選択しよう
市場調査を行うことで現在の市場を適切に把握し、自社の商品開発や戦略に活かすことができます。ただし、市場調査はポイントを押さえて実施しましょう。
本記事で紹介した市場調査を行なうためのステップや市場調査の代表的な利用方法、市場調査を行なうさまざまな手法などを参考に、効果的な市場調査を実施してみてはいかがでしょうか。
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