IRとはどのような広報活動のこと?活動目的やメリットなど多数解説
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IRとはどのような広報活動のこと?活動目的やメリットなど多数解説

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IRとはどのような広報活動のこと?活動目的やメリットなど多数解説

記載されている内容は2021年07月19日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日:2021年07月19日

更新日:2021年07月19日

この記事は、投資家に情報を提供するIRについて紹介しています。企業広報の役割も担うIRは、ビジネスの世界で重要な活動です。IRについて理解が足りていない方や、IR担当者を目指す方におすすめします。IRについて理解して業務に役立てましょう。

IRとはどのような広報活動のこと?

IRとは、投資家や株主、アナリストに向けて、企業が会社の経営状況や財政状況の情報を提供する広報活動です。IRは「I:Investor(インベスター)」「R: Relations(リレイションズ)」の頭文字からきています。

投資家や株主は、企業のIR情報によって投資の判断をします。そのため、IR活動によって企業は投資家を増やすことが可能です。また企業は、会社の情報を包み隠さず公表することで、世間に健全な経営をしていることをアピールできます。

具体的なIR活動とは、企業説明会や決算説明会、スモールグループ・ミーティングで企業の活動方針や経営理念を説明することです。

そのほかには、アニュアルレポート(年次報告書)やニュースリリースを活用し、投資家に向けて情報を提供する活動などがあります。インターネットが広く普及した昨今では、SNSを活用する企業もでてきました。

このようにIRとは、投資家や株主に向けて企業の経営方針や財政状況などの情報を提供する活動のことをいいます。

IR活動のメリット3つ

投資家に企業情報を提供するIR活動は、企業にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。この項目では、企業がIR活動を行うメリットについて具体的にご紹介します。

1:株主・投資家との間に良好な関係を築くことができる

IR活動をするメリットは、株主や投資家と良好な関係を築けることです。

とくに対面で行う企業説明会などは、株主や投資家と顔を合わせることになります。このような対面でやりとりをするIR活動では、企業側が誠実な態度で臨むと投資家の信用を得られます。

また投資家は、企業に対してより良い企業になってもらうために率直な意見を述べ、投資家の意見は企業にとって貴重なフィードバックとなり、今後の経営に活用できるということです。

このように、企業と投資家の良好なコミュニケーションによって、企業は成長していきます。

2:情報を一元化しやすい

企業内の情報と投資家に向けた情報を一元化できることもIR活動をするメリットです。

とくに、広報がIRを担当する企業では、マスコミに発表する情報と投資家や株主に向けた情報、企業内の情報を一元化しやすいといったメリットがあります。

情報が一元化していない企業では、どの情報が正しいのか判断できず、混乱が起きる可能があります。情報が錯綜しているような企業は投資家の信用を得られません。

IR活動によって情報を一元化し、正確な情報を投資家に提供できます。

3:株価変動の度合いを抑えられる

IR活動によって株価変動のリスクを軽減できます。株価は、株の不必要な売買が多いと不安定です。ですから、株価変動を抑制するには株の売買を少なくすることが大切です。

誠実なIR活動を行っている企業は、投資家と信頼関係があるため、不必要な株の売買が少なくなります。

たとえば、ネガティブな噂が流れた企業の株は売却されやすく株価が変動します。このような状況でも、財政状況や事業報告をオープンにしている企業は、投資家に信頼されているため、不必要な株の売買は少ないでしょう。

このように、IR活動で企業の情報をオープンにすることで、無意味な株の売買を減少できます。

IR活動のデメリットとは?

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※画像はイメージです

IR活動のデメリットは、情報を提供するタイミングや情報量、開示方法を間違えるとインサイダー取引に繋がることです。

情報の内容によっては、投資家に未公開情報を伝えることになり、インサイダー取引と判断されかねません。

そのため、投資家に提供する情報やタイミングには、細心の注意を払う必要があります。

投資家が注目するIR活動のポイント6つ

企業のIR活動をもとに投資の判断をする投資家や株主は少なくありません。経営方針や事業内容、企業の将来性を投資家はIR活動から判断しています。

この項目では、投資家が注目しているIR活動のポイントを具体的にご紹介します。

1:投資家との対話を重要視しているか

投資家がIR活動で注目していることは、「投資家との対話を重要視しているか」といった点です。

投資家は企業の価値を高めるために、客観的で忖度のない意見を述べます。優良な企業は、客観的に見ることが難しい企業内部のことを、投資家の意見によって改善できます。

投資家との対話を重視していない企業では、客観的な視点を得られません。そのため、企業が現状を把握できているのかがわかりづらく投資家は不安になります。

このような理由から、企業が対話を重視しているかどうか投資家は注目しています。

2:企業の将来性はどうか

企業の将来性は投資をする際の重要な要素になります。企業に将来性がなければ投資はできません。

投資家は企業の将来性をIR活動の一環である質疑応答や、企業のプレゼンテーションによって判断します。たとえば、企業の事業戦略が納得できない回答であれば、将来性に疑問を感じるでしょう。

逆に、事業戦略が明確で納得感があれば企業の将来性を感じます。投資家は、IR活動で企業の将来性を見極めています。

3:IR活動を継続的に取り組んでいるか

投資家は「企業がIR活動を継続的に取り組んでいるか」といった点にも注目しています。

IR活動は、企業の健全な経営と安定した成長を促すため、投資家は継続的なIR活動を企業に求めます。企業がIR活動を継続的に行うことで、投資家は企業を見守り意見を述べることができるということです。

4:ターゲットに適した方法をとっているか

投資家は、企業が目的にあった投資や事業を行っているのかをIR活動で確認します。

企業が過去に行った投資や現在行っている投資の成果から、投資家は企業の経営状況を判断します。それが投資をする際の判断材料です。

投資家は、企業がターゲットに適した事業を行っているかをIR活動によって判断し、企業の経営状況を推測します。

5:説明資料は分かりやすいか

「IR活動の説明資料がわかりやすいか」といった点も投資家は注目しています。

企業の経営状況や財政状況は、IR活動の説明資料でおおよそ把握できます。そのため、説明資料がわかりづらいと投資家は企業の経営状況を正確に把握できません。

ですから、投資家が納得するような、わかりやすい説明資料を作ることがIR担当者には求められます。

6:IRにWebサイトを活用しているか

「企業のIR活動がWebサイトを活用しているか」といった点にも投資家は注目しています。インターネットが普及している現在では、Web上に企業の情報を提供することを投資家は求めているからです。

現在の投資家は、会社経営や事業にあまり詳しくない人も多数います。そのような投資家は、投資の判断をするために企業のさまざまな情報が必要です。そのため、多くの人が情報を共有できるWebサイトにIR情報を提供することが求められています。

IR活動の手法

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※画像はイメージです

IR活動には、投資家と対面して行う場合と出版物を活用して情報を提供する方法があります。

この項目では、出版物を活用してIR活動を行う方法と、投資家と直接対面して行う方法をご紹介します。

出版物を活用するやり方5つ

出版物を活用してIR活動を行う方法はおもに5種類になります。

基本となる出版物を活用したIR活動は、事業内容を報告する事業報告書やアニュアルレポートです。そのほかにニュースリリースで情報提供する方法や、企業の広報活動によるIR広告になります。

1:アニュアルレポートを活用する

企業はアニュアルレポートをIR活動に活用して、投資家へ事業内容や財政状況を報告します。

アニュアルレポートとは、企業の財政状況や事業活動などの年一回の報告書です。事業の結果や次の年の事業予定なども記載されています。

アニュアルレポートは、有価証券報告書や決算短信をもとに、投資家に向けてわかりやすく編集されたものです。そのため、ほとんどの企業がIR活動にアニュアルレポートを活用しています。

2:ファクトブックを活用する

アニュアルレポートでは理解できない情報を、ファクトブックを活用し補完します。

ファクトブックとは、アニュアルレポートでは説明が足りない情報を補うためのデータのことです。たとえば、アニュアルレポートではわかりづらい財政状況をファクトブックの中で図表を使って表したり、企業が投資を行っている長期的なデータを記載したりします。

ファクトブックは、アニュアルレポートの情報を補うためのデータとして活用されています。

3:事業報告書を活用する

毎年作成する義務がある事業報告書は、IR活動に活用できます。

事業報告書は、全ての株式会社が年一回作成する必要があります。おもな記載情報は事業の内容や結果などです。そのため、事業報告書の情報を投資家に提供することで、今年度の事業の内容や結果を投資家に伝えられます。

事業報告書とアニュアルレポートの違いは、事業報告書は株主に対して出される資料で、アニュアルレポートは投資家やアナリストに向けて出される資料です。

4:ニュースリリースを活用する

企業のIR情報は、ニュースリリースでも提供されます。

ニュースリリースを活用する方法には、メディアに情報を提供してIR活動を行う方法やネットでIR活動をする方法があります。ネット利用率が高い現代では、ネットからIR活動を行う方法はメディアでのニュースリリースを活用する方法と同じくらい重要です。

ネットからIR活動を行うメリットは、海外の投資家への情報の伝達がしやすい点です。グローバルな現代ではネットによるIR活動が盛んになっています。

5:IR広告を活用する

企業は、IR広告を活用して投資家に情報提供しています。

IR広告とは、投資家や株主に向けた企業の広報活動です。たとえば、投資家へ向けてパンフレットを作成したり、ニュースレターを送ったりします。パンフレットやニュースレターの内容は、企業のアニュアルレポートなど年次報告書が一般的です。

このように、IR広告を活用して投資家に企業情報を提供する方法もあります。

対面で行うやり方3つ

ここまでは、出版物を利用してIR活動を行う方法を紹介してきました。この項目では、対面で行うIR活動の方法を3つご紹介します。

この項目のIR活動は、株主や投資家と企業が直接やりとりするため、IRでもっとも大切な活動といえます。

1:企業説明会

投資家や株主に向けた企業説明会はIRの重要な活動です。

企業説明会では、経営理念や事業の方向性などを投資家や株主に説明します。対面でのやりとりになるため投資家からの質問や指摘があり、双方にとって有意義な活動になりやすい特徴があります。

企業の活動を投資家に理解してもらうための貴重な場として、企業説明会はあるということです。

2:スモールグループ・ミーティング

少人数で行うスモールグループ・ミーティングは、アナリストや機関投資家に向けて行うIR活動です。

少人数で行うIR活動であるため、経営陣との距離感が近いのが特徴です。質疑応答も行うことがあり、アナリストなどはこの場で得た情報をほかの投資家に伝える役割を担っています。

3:決算説明会

決算説明会とは、企業が決算を発表したあとに行う会合です。おもに機関投資家やアナリストが企業から招待され、会社からの事業報告や質疑応答が行われます。

投資家との意見交換によって得られた意見を、企業は今後の経営に活かすことが可能です。また、企業はこのような会合に誠実な態度で臨むことで、投資家との信頼関係を深められます。

IR担当者に必要な能力5つ

ここまではIR活動の手法や業務内容について紹介してきました。このような業務を担当するIR担当者には、どのようなスキルや資質が求められるのでしょうか。

ここからは、IR担当者に求められる能力を5つご紹介します。

1:プレゼンテーションスキル

IR担当者は、情報を投資家へ向けて明確に説明できるプレゼンテーションスキルが求められます。また、IR担当者は企業の事業報告や財政状況を説明する能力のほかに、企業説明会などの質疑応答に対応しなければなりません。

質疑応答に対応するには、論理的な思考や経験値も必要になります。このようなスキルは、書籍やネットの情報だけでは得られません。

日頃から論理的な思考に慣れてアドリブが利くように訓練する必要があります。

2:コミュニケーションスキル

人と直接対面するIR活動では、IR担当者にはコミュニケーションスキルが求められます。

前述したように、企業説明会や決算説明会では投資家やアナリストと直接やりとりするため、投資家との良好な関係を築くには、IR担当者のコミュニケーション能力が大きく関係します。

健全な経営方針で、なおかつ投資家とよいコミュニケーションができれば、投資家は企業のファンになってくれるでしょう。優良といわれる企業には、企業を応援してくれる投資家が数多く存在します。

3:グローバルな視野や感覚

国際化が進んでいる現代では、IR担当者にはグローバルな視野と感覚が求められます。

現代の日本の株式市場には、日本人だけでなく海外の投資家も多数存在します。そのような投資家に対応するために、IR担当者はグローバルな感覚が必要です。

とくに、英語はIR担当者にとって重要なスキルといえます。とはいえ、海外投資家とのやりとりがあるIR活動では通訳がつくケースがほとんどです。そのため、ネイティブ並の英語スキルを求められているわけではありません。

しかし、海外の投資家とのやりとりに通訳を介さないで対応できれば、誠意や気持ちが通じやすいといったメリットがあります。英語のスキルがあることは、IR担当者にとって大きなメリットといえます。

4:会計・法律などの知識

IR担当者は会計や法律の知識も必要になります。投資家との質疑応答の際には、企業の財政状況や経営についての質問に答えなければならないからです。

たとえば、アナリストは企業の財政状況を分析したうえで質問をしてきます。そのようなときに、会計の知識や法律の知識がなければ明確な返答ができません。また、インサイダー取引など法律についての知識もある程度必要でしょう。

5:情報収集力

IR担当者は、企業内外の情報に精通していなければ務まりません。

投資家や株主が求めている情報を提供するには、業界内の新しい情報を常に把握しておく必要があるからです。IR担当者は、常に業界の情報にアンテナを張っておくことが求められます。

IRとはどのような広報活動なのかを理解しよう

IR活動とは、企業の成長を促し健全な経営をするために重要な役割を果たしています。

企業の成長はIR活動によって企業を理解してもらい、投資家や株主と良好な関係を築くことです。そのようにして、企業は公正に会社の評価や価値を上昇させられます。

IR活動を通して企業の理念や考えを投資家に深く理解してもらえます。

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