企業によるダイレクトマーケティングが成功した事例5選!活用のメリットは?
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初回公開日:2022年02月01日
更新日:2022年03月01日
ダイレクトマーケティングの定義とは?
ダイレクトマーケティングとは、企業が顧客と1対1のコミュニケーションを取り、ファンやリピーターになってもらうことを目的としたマーケティング手法です。
商品を購入して欲しい時だけ顧客に宣伝するのではなく、購入した後もコミュニケーションを取り続け、そこで得た情報を元に顧客1人1人に合ったアプローチを継続して行います。
具体的な定義としては、企業と顧客がコミュニケーションを取ること、SNSやDMなど様々なメディアを通して顧客に行動を働きかけること、最後にマーケティングの結果をデータとして蓄積します。
データはまた次のアプローチに利用し、顧客とコミュニケーションを取り続けましょう。継続的にマーケティングすることをおすすめします。
ダイレクトマーケティングで使われる主な手法
ダイレクトマーケティングの主な手法はDMや広告・メディアなどの、様々な広告方法が該当します。企業が自分達に合った手法を選んでアプローチすることが可能です。
ここではインターネットやSNS、テレマーケティングなど、5つのアプローチ方法を紹介します。ぜひ参考にしてください。
インターネット広告の活用
Webサイトやスマートフォンアプリ上の広告を利用したアプローチ方法です。アフィリエイトやYouTubeの広告なども該当します。
インターネット広告を利用した際のメリットは、クリック率やクリック後に商品を購入したかなど、顧客が広告を見た後の効果を測定できることです。測定することで広告の良し悪しがわかり、広告の改善に活かせるでしょう。
より効果的に発信するためには、ネットの流行りをリサーチし反映することも重要なポイントになります。その時々の流行りに適したサイトに掲載し、顧客に見てもらえる可能性を上げましょう。
Eメールの活用
メールマガジンやメール配信を活用してアプローチを行う手法です。強みとしては、会員登録などで顧客のスマートフォンやPCのアドレスを知っている場合、一斉に情報を送信できるところです。
ただ、デメリットとして他のメールやメール配信と混ざってしまうと読まれない可能性があります。読みたいと思わせる配信タイトルにして興味を持ってもらうことがポイントでしょう。
SNSの活用
Facebook、Twitter、InstagramなどのSNSメディアを利用する手法です。アドレスや住所などの顧客情報を知らない場合でも、多くの人に宣伝できることが強みでしょう。
また、宣伝の仕方によっては大多数に情報を拡散することができます。そのためには通常通りの発信ではなく、興味を持ってもらえるようなユニークな見出しやコンテンツを作成する努力が求められます。
テレマーケティングの活用
テレマーケティングとは、電話やFAXを利用して顧客とコミュニケーションを取る手法です。特に電話でアプローチを取る場合はメールやSNSとは異なり、顧客と会話ができることが強みです。
会話ができる分、親交を深めやすいことが特徴ですが、電話がしつこい場合などは不快に思われてしまう可能性も高いため、注意が必要でしょう。
印刷物によるダイレクトメール
ハガキや封筒などの印刷物を使用して顧客に宣伝する方法です。小売店や飲食店、不動産など様々な業界で利用されています。
ダイレクトメールは郵便代や印刷代などの費用が発生することがデメリットですが、他の手法よりも顧客からの返答率が高いことがメリットだと言われています。
ダイレクトマーケティングが合う業種
どの業種でも基本的にダイレクトマーケティングは行えますが、特にECサイトに向いていると言われています。ECサイトでは顧客の購入履歴などがわかるため、欲しいものの傾向が分析しやすく、アプローチを検討できる情報が多くあります。
顧客側も自分の好みにあった商品をアプローチしてくれるECサイトに好感を持ち、リピーターの顧客になる可能性が高いでしょう。
企業によるダイレクトマーケティングが成功した事例5選
実際にダイレクトマーケティングに成功した企業の事例を紹介します。企業はどのようなアプローチを顧客に行ったのか、その結果どうなったのかなど、様々な事例を参考にしてみてください。
事例によってはアプローチに費用がかかるものもあれば、低コストで大きな効果を得られたケースもあります。様々な広告の手法を参考にして、顧客にあった方法を知るきっかけにしましょう。
1:DINETTE株式会社
化粧品メーカーのDINETTE株式会社の成功事例は、SNSの情報発信で顧客の支持を得たことと、インフルエンサーの立ち上げがポイントです。
情報発信の特徴としてDINETTE株式会社はメーカーですが、Instagram内で自社の商品の宣伝だけではなく他社の商品も紹介したところです。自社商品の宣伝ばかりではなく、顧客を楽しませるコンテンツ発信が成功に繋がったと言えるでしょう。
また、顧客からのSNSへのコメントに対して早めの返信を心掛けることや、インフルエンサーの募集など、顧客とのコミュニケーションを企業全体で大事にしている点も成功へのポイントです。
2:ベースフード株式会社
ベースフード株式会社の成功事例は、お客様のインタビューや口コミなどをベースに商品の改善などを行うマーケティングを重視したことです。
販売方法も顧客と直接繋がる方法を選択して販売しており、商品開発から広告宣伝まで顧客の声を中心に実行しています。これらの活動が成功に繋がった要素として挙げられ、企業全体で顧客の声をベースに改善を繰り返し実行したことがポイントでしょう。
3:株式会社Mobility Technologies
株式会社Mobility Technologiesはタクシー配車アプリ『GO』を運営している企業です。マーケティングの成功事例は、『GO』独自のメリットを顧客に伝えることを中心に広告宣伝をしたことでしょう。
宣伝方法の特徴は、顧客を一括りにせずに、地域別に顧客がどのようにタクシーを利用するのか分析した内容をマーケティングに反映したところとなっています。
特に都心と地方ではタクシーの使い方が異なる傾向があるため、エリア毎でアプローチの仕方を変えてマーケティングを実行しました。また、アプリを利用して顧客だけでなく、実際に顧客と接するタクシー乗務員の声もデータ収集して、マーケティングに活かしています。
4:Amazon
大手ECサイトのAmazonの成功事例は、顧客の情報をベースにそれぞれの顧客が好感や興味を持てる商品宣伝をしたことが特徴です。
顧客の履歴を元に興味がありそうな商品傾向を予測し、サイトのページ内で検索商品以外も掲載して、アプローチをかけています。
検索外の商品を表示されることで不快に思う可能性もありましたが、不快になることが少なく、顧客によっては宣伝を見て商品を購入するケースが多いようです。また、定期的にイベントを配信し顧客にアプローチも行っています。
5:ヤマトダイアログ&メディア株式会社
ヤマトダイアログ&メディア株式会社では、お届け時のLINE活用がマーケティングの成功事例になります。
今までは専用のアプリで再配達の依頼や連絡を行うというシステムでしたが、アプリをダウンロードしていない場合は対象外になるデメリットがありました。デメリットの解消のために、LINEのトーク画面から再配達が依頼できるアプローチを実施しました。
顧客にとってはLINEから連絡が取れるようになることで利便性が向上し、ヤマトダイレクト側では顧客と簡単に連絡が取れるようになったことがメリットになります。
ダイレクトマーケティングを成功させるコツ
ダイレクトマーケティングでは、ターゲットの顧客を知り集めること、リピート・購入回数を増やすこと、リピーターになってもらうことが目的になります。
ここでは、ダイレクトマーケティング成功へのコツを4つ紹介します。SNSや顧客とのコミュニケーションを活かしてアプローチをぜひ向上させてください。
- 長期的な視点による施策設計
- 顧客視点を維持する
- 積極的なファンの声の取り込む
- ニーズのある情報を若年層に発信する
長期的な視点による施策設計
宣伝やアプローチを一度行って終了ではなく、まず段階的に商品を購入してくれる顧客作りやリピーター層を作ることが成功のコツです。
どのような顧客が購入層なのか、顧客を知ることがポイントでしょう。まずターゲット層の顧客を知ることから始まり、一度購入してくれた顧客にはもう一度利用してもらうように誘導広告などを配信するなど、長期的な努力が必要になります。
リピーターになってもらうために、長期的に顧客にアプローチをするマーケティングのプラン作りをしてみましょう。
顧客視点を維持する
顧客により良いアプローチをかけるために、顧客の消費行動に合わせたアプローチをしましょう。
顧客の購入内容や頻度、どこからの情報で知ったのかなど、情報入手から購入・利用までの流れの情報を分析します。顧客視点でダイレクトマーケティングをすることが成功のコツです。
積極的なファンの声を取り込む
ダイレクトマーケティングで成功している企業では、積極的に顧客やファンの声を取り込んでいます。特に、SNSのInstagramやTwitterを通してファンとコミュニケーションを取ることを重視することがポイントになるでしょう。
企業のアカウントをフォローしてくれている顧客とコミュニケーションを取り、その返答を商品開発に取り入れることで成功した事例もあります。また、お互いに連絡を取ることで、顧客と企業の距離が近くなり、愛着や高感度の向上に繋がるでしょう。
ニーズのある情報を若年層に発信する
アプローチ方法の1つであるSNSを活用することで、若年層の大多数に効果的に発信できる可能性が高くなります。
SNSを利用している若年層が多いという理由もありますが、リアルタイムで情報を伝えることができるのも大きなメリットです。また、アプローチ投稿が人気を得れば、不特定多数の何千人にも拡散される可能性があります。
特に情報を拡散して欲しい時は、若年層に人気が出るようなコンテンツにすることがポイントになるでしょう。
ダイレクトマーケティングを行うメリット
ダイレクトマーケティングは、顧客を絞ってアプローチができます。顧客を絞れることでリピーターの獲得ができるため、安定した収益に繋がることがメリットです。
アプローチの結果によるデータ収集からPDCAの向上を行えることや、費用対効果の向上など、様々なメリットが挙げられます。ここでは、その中のメリットを7つ紹介していきます。
- PDCAが回しやすくなる
- ユーザーへのアプローチ性が高い
- 諸経費を節約できる
- 事業規模を拡大しやすくなる
- 広告・メディア・データを活用してマーケティングが取れる
- 直販による1対1でコミュニケーションできる
- 安定した収益を狙える
PDCAが回しやすくなる
改善策を検討し、実行することをPDCAサイクルと言います。ダイレクトマーケティングでは顧客へアプローチした効果を数字で測定できるため、結果がわかりやすくPDCAの改善がしやすいところがメリットです。
リピート率やレスポンス率など、顧客の反応が数字で測定できるところが改善のしやすさに繋がります。
ユーザーへのアプローチ性が高い
アプローチを長期的にするため顧客の情報量が増え、顧客へのアプローチが有効に行える可能性が上がります。顧客がどの商品を好んでいるのか、どのようにサービスを感じているのかなど、顧客情報をベースにアプローチしましょう。
諸経費を節約できる
顧客へのアプローチに費用がどのくらい発生したのか管理できるため、無駄な経費が発生しにくくなるでしょう。
ダイレクトマーケティングでは費用の分析も行え、経費を管理しながら顧客へのアプローチができます。また、顧客に合わせた広告媒体を選択してアプローチでき、さらに広告を限定して発信することも可能になるため、費用の節約になるでしょう。
事業規模を拡大しやすくなる
ダイレクトマーケティングを企業で始める際は少人数からのスタートが可能になります。人数を多く必要とせずに拡大できることもメリットの1つです。
また、アプローチの成功方法を理解すれば効果が伸びやすくなるため、事業拡大もしやすくなるでしょう。
広告・メディア・データを活用してマーケティングできる
ダイレクトマーケティングでは、広告から顧客のレスポンスや購入率などの効果を数値化して把握できます。把握した数値の結果を元に、次のアプローチに活かすことが可能でしょう。
顧客を絞らずに大勢に発信するマーケティングでは、データを測定しにくい部分があります。しかし、ダイレクトマーケティングであれば顧客を絞るためのデータ測定が可能です。そのため、データを次のマーケティングに活かせることがメリットに挙げられます。
直販による1対1でコミュニケーションが取れる
1対1で顧客とコミュニケーションが取れるため、それぞれの顧客にあったアプローチができます。
SNSなどを利用すれば直接顧客とコミュニケーションが可能です。複数顧客がいる場合でも、性別や年齢などの情報を元にグループ分けを行うことでコミュニケーションが取れるでしょう。
定期的に購入してくれるリピーターに対しては、特別な特典サービスを実施しコミュニケーションを取る企業もあるようです。
安定した収益を狙える
ダイレクトマーケティングでは、リピーターの取得が目的のため、顧客の定期購入が増えて安定した収益へと繋がります。また、購入者の情報をストックしていくことで、新たに定期購入や月額制のビジネスへ転換できる可能性もあるでしょう。
ダイレクトマーケティングを行うデメリット
ダイレクトマーケティングをする上でデメリットもあります。特にお金と期間でのデメリットが主に挙げられます。
ここではデメリットを4つ紹介します。ダイレクトマーケティングを始める前にデメリットを理解することで、成功に繋がるでしょう。
- ターゲットに合わせた手法が必要
- 継続性と時間が必要
- 広告が劣化することへの備えが必要
- 広告費や初期投資が必要
ターゲットに合わせた手法が必要
顧客に合わせたアプローチがダイレクトマーケティングの重要なポイントになります。そのため、顧客層がバラバラの場合は、それぞれに合わせたアプローチ方法が求められるでしょう。
顧客に合わせたアプローチをしなければアプローチの効果が出ないため、デメリットになってしまうということです。
継続性と時間が必要
結果が出るまで時間がかかることがデメリットの1つです。顧客データの蓄積と分析、さらにそれらを元に改善を行うため、時間と継続性が求められます。
また、時代によってニーズも変化することから、常に顧客の情報をリサーチする必要もあるため、継続して行うことをおすすめします。
広告が劣化することへの備えが必要
時代の変化によって顧客が求めるものは変化していくため、アプローチ方法も時代にあった変化が求められます。一度成功したからといって、同じ方法を継続することは避けましょう。
変更する手間を惜しんで継続した場合、顧客によっては他社へ移ってしまう可能性があるため、注意してアプローチすることをおすすめします。
広告費や初期投資が必要
初期の投資費用がかかり、また回収に時間も要することがデメリットになります。ダイレクトマーケティングを始めてすぐに費用分を回収することは難しいとされており、長期間かかって回収できる場合が多いです。
また、広告を発信するための広告費やメール配信では、システム料がかかる場合もあります。さらに、数が多ければ顧客情報を管理するシステムなども費用が発生するでしょう。
ダイレクトマーケティングへの誤解
ダイレクトマーケティングですが、DM(ダイレクトメール)や通販のことと誤解されるケースもあるようです。
DMもアプローチ方法の1つですが、Webやアプリ、メールなどもダイレクトマーケティングに含まれ、顧客と繋がる様々なメディア・活動がダイレクトマーケティングになります。
また、通販だけでなく、顧客と関わる様々な業種もダイレクトマーケティングを活用でき、特にサブスクリプションや生命保険なども適した業種と言えるでしょう。
ダイレクトマーケティングに当てはまらないものとは?
直接顧客と繋がらないものや、顧客のデータを蓄積しない時はダイレクトマーケティングに当てはまらない場合があります。
具体的には不特定多数へのビラ配りや、継続しての販売ではなく売り切りのキャンペーンなどが当てはまります。また、直接販売ではなく、小売店を通して販売する業種も当てはまらない場合が多いです。
ダイレクトマーケティングの事例を参考にしよう
ダイレクトマーケティングを取り入れることで、化粧品メーカーや生命保険、アパレルなど様々な業種が成功しています。
ダイレクトマーケティングでは、ある程度の初期投資やデータ蓄積の時間が必要となるデメリットもありますが、デメリットを知っていれば対処方法も検討できます。
デメリットを対処し実際取り入れている企業の事例やメリットなどを参考に、ダイレクトマーケティングを成功に繋げてみてはいかがでしょうか。