新しいマーケティング戦略が求められる理由とは|戦略アイデアと企業4選も紹介
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新しいマーケティング戦略が求められる理由とは|戦略アイデアと企業4選も紹介

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新しいマーケティング戦略が求められる理由とは|戦略アイデアと企業4選も紹介

記載されている内容は2022年02月01日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日:2022年02月01日

更新日:2022年03月01日

市場環境の変化により、新しいマーケティング戦略が求められています。この記事では新しいマーケティング戦略に関するポイントや事例を紹介しています。この記事を読むことで、市場環境の変化に対応できるマーケティング戦略が理解できるでしょう。

マーケティング戦略を立てるのはなぜか

サービスや商品などを効率的に販売するには、市場の特性に合わせたマーケティング戦略が必要です。

ただし、市場を取り巻く環境は常に変化し続けているため、これまで成果のあったマーケティング戦略が通用しなくなることも少なくありません。

マーケティングを行う際は、市場環境の変化を常に察知する洞察力が必要です。さらに市場環境の変化に対応できる、新しいマーケティング戦略を立て続けることが不可欠だと言えるでしょう。

ユーザーに選んでもらうためのマーケティング戦略とは

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※画像はイメージです

マーケティング戦略はユーザーの動向にマッチした戦略でなければ意味がありません。市場におけるユーザーのニーズを的確に把握し、そのニーズにマッチした商品やサービスの開発・PR活動を行うことが必要です。

ここでは、ユーザーに選んでもらうためのマーケティング戦略について解説します。

市場環境分析をしておく

市場環境分析とは市場やユーザーのニーズ、競合他社との違いを明らかにすることであり、マーケティング戦略の基礎となるものです。自社商品もしくはサービス、ブランドがどういった市場環境に置かれているかでマーケティング戦略は異なります。

市場での自社のポジションを決定しておく

マーケティング戦略を立てる際は、市場における自社のポジションを明確に把握することが大切です。

まずは、自社の立ち位置を見極めて競合他社との違いを明確にしましょう。その上で自社のオリジナリティや強みを見いだすことで、市場において目指すべきポジションが決まります。

ターゲットを決めておく

的確なターゲティングを行うためには、自社製品・サービスを利用するのは「誰」なのかを明確にすることが大切です。ターゲットが定まらないままだと的外れなマーケティング戦略となり、十分な効果は期待できないでしょう。

ただし、顧客の属性を細かく絞り込むほど市場規模は狭くなるので、バランスを考える必要があります。

新しいマーケティング戦略のアイデア

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ここからは、様々な新しいマーケティング戦略のアイデアを紹介します。新しいマーケティングアイデアを参考にして、商品やサービス、ブランドにマッチしたマーケティング戦略のアイデアを生み出しましょう。

世界的な賞を利用したアイデア

世界的な音楽賞である「グラミー賞」でも、新しいマーケティング戦略が展開されました。2014年のグラミー賞を獲得したのは「Happy」の大ヒットで知られるファレル・ウィリアムス氏です。

ファレル・ウィリアムス氏がグラミー賞のステージで被っていた帽子が、ファーストフードメーカーARBY’sのロゴに似ていため、ARBY’sが「おい、@ファレル、私たちの帽子を返してくれないかい?#GRAMMY」とつぶやきました。

このツイートが多くの人の注目を集め、ちょっとしたユーモアとアイデアが大きなマーケティング効果をもたらした好事例だと言えます。

空港の手荷物受取場所を使用したアイデア

イタリアのヴェネツィアでは、カジノの集客に新しいマーケティングのアイデアを用いました。そのアイデアとは、空港の手荷物受取場所の回転台をカジノのルーレットに変更してしまったことです。

手荷物受取場所は乗客が自分の荷物を待つ場所であり、待つ間はストレスが溜まる反面、これから始まる旅行へのワクワク感が高まる場所でもあります。

従来の殺風景な回転台がルーレットの絵柄に変わったことで観光客の心をほぐし、カジノへの興味をグッと押し上げることにつながりました。見込み客の行動・心理を丁寧にリサーチした好事例だと言えるでしょう。

トラブルをユニークに変化させて利用したアイデア

トラブルをユニークなアイデアでマーケティングに活かした例もあります。アメリカのスポーツイベントであるスーパーボールで30秒のCMを流すためには、少なくとも約6億円の広告費用が必要と言われています。

そのスーパーボールで停電が発生した際、オレオのSNSチームが「停電? 大丈夫さ。暗闇でもダンクする(オレオをミルクに浸す)ことはできる」とバスケ用語とビスケット用語を用いたユーモアあるツイートを発信しました。

このツイートに多くの人が反応し、無料であるにもかかわらず大きな広告宣伝効果につながりました。これはオレオの機転とアイデアの効いた素晴らしい戦略だと言えるでしょう。

電車の待ち時間にショッピングさせてしまうアイデア

韓国ソウルの地下鉄構内では、電車の待ち時間をショッピングタイムに変えるユニークなアイデアが展開されています。イギリスのスーパーマーケット・テスコ社はオンラインスーパーの利用客を増やすために、ソウルの地下鉄構内の壁一面にバーチャル商品棚を設置しました。

商品棚を見立てた巨大ポスターには、商品ごとにQRコードが印刷されており、スキャンすることでオンライン購入できるという仕組みです。簡単なアイデアですが、ユーザーからは好意的に受け入れられており、売上も順調に伸ばしています。

インフォグラフィックスを用いて難しいサービスを分かりやすくしたアイデア

難しいサービスもインフォグラフィックスを利用することで分かりやすくした事例があります。バーチャルエージェントで知られる「IntelliResponse社」は自分たちのビジネスがユーザーに難しく見えてしまうことが課題でした。

そこで難しいサービスをインフォグラフィックスにまとめることで視覚的に理解できるようになった結果、主要キーワードがグーグル検索で上位にランクされるなど認知度アップに成功しました。

国際記念日に合わせて銅像を設置したアイデア

国際女性デーに合わせて設置した銅像が、大きなマーケティング効果をもたらした事例もあります。

資金運用会社「ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ」は、女性役員が多いほどビジネスに好影響を与えると公言しており、2017年の国際女性デーの前日である3月8日に、チャージング・ブルの対面に「恐れを知らない少女(Fearless Girl)」像を設置しました。

「チャージング・ブル」像は1987年に起こったブラックマンデーから立ち直るためにニューヨーク・ウォールストリートに設置されたのが巨大な雄牛の像です。

チャージング・ブルに立ち向かうように設置された少女の像が女性の明るい未来を表したほか、未来ある若者を鼓舞するものとなり、結果としてブランドイメージをアップさせることに成功しました。

物事を別視点から見つめたアイデア

物事を別視点から見つめ直すことで、大きなマーケティング効果が得られることもあります。ITセキュリティサービスのVircom社は、スパムから身を守る方法ではなく、なぜスパマーはスパムをするのかといった視点でeBookを配信しました。

物事を別の視点からとらえることで、新鮮な切り口となるだけでなく、ユーザーの疑問に答える形にもなった好事例です。

マーケティング戦略の参考になる企業4選

ここでは、マーケティング戦略の参考となる企業を紹介します。実際に成功している戦略に触れることで、新たなマーケティング戦略のアイデアが生まれるでしょう。

それぞれの企業の戦略を参考にして自社のマーケティング戦略を立てましょう。

1:American Express

徹底したコンテンツマーケティングで知られるのが「American Express」です。

American ExpressのメディアサイトやSNSでは、自社とは関係のないコンテンツが提供されています。これらのコンテンツでは、思想家や起業家の話を聞いたり質問できたりする「フォーラム」としての役割を担っているのが特徴です。

ユーザーや見込み客に役立つコンテンツを提供することで、見込み客を育てることに成功しました。

2:Redbull

Redbullは、ターゲット層に向けて商品情報ではなく、アクティブ・スポーツに関するコンテンツを提供し続けているのが特徴です。

ターゲット層は役立つコンテンツを提供するブランドとしてRedbullを認知しており、結果として商品の売上にもつながっています。徹底したブランディング戦略の成功事例と言えるでしょう。

3:支付宝

支付宝(Alipay)は、中国でネットショッピングモールを運営するアリババグループの決済サービスで、傘下であるアントグループが運営しています。中国ではキャッシュレス化が進んでおり、「支付宝」は大きなシェアを獲得しています。

「支付宝」はモバイルアプリを利用することで、実店舗でも使用することが可能です。日本でもドン・キホーテ、ビックカメラなどが導入しています。

4:NIKE

「NIKE」は企業メッセージである「Just do it.」を体現することで、ブランド力を高めています。NIKEは、多くのスポーツ選手を起用したスタイリッシュな動画が好評で、30周年キャンペーンでは、アメフトのコリン・キャパニック氏を起用しました。

黒人に対する警察の暴力に抗議し、国家斉唱を拒否したコリン・キャパニック氏の起用に物議を醸し出しましたが、NIKEはブレることなく「Just do it.」を体現しています。

こういったNIKEの姿勢がブランド力を高めており、商品の売上にもつながっていると言えるでしょう。

近年よく使われるようになったマーケティング用語

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新しいマーケティングを理解するには、新しいマーケティング用語を正しく理解することが必要です。市場動向の変化とともに新しいマーケティングが生まれ、同時に新しいマーケティング用語も生まれています。

新しいマーケティング用語を理解しないままでいると、間違った解釈で新しいマーケティングを推し進めてしまうことも少なくありません。

ここでは、近年よく使われるようになったマーケティング用語を紹介します。しっかりと理解して、正しくマーケティング戦略を推し進めましょう。

動画マーケティング

動画マーケティングとは、文字どおり動画を活用して商品・サービスのPR活動を行う戦略です。動画マーケティングが使われるようになった背景は、スマートフォン・SNSが身近なものになったことで、手軽に動画サイトをチェックできるようになったことがあります。

動画マーケティングのメリットは、視覚的に商品・サービスの魅力をユーザーや見込み客に伝えられる点で、顧客拡大につながりやくなります。

動画マーケティングは動画を作ることが目的ではなく、他のマーケティング手法と同じくターゲティングをしっかりと行い、ユーザーや見込み客に訴求する動画作成をすることが大切です。

DECAX

DECAXはDiscovery(発見)、Engagement(関係構築)、Check(確認)、Action(購買・行動)・Experience(体験と共有)の頭文字を取った、ユーザーの購買行動を意味する言葉です。

ユーザーと企業の双方向の関係性を重視しているのが特徴で、DECAXを上手く活用するにはSNSが重要です。

SNSを利用して情報を発信することで、「コメント」「いいね!」といったレスポンスを直接受け取ることができ、双方向のコミュニケーションが実現しやすくなります。その結果、顧客との信頼関係を築くことが可能となり、売上アップが見込めるでしょう。

インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーマーケティングとは、SNSに強い影響力を持つインフルエンサーを活用するマーケティング手法です。SNSが市場に与える影響は非常に大きく、インフルエンサーの発信は商品・サービスの売上に影響します。

企業はインフルエンサーに商品・サービスの紹介を依頼することで、売上向上・認知度アップを目指しますが、ターゲットの属性にマッチしたインフルエンサーを選択することが必須です。

フリーミアム

フリーミアムとは有料プランと無料プランの2段階に分けた料金プランを意味する言葉で、「フリー」「プレミアム」を合体させた造語です。

無料トライアルには機能などに制限があるのに対して、フリーミアムには制限がほとんどありません。ユーザーや見込み客は無料プランを試すことで商品・サービスの価値を購入前に体験できるため、違和感なく優良プランに移行できます。

なお、フリーミアムには「機能制限型」「利用料制限型」「サポート制限型」の3種類があります。販売する商品・サービスの特性によって最適な料金パターンを選択すると良いでしょう。

Dual AISAS

Dual AISASとはヒトとモノがつながるネット社会において、SNSやコミュニケーションアプリに対応した購買行動モデルを意味する言葉です。ユーザーと消費者を「コミュニケーション関心層」「購買関心層」に分けて考えることがポイントです。

ネット社会では購買に関心があるユーザーばかりではありません。SNSなどを通じて商品・サービス・コンテンツ(情報)を広く知らせたいといったユーザーも多くいます。

Dual AISASでは両方のユーザーを意識して「なにを求めているのか」「なにに共感するのか」を分析することが重要で、単なるPRではなく、ユーザーに役立つコンテンツを提供することが大切だと言えるでしょう。

Online Merges with Offline(OMO)

Online Merges with Offline(OMO)とはオンラインとオフラインの融合を表す言葉です。オンラインとオフラインを分断せず、それぞれの良いところを取り入れることが導入のポイントです。

インターネット・スマートフォンの普及により、オンラインで様々な商品・サービスが購入できるようになりました。しかし、実店舗でしか体現できないメリットがあるのも確かです。

日本でも普及率は上がっていますが、今後さらに高めていくには電子決算によるキャッシュレス化の推進が不可欠であるほか、通信環境の整備も必要です。

日本では政府がキャッシュレス化の推奨を打ち出しており、5Gの運用も本格化してきました。こういった背景からもOnline Merges with Offline(OMO)はさらに普及することが予想されています。

ユーザーエクスペリエンス

ユーザーエクスペリエンスとは、ユーザーが商品・サービスを利用することで得られる「印象」「感動」などの体験すべてを意味する言葉です。製品・サービスの「性質」よりも、そこから得られる「体験」を重要視する企業も増えています。

ユーザーが重視している購買目的が「自己実現」に変化してきていることから、重要視されるようになった概念です。なお、ユーザーエクスペリエンスの向上を図るためには「目標設定」「ユーザー分析」「実体験の明示」がポイントです。

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、ユーザーに役立つコンテンツを提供することで商品やサービス・ブランドの認知度・売上アップを目指す手法を意味する言葉です。アメリカでは多くの企業が取り入れているマーケティング手法です。

コンテンツマーケティングのメリットは導入時のコストが低く抑えられる点で、作成したコンテンツはWeb上で公開することによって、企業の資産として残ることも大きなメリットと言えます。

ただし、リリースするコンテンツは真にユーザーに役立つものでなければなりません。コンテンツをリリースした後はPDCAサイクルを回しながら、必要な修正を加えることが必要だと言えるでしょう。

マーケティングオートメーション

マーケティングオートメーションとは、マーケティング活動を自動化する仕組み・ツールを意味する言葉です。従来手動で行っていたルーティン業務などを自動化することで「業務の効率化」「コスト削減」「売上向上」などが期待できます。

また、ツールを導入することでヒューマンエラーを激減させられることも大きなメリットです。マーケティングオートメーションは、大量のデータを取り扱うBtoBの製造業・IT企業で効果が得やすいのも大きな特徴だといえます。

マーケティングオートメーションには様々なツールがリリースされているので、無料トライアルなどを上手に利用して、自社のマーケティング手法にマッチしたものを選びましょう。

デジタルトランスフォーメーション

デジタルトランスフォーメーションとは、デジタル技術を取り入れ「人々の生活を豊かにする」といった概念を表す言葉です。「デジタル革命」とも呼ばれ、既存の価値観を変革する意味でも現代社会では重要な意味を持ちます。

デジタルトランスフォーメーションは新たな商品・サービスの創出にとどまらず、「生産性の向上」「働き方改革」「企業のあり方」にも効果が及ぶのが特徴です。

したがって、企業やビジネスの本質までも変革するのに役立つ概念だといえるでしょう。企業が成長・発展し続けるためにはデジタルトランスフォーメーションを取り入れたマーケティング・経営戦略が必要です。

新しいマーケティング戦略を知ろう

新しいマーケティング戦略を立てるには、市場環境や市場における自社の立ち位置に加え、ターゲットを丁寧に分析することが大切です。

新しいマーケティング戦略を打ち続けることは、企業経営を安定させる上でも不可欠だと言えます。この記事を参考に、新しいマーケティングについて理解を深めましょう。

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