企業によるペルソナ分析事例9選!活用するメリットとデメリットも紹介
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企業によるペルソナ分析事例9選!活用するメリットとデメリットも紹介

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企業によるペルソナ分析事例9選!活用するメリットとデメリットも紹介

記載されている内容は2021年12月27日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日:2021年12月27日

更新日:2022年03月01日

ペルソナ分析とはどのようなものなのでしょうか。本記事では、ペルソナ分析の手順や企業によるペルソナ分析事例、ペルソナ分析をマーケティングに活用するメリット・デメリットなどを紹介しています。マーケティングの手法に興味のある方は、ぜひご一読ください。

ペルソナ分析のマーケティング手法とは?

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「ペルソナ分析」とは、企業が自社の商品やサービスの開発、改善、販促などのために詳細にペルソナを設定して行うマーケティング手法です。

マーケティングにおける「ペルソナ」は、企業にとって自社の商品やサービスを購入する典型的な顧客像を表す言葉です。

ペルソナを設定する場合は、年齢や性別などの他に、名前、居住地、学歴、職業、役職、家族構成、ライフスタイルや価値観まで詳細に設定していきます。

ペルソナとターゲットの相違点

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ペルソナとターゲットの相違点は、「設定する範囲」と言えるでしょう。

前述のとおり、「ペルソナ」とは、ライフスタイルや価値観といった性質にまで踏み込み、特定の個人として作り上げられたリアルな顧客像です。一方、「ターゲット」とは、年齢や性別などで大まかに自社がターゲットとする対象層を絞り込むことです。

実際にペルソナを設定する際は、まずはターゲットを絞り込みそこから具体的な人物像を作り込みます。近しい言葉ではありますが、混同してしまわないようにしましょう。

ペルソナ分析の手順4つ

実際にマーケティングとしてペルソナ分析を行う場合は、入念な情報収集が必要です。では、具体的にどのような手順でペルソナ分析を行えばよいのでしょうか。

ここから、ペルソナ分析の手順について詳しく解説していきます。マーケティングの手法として、「ペルソナ分析」を検討している方は参考にしてください。

  • 自社の分析を行う
  • ペルソナの項目を作成する
  • ペルソナの作成に着手する
  • 定期的な見直しをする

1:自社の分析を行う

ペルソナ分析を行う場合、まずは自社分析を行いましょう。事前に自社の強みや弱みといったポイントをはっきりさせることで、ペルソナの作り込みに役立ちます。

自社分析を行う場合は、市場や顧客、競合他社、自社という3点から分析を行う「3C分析」と呼ばれるフレームワークを使用します。

自社分析を行えば、自社の商品やサービスを客観的に理解できるようになるでしょう。

2:ペルソナの項目を作成する

ペルソナの骨格部分となる項目を作成していきましょう。ペルソナ設定に用いられる項目には、年齢、性別、名前、職業、収入、趣味、居住地、家族構成、休みの日のインターネット利用時間などがあります。

上記のほかに、事前の調査によってペルソナ設定に活用できそうな項目があれば、それも追加しましょう。

3:ペルソナの作成に着手する

ペルソナの項目を作成したら、リアルな人物としてペルソナを作成していきましょう。

ペルソナを作成する場合は、特徴を箇条書きにするのではなく、「特定の個人」としてイメージできるようなストーリーを肉付けしていくことが大切です。

たとえば、ペルソナの1日の生活や、普段どのように商品やサービスを選んでいるのか、さらにはペルソナの口癖やSNSの使い方なども考えて物語を作成していくと良いでしょう。

4:定期的な見直しをする

ペルソナは一度作成すれば終わりではなく、定期的な見直しが必要です。マーケティングを実践してみたら、想定していたペルソナが現実とずれていたというケースは珍しくありません。

また、設定していたペルソナが最初から間違っていたり、時間の経過とともに実際の顧客像と差異が生まれてしまっていたりするケースもあります。

ペルソナを定期的に見直し、実際の顧客とずれていることが分かれば改善する必要があります。

企業によるペルソナ分析事例9選

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ペルソナ分析をマーケティングに活かすことで、ビジネスを成功させた企業の事例は数多く存在します。初めてペルソナ分析を実践する場合は、実際のペルソナ分析の事例を参考にするのがおすすめです。

ここからは、企業によるペルソナ分析事例を紹介します。

  • ファッション通販サイト運営会社
  • 日本のバスケットボールリーグ運営会社
  • 東京都港区に本社を置くグループ企業の電機メーカー
  • スープ専門店チェーンの運営会社
  • 大手総合エレクトロニクスメーカー
  • CRM関連製品及びサービスの提供・戦略構築支援を行う企業
  • 経済やビジネスなどの書籍や雑誌等の出版社
  • エステ・脱毛サロンの運営会社
  • 大阪府大阪市北区に本社を置く住宅総合メーカー

1:ファッション通販サイト運営会社

ファッション通販サイト運営会社の事例では、ECサイトのユーザー像をログデータなどから分析し、ペルソナ分析を行っています。

この事例では、「賃貸マンションに一人暮らしでお金に余裕があり、音楽好きでファッションや海外旅行などの趣味への出費が多いミレニアル世代」というペルソナを設定し、マーケティングに活かしています。

2:日本のバスケットボールリーグ運営会社

日本のバスケットボールリーグ運営会社の事例では、チケットアプリのユーザーを調査し、ペルソナ分析に活かしました。

この事例では、「チケットサイトよりもスマホやアプリでチケットを購入する女性ファンであり、さらにシーズン序盤から観戦している」というペルソナを設定しています。

また、ターゲットを「SAMIT」(S:集団観戦型でおしゃれ、A:行動的、M:スマホや雑誌での情報収集、Influencer&Trendy:積極的に発信やシェア&トレンドに敏感)と名づけ、マーケティングに活用しています。

3:東京都港区に本社を置くグループ企業の電機メーカー

東京都港区に本社を置くグループ企業の電機メーカーの事例では、ペルソナを「エンドユーザー」から「設備点」に変更したことでシェアを拡大しました。

この企業は業務用エアコンを販売しているため、実際のエアコンの利用者はBtoB企業の従業員です。しかし、エンドユーザーに至るまでには特約店と設備店が存在しており、エンドユーザーに直接価値を提供していたのは設備店でした。

そこで、設備店をペルソナに設定して設備点の課題解決を行ったことで、シェア向上に繋げました。

4:スープ専門店チェーンの運営会社

スープ専門店チェーンの運営会社の事例では、ペルソナとして設定した女性が満足するメニューしか作らないというマーケティングを実践しています。

この事例では、37歳のおっとりしているが自立している「秋野つゆ」という女性を全店舗共通のコンセプトにしています。メニューも店舗のインテリアも「秋野つゆ」が好むものにすることで、企業として急成長しました。

5:大手総合エレクトロニクスメーカー

大手総合エレクトロニクスメーカーの事例では、キッズサイトにおいてペルソナ分析を実践しました。

この事例では、キッズサイトが対象とする小学生だけでなく、先生や保護者という異なる立場の3人のペルソナを作成しています。

3人のペルソナを細かく設定したことで複数の視点から検討できるようになり、メーカーが公開した「キッズコンテンツ作成ハンドブック」は半年でダウンロード数1万件を超えました。

出典:富士通キッズサイトにおけるペルソナマーケティングの実践 | 富士通
参照:https://www.fujitsu.com/downloads/JP/archive/imgjp/jmag/vol59-6/paper07.pdf

6:CRM関連製品及びサービスの提供・戦略構築支援を行う企業

CRM関連製品及びサービスの提供・戦略構築支援を行う企業の事例では、ペルソナ分析によって社内体制の改善へ繋げました。

この事例では、もともと部門ごとにペルソナを設計して運用していたものの、「ペルソナが似ている」「顧客接点に矛盾がある」などの課題を抱えていました。

その課題を解決すべく、あらゆる部署や立場の人材を巻き込み、営業部門などのユーザー調査をもとに、「組織ペルソナ」と「個人ペルソナ」という2つの統一したペルソナを作成しました。

7:経済やビジネスなどの書籍や雑誌等の出版社

経済やビジネスなどの書籍や雑誌等の出版社の事例では、ペルソナを「会社員」ではなくあえて「教師」に設定しました。

この事例では、自社のホームページを訪れるペルソナを教師に設定することで、普段ビジネスに関わらない人にとっても分かりやすいUIに改善することができました。

8:エステ・脱毛サロンの運営会社

エステ・脱毛サロンの運営会社の事例では、ペルソナ分析を行うことで自社の男性向け脱毛サロンの認知度アップに繋げました。この事例では、ペルソナを三軒茶屋のワンルームマンションに住む大学生の20歳の男性として設定しています。

さらに、ペルソナがよく利用するコンビニで男性向け化粧品を販売することで認知度をアップし、問い合わせ増加へと繋げました。

9:大阪府大阪市北区に本社を置く住宅総合メーカー

大阪府大阪市北区に本社を置く住宅総合メーカーの事例では、ペルソナ分析によって露出方法を工夫しています。

この事例では、デザイン感度の高いペルソナへ向けて見学会を実施したり、インテリア雑誌に広告を出稿したりすることで、ペルソナに商品が見えるような巧みなマーケティングを行っています。

ペルソナ分析をマーケティングに活用するメリット3つ

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ここまで紹介したとおり、多くの企業がペルソナ分析によって自社の顧客像を明確化し、マーケティングに活用しています。

それでは、ペルソナ分析を行うことには具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、ペルソナ分析をマーケティングに活用するメリットを紹介します。

  • インフルエンサーマーケティングができるようになる
  • 顧客の需要が明確になる
  • イメージを共有しやすくなる

1:インフルエンサーマーケティングができるようになる

近年では、インターネット利用率が非常に高いことから、ペルソナ分析でも「使用しているSNS」や「SNSの利用時間」といった項目を設定するケースが多くなっています。

このような項目を詳しく設定すれば、ペルソナのSNSやWebの利用方法が特定されインフルエンサーマーケティングにも活用できるでしょう。

2:顧客の需要が明確になる

売れない商品やサービス、伝わりづらいコンテンツなどが生まれる理由として、ターゲットが定まっていないことが挙げられます。このような場合、詳細なペルソナを設定することでリアルな顧客視点から検討できるようになります。

適切なペルソナ分析が行われれば、顧客にとって魅力的なコンテンツであるかどうか、その商品やサービスを購入したいと思うかどうかが分かりやすくなるでしょう。

3:イメージを共有しやすくなる

マーケティングを実践する際には、社内で共通した認識を持つことが大切です。しかし、マーケティング担当者や営業担当者など、異なる部署間で共通した認識を作るのが難しいケースは多いのではないでしょうか。

そのような場合も、ペルソナを設定しておくことで具体的なイメージを共有しやすくなるでしょう。

ペルソナ分析をマーケティングに活用するデメリット3つ

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ペルソナ分析にはさまざまなメリットがある一方で、デメリットと呼べる点も存在します。そのため、ペルソナ分析を実践する場合にはあらかじめデメリットについても把握しておく必要があるでしょう。

ここでは、ペルソナ分析をマーケティングに活用するデメリットについて解説します。

  • 売上が良いと見直されなくなる
  • 既存の顧客ばかりをペルソナにすると停滞してしまう
  • 不確実なデータと想像で作ると大幅にズレたペルソナになる

1:売上が良いと見直されなくなる

売上が良い場合でも、定期的なペルソナの見直しが必要です。たとえ売上が良くても、ペルソナ分析の効果が出ているとは限りません。

ペルソナ分析を行う以上、定期的な見直しを行ってPDCAサイクルを回すことが重要です。

2:既存の顧客ばかりをペルソナにすると停滞してしまう

ペルソナ分析では、既存の顧客をもとに典型的な顧客像を作成していくことになるため、既存顧客のニーズを満たすマーケティングを実践するケースが多くなります。

その結果、ターゲット層以外の消費者のニーズが反映されていない商品やサービスが中心になっていき、商品やサービスが停滞してしまう可能性があります。

3:不確実なデータと想像で作ると大幅にズレたペルソナになる

データ収集やマーケティング調査が不十分な場合、企業側の希望やイメージが先行した間違ったペルソナができてしまうこともあります。

企業にとって都合の良いペルソナや、分かり切っている内容しか設定されていないようなペルソナでは、ペルソナ分析を行う意味はないでしょう。

ペルソナ分析を行うときのコツ4つ

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ペルソナ分析を行うことで顧客理解が深まるため、商品の企画や開発、販売などにおいて大きな効果が期待できます。それでは、ペルソナ分析を効果的に行うにはどのようなコツを押さえればよいのでしょうか。

ここでは最後に、ペルソナ分析を行うときのコツについて紹介していきます。

  • ペルソナは複数設定する
  • PDCAのスパンを決める
  • ペルソナへ確実に届くような仕組み作りをする
  • アンケートやインタビューを活用する

1:ペルソナは複数設定する

ペルソナ分析を行う場合は、ペルソナを複数設定するのが効果的だと言われています。

たとえば、「既存顧客によるペルソナ」と「新規顧客の取り込みを目的としたペルソナ」など、アプローチの違う複数の像を用意して使い分けていくと良いでしょう。

2:PDCAのスパンを決める

ペルソナ分析は定期的な見直しが必要なため、PDCAのスパンを設定しておきましょう。

前述のとおり、売上が安定していると見直しが行われないことがあるため、あらかじめスパンを決めておくのがおすすめです。

3:ペルソナへ確実に届くような仕組み作りをする

ペルソナ分析では、設定ペルソナに対してピンポイントに伝わる商品やサービスを提供できます。しかし、確実にペルソナに商品やサービスが届く仕組みがなければ意味はないでしょう。

ペルソナ分析をマーケティングに活用する際には、必ずペルソナに届く仕組みを構築しておきましょう。

4:アンケートやインタビューを活用する

ペルソナを作成する際には、アンケートやインタビューによって得られたデータを活用しましょう。

たとえば、Webアンケートに答えたユーザーのデータで、パソコンよりもスマホからのアクセスが多いというものがあれば「普段からスマホをよく利用している」という項目が設定できるでしょう。

ペルソナ分析の事例を参考にしよう

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ペルソナ分析を行うことで、リアルな顧客視点でのマーケティングが可能になります。

本記事で紹介したペルソナ分析の手順や企業によるペルソナ分析事例、ペルソナ分析を行うときのコツなどを参考に、自社でも効果的なペルソナ分析を実践してみましょう。

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