3C分析とは?行う方法や流れとあわせて企業における活用事例も紹介
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3C分析とは?行う方法や流れとあわせて企業における活用事例も紹介

記載されている内容は2021年11月22日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日:2021年11月22日

更新日:2022年03月01日

3C分析とはどのような分析フレームワークなのでしょうか。本記事では、マーケティングで3C分析が必要とされる理由や3C分析を行う方法、3C分析を活用した企業の事例などを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

3C分析とは?

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3C分析とはマーケティングで使用されるフレームワークの1つで、「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つの頭文字から取ったものです。

3C分析を用いることで自社を取り巻く業界環境を漏れなく分析することができます。また、非常にシンプルなフレームワークであることから、マーケティングに取り入れやすいという特徴があります。

マーケティングで3C分析が必要とされる理由

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3C分析はフレームワークとして登場してから長い年月が経っていることもあり、「古い」と言われることもあります。しかしさまざまな施策の中から効率の良い施策にリソースを集中して目標を達成するには、自社を取り巻く環境を簡単に把握できる3C分析が非常に重要になります。

業界環境を整理するには3C分析によって外部環境の顧客や市場、競合企業と内部環境である自社を整理し、そこから自社が市場で戦うための強みを見つけ、新しい戦略の立案などに繋げていくことが大切だと言えるでしょう。

3C分析を行う方法3つ

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マーケティング担当者として自社のマーケティング活動に3C分析を取り入れる場合、3C分析を行う方法を把握しておく必要があります。3C分析を行う場合は、前述のように「顧客や市場の分析」、「自社の分析」、「競合の分析」という3つの分析を行うことになります。

ここでは3C分析を行う方法について解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

  • 顧客や市場の分析を行う
  • 自社の分析を行う
  • 競合の分析を行う

1:顧客や市場の分析を行う

3C分析を行う場合は、まずは外部要因であるCustomer(顧客・市場)の分析を行いましょう。Customerを分析する場合は、「ミクロ分析」「マクロ分析」「顧客分析」の3つがポイントになります。

ミクロ分析をする

ミクロ分析では、自社の事業が所属している業界市場に絞った分析を実施します。ミクロな視点から自社事業や自社のマーケティングに影響を与える要因について整理を行っていきましょう。

また、ミクロ分析を行う場合は「5フォース分析」を使用することが多いです。5フォース分析とは、「新規参入者」「代替品」「買手交渉力」「売手交渉力」「競合企業」の5つの軸を使って自社を取り巻く環境分析を行うフレームワークです。

マクロ分析をする

マクロ分析では、自社ではコントロールできないような社会的な視点から分析を行っていきます。たとえば景気変動、法律の改正、人口流動、社会的なトレンドなどを分析し、変化を見つけ出します。

マクロ分析ではPEST分析を用いることが多いです。PEST分析とは「政治(Political)」「経済(Economy)」「社会(Society)」「技術(Technology)」の4つの要素を使って自社を取り巻くマクロ環境を分析するフレームワークとなっています。

顧客分析をする

顧客分析では、ここまでのミクロ分析とマクロ分析によって整理したポイントが顧客にどのような影響を与えるのかについて分析します。顧客分析では、顧客のニーズや悩みなどの整理が必要です。

そのため、まずはアンケートなどを実施して顧客の消費行動などを把握し、ミクロ分析とマクロ分析で整理したポイントに照らし合わせていく必要があります。

2:自社の分析を行う

3C分析におけるCompany(自社)の分析とは、自社が実行できる戦略を検討することです。そのためには、顧客や市場の変化と競合の変化に対する対応などを調査し、自社と比較する必要があります。

ここでは自社の分析で用いられるフレームワークである「SWOT分析」と「VRIO分析」について解説していきます。

SWOT分析をする

SWOT分析とは、内部環境である「Strength(自社の強み)」と「Weakness(自社の弱み)」、外部環境である「Opportunity(機会)」と「Threat(脅威)」を整理するためのフレームワークです。

SWOT分析によって内部環境と外部環境を整理し、正しく把握することが可能になります。また、SWOT分析によって4つの要素を整理した後は、クロスSWOT分析によってそれぞれの項目を掛け合わせ、「機会×強み」や「脅威×弱み」などを分析していきましょう。

VRIO分析をする

VRIO分析とは、「Value(経済価値)」「Rarity(希少性)」「Inimitability(模倣困難性)」「Organization(組織)」の4つの要素を分析するフレームワークです。

VRIO分析は自社の経営資源をこれら4つの項目に分けて分析するもので、他社と比較した場合の自社の価値などを見つめ直すことができます。そのため、自社の競争優位性の確保や内部環境の改善などに役立てることができます。

3:競合の分析を行う

自社のビジネスを成長させる上で、障壁となるCompetitor(競合)の分析は欠かせません。3C分析のCompetitorは、競合他社のビジネスへの理解を深め、競合が市場の変化に対してどのような対応を行っているのかを把握することが目的です。

そのため、競合企業のビジネスの結果と、競合が出した結果について分析を行う必要があります。

競合企業のビジネス結果に着目する

競合企業のビジネスの結果を把握するためには、売上高や利益率、販売管理費などの情報を収集して分析を行いましょう。競合企業が上場企業の場合は、株主向けに公開しているIR情報の決算報告書などからこれらの情報を把握することができます。

上場していない場合はこれらの情報を把握することは難しいですが、できるだけ多くの情報を収集することが重要になります。

出た結果を検討する

競合企業がビジネスによって出した結果を分析するには、結果を出すためにどのようなリソースを消費したのかを中心に分析しましょう。

競合企業の商品開発や販売方法、ルートなどを分析することにより、競合との差別化のポイントや自社で取り入れられる要素などを把握することができるでしょう。

3C分析とSWOT分析の違いとは?

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3C分析もSWOT分析も内部要因と外部要因を分析しているため、混同されてしまうケースも多いです。実際に、どちらも内部要因を分析することで自社の強みや弱みを把握するという点では共通しています。

しかし3C分析は自社の強みを明確にすることが目的であるのに対して、SWOT分析は状況に応じて戦略を変えられるように準備することが目的という違いがあります。また、3C分析は顧客の分析が最優先ですが、SWOT分析は自社を中心に分析を行うというのも異なる点です。

3C分析とSWOT分析の組み合わせ方法

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3C分析によって収集した情報を解釈して、課題解決方法を検討するのがSWOT分析です。そのため、3C分析とSWOT分析を組み合わせる場合は3C分析で事実を収集し、SWOT分析によって戦略を導き出すという流れになります。

それでは、3C分析を進めていく場合はどのような流れになっているのでしょうか。ここでは順に紹介していきます。

  • 正解は1つではないことを理解する
  • 情報を集める
  • 3Cの間を往復しながら検討する
  • 3Cの間を分析する

1:正解は1つではないことを理解する

3C分析を実施する場合は、唯一の正解があるわけではないということをまずは理解しておく必要があります。たとえ3C分析によって事実を集めて検討を行ったとしても、必ずしも正解を導き出せるというわけではありません。

3C分析に限らず、分析すればたった1つの正解に辿りつけるものではない点を押さえておきましょう。

2:情報を集める

3C分析では情報収集を行うことが第一のステップになります。3C分析を構成する「市場・顧客」「競合」「自社」について、それぞれできる限りの事実情報を集めていきましょう。

たとえばカフェを経営する企業であれば、「市場・顧客」はカフェの利用者の規模や利用実態、市場規模のデータなどが該当します。また、顧客の期待や変化に関する情報も収集しましょう。

3:3Cの間を往復しながら検討する

必要な情報が収集できたら、3Cを往復するように多面的な検討を行っていきましょう。検討のフェーズでは、一人よりも複数人で行う方が幅広い視点から検討を行うことができます。

また、いきなり全員で議論するよりも、先に個人で検討した上で意見を持ち寄って議論する方が、さまざまな意見が出る可能性があるためおすすめです。

4:3Cの間を分析する

議論の質を向上するには3Cの間を意識して分析を行うことが大切です。3Cをそれぞれ個別に順序よく検討することも大切ですが、それぞれの要素を行き来し、3Cの間を分析することで、新しい発想が生まれることもあります。

3C分析を活用した企業の事例3つ

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3C分析を自社のビジネスに活用することで、優れた事業運営を行っている企業もあります。3C分析の実例を知ることにより、自社で3C分析を行う際の役に立つでしょう。

ここでは3C分析を活用した企業の事例について解説していきますので、参考にしてみてください。

1:外食チェーン店の場合

某外食チェーン店の場合では、男性客向けのメニューに集中した戦略を取ることで、苦境に立っていた業績を回復したという実績を持ちます。

このケースでは、当時多くの外食チェーン店が女性客の取り込みを行っていた中、某外食チェーン店では男性客をターゲットに据えなおしてメニューや副菜などを変更しました。

このことで男性客からの支持を集めることに成功し、業績を回復することに成功しました。

2:家庭用レジャー機器の製造や販売を行う企業の場合

家庭用レジャー機器の製造や販売を行う企業では、コアなゲーマーではない層をターゲットにしたゲーム機を販売し、大きな成功を収めました。

他の企業がゲーマーをターゲットにしたゲーム機を出していた中で、ゲームから遠のいていた人まで対象にしたゲーム機を販売したことで、家庭の中に居場所を確立することができました。

3:飲料やお酒などの製造販売を行う企業の場合

飲料やお酒などの製造販売を行う某企業では、清涼飲料水のシェアの大半を占めるポカリスエットとアクエリアスの間に入るための3C分析を利用しました。

3C分析の結果、これらの飲料はスポーツ時以外に飲まれることが多いと判明します。そのため、健康的なイメージを生かした健康飲料という打ち出し方を行い、清涼飲料水の市場で一定の地位を確立しました。

3C分析をベースとする5C分析の活用方法

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5C分析とは、「自社(Company)」「消費者(Consumer)」「競合他社(Competitor)」「中間顧客(Customer)」「地域(Community)」という5つのCを使ってマーケティング環境を分析するフレームワークです。

5C分析では、3C分析だけでは分析しきれない要素を分析し、自社の重要成功要因を明らかにすることができます。

3C分析を活用して今後の戦略立案に役立てよう

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3C分析を利用することで、自社を取り巻く環境を把握することができます。ぜひ本記事で紹介した3C分析の概要や3C分析を行う方法、3C分析を活用した企業の事例などを参考に、自社のマーケティングに3C分析を活用してみてはいかがでしょうか。

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