ドラッカーが提唱した理念とは?おすすめの入門書を活用して知識を学ぼう
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初回公開日:2022年03月25日
更新日:2022年03月31日
ドラッカーとはどんな人物?
ドラッカーは、「マネジメントの父」と称されるオーストリア生まれの社会生態学者です。
本名はPeter F. Drucker(ピーター・ファーディナンド・ドラッカー)といい、20世紀に考案されたマネジメントスキルの大半は、ドラッカーが提唱した理念に基づいています。
フランクフルト大学を卒業したドラッカーは、経済記者、マーチャンドバンクでのアナリストを経て、1937年に渡米しニューヨーク大学やクレアモント大学院で教授に就任しました。
その後、教育や執筆、コンサルティング活動を続け、政治・経済・哲学・自己実現などさまざまな分野に影響を及ぼしたと言われる人物です。
ドラッカーが提唱した理念
ドラッカーが提唱した理念は、現代のマネジメント体系を確立するのに欠かせない役割を担っています。
ここからは、ドラッカーが提唱した理念を参考に、企業が発展するためのマネジメントに必要な素質を5つにまとめて解説します。
目標は「会社が続きながら成長すること」
ドラッカーは、マネジメントには人材のパフォーマンスを向上させるための、管理能力と統率力が必要だと提言しています。
「会社が続きながら成長すること」を目標とし、会社として成果を上げるためには、チームひとりひとりが持つ長所を伸ばすことが大切です。人材の特性や能力を見極めてチームを構成し、会社の成長に必要なパフォーマンスを強化していくことが重要と言えるでしょう。
新しいことに挑戦し続ける
組織力を向上させるために目標設定し、新しいことに挑戦することは、マネジメントするうえでとても重要です。
ドラッカーはこれらの目標設定において、間違いや失敗を恐れて無難なことだけに着手するのではなく、常に新しいことに挑戦し、変化していくことの重要性を提言しています。
常に挑戦し続けることで、チームや個々のモチベーション維持を促すことが大切と言えるでしょう。
顧客の声に耳を傾ける
ドラッカーは、マネジメントには顧客の声に耳を傾けるコミュニケーションスキルの向上が重要だと提言しています。AIなどデジタル技術が発展している現代ですが、土台には人間同士のコミュニケーションが必要です。
業務を円滑に遂行するためには、部下を統率するコミュニケーション能力だけではなく、顧客が求めているサービスとは何なのかを理解することが求められていると言えるでしょう。
個々が積極的に動くチームを作る
ドラッカーは、個々が積極的に動ける人材育成が重要だと提言しています。特に少子高齢化の現代社会においては、労働力不足が深刻だとされており、優れた人材の確保は多くの企業にとって重要な課題と言えるでしょう。
個々が積極的に動けるチームの労働力は質が高く、重要な経営資源となります。マネジメントにおいては、効率よく人材を育成し、企業の利益に結び付けることが必要です。
ドラッカーの理念では、人材教育と合わせてマネージャー自身の能力開発も必要だと提言しています。
社会全体への貢献を目指す
ドラッカーは、マネジメントには社会全体への貢献を目指すことが重要だと提言しています。社会全体への貢献が評価されることは、人材の定着率が良くなり、離職率が改善されるのに効果的です。
人材のパフォーマンスを公平に評価する制度や、適正なフィードバックを与えられることで、従業員は労働意欲が増し、業務効率や生産性の向上につながります。したがって、マネージャーに求められる能力は、人材を適正に評価するフィードバック力と言えるでしょう。
ドラッカーを学ぶためにおすすめの入門書
ドラッカーを学ぶためにおすすめの入門書は、ドラッカーの考え方や、現代に与えた彼の影響力や功績が、簡潔に述べられているのが特徴です。
ここからは、はじめてドラッカーを学ぶ方にも読みやすい著書5選を紹介していきます。
ドラッカー入門 新版 未来を見通す力を手にするために
「ドラッカー入門 新版 未来を見通す力を手にするために」は、ドラッカーの業績の全貌がわかる入門書です。この著書は、ドラッカーの考え方や世界の見方がわかりやすく解説されており、未来を読み取る力が養えると言われています。
ドラッカーが提唱した理念などを、コンセプトや歩みなどの背景とともに学べるでしょう。
ネクスト・ソサエティ 歴史が見たことのない未来がはじまる
「ネクスト・ソサエティ 歴史が見たことのない未来がはじまる」は、原書名「Managing in the Next Society」を、日本でのドラッカーの分身と称されている上田 惇生が翻訳したものです。
この著書でドラッカーは、ビジネスの常識は社会の変化によって根底からくつがえされると提言しています。ビジネス界に大きく影響を与えている要因は、労働力不足から見える「若年人口の減少」や、非正規雇用者の増加から見える「労働の多様化」などの変化だと言えるでしょう。
これらの社会の変化によって、「マーケティング」の本質が根本からくつがえされ、知識労働者が台頭する世の中になると説いているのがこの著書です。
経営者の条件
「経営者の条件」は、原書名「The Effective Executive」の新訳として、評価を得ている著書です。ドラッカーはこの著書で、成果をあげるために知る必要があるのは己の強み、時間の使い方、なすべきこととなさざるべきこと、だと提言しています。
成果をあげるための能力を習得し、現代社会に不可欠な経営者としての条件を学びたい方におすすめの著書です。
マネジメント【エッセンシャル版】 基本と原則
「マネジメント【エッセンシャル版】 基本と原則」は、ドラッカーの代表的な著書である「マネジメント—課題、責任、実践」のエッセンスが簡潔にまとめられた入門書です。
この著書ではドラッカーの提唱する、マネジメントの役割や戦略について学べます。マネジメントを実践して成果を出したい方や、取り組むべき仕事などが不明確で悩んでいる方におすすめです。
ドラッカーの黒字戦略
「ドラッカーの黒字戦略」は、ドラッカーの理念を活用して、事業の黒字化を目指したい方におすすめの著書です。
狙うべきニッチとは、創造的な模倣とは、他者との連携とはなど、難しい理論の解説ではなく実践的なノウハウが学べるでしょう。
ドラッカーの入門書を参考にしよう
この記事で紹介したドラッカーの入門書は、ドラッカーの提唱した理念を学びたいが、難しい理論など分厚い哲学書は苦手だという方におすすめです。
これらの入門書から、ドラッカーが生涯を通じて関心を示していたのは「社会的存在としての人間の自由と平等」であることなどがわかります。
入門書から社会、組織、企業はどうあるべきか、人間は何をなすべきかを問い続けたドラッカーの思想を読み解きましょう。