企業による3C分析事例を参考にしよう!基本となるステップや注意点も解説
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企業による3C分析事例を参考にしよう!基本となるステップや注意点も解説

記載されている内容は2021年12月27日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日:2021年12月27日

更新日:2022年03月01日

3C分析とはどのようなフレームワークなのでしょうか。本記事では3C分析を行う際に把握する要素や企業による3C分析事例、さらに3C分析の基本となるステップ、3C分析を効果的に行う方法などを紹介しますので、参考にしてみてください。

3C分析の概念とは

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3C分析とは顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つのCを組み合わせて分析を行うフレームワークです。3C分析では顧客と競合、自社の3要素の分析によって自社の強みを抽出し、ビジネスで成功するための戦略を立案することができます。

本記事では3C分析について詳しく紹介していきます。

3C分析とSWOT分析の違い

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前述のとおり3C分析は3つのCを取ったフレームワークですが、SWOT分析は強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Thread)という4つの要素を分析するフレームワークです。

SWOT分析は内部環境と外部環境を分析することで、柔軟に戦略を切り替えられるように対策を行うことを目的としているといった点が違いです。また、3Cが顧客を優先して分析するのに対して、SWOT分析では自社が視点となっています。

3C分析を行う際に把握すべき要素3つ

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3C分析でポイントとなるのは顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つですが、それぞれ具体的にどのような要素を把握すればいいのでしょうか。

ここでは、3C分析を行う際に把握しなくてはならない要素を紹介していきますので、参考にしてみてください。

  • Competitorで把握すべき要素
  • Companyで把握すべき要素
  • Customerで把握すべき要素

1:Competitorで把握すべき要素

Competitor(競合)で把握する要素は、Company(自社)で分析を行う事項と基本的に同じになります。ビジネスには競合他社が存在するため、競合の観点になって競合の強みや弱みを整理し、浮き彫りにしていきます。

また、競合は複数存在することが多いため、競合のタイプごとにわけて整理する必要があるでしょう。競合のビジネスモデルを俯瞰しながら分析を行いましょう。

2:Companyで把握すべき要素

Company(自社)で把握する要素は、自社の強みと弱みを把握するために必要な要素となります。具体的には、まずは人、モノ、カネなどの経営リソースや売上高、シェア、利益といった外形的な事項を整理していきます。

また、自社の商品の特徴や理念、戦略などの自社が持つ特徴についても明らかにしていきましょう。このような特徴を把握することによって自社の強みや弱みを明確にし、方向性を整理します。

3:Customerで把握すべき要素

Customer(市場・顧客)で把握する要素は、顧客の定義や顧客が期待すること、顧客の行動や特徴、変化などになります。まずは自社にとって顧客とは誰なのか、どのような顧客をターゲットにしたいのかなどを定義しましょう。

さらに、ターゲットとする顧客がどのような期待を抱いているのか、自社の店舗をどのように利用しているのか、どのくらいの頻度で訪れているのか、滞在時間はどのくらいなのかといった点を把握します。

企業による3C分析事例4選

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3C分析を活用することでビジネスを成功に繋げた事例は多くあります。3C分析を自社のマーケティングに役立てる場合は、どのような事例があるのかという点も把握しておくことが大切だと言えるでしょう。

ここでは企業による3C分析事例を紹介していきます。

  • コーヒーチェーン店の場合
  • 外食チェーン店の場合
  • 衣料のオンライン通販サービス運営会社の場合
  • 玩具やゲームの開発・製造・販売を行う大手企業の場合

1:コーヒーチェーン店の場合

某コーヒーチェーン店は、学生からシニア層まで幅広い層が顧客となっています。また、他の競合がコストパフォーマンスなどに力を入れているのに対して、このコーヒーチェーン店は高級感があり品質の高いコーヒーを提供しているといった特徴があります。

そのため、この事例ではコストパフォーマンスの面での自社の弱点を補い、幅広い顧客層の好みに対応できるように新製品を開発する体制を整えました。

2:外食チェーン店の場合

とんかつ専門店である某外食チェーン店の事例では、競合はこぞって女性客の取り込み策を講じており、実際に外食市場では女性客やファミリー層の利用が拡大していました。しかし自社で女性客向けメニューを提供しても、売り上げは低迷している状態でした。

そのため、自社の強みであるとんかつに原点回帰し、男性客への施策を集中したことにより、男性客からの圧倒的な支持を受けることに成功しています。

3:衣料のオンライン通販サービス運営会社の場合

衣料のオンライン通販サービス運営会社の事例では、競合と比べて顧客の平均年齢がやや高いという特徴がありました。また、アパレルECサイトは年々規模が拡大しており、年齢層などによってもニーズが違う点も特徴となっていました。

そのため、幅広い年齢層に対応するために多くのブランドやアイテムを取扱い、さらに若年層のユーザーを増やすために「ツケ払い」などのシステムを取り入れることで、多くの売り上げを上げることに成功しています。

4:玩具やゲームの開発・製造・販売を行う大手企業の場合

玩具やゲームの開発・製造・販売を行う大手企業の事例では、ゲーム市場自体がコアなゲーマー向けになっており、一部の層のゲーム機離れが起きている状況でした。

そのため、この企業では他社と差別化するために家庭で家族の皆が遊べる新しいゲーム機を開発しました。その結果、かつてゲーム機で遊んでいたカジュアルなゲーマーの市場への連れ戻しに成功し、非ゲーマー層まで市場を広げることに成功しています。

3C分析の基本となるステップ4つ

実際に3C分析を実践する場合には、どのような方法で進めていけばよいのでしょうか。もちろん3C分析のステップはケースバイケースになりますが、基本となる進め方やポイントについては押さえておきましょう。

ここでは3C分析の基本となるステップを紹介していきますので、参考にしてみてください。

  • 3C分析の基本的な考え方を理解しておく
  • 情報の収集を行う
  • 3Cのフレームで実際に検討を始める
  • 3Cの間を往復するように考えて質を高める

1:3C分析の基本的な考え方を理解しておく

3C分析を実践する前に、まずは「3C分析を成功させるための唯一の正解はない」ということを覚えておきましょう。3C分析に限らず、経営には「たった1つの答え」は存在しないため、3C分析を行えば正解に辿りつけるというものではありません。

大切なのはどのフレームワークを使用するのかではなく、経営側のマインドであることを押さえておきましょう。

2:情報の収集を行う

3C分析では、「市場・顧客」「自社」「競合」について集められるだけの情報収集を行う必要があります。「市場・顧客」では、自社の市場規模や顧客の定義、期待、変化に関する情報を集めましょう。

「自社」では自社の店舗数や商品の特徴、経営理念などを収集し、「競合」についても同じように可能な範囲で情報収集を行いましょう。

3:3Cのフレームで実際に検討を始める

情報収集を行ったら、「市場・顧客」「自社」「競合」という3つのフレームを使って検討を行いましょう。3C分析を行う際には、1人で全て行うのではなく、複数人で実施するほうが深い検討ができるようになります。

ただし、最初から全員で議論を行うと議論に流れができてしまうため、まずは個人で検討して意見を持ち寄ると良いでしょう。

4:3Cの間を往復するように考えて質を高める

3C分析では「市場・顧客」「自社」「競合」というそれぞれの間を往復するように考えるようにしましょう。たとえば、自社の顧客と競合の顧客の違いなどを考える場合、自社と競合を往復しながら考えることが必要になるでしょう。

3C分析を効果的に行う方法4つ

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3C分析を行う場合は、SWOT分析などを組み合わせることによってより効果的な実践が可能になります。ここでは3C分析を効果的に行う方法を紹介していきますので、参考にしてみてください。

  • SWOT分析と組み合わせて行う
  • 顧客の声を実際に聞く
  • 5C分析の活用も考える
  • BtoBの環境分析では顧客業界の3C分析を行う

1:SWOT分析と組み合わせて行う

3C分析を実施する場合には、SWOT分析と組み合わせて活用しましょう。3C分析は事業環境が流動的な場合ではない場合に有効な方法ですが、競合が流動的な場合に役立てられない可能性があります。

その点、SWOT分析では外部環境の分析も行うため、SWOT分析と組み合わせることで弱点をカバーできるでしょう。

2:顧客の声を実際に聞く

3C分析を実施する場合はインターネット上での情報を集めるだけでなく、顧客の声を実際に聞くことが重要です。インターネットだけでは顧客のリアルな声を聞くことはできないため、アンケート調査やインタビューなどを実施して顧客の声を集めるようにしましょう。

顧客の声を聞くことにより、新しいアイデアなどを見つけることも可能になります。

3:5C分析の活用も考える

近年では3C分析よりも5C分析を利用するケースが多くなってきているため、5C分析の活用も視野に入れましょう。5C分析では3Cに通貨(Currency)と国(Country)が追加されています。

5C分析では為替からの影響や外国からの影響などをどのように避けるかという視点が含まれるため、必要に応じて活用しましょう。

4:BtoBの環境分析では顧客業界の3C分析を行う

BtoBマーケティングの場合は顧客業界の3C分析が必要となります。BtoBの環境分析では顧客を理解することが重要になるため、先に顧客業界の3C分析を行い、次に自社業界の3C分析を行うようにしましょう。

そのため、6C分析とも呼ばれています。

3C分析を行うときの注意点4つ

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3C分析を実施する場合には、いくつかの注意点があります。たとえば間違った情報を集めてしまったり、希望的観測によって分析を行うと、誤った結果に繋がる可能性もあるでしょう。

ここでは最後に、3C分析を行うときの注意点について解説していきます。

  • 3C分析それぞれのCを切り離して考えないこと
  • 希望的な観測を持たないこと
  • 時間をかけて分析しないこと
  • 間違った情報を集めないこと

1:3C分析それぞれのCを切り離して考えないこと

3C分析では3つのCを切り離して考えることはNGです。3つのCはそれぞれ関わり合っています。たとえば、自社の強みや弱みは競合とのバランスによって抽出可能になるものであり、それぞれのCを切り離して分析することはできません。

そのため、3C分析を行う際にはCを切り離さずに検討を行い、結果に一貫性を持たせることが大切です。

2:希望的な観測を持たないこと

3C分析で自社の分析を行う際には、希望的な観測を排除しましょう。自社について分析を行う場合、どうしても希望的な観測が入り込みがちです。

しかし希望的観測が入り込むと効果的な戦略が立てにくくなってしまうため、客観的な分析を行うようにしましょう。

3:時間をかけて分析しないこと

時間の経過とともに市場の状況も変化してしまいます。顧客のニーズやトレンドなども刻々と変化していますが、分析に時間がかかり過ぎると古い情報で分析を行うことになってしまい、効果的な戦略を立てることが難しくなってしまいます。

そのため、3C分析にはあまり時間をかけ過ぎないようにしましょう。

4:間違った情報を集めないこと

3C分析では市場・顧客、競合、自社について正しい情報収集を行うことが重要になるため、間違った情報を集めないように気を付けましょう。せっかく収集した情報が誤っていた場合、分析結果もあてにならなくなってしまいます。

特に外部データの収集を行う際には、情報が確かなのかどうか注意しましょう。

3C分析の事例を参考にしよう

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3C分析を実践する場合は、実際の企業の事例を参考にすることでイメージがつかみやすくなるでしょう。本記事で紹介した企業による3C分析事例や3C分析の基本となるステップ、3C分析を効果的に行う方法などを参考に、自社での3C分析を実践してみてはいかがでしょうか。

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