ペルソナ分析の手法を活用するために必要な手順|デメリットもあわせて紹介
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初回公開日:2021年12月27日
更新日:2022年03月01日
ペルソナ分析とは
ペルソナ分析とは、自社の商品やサービスを購入する典型的なユーザー像を設定するというマーケティングフレームワークです。「ペルソナ」とはもともと、企業の商品やサービスを利用する象徴的なユーザー像を指す言葉です。
ペルソナを設定する場合は、まるで本当に実在する人物であるかのように、その人の性別や年齢、居住地、職業、年収、家族構成、ライフスタイル、趣味嗜好まで細かく設定します。
ペルソナを設定することで、より具体的なマーケティング戦略を立案できるようになります。
マーケティングにおいてペルソナ分析手法が重視される理由3つ
ペルソナを設定することにより、自社を象徴するようなユーザーのニーズやユーザーが抱えている課題などを明確にできます。それでは、ペルソナ分析手法は具体的にどのような理由から重要視されているのでしょうか。
ここでは、マーケティングにおいてペルソナ分析手法が重視される理由について紹介していきます。
- 顧客が共感できるポイントを知ることができるため
- 分析をして製品・サービスに活用できるため
- ライバルを知り顧客のリサーチに活用できるため
1:顧客が共感できるポイントを知ることができるため
すべてのユーザーに求められるような商品やサービスを開発することはできません。そのため、マーケティングによって自社がターゲットとするユーザーが求めるものを知る必要があります。
自社の典型的な顧客像であるペルソナを設定することにより、顧客が共感できるポイントを顧客目線で明確化することができるようになるでしょう。そのためには、ペルソナの好みや理想を知り、共感ポイントを作ることが重要です。
2:分析をして製品・サービスに活用できるため
ペルソナ分析は、全ての製品やサービスに活用できます。ペルソナは自社にとっての象徴的なユーザー像となるため、商品やサービスの購入時だけでなく、購入後のアフターサービスを検討する際にも役立ちます。
消費者のニーズが多様化し、モノが売れにくくなっている現代において、マーケティング全般で利用できるペルソナは重要な要素です。
3:ライバルを知り顧客のリサーチに活用できるため
自社の商品と同じような商品を展開していたり、ターゲット層が重なっていたりするような競合のリサーチにも、ペルソナ分析は活用できます。競合のWebサイトを訪れているユーザーがどのようなユーザーなのかを把握するためにも、ペルソナの作成は有効です。
近年ではSNSなどでユーザー像の把握がしやすいため、ライバル企業のユーザーのチェックもしっかりと行うようにしましょう。
ペルソナ分析手法を活用するために必要な手順9つ
ペルソナ分析を活用するためには、いくつかのステップがあります。ペルソナ分析を自社のマーケティングに活用するために、必要な手順を把握しておくことが大切です。
ここでは、ペルソナ分析手法を活用するために必要な手順を紹介していきます。
- ターゲット層を決め情報収集して自社分析を行う
- 既存顧客にアンケート調査をする
- NS調査ツールの活用をする
- 関連ワードとユーザーニーズの把握をする
- 競合他社のHP訪問者の属性を確認する
- 収集した情報をもとに整理・グループ分けをしてペルソナを作る
- 収集した情報にストーリーを肉付けする
- ペルソナの検証や定期的な見直し・修正をする
- 顧客の商品購入の目的を把握する
1:ターゲット層を決め情報収集して自社分析を行う
ペルソナ分析を実施する場合、まずは自社のターゲット層を決めて情報収集を行いましょう。ペルソナを設定する場合、企業側の理想や単なるイメージから作成するのでは意味がありません。
また、既存顧客の情報だけでなく、さまざまなデータを収集してデータ分析を行い、その結果をペルソナ設定に反映させることが大切です。
2:既存顧客にアンケート調査をする
ペルソナを設定する場合は、ターゲットにしたい顧客や既存顧客に対してアンケート調査を実施すると良いでしょう。アンケートであれば、顧客に対して個別にインタビューするよりも、コストを抑えて多くのサンプルを集められます。
またペルソナは、詳細に設定するほど実際のユーザー像に近づくため、定量調査であるアンケート調査は有効な方法と言えます。
3:NS調査ツールの活用をする
ユーザーニーズなどを把握するためにSNSを調査することも有効です。Twitterのハッシュタグを使って検索すれば、ユーザーのツイートから情報収集を行えます。
また、その際には有償のSNS調査ツールを活用すると良いでしょう。なお、FacebookやインスタグラムなどTwitter以外のSNSは、親しい人に向けて情報公開しているケースが多いため、SNS調査には向きません。
4:関連ワードとユーザーニーズの把握をする
関連ワードを調べてどのようなユーザーニーズがあるのか把握しましょう。関連ワード取得ツールなどを利用すれば、検索ワードと一緒にインターネット検索に入力されている関連ワードを確認できます。
たとえば、「マンション購入」というキーワードで関連ワード取得ツールを使って調べてみると、「維持費」などの関連ワードが上がってきます。
このように、関連ワードを調査することで、マンション購入に興味があるユーザーは購入後の維持費についても気にしていることがわかるでしょう。
5:競合他社のHP訪問者の属性を確認する
自社サイトの訪問者の属性だけでなく、他社のホームページに訪れているユーザーの属性も確認しておきましょう。
特に自社のライバルとなる競合や、業界トップのシェアを獲得しているホームページを利用しているユーザーの性別や年齢、地域、職業、未既婚、年収などの属性を確認することが大切です。
6:収集した情報をもとに整理・グループ分けをしてペルソナを作る
ここまでのデータ収集で集めた情報を整理、属性ごとに分類分けしてグルーピングを行いましょう。グループ分けを行うには、集めた事実をメモなどに書き出して、共通項目ごとにグルーピングしていくと分かりやすいです。
具体的には、年齢や家族構成などの人口統計学的属性や役職、目標、悩みや課題、一日の過ごし方などを共通項目としてグループ分けすると良いでしょう。
7:収集した情報にストーリーを肉付けする
収集し、グループ分けした情報をもとにストーリーを組み立てていきましょう。ユーザーにニーズが発生し、情報収集を行い、自社の商品やサービスを購入するという一連の流れをシミュレーションし、ペルソナごとにユーザーシナリオを作成していきます。
商品購入に至るまでの詳細な過程を、物語風に仕上げていきましょう。
8:ペルソナの検証や定期的な見直し・修正をする
作成したペルソナは検証を行い、定期的な見直しも行いましょう。また、ペルソナを設定することでマイナスの傾向が出ている場合には、ペルソナの修正を行うことも重要です。
ペルソナを設定したからといって終わりではなく、検証し、必要に応じて修正することが大切です。
9:顧客の商品購入の目的を把握する
ペルソナ分析によってユーザーが商品購入を行う目的を把握しましょう。ユーザーがどのようなニーズを持っているのかが把握できれば、開発したい商品やサービスを決められるようになります。
また、商品購入へ繋げる手法を検討するのにも役立ちます。
ペルソナ分析を行う際のポイント
ペルソナ分析を行う際には、インターネット上に公開されているデータを活用する、顧客情報の収集を行うなど、いくつかのポイントがあります。
ここでは、ペルソナ分析を行う際のポイントを紹介していきます。
- 公開データを活用する
- 顧客の収集情報を行う
公開データを活用する
ペルソナを作成する際には、インターネット上で公開されているデータを利用すると良いでしょう。たとえば経済産業省のホームページでは、業界ごとの売り上げや利用者数などの推移データが公開されています。
また、総務省統計局のホームページであれば、国勢調査や人口推移、住宅・土地統計調査などのデータが公開されています。これらのデータを活用することで、よりリアルなペルソナを設定しやすくなるでしょう。
顧客の収集情報を行う
ペルソナ設定を行う際には、ターゲット層の情報をデモグラフィックやサイコグラフィックの項目に基づいて収集しましょう。デモグラフィックとは年齢や性別、職業、年収といった人口統計学的な情報、サイコグラフィックはライフスタイルや価値観などの心理的な特性を指します。
ペルソナ分析手法を行うメリット3つ
ここまでペルソナ分析を活用する方法やポイントなどを紹介してきましたが、ペルソナ分析を実施することには具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、ペルソナ分析手法を行うメリットを紹介していきます。
- 顧客の視点で商品やサービスの分析ができる
- 関連部署間でターゲットを共有できる
- Webでターゲットを集めやすくなる
1:顧客の視点で商品やサービスの分析ができる
マーケティングを行う場合、企業としてどうすればコンバージョンに繋がるかだけでなく、顧客の目線で考えることも重要です。ペルソナを設定すれば、顧客視点で自社の商品やサービス、コンテンツなどを分析できるようになります。
ペルソナ設定によってターゲット像を絞り込むことができれば、どのようなコンテンツが顧客に響くのか把握できるようになるでしょう。
2:関連部署間でターゲットを共有できる
マーケティングが上手くいかない理由の1つに、マーケターや営業など、部署ごとに意識のずれがあります。しかしペルソナを設定しておけば、社内のマーケティングに関連する部署全てでターゲットの人物像を共有できます。
社内で共通の判断軸ができれば、ターゲットの認識間違いなどのミスを減らせるでしょう。
3:Webでターゲットを集めやすくなる
ペルソナを設定すれば、ターゲット像の一日の過ごし方やSNSの使い方などを特定することも可能になります。そのため、WebやSNSを活用してターゲットを集客することも可能になります。
実在している人物であるかのような細かいペルソナが設定できれば、コンテンツを提供する最適なタイミングやメディアなどもわかるようになるでしょう。
ペルソナ分析手法を行うデメリット
ペルソナ分析手法を活用することにはさまざまなメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。そのため、ペルソナ分析を利用する際には、デメリットについても把握した上で実施することが大切です。
ここでは最後に、ペルソナ分析手法を行うデメリットを紹介していきます。
- 時間や手間・コストがかかる
- ペルソナ分析にずれが生じる可能性がある
時間や手間・コストがかかる
ペルソナを設定するには、まずマーケティング調査を実施し、多くのデータを収集・分析する必要があるため、完成するまでに多くの手間や時間がかかります。
ペルソナが設定できるまでに多くのコストがかかる点はデメリットだと言えるでしょう。
ペルソナ分析にずれが生じる可能性がある
多くの手間や時間、コストをかけて作成したペルソナであっても、リアルなターゲットと大きく外れたものができあがる可能性があります。
よくあるのが、企業にとって都合の良いペルソナを作り上げてしまうケースです。また、リサーチ不足によって、ありきたりな情報しか設定されていないペルソナを作成してしまうケースもあります。
このような間違ったペルソナを作成しても、マーケティングに活かすことはできません。
ペルソナ分析の手法を活用して効果的なマーケティングを行おう
ペルソナとは、自社の商品やサービスの典型的な人物像のことです。
本記事で紹介した、ペルソナ分析を行う際のポイントやメリット・デメリットなどを参考に、ペルソナ分析を自社のマーケティングに活用してみてはいかがでしょうか。