IR情報の主な内容8選紹介|投資家が注目するポイントなど詳しく解説
広報・PR
IR情報の主な内容8選紹介|投資家が注目するポイントなど詳しく解説

Share

Facebook
Twitter
はてな

IR情報の主な内容8選紹介|投資家が注目するポイントなど詳しく解説

記載されている内容は2021年07月19日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日:2021年07月19日

更新日:2021年07月19日

IRとは投資家や株主を対象とした広報活動です。企業が資金を継続的に調達するためには、良質な投資家や株主の存在は欠かせません。今回は、IR情報の主な内容、投資家が注目するポイントについて解説します。今後のIR活動に活用しましょう。

IR情報とは

IR情報の主な内容8選紹介|投資家が注目するポイントなど詳しく解説
※画像はイメージです

IRとは「Investor Relations(インベスター・リレーションズ)」の略語で、上場企業が投資家に対して自社のことを理解してもらう活動を指します。つまり、IRとは投資家や株主を対象とした広報活動のことです。

IR情報とは投資家に発信する自社情報のことを言います。具体的には、経営や財務状況など投資判断に必要な情報、新商品発売や新製品開発の発表、中期経営計画などが挙げられます。

本記事では、IR情報の主な内容、投資家が注目するIR情報、IR活動の種類などについて解説しましょう。

IR情報の主な内容8選

IR情報の主な内容を8つ紹介しましょう。「決算短信」「有価証券報告書」「四半期報告書」「新商品・新開発の発表」「中期経営計画」「役員情報」「業務提携の発表」「株主情報」の8つです。

上場企業がIRを積極的に取り組むことは、個人投資家を中心としたファン形成につながる可能性があります。企業にとって、長期的に投資してくれる良質な投資家や株主の存在は大切です。IR情報の内容を理解することで、今後のIR活動につなげていきましょう。

1:決算短信

決算短信(けっさんたんしん)とは、企業の決算発表の内容、つまり経営状態や財務情報をまとめた書類のことです。

投資の判断材料に有価証券報告書があります。但し、この有価証券報告書は、決算から3カ月以上経った後に発表されているのです。

そのため、企業の決算をできる限り早く報告するために、決算短信が発表されているのです。また、多くの企業はIRの1つとして、決算短信を自社のホームページに掲載しています。

出典:株主総会っていつ開催されるの?|日本証券業協会
参照:https://www.jsda.or.jp/jikan/qa/039.html

2:有価証券報告書

有価証券報告書とは、上場企業が発表している企業の概況・財務諸表・事業の状況をまとめた企業情報のことです。有価証券報告書は、金融商品取引法によって提出が義務付けられています。

有価証券報告書は一般にも開示されており、EDINET(有価証券報告書等の開示書類を閲覧するサイト)を通じて閲覧することが可能です。また、企業によっては自社のホームページに掲載している場合もあります。

出典:企業内容等開示(ディスクロージャー)制度の概要|財務局 関東財務局
参照:http://kantou.mof.go.jp/disclo/gaiyou.htm

3:四半期報告書

四半期報告書とは有価証券報告書の簡易版で、金融商品取引法の対象になる上場企業が四半期ごとに作成している書類のことです。

四半期報告書は、企業の基本情報や事業の情報、四半期決算の情報などをまとめており、投資判断に役立つ資料となっています。

4:新商品・新開発の発表

IR情報の中には、新商品・新開発の発表が挙げられます。新商品・新開発の発表は、自発性・双方向性のある情報で、企業の将来性を発信することにつながります。

IR情報の適時開示(決算短信など)や法定開示(有価証券報告書など)は、情報の核になります。一方、新商品・新開発の発表は自発的な情報で、企業の価値を形成するものです。

5:中期経営計画

中期経営計画とは、3~5年程度の間に、企業の現在の状況とあるべき姿とのギャップを埋めるための計画のことです。

中期経営計画では、長期経営計画の実現を目的に中期(3~5年)で取り組むべきことを明確にしています。利益目標や売上目標、ROEなど定量的な数値で明示されています。

6:役員情報

IR情報は、株主や投資家に向けて、役員情報も開示しています。どのようなプロフィールや経歴をもつ役員が運営しているのかは、大切な情報です。

また、役員情報だけではなく、企業の代表者からのメッセージも公表されています。企業のトップが、どのような戦略を立て事業を推進していくのかは、投資家にとっても大切な情報です。

7:業務提携の発表

IR情報の中には業務提携の発表も含まれます。業務提携は、資本の移動を伴わない提携のことで、資金・技術・人材等を提供し合うことで事業競争力の強化をおこなうものです。

業務提携には、技術提携・生産提携・販売提携といった種類があります。たとえば、技術提携の場合、ライセンス契約や共同開発契約を結び、技術を利用します。

業務提携を発表することで、企業が業務強化をどのように進めているのか示すことが可能です。

8:株主情報

IR情報の中には、株主情報として株主還元が挙げられます。株主還元とは、企業が事業で得た利益を、株主に還元することを指します。

株主への還元方法としては、増配や株式分割、自社株買いなどがあります。企業は、IRを通じて、株主還元に関する情報を発信しているのです。

投資家が注目するIR情報4つ

IR情報の主な内容8選紹介|投資家が注目するポイントなど詳しく解説
※画像はイメージです

企業は、投資家や株主に向けて、投資判断に必要な情報を継続的に提供することが大切です。投資家や株主と良好な関係を形成すれば、より有利な資金調達につなげられるでしょう。

本章では、投資家が注目するIR情報を4つ紹介します。それぞれの情報の重要性を理解し、今後のIR活動に活かしてください。

1:売上高の動向

売上高とは、売上金額の総額のことで、該当企業のサービスや商品がどれだけ売れたのかを示します。売上高が高ければ該当企業の儲けが高く、売上高が低ければ儲けも低いことを表します。

売上高について考える時、「利益」との違いについて注意が必要です。売上高は、あくまでも「売れた金額」に着目しています。しかし、商品やサービスを提供するためには経費が掛かります。もし、売上高よりも経費が掛かってしまうと、赤字になってしまうのです。

売上高の高さは企業規模を示す指標にもなります。したがって、多くの企業は売上高を伸ばすために、さまざまな戦略を練っているのです。

2:営業利益・純利益の推移

IR情報では、営業利益と純利益の推移も大切です。「営業利益」とは、粗利益から販売費と一般管理費を差し引いた金額を指します。一方、「純利益」とは企業が得た利益から税金を差し引いた金額のことで、最終的に残るお金のことです。

投資家は、これらの情報を決算短信や中期経営報告書などでチェックし、企業の実態と今後の展望について分析しています。

3:好調・不調の要因

IR情報では、営業利益や営業高をもとに、好調・不調の要因について分析することも大切です。

好調・不調の要因を分析することは、自社の経営状態や強み・弱み、今後の課題を理解することにつながります。さらには、競合他社との比較、企業研究に直結します。

4:今後の経営戦略や将来性

IR情報では、今後の経営戦略や将来性について知らせることも重要でしょう。売上高や営業利益、好調・不調の要因は全て、現在の企業の状態を示すものばかりです。しかし、今後の経営戦略や将来性は、企業の可能性を示すものになります。

企業が、今後どのような経営戦略を実践していくのか、どのような人材や資材を求めていくのか、といった情報を明示しています。

IR情報における業績予想の修正とは

上場企業は、業績予想が当初の予想値よりも変動した場合、直ちに開示する義務があります。業績とは、売上高や営業利益、経常利益や純利益のことを指します。

業績予想の修正基準は、証券取引所で基準が定められているため、確認が必要でしょう。また、開示の基準は当初公表していた予想値からの変動であり、前期数値ではないため注意してください。

出典:決算短信・四半期決算短信作成要領等 (1)上場規程に基づく開示義務|日本取引所グループ
参照:https://www.jpx.co.jp/equities/listed-co/format/summary/tvdivq0000004wuh-att/tvdivq000000up10.pdf

IR活動の種類4つ

IR情報の主な内容8選紹介|投資家が注目するポイントなど詳しく解説
※画像はイメージです

IR活動は、投資家向けの広報活動です。企業の情報を開示することで、企業の実態や魅力、可能性を伝え資金を調達しなければなりません。IR活動を効果的におこなうためには、活動の場が必要になります。

本章では、IR活動の種類を4つ紹介します。4つとは「企業のホームページ」「説明会」「資料送付」「施設見学」になります。各種類について解説します。参考にしてください。

1:企業ホームページ

IR情報を開示する場の1つに、企業のホームページが挙げられるでしょう。多くの企業は、自社のホームページでIR情報を発信しています。適時開示や法定開示だけではなく、新製品情報などをプレスリリースのような形式で発表することも可能です。

ホームページを利用すれば、企業の情報をスピード感をもって幅広く伝えられるというメリットがあります。

2:説明会

説明会には、「決算説明会」と「スモールミーティング」の2種類があります。「決算説明会」とは、決算後におこなわれる説明会です。企業は、決算のハイライトだけではなく、今後の方向性についても説明します。

「スモールミーティング」とは、少人数のアナリストなどにおこなう会社説明会です。企業側からの説明が中心ですが、経営陣や現場の担当者に直接質問できるというメリットがあります。

対面式のIR活動の多くは、アナリストや機関投資家向けにおこなわれています。アナリストは、IR活動を通して知りえた企業情報を分析し、投資家に伝えているのです。

3:資料送付

IR情報の種類には、資料の送付という方法があります。関連資料には、年次報告書や事業報告書、投資家向けの広報誌などが挙げられるでしょう。あるいは、新商品やサービスのプレスリリースや店舗の売り場情報、各種行事の開催予定もあります。

4:施設見学

施設見学には、工場や店舗見学などが挙げられるでしょう。施設見学は投資家と対面しながら接することができます。働く現場やスタッフを見てもらい、質疑応答もできるため、濃密なコミュニケーションを取ることが可能です。

IR情報の目的・内容を理解してIR活動に活かそう

今回は、IR情報の内容を8つ、投資家が注目するIR情報を4つ、IR活動の種類を4つ紹介しました。広報担当者の中には、IRを初めて担当する方もいるでしょう。投資家や株主に企業情報を開示し、自社に対する投資や協賛を促すことがIRの目的です。

目的を実現するためには、IR情報の内容や在り方をしっかりと理解し、IR活動に活かしましょう。

Share

Facebook
Twitter
はてな

RELATED