PRと広告の違いとは?項目別の解説と新しいマーケティング手法についても紹介
広報・PR
PRと広告の違いとは?項目別の解説と新しいマーケティング手法についても紹介

Share

Facebook
Twitter
はてな

PRと広告の違いとは?項目別の解説と新しいマーケティング手法についても紹介

記載されている内容は2021年07月19日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日:2021年07月19日

更新日:2021年07月19日

PRと広告の違いについて解説します。PRは第三者が取り上げるWebメディアが中心で広告は企業が直接、消費者に向けて主にマスメディア系を利用して発信します。SNSの浸透により新しいスタイルのPRも広がる昨今、消費者へのメッセージの伝え方を見ていきましょう。

そもそもPRってどんな意味?

PRとは、ある団体や組織の活動内容や方針・主義主張・施策などを世の中の多くの人々に知ってもらい、理解してもらって同意や好意を抱いてもらうための広告や宣伝活動などのことを指しています。

PRの略は「パブリック・リレーション」で公衆との良い関係づくり、という意味にもなります。よって宣伝や広報の対象者よりもっと幅広い層の人たちを相手にしているということです。

広告の定義とは?

PRと広告の違いとは?項目別の解説と新しいマーケティング手法についても紹介
※画像はイメージです

広告の定義とは、広告主が明らかで何らかの媒体を使っていて、掲載するためには費用がかかりメッセージ性をもっているものを指していいます。

広告は企業や団体が営利目的や事業推進のための告知や理解を広く世間に知らしめる行為であって、その意図がないものは広告として成り立っていないことになります。

PRと広告の違い8つとは?

PRと広告の違いについて解説していきます。PRと広告は、意味的に区別せずに同じような意味合いで使われることがありますが、両者には決定的な違いが存在します。PRと広告の違いを8つのポイントに分けて見ていきましょう。

1:目的について

PRの目的は自社のサービスや商品を広く一般消費者に認知してもらうため、一方の広告は特定の商品やサービスを需要のありそうな購買層に知ってもらって購入してもらうという違いがあります。

PRも広告も知ってもらうという点では同じですが、知ってもらいたい消費者層に大きな隔たりがあるということになります。

2:発信者について

PRの発信者はメディア、広告の発信者は企業です。メディアは常に新しい情報を探しています。企業が発信する情報に話題性があればメディア側が率先して取り上げて発信してくれます。

一方の広告は、企業がメディアに対してお金を払って掲載してもらわなければなりません。メディア媒体の目の行きやすいところに掲載することによって広告活動が展開されます。PRと広告はかかる経費の存在によって発信者に違いが起こります。

3:伝える手段について

伝える手段の違いは、PRがメディアやSNSで広告はマスメディアの広告枠になります。PR活動はSNSなどのWebメディアと相性が良く、広告は新聞・雑誌・テレビCM・ラジオCMなどのマスメディアが相性のいい手段になります。

PRは一般消費者に広く早く反響を取れる情報でないとメディア側が取り上げないため、マスメディア系には不向きです。広告はターゲット層掘り起こし戦略に長けていることから、マスメディア系以外にもWeb広告にも効果を発揮します。

4:効果について

PR効果は持続性、広告の効果は即効性という違いがあります。PRは第三者視点で客観的に消費者に伝えられることで、誇張したり演出しているといった操作がないことが特徴です。そのため幅広い消費者層に受け入れられやすくなります。

一方の広告は、ターゲットに的を絞った直接的なアピール性を訴えられるためインパクトはPRに比べると強い効果を発揮するでしょう。PRの持続性、広告の即効性はこういった点で効果に違いが生まれます。

5:受け手の情報への信頼感について

受け手に対する情報の信頼感はPRが勝り、広告は少々乏しいといえるでしょう。PRはメディアが第三者の視点に立って公平・中立・客観性をもって判断して取り上げるため、多くの人の指示を受けやすくなります。

一方、広告は特定されたターゲット層に向けて発信されているため恩恵を受ける人が限られており、広く一般的に信頼される情報とはいいにくい特性をもっています。

6:情報のコントロールについて

PRは情報コントロールできませんが広告はできます。PRは第三者のメディアが客観的視点に立って情報を世間に知らしめるため、発信者の思惑を全てくみ取ってくれるとは限りません。

一方、広告は発信者が直接ターゲットの顧客に訴えかけるため情報をコントロールして発信できます。よって瞬発性や即効性は広告に軍配が上がります。しかし、長い目で見た場合、広く大衆に浸透していく効果を考えればPRは持続性のある手段といえるでしょう。

7:費用について

PR活動は第三者のメディアが取り上げてくれるので企業側に費用は発生しません。多大な費用がかかる広告とは大きく違っています。

テレビCMを制作する上において広告ならば多額の広告料が必要となりますが、PRならば宣伝費用をかけずに戦略的に宣伝することができます。

8:相性の良いメディアについて

PRはSNSを中心としたWebメディア、広告はテレビや新聞・ラジオ・雑誌などのマスメディア系との相性がいいといわれています。

PRは自社の宣伝やサービスになるべく費用をかけたくない意向があるため、Twitter、Instagram、Facebook、YouTubeといった拡散性の高いWebメディアが効果的です。

一方、広告はテレビCMやラジオCMなどに直接、広告を流して幅広い年齢層に自社商品をアピールできます。そのため多額の費用を投入しなければなりませんがダイレクトに情報をコントロールできることにより、短期間で購入意欲をかき立てられます。

PR会社と広告代理店の違い

PRと広告の違いとは?項目別の解説と新しいマーケティング手法についても紹介
※画像はイメージです

PR会社と広告代理店の違いについて見ていきます。両者の大きな違いは依頼主である企業が費用を負担するかしないかがあげられるでしょう。しかし、PRと広告の特徴の違いも含まれるため両者にはそれぞれのメリットがあります。

PR会社と広告代理店の違いを特徴別で紹介していきます。

PR会社の特徴

PR会社の特徴は、依頼主側がコストをかけることなく各メディアに自社商品やサービスを取り上げてもらえるように働きかけてもらえることです。

依頼主側は、戦略的な広報やPR活動していくことで宣伝費用をかけずにPR会社に自社の商品やサービスを取り上げてもらい、それを宣伝してもらえることになります。

広告代理店の特徴

広告代理店の特徴は、クライアントである依頼主の意向を有料で受け付け、商品やサービスをマスメディア媒体に売り込んで広告出稿することにより、販売促進及び顧客の掘り起こしを実現させることです。

従来の我が国の広告宣伝活動の根幹を担う役割として長く受け継がれてきています。

PR的な考え方と広告的な考え方とは?

PRと広告の違いとは?項目別の解説と新しいマーケティング手法についても紹介
※画像はイメージです

PRと広告の考え方は根本的に違ってきます。即効性はないが広く長く世の中全般に情報を伝達させるPR的考え方と、短期間に効率的に宣伝効果を発揮させて実績をあげる広告的考え方とでは、戦略的に大きな相違点を生みます。

PR的な考え方について

PR的な考え方では成果の即効性は求められていません。時間をかけてじっくりと広く大衆に働きかけて自社商品やサービスを宣伝します。

この考え方を実践していくためには、長期的戦略と客観性に基づいた公平で偏りのない情報が求められます。また世間が興味関心を引く情報でなければメディアも取り合ってくれません。

PRがメディアに掲載される傾向を考えると、いかにして検索上位に上がるような話題性をもっているか、発信者は常にPRされる題材の新鮮さを追求していく考えを求められます。

広告的な考え方について

広告的な考え方は、広告費を依頼主が支払っているため自社の思惑通りにターゲットを狙って商品やサービスを売り込む姿勢でしょう。

広告にかける費用にいとめさえつけなければ広告主の思いのままに好きな広告を打てます。即効性と確実性がある程度計算されていますので、強気な戦略を打てるところが広告的な考え方といえるでしょう。

広まりつつある「PRファースト」という考え方

PRと広告の違いとは?項目別の解説と新しいマーケティング手法についても紹介
※画像はイメージです

ネットによるWebメディアの浸透により、現在ではかつてのテレビなどによる広告の大量一方通行から、PRによる第三者の公平な視点に立った意見を尊重して商品購入に向かっていく流れに変化していっています。

このPRファーストという考え方は企業や広告主の意見だけに従わず、あらゆる方向から情報を分析して自分に相応しい商品を選び出すという消費者の欲求を具現化したものです。つまり消費者に賢い選択肢が増えたことを意味しています。

PRと広告が融合した新しいマーケティング手法4つ

時代は令和に入り広告・宣伝の形もPRと広告が融合した新しい方へ変化を遂げています。これはネットの浸透により消費者が購買意欲を起こす根拠をネット上の第三者の意見を参考にして選別する傾向が強くなったからです。

ネットの第三者の意見は消費者心理に近い意見が多いためこのような流れになるのも自然の成り行きでしょう。今の時代に沿った新しいマーケティング手法を4つ、紹介していきます。

1:記事広告

記事広告とはネットのWeb上で掲載されている記事風のPR文章です。文章自体は広告風の記事ですが売り込み口調の文体はとっていないため、記事を読む読者は自分の知りたい商品やサービスの情報をつかむのに都合のよい記事となっています。

Webをチェックしている読者にとって、押し売り形式や露骨な商品肯定記事はそのサイトから離脱してしまうでしょう。記事を最後まで読んでもらってためになる記事だ、という思いを感じてもらうことが記事広告の役割になります。

2:ネイティブ広告

ネイティブ広告とは記事と広告に融和性があり違和感なく読んでいける記事広告の一種です。サイトの中に違和感なく表示されていますので記事に対する拒否反応が起こらず、読み込んでいくうちに自然とその広告にクリックしてしまうような記事になります。

ネイティブ広告は記事内と体裁を整えていることからストレスがかかりません。またその商品やサービスを知らない潜在購買層の掘り起こしにも役立ち、SNSを通して広く拡散されていく特徴もあります。

ただ読者に価値のある記事だと感じてもらうために、記事の文章力が求められるでしょう。興味を引かなくなるとその記事から離脱されてしまう可能性も含んでいます。

3:インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーマーケティングとは、SNS上(YouTubeやInstagram)で強い発信力・影響力をもつサイト運営者(インフルエンサー)に、商品やサービスを宣伝してもらって消費者行動に影響を与えてもらう手法をいいます。

インフルエンサーは多くのフォロワーをもっているため、彼・彼女たちが発信する情報には多くの賛同者を得ます。企業はここに目をつけインフルエンサーに商品をPRしてもらって認知や購入への広告にしている手法です。

4:オウンドメディア

オウンドメディアとは、自分で所有しているメディアを指していいます。自社のコーポレートサイト、会社案内、パンフレット、メールマガジンなどがこの類に入ります。

オウンドメディアの役割はユーザーが求めている情報、役立つ情報をコンテンツ別に提供して集客を図ることです。オウンドメディア内にスタッフがブログを書いていたり口コミ情報を入れるなどしてユーザーの掘り起こしに一役、買っています。

PRや広告などを総合的に戦略化するIMCとは?

IMCとはIntegrated Marketing Communicationの略で、Webサイトや実店舗、パンフレット、企業のカスタマーサポートなどあらゆる顧客との媒体を通して事実の統一性が図られている戦略をいいます。

IMCについての具体的な説明を通してこのマーケティング手法を見ていきましょう。

IMCを意識したマーケティングにおける3つのポイント

IMCを意識したマーケティング手法におけるポイントを3つ、紹介していきます。消費者が広告を見て抱いたイメージと現実の商品やサービスとの相違が大きいと、マイナスイメージを植え付けられた失望感が媒体を通して拡散されることになるでしょう。

企業が意識して行わなければならないIMCマーケティングは、それらの危険性を未然に防ぐものになります。

1:一貫性のあるメッセージを発信する

IMCを意識したマーケティングで気をつけたいことの1つ目は、一貫性です。消費者がどの媒体や広告を見てもその商品やサービスに一貫性が備わっていなければいけません。

Webメディアで人気インフルエンサーが紹介した高級ブランド品を実際に店舗にいってチェックしに行ったら店員の口の利き方が横柄でとても高級ブランドのイメージがもてなかった、という結果に終わったらどうなるでしょう?

恐らくその消費者は自分のSNSを通して事実の拡散をするでしょう。一貫性が貫かれていないということは消費者に見限られてしまうということを物語っています。

2:定期的に社内でブランディングの認識について周知する

IMCを意識するためには定期的に社内でブランディングの認識を周知徹底させましょう。

ブランドイメージは企業側のたゆまぬ努力と顧客への偽りのない奉仕精神があってこそ生まれます。自社商品やサービスの本質を常に肝に銘じて提供していくことが一貫性とつながります。

企業は自社の精神が腐敗したり劣化しないよう、常に社内でブランディングの認識を周知徹底させる教育が求められるでしょう。

3:何を伝えるべきかを明確にする

IMCを意識したマーケティングにするためにも、何を伝えるべきかを明確にしなければなりません。

伝えるべきメッセージが明確になったら、使用する発信チャンネルにも細心の注意を払わねばなりません。チラシやポスター・新聞広告の内容と実店舗の実態が伴っていなかったら消費者は騙されたという認識をもってしまうでしょう。

ネガティブキャンペーンに発展してしまったら企業にとって取り返しのつかない致命傷になります。何を伝えるのか企業内で明確にして周知徹底させましょう。

PRと広告について理解を深めよう

PRと広告の違いとは?項目別の解説と新しいマーケティング手法についても紹介
※画像はイメージです

PRと広告の違いについて説明してきました。PRも広告も消費者に自社商品やサービスを知ってもらって購入してもらう上では同じ性質をもったものです。しかし、第三者が発信するPRと企業が直接発信する広告では消費者への伝わり方も変わってきます。

PRと広告の違いを正しく理解した上でIMCを意識したマーケティングを取り入れ、新しい時代を見据えた企業努力を惜しまない姿勢が更に求められることでしょう。

Share

Facebook
Twitter
はてな

RELATED