広報と宣伝の違いって何?ポイントの解説とSNSにおける特徴についても紹介
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初回公開日:2021年07月19日
更新日:2021年07月19日
広報と宣伝の違いって何?
広報と宣伝の違いとは何でしょうか。混同されることが多い広報と宣伝ですが1つ明確な違いがあります。
広報も宣伝も自社の情報を発信することに変わりはありませんが、情報の受け取り手が会社関係者やメディアであるのが広報なのに対し、商品を購入しサービスを利用する消費者に向けて発信するのが宣伝です。
広報と宣伝の違いについて、まずは広報とは何かを理解しましょう。6つのポイントにわけて広報とは何かを紹介します。
広報を理解する6つのポイント
広報とはどのような目的で行われるのでしょうか。広報とは何かを理解する上で必要なことを6つのポイントにわけて紹介します。
・広報の目的
・広報の効果
・メディアに主導権が委ねられる
・社外向け広報と社内向け広報について
・PRとPAについて
・広報活動の具体的事例
1:広報の目的
企業が広報活動する目的は何なのでしょう。広報活動としては、プレスリリースへの掲載などを含むメディア広報、社内広報など様々な種類があります。
どのような広報活動であっても、企業として社会に認識してもらい信頼を得ることで、価値を高め、成長・発展をめざすことが企業の目的です。
2:広報の効果
広報は、どのような結果であれば効果があったと判断できるのでしょう。広報活動を実施する際、自社のホームページへの掲載のほかに、プレスリリースサイトに掲載します。多くのメディアがプレスリリースサイトの情報を元に、メディア各社のサイトで情報を取りあげます。
より多くのメディアが自社の掲載情報を取りあげて、メディアサイトに掲載することで、広報の効果があったと判断できるでしょう。
3:メディアに主導権が委ねられる
広報活動する際、企業側は情報を発信するのみであり、自らメディアにアプローチすることはできません。掲載する内容がいかにメディア担当者の興味を惹き、取りあげてもらえるかが重要です。
4:社外向け広報と社内向け広報について
広報の仕事は、社外向け広報と社内向け広報と2種類あります。
対象とする相手は異なりますが、どちらの広報活動でも、コミュニケーションを想起させる情報発信を心がけることが重要です。社外広報は、取引先やメディアに向けて情報発信します。社内広報は、会社で勤務する社員や社員の家族に向けて情報発信します。
5:PRとPAについて
広報はPRとPAの2つにわけられます。PRとはパブリック・リレーションズの頭文字をとったものです。PAとはパブリック・アフェアーズの頭文字をとったものです。
PRは雑誌やウェブといったメディアや、自社サイトを通じて情報を提供しますが、PAは政府、地方公共団体などに社会性の強い場所に向けて、社会性の強い情報を発信することを指します。商業的なものか社会的なものかの違いという考え方もできます。
6:広報活動の具体的事例
広報の目的や効果、どのような種類や違いがあるのかを紹介しました。広報活動で行われている事例としては、社内向けと社外向けで方法が変わります。
会社の日常をマガジンで定期的に社内外に向けて配信する会社や、 広報活動として社員のオンライン花見を企画するなど、企業によって社内外に向けた様々な広報活動が行われています。
宣伝を理解する5つのポイント
いままでは、広報を理解する6つのポイントをお伝えしました。ここからは、広報と宣伝の違いを理解するために、宣伝とは何かを紹介します。広報と宣伝の違いは何かを理解する上で必要な、宣伝とは何かを5つのポイントにわけて紹介します。
・宣伝の目的
・宣伝の効果
・企業が意図的に情報を発信する
・広告との関係性
・宣伝の具体的事例
1:宣伝の目的
企業が宣伝する目的は、ユーザーに自社の商品やサービスを理解してもらい、購入やコンバージョンにつなげることです。まず第1の目的は、自社商品やサービスの内容をユーザーに理解してもらうことです。そして第2には、ユーザーが実際に購入まで行うことを目的とします。
2:宣伝の効果
宣伝は、どのような結果であれば効果があったと判断できるのでしょう。宣伝する際の手法としては、大きく3つにわけられます。1つ目は紙媒体で宣伝すること、2つ目はインターネットで宣伝すること、3つ目はイベントで宣伝することです。
宣伝の目的は、自社の商品やサービスを認知させ、コンバージョンさせることであるため、多くの媒体で宣伝してコンバージョンが増えることによって、宣伝の効果があったと判断できるでしょう。
3:企業が意図的に情報を発信する
宣伝する際、企業側が意図的に情報を発信することがあります。
例えばユーザーに対し、自社商品のイメージを企業側の意図する方向へ導きたいとき、印象づけるキャッチフレーズを使用して宣伝することが多々あります。
4:広告との関係性
宣伝も広告も、企業側が費用を負担して行う活動であることは同様です。
ただし広告と宣伝では、目的とする結果の着地点は異なります。広告はまず、商品やサービスの存在をユーザーに知ってもらうことが前提となります。宣伝はその一歩先である、実際の購買につなげることを目標としています。
5:宣伝の具体的事例
宣伝の具体的事例としては、オランダの航空会社KLMで行われた「エコノミーコンフォートシート」と呼ばれる、足を伸ばしてリラックスして座れるシートの宣伝があげられます。
ぱっと見ると座っているように見えますが、実は宙に浮いているという突発的に行われる宣伝は、ゲリラマーケティングとも呼ばれます。
SNSを使った広報・宣伝のメリット3選
広報や宣伝する際、いままでとは異なりSNSを使うケースも増えてきました。社外に対して商品やサービスを宣伝する際に、SNSごとに特性を把握して利用すると効果が高まります。
こちらでは、SNSを使った広報・宣伝のメリットを3つのポイントに絞って紹介します。
・消費者との距離が近い
・情報を拡散しやすい
・販売チャンネルが広がりやすい
1:消費者との距離が近い
SNSは、消費者も自分の意志で投稿や写真を掲載して情報を交換しているため、消費者との距離が近くなります。
SNSとはFacebookやInstagram、Twitter、YouTubeなどがあげられます。それぞれの特性に合った投稿を心がけることで、消費者の目に触れやすくなります。
2:情報を拡散しやすい
SNSで広報や宣伝するときは、それぞれの特徴を把握して、SNSの違いに応じて投稿して、情報を拡散させることを意識しましょう。
各SNSの利用ユーザーの特徴は次の通りになります。
・Facebook:30~60代の利用が多めです。
・Twitter:若年層の利用者が多く、男性比率が高めです。
・Instagram:20~40代利用者が多く、女性の比率が高めです。
・LINE:10代~60代の幅広いユーザーが利用しており、利用者数が最多です。
・YouTube:年齢問わず幅広いユーザーが利用しています。
商品の紹介であれば、男性向け、女性向けにより投稿を掲載するSNSを変えると良いでしょう。
出典:平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書|総務省
参照:https://www.soumu.go.jp/main_content/000644168.pdf
3:販売チャンネルが広がりやすい
複数のSNSを活用して、商品やサービスを宣伝すると、販売チャンネルが広がります。
消費者が多くのSNSでの情報に触れることで、興味を持った人は自分のアカウントで情報を拡散します。それぞれのフォロワーが更に情報を拡散して広げていくことで、SNS上に販売チャンネルを広げられます。
SNSでの広報・宣伝活動において注意すべきこと4つ
一見すると、SNSでの広報・宣伝はメリットがとても多く感じられます。ただし、SNSでの広報・宣伝する上では注意しなくてはならないこともあります。
こちらでは、SNSでの広報・宣伝において注意すべきことを4つにまとめて紹介します。
1:SNSの種類に応じた広報をする
それぞれのSNSの特徴をいかすことで、情報を拡散しやすくなります。
実名登録が必要なFacebookは、ビジネスで利用していることが多く、直接知り合いであることが多めです。Facebookでは、新しい商品や新しいサービスをリリースするまでの状況や販売状況の投稿が向いています。
それに比べて、Twitterは140字と字数制限があるため、販売担当者やSNS担当者が短いメッセージを発信する方が向いています。
また、Instagramは画像投稿が中心であるため、商品やサービスを画像などのイメージを伝えてメッセージを投稿するのが有効です。YouTubeは動画がメインであり、商品ができるまでの誕生秘話や、テレビCMの動画や、メイキング動画を発信することに向いています。
出典:ツイートする方法|Twitter
参照:https://help.twitter.com/ja/using-twitter/how-to-tweet
2:ユーザー参加型や共有型がおすすめ
SNSで広報や宣伝するときは、ユーザーが興味を持つような、ユーザー参加型や共有型がおすすめです。
それぞれのSNSには、「いいね」やブックマーク、RT(拡散機能)、コメントなどアクションできる機能があるため、ユーザーが参加しやすいような投稿を心がけることで、情報を拡散できます。
Twitterは、「いいね」やリプライ、リツイートなど気軽に交流しやすい雰囲気があり、少しくだけた感じでコミュニケーションをとることができます。内容によっては拡散されて、多くの人に注目されることもあります。
3:口コミマーケティングは注意が必要
SNSを使った広報や宣伝する際は、ユーザーが反応しやすい参加型がおすすめと伝えました。SNSは、ユーザーと企業との双方向のコミュニケーションを可能にしました。
ユーザーが企業の広報や宣伝を見て、コメントやリツイートを気軽に行うことで、商品やサービスの認知度が高まり企業の売上がアップする手法を、口コミマーケティングと呼ぶようになりました。
SNSの特徴を利用し、商品のターゲットを絞り込み、発信することで話題にさせることができます。企業はお金をかけなくても、口コミで認知度が高まるため費用対効果が高くなります。
ただし、関係者が口コミを投稿し認知度をあげようとすると、ステルスマーケティングと呼ばれ炎上の原因となるため、注意が必要です。
ステルスマーケティング
ステルスマーケティングとは、宣伝する企業の関係者および、企業から依頼を受けた人が、一般人を装って好意的なコメント投稿し、人為的にほかの口コミを導こうとする行為のことを指します。
インフルエンサーを使ったマーケティングと混同されがちですが、ステルスマーケティングは関係者であることを隠して口コミを投稿し、自然発生的に口コミを増やす点が異なっています。
ステルスマーケティングをしていることが明らかになったり、ステルスマーケティングをしていると誤解されることは、企業のブランドイメージを傷つけるだけではなく、炎上の原因になります。
4:「炎上」は即座に対応する
もし、ステルスマーケティングをしていると誤解されたり、良い口コミではなく、悪い口コミが多く炎上してしまった場合は、即座に対応することが重要です。
該当の口コミを削除するだけで根本的な対応を行わないと、売上低下だけではなく、不誠実な企業として大幅にイメージダウンすることもあるでしょう。説明してターゲットや手法を変えるなど、即座に対応しましょう。
広報と宣伝の違いを理解しよう
ここまで、広報と宣伝の違いについて、ポイントの解説と、SNSにおける特徴について紹介しました。広報は、情報を伝える相手がメディアや関係者であるのに対し、宣伝は、商品やサービスを利用したり購入する消費者を相手にして情報を伝えます。
プレスリリースサイトや各SNSも、広報と宣伝では伝え方が異なります。それぞれの特徴や違いを把握し、ターゲットをしっかり絞って広報や宣伝しましょう。