マーケティングコミュニケーションとは何?5つのやり方や活用事例を紹介!
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初回公開日:2021年12月27日
更新日:2022年03月01日
マーケティングコミュニケーションとは何か
マーケティングコミュニケーションとは、製品やサービスを顧客に認知・購買意欲を持ってもらうために、顧客と接触する活動のことです。具体的な例としては、広告やPR、販売促進などが挙げられます。
マーケティングミックスでよく用いられるフレームワークである「4P」「4C」でも、マーケティングコミュニケーションは重要な要素として扱われています。4PではPromotion(宣伝・広報など)、4CではCommunication(コミュニケーション)がこれに当たります。
マーケティングコミュニケーションでできること3つ
マーケティングコミュニケーションの役割を一言で表すなら、「顧客と製品・サービスを繋げる」ということです。その製品やサービスを知ってもらい、興味を持ってもらうことはマーケティングのはじめの一歩と言えます。
ここでは顧客と製品・サービスを繋げる手段として、マーケティングコミュニケーションができることを3つ紹介します。
1:顧客の教育ができる
顧客の教育とは、自社が提供する製品やサービスについてどのような目的・価値観を持って提供するのか、それがどのような問題を解決するのか、などといった情報や、その製品やサービスを選んでもらうための知識や判断基準などを顧客に提供することを言います。
マーケティングコミュニケーションの過程でこのような情報を顧客に開示していけば、顧客と信頼関係を築けるため、リピーターになってくれる確率も向上することでしょう。
2:ロゴやマークでサービスを有形にできる
形のないものを目に見えるものに作り替えることを、有形化と言います。ロゴなどのマークを用いて、目に見えない、または見えにくいサービスを有形化することも、マーケティングコミュニケーションの役割の1つです。
有形化することでそのサービスの存在や価値などをより顧客に伝えやすくなります。
3:顧客への情報提供で関係を維持できる
新たな顧客を発掘するだけでなく、既存の顧客との関係を維持することもマーケティングコミュニケーションの1つとして位置づけられます。
ダイレクトメールやメールマガジンなどで顧客に役立ちそうな情報を定期的に提供することは、顧客との信頼関係の構築や製品・サービスのリピートに繋がります。
マーケティングコミュニケーションのやり方5つ
マーケティングコミュニケーションのやり方にはさまざまなものがあり、目的や扱う製品やサービスによって使い分けたり、組み合わせていく必要があります。
ここでは、基本的なマーケティングコミュニケーションのやり方を5つ紹介しますので、参考にしてみてください。
1:ダイレクト・マーケティング(DM)について
ダイレクト・マーケティング(DM)とは、特定の顧客に対し直接的なコミュニケーションを行う手法です。
具体的な手法としては、チラシやカタログを送付するダイレクトメールをはじめ、電話やメールマガジン、SNSなどが挙げられます。ターゲットが望む情報を提供しやすいため費用対効果が高く、どれだけ反応があったかを数値化しやすいのが特徴です。
2:各種広告・PRについて
ポスターや看板、テレビCM、Web広告などを通じて自社の製品やサービス、さらには活動内容などをPRすることも、マーケティングコミュニケーションの手法の1つです。
他の手法よりも比較的人の目に触れやすいため、普及性が高く信頼が得やすいのが特徴です。
また、文字や言葉だけでなく画像や動画も使えるため、他の手法と比べてよりこだわった演出や表現ができるというメリットもあります。
3:対面販売について
対面販売は人的販売とも呼ばれ、顧客と直接接触して販売活動を行う手法です。販売員が実際に製品を使用しながら説明する実演販売や、顧客の自宅を訪ねる訪問販売などがこれに当たります。
顧客と対面してのコミュニケーションとなるため、信頼を得やすく、製品やサービスに対しての反応をその場で知ることができるのが特徴です。
4:イベントについて
製品やサービスの認知度を高めるため、街頭活動や展示会など顧客と交流するイベントを開催することも手法の1つです。
顧客と直接的な交流ができ、また営業として認識されにくいため、好感を持たれやすく深い関係性を築きやすい手法です。
5:販売促進について
販売促進(販促)とは、製品やサービスに付加価値を与えることで、顧客の購買意欲を高めることを目的とした手法です。
販促の主な例としては、割引クーポンや試供品の配布、数量限定の付録やおまけ、一定額以上の購入や利用で応募できるキャンペーンなどがあります。製品やサービスの認知度の向上よりも、購買の動機づけを主目的とした手法と言えます。
コミュニケーション戦略の5つの流れ
効果的なマーケティングコミュニケーションを行うためには、綿密なコニュニケーション戦略の策定が必要です。ここでは、コミュニケーション戦略の立て方の流れを5つのプロセスに分けてご紹介します。
1:顧客ターゲットを決める
マーケティングコミュニケーションでまず大事なことは、顧客ターゲットをしっかりと決めておくことです。
「ペルソナ」と呼ばれる、顧客ターゲットを象徴する人物像を設定するのも有効な方法です。性別や年齢だけでなく、行動や価値観、ライフスタイルに至るまで具体的に設定し、実際に存在するかのような人物像を描いてみましょう。
2:コミュニケーションの手法を決める
顧客ターゲットを決めたら、次にどのコミュニケーションの手法をとるかを選びます。
この時、「斬新な製品なのでまずは知名度向上のためにテレビCM」「使用感を試してほしいので試供品配布や初回無料クーポン」など、コミュニケーション戦略の目的や、製品やサービスの特徴なども考慮して手法を決めましょう。
SNSが流行っているからとInstagramやTwitterを使う、など手法から先に決めてしまうのは失敗のもとです。
3:コミュニケーションの内容を決め目標を設定する
コミュニケーションの手法が決定したら、何をどのように伝えるのかその内容を細かく決めていきます。
内容の作成とともに、コミュニケーション戦略のベースとなる目標も具体的に設定しておきましょう。この時、製品の知名度の向上といったような漠然とした目標ではなく、売上金額や公式Webサイトの閲覧数(PV数)など、数値で設定できる目標にすることが重要です。
4:コミュニケーション戦略を実行する
ここまでの流れで立ててきた戦略をもとに、全体の実行計画を作成していきます。かけられる予算や時間の制限も考慮しつつ、最適なコミュニケーション戦略を実行できるよう計画は綿密に立てましょう。
5:効果をモニタリングし改善する
コミュニケーション戦略を実行した後は、効果をモニタリングし目標を達成できたかを判断します。
目標を達成できなかった場合はもちろん、達成できた場合でも問題点を探し、次回のコミュニケーションに向けて改善することが重要です。
マーケティングコミュニケーションを行う時の3つのポイント
先述した通り、マーケティングコミュニケーションとは自社の製品やサービスを顧客に伝えるための手段です。しかし、情報の伝え方次第では、その情報を受け取った人々やメディアがより多くの人々に情報を拡散してくれるようになります。
ここでは、そのような魅力的なマーケティングコミュニケーション行うために、押さえておきたいポイントを3つ紹介します。
- コンテンツ作りとストーリー作りを重視する
- PRプランニングを意識する
- 第三者の評判を作れるように促す
1:コンテンツ作りとストーリー作りを重視する
魅力的なマーケティングコミュニケーションのためには、人々やメディアが拡散したくなるコンテンツ作りが重要になります。
コンテンツ作りで特に重視したいのが、ストーリー作りです。製品やサービスが生活上でどのようなメリットをもたらすか、事実に即した形でストーリーにできれば、顧客が製品やサービスに共感しやすくなります。
2:PRプランニングを意識する
マーケティング戦略の初期段階からしっかりとしたPRプランニングを意識することも、マーケティングコミュニケーションを成功させるためには必要なことです。
PRプランニングでは適切なPR手法の選択のほかに、他の人に教えたくなるニュース作りも重要です。対象となる製品やサービスに含まれる新規性や独自性を、意識して伝えるようにしましょう。
3:第三者の評判を作れるように促す
マーケティングコミュニケーションでは、ターゲットとなる顧客以外の第三者からも評判になるコンテンツ作りも意識しましょう。製品やサービスの価値を高めるためには、第三者の評価や拡散も重要な要素となります。
先述したストーリー性や新規性・独自性のほかにも、地域性やトレンド、説明しやすいキーワードや数字などをコンテンツに盛り込むことで、第三者からの評判を得やすくなるでしょう。
マーケティングコミュニケーションの活用事例
最後に、実際にマーケティングコミュニケーションを活用している事例を2つ紹介します。どちらも、明確なコミュニケーション戦略のもと顧客と製品・サービスを繋げることに成功した事例です。
テレビCMと実体験を組み合わせた
活用事例の1つ目は、ガムとダンスコンテストを組み合わせたキャンペーンです。
ガム離れが進む若年層への興味喚起を目的としたもので、新商品であるガムの柔らかさを表現したダンスを人気タレントが躍るテレビCMを制作しました。
さらに、そのダンスをアレンジした動画作品をYouTubeに投稿し、再生回数ランキングで1位になった人に賞金が当たるというダンスコンテストを実施しました。コンテストサイトではCM楽曲のダウンロードやサンプル動画の視聴ができるようにするなど、応募しやすい環境づくりを徹底しました。
真の狙いはダンスを練習するためにCMを何度も視聴することによるすりこみ効果だったのですが、結果として公開された動画は約1,500本、総再生回数は約2,000万回以上を記録しました。
顧客の意見交換の場を設けた
活用事例の2つ目は、格安スマホ・SIMサービスのコミュニティサイトです。
このサイトではユーザーが何でも質問できる「Q&A」やユーザー同士の交流の場である「掲示板」のほかに、サービスについての意見やアイデアを自由に投稿できるコーナーがあります。
投稿されたアイデアの中には、新たなサービスとして実現したものも多数あります。顧客とのコミュニケーションを通してサービスの価値を高めていく施策の、成功例の1つと言えるでしょう。
マーケティングコミュニケーションについて理解しよう!
今回はマーケティングコミュニケーションでできることや具体的な手法、戦略の立て方などについて説明しました。
マーケティングコミュニケーションを成功させるには、そのやり方を知り、綿密な戦略を練る必要があります。手法や戦略の立て方を理解し、より多くの顧客に届くマーケティングコミュニケーションを実践しましょう。