マーケティングに活用できるデータ分析14の手法!活用には目的を明確化しよう
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初回公開日:2022年02月01日
更新日:2022年03月01日
マーケティングにおけるデータ分析の重要性とは?
マーケティング活動を行う上で、消費者がどのようなニーズを持っているのか、自社や競合他社の強みとはどういった点なのかを把握することは非常に重要です。マーケティングでデータ分析を活用することにより、客観的な判断基準を持って戦略を選択することができます。
また、データ分析によって法則性を見出すことができれば、その法則性を利用できるようになります。さらに、ビジネスにおけるさまざまな要素を整理し、結果を予測することもできるようになるでしょう。
マーケティングへデータ分析を活用するメリット
企業のプロジェクトはさまざまなメンバーが関わることになるため、意見が一致しないこともあるでしょう。しかし、マーケティングにデータ分析を活用すれば、客観的なデータをもとに戦略を選択することが可能になります。
そのため、会議で揉めることもなく、マーケティングが失敗する可能性を軽減することもできるでしょう。
マーケティングに活用できるデータ分析14の手法
マーケティングではさまざまなデータ分析手法が利用されています。また、利用されるデータ分析手法は目的によっても異なります。
ここではマーケティングに活用できるデータ分析14の手法について解説していきます。参考にしてみてください。
1:アソシエーション分析
アソシエーション分析とは、同時に発生しやすいモノとモノを分析する際に用いられるデータ分析手法です。多くのデータを分析することで有用なパターンを導き出す手法で、「支持度」「確信度」「リフト」という3つの指標を利用します。
アソシエーション分析を実施することによって隠れた関連性を持つ商品やサービスを見つけ出せるため、同時に展開することによって売り上げの上昇が期待できます。
2:クロス集計分析
クロス集計分析とは特定項目の相互関係を調査するもので、主にアンケートの集計で用いられるデータ分析手法です。設問と回答者の属性の掛け合わせによって集計を行い、回答者の属性ごとの平均値を抽出できます。
クロス集計分析はExcelを使うことで実施できるため、小売業などではクロス集計分析によって顧客ニーズを把握し、仕入れ数の調整などに活用しているケースも多いです。
3:ロジスティック回帰分析
ロジスティック回帰分析とはある1つの事象における発生確率を0もしくは1で表すデータ分析手法です。事象に対する答えを「はい」と「いいえ」で集計することにより、発生確率や結果に対する要因を把握できます。
ロジスティック回帰分析を用いることで、「顧客は次にこの商品を購入するかどうか」「この商品は購入されたのかされていないのか」といった分析を行うことができます。
4:バスケット分析
バスケット分析とは前述のアソシエーション分析から派生した、消費者の買い物かごの中身を分析するデータ分析手法です。
構造としてはアソシエーション分析と同様ですが、アソシエーション分析がWebの閲覧履歴なども含めて関連性を分析するのに対して、バスケット分析では消費者の購買行動に限定した分析を行います。
バスケット分析を用いることで同時に購入される可能性が高い商品を見つけ出し、関連性の高い商品を考慮してマーケティングを実施することが可能になります。
5:ABC分析
ABC分析とは、売り上げやコストなどの指標を重要度によってランク付けするデータ分析手法です。たとえば売り上げという要素によってABC分析を行う場合、商品を売り上げの高いものから順番に並べ、A、B、Cとランク付けしていきます。
ABC分析では優先度によってランク付けできるため、売れ筋商品や死れ筋商品を把握し、在庫管理や改善点の発見に役立てることができます。
6:因子分析
因子分析とは、さまざまな結果の中に潜んでいる共通要因を見つけ出すデータ分析手法です。因子分析を行うことで因子負荷量や共通性、寄与率などを導き出すことができるため、目に見えない範囲のデータの特性を把握できます。
因子分析はマーケティング以外の分野でも活用されていますが、マーケティングではアンケートの結果を分析する場合などに用いられます。
7:決定木分析
決定木分析とは、選択肢やシナリオを段階的に分割することで複数の要因の関係性や要因に影響する根拠を見つけるデータ分析手法です。
選択肢の回答によって枝分かれしていき、樹形図の形になることから、「ディシジョン・ツリー」や「回帰木」とも呼ばれています。
決定木分析ではクロス集計の分析を繰り返し行うことになるため、クロス集計よりも多くの原因を探ることが可能です。決定木分析を用いることであらゆる選択肢を比較して最終的に取るべき選択肢を決定できるため、リスクマネジメントの分野でも活用されています。
8:勾配ブースティング木分析
勾配ブースティング木分析とは、「勾配降下法」「アンサンブル学習」「決定木」の3つを組み合わせたデータ分析手法です。
目的関数を最小化できる勾配降下法と、複数のモデルを同時に学習することでモデルの精度を向上させるアンサンブル学習のブースティングを、決定木に適用した手法となっています。
9:クラスター分析
クラスター分析とは、性質の異なるデータが混ざりあったグループの中から似たもの同士をグループ化していくデータ分析手法です。
クラスター分析には、最初にすべてのデータ間の類似度を計算して基準に基づいて似たもの同士を分類していく「階層クラスター分析」と、あらかじめ最終的なクラスターの数を決定しておき、似たもの同士を分類していく「非階層クラスター分析」の2種類があります。
クラスター分析を行うことで、年齢や性別などで定まっていないデータ同士の関係性を抽出し、潜在顧客のニーズを把握することも可能になります。
10:コレスポンデンス分析
コレスポンデンス分析とは、クロス集計分析の集計表をマップとして視覚的に表現するデータ分析手法です。コレスポンデンス分析では、クロス集計表をもとに傾向が近い項目が近くに配置されたマップを作成できます。
そのため、コレスポンデンス分析はアンケートの結果などの質的データを可視化するために用いられるケースが多いです。
11:統計的検定分析
統計的検定分析とは、標本のデータを解析することで母集団の情報を推定するデータ分析手法です。統計的検定には「t検定」「カイ二乗検定」「F検定」などの種類があり、t検定はサンプルデータが母平均と比べてずれているかどうかを検定するものです。
カイ二乗検定は分布の乖離度を測るもので、ABテストで用いられることが多いです。F検定は母分散の検定を行うもので、t検定を行う前に実施される場合があります。
12:アップリフトモデリング分析
アップリフトモデリング分析とは、マーケティング施策におけるターゲティングの精度を高めるデータ分析手法です。
アップリフトモデリング分析はABテストに似ていますが、ABテストと違って実験群と介入群の特徴量についても注目することで、それぞれの関係性を把握できます。アップリフトモデリング分析はクーポンの効果を定量的に測定する場合などに役立ちます。
13:コンジョイント分析
コンジョイント分析とは、商品全体の評価を行うことにより、個々の商品の要素がどのくらい全体評価に影響しているのかを明らかにするデータ分析手法です。
コンジョイント分析では、複数のアイデアがある場合にそれぞれのアイデアを同時に比較してもらうことで、どのアイデアが消費者に好まれるのかを把握できます。そのため、商品開発などに役立ちます。
14:テキストマイニング分析
テキストマイニング分析とは、自然言語で書かれたテキストを統計的に分析するデータ分析手法です。自然言語の文章は売り上げデータなどと違って定性的になるため、情報を読み取るのは困難です。
テキストマイニング分析では形態素解析によって単語を抽出、分解することによって、単語の出現頻度や共起などを明らかにします。テキストマイニング分析はアンケートの自由記述やコールセンターへの問い合わせなどの分野で活用されています。
マーケティングへデータ分析を活用する際のポイント
ここまでさまざまなデータ分析手法を紹介してきましたが、実際にマーケティングにデータ分析を利用する際にはいくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
ここではマーケティングへデータ分析を活用する際のポイントについて解説していきます。
- 目的をはっきりさせること
- 比較するべき対象を定めること
- 目的に合わせて手法を選ぶこと
- 分けて比べることを意識する
目的をはっきりさせること
マーケティングにデータ分析を活用する場合、まずは目的を明確化することが大切です。データ分析を実施することで具体的にどのような情報を得たいのかが明確になっていなければ、データ分析を成果につなげることは難しいでしょう。
データ分析そのものが目的化してしまわないように、まずは目的をはっきりさせておくことが大切です。
比較するべき対象を定めること
データ分析では比較するべき対象を決めておくことが重要です。現在の自社のデータを過去の自社のデータや他社のデータと比較することにより、現在の市場における自社のポジションや優位性などをはっきりさせることができます。
比較する対象がない場合と比べて、さまざまな課題が見えやすくなるでしょう。
目的に合わせて手法を選ぶこと
データ分析手法はその種類によって得られる情報が異なります。そのため、マーケティングにデータ分析を活用する場合は、目的に合ったデータ分析手法を選択することが大切です。
適切な結果を導き出せるように、目的とするデータを得やすいデータ分析手法を選択するようにしましょう。
分けて比べることを意識する
データ分析のために収集したデータは、さまざまな性質を持ったものが混ざりあっています。そのため、データ分析では似た性質のもの同士を分け、比べることがポイントです。
似たもの同士をグループ分けすることにより、グループごとの性質をセグメンテーションやブランディングに活用することができます。
データ分析の勉強方法
データ分析を学ぶ場合、統計の基礎に関する学習を行う必要があります。平均や分散といった統計に関する基礎知識は、データ分析を行う上で必須です。
また、データ分析はプログラミング言語のPythonによって実装されるケースが多いため、Pythonに関する勉強も合わせて進めていくようにしましょう。
マーケティングの勉強方法
マーケティングを学ぶ場合、学習サイトや書籍などを利用して学ぶ方法があります。マーケティングは範囲が広いため、どのように勉強を進めればいいのかわからないというケースも多いでしょう。
しかし、近年ではマーケティングの勉強に適したWebサイトやWebサービス、書籍が多く出ているため、独学でも習得することが可能です。マーケティングを学ぶ場合は、まずは集客について学ぶと良いでしょう。
マーケティングに活用できるデータ分析の手法を参考にしよう
マーケティングをデータ分析に活用することで、客観的な情報をもとに判断することが可能になります。
この記事で紹介したマーケティングに活用できるデータ分析の手法やマーケティングへデータ分析を活用する際のポイントなどを参考に、データ分析をマーケティングに活用してみてはいかがでしょうか。