ROASの特徴4選とは?計算方法の具体例やROIとCPAも詳しく解説
広報・PR
ROASの特徴4選とは?計算方法の具体例やROIとCPAも詳しく解説

Share

Facebook
Twitter
はてな

ROASの特徴4選とは?計算方法の具体例やROIとCPAも詳しく解説

記載されている内容は2021年07月19日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日:2021年07月19日

更新日:2021年07月19日

ROASはどんなときに使うのでしょうか。ROASは運用している広告が、売上にどれだけ貢献しているか費用対効果を算出できます。ROASの特徴や計算方法について具体例を用いながら紹介します。また、ROASの数値から導く改善点についても併せて紹介します。

ROASとはどんなときに使う指標?

ROASの特徴4選とは?計算方法の具体例やROIとCPAも詳しく解説
※画像はイメージです

ROAS(Return On Advertising Spend)は、現在掲載している広告がどれだけ売上に貢献しているかをチェックするときに使う指標です。

広告費の回収率がどれくらいかを知るのに必要な指標です。運用した広告費に対してどれだけの売上を得られたかをパーセントで表示します。計算したROASの数値が高くて、売上に貢献していた場合でも、利益につながっているかどうかは確実ではありません。

利益をチェックするときには、別の指標を用いましょう。広告の効果測定ではほかにもROIやCPAといった指標もあります。ROASの特徴とROI、CPAとは何かをこれから紹介します。

ROASの特徴4選

広告は運用する目的と効果をもとに評価します。広告の運用で発生した費用と、広告によって得られた売上のバランスが取れているかが大事です。広告の効果測定は、ROASの他に、CPAとROIがあります。

まずはROASとは何か、そしてどのような特徴を持ち、どのような役割を担っているのか、4つの項目にわけて紹介します。

1:ROASで重要な「売上」と「広告費」

広告を運用したことで売上がアップしているのか、収益が出ているのかを判断するためには、必要な数値があります。

広告費の回収率を調べるROASを計算するのに重要な数値は「売上」と「広告費」です。次の項目で、具体的な計算式を紹介します。

2:計算式

ROASは広告を経由した売上を広告費用で割り、100を掛け合わせてパーセント表示し、算出します。 計算式は、「ROAS=広告経由の売上÷広告費用×100(%)」です。

ROASの計算式を使って、広告を経由して発生した売上をチェックしたい場合や、広告費用の算出もできます。

売上(広告を経由した場合)は、広告費用にROASを掛けて100で割ります。計算式は「売上(広告を経由した場合)=広告費用×ROAS÷100(%)」となります。

広告費 を計算する際は、売上をROASで割り、さらにこれを100で割ります。計算式は「広告費 = 売上(広告を経由した場合)÷ROAS÷100(%)」となります。

3:データから戦略を立てやすい

ROASはパーセントの数値が高いほど、広告を経由してコンバージョンが発生している売上が高いということを示します。「ROASの数値の高い広告は、予算の追加を検討する」などのように、データをもとにした戦略が立てやすくなります。

4:売上=利益とは限らない

ROASで利益が出ているかを確認するには、損益分岐点を上回っているかどうかが、目安の1つになります。商品の単価、粗利率からROASは、単価と個数を掛け算して、運用にかかった広告費で割り算をするとパーセンテージが算出されます。

ROASの計算例3つ

ROASの特徴4選とは?計算方法の具体例やROIとCPAも詳しく解説
※画像はイメージです

ROASの特徴を4つの項目にわけて紹介しました。

ここからはROASを計算して、広告の予算追加等を検討するケースを想定し、算出方法を3つ紹介します。算出方法は、1つの広告のみの場合、複数の広告の場合、売上からROASの目標値を決める場合の3つがあります。実際に計算してみましょう。

1:1つの広告のみの場合

バナー広告を実施する際、100,000円の広告費を活用し、広告経由で売上400,000円が上がったとすると、ROASの計算式は次の通りです。

広告を経由した売上400,000円を広告費100,000円で割り、それをパーセントに変換するために100を掛けると400%になります。100,000円の広告費を使い、売上は400%上がったことになります。

2:複数の広告の場合

続いて、複数の広告を活用した場合の計算方法を紹介します。

バナー広告とSEOの2種類で費用をそれぞれ使い、売上を計上した場合のROASを計算してみましょう。費用は、バナー広告は600,000円、SEOでは400,000円を使用したと仮定します。売上は、バナー広告経由では1,200,000円、SEO経由で2,000,000円だと仮定します。

バナー広告とSEO経由で発生した売上金額を足し算し、それぞれの広告で使用した金額を割り算して100を掛けてパーセントに変換すると、売上3,200,000円割ることのかかった広告費1,000,000円掛ける100は320%となります。

広告ごとにも計算してみましょう。

バナー広告の場合は、バナー広告経由の売上の1,200,000円を広告費600,000円で割り、100を掛けて200%に変換します。SEOの場合、SEO経由の売上である2,000,000円を広告費400,000円で割り、100を掛けると500%となります。

広告全体でのROASは320%ですが、内訳ではバナー広告が200%、SEOが500%です。こういった場合、ROASの効果が高いのは、SEOであるという結果になります。

広告の内容について、改善を検討するときは、バナー広告の予算を削り、SEOの予算の増額を検討するか、バナー広告の内容を変更し、ROASの改善を図るなど、施策を検討します。

3:売上からROASの目標値を決める場合

ROASは費用対効果を計算するだけでなく、目標値として設定して使用する方法もあります。ROASの目標値を設定し、必要な売上を計算します。

たとえば、雑誌広告に4,000,000円を使用した場合、ROASを500%として達成させるためには、広告費用4,000,000円にROASは数値に変換すると5になるため、5を掛けると20,000,000円となります。

すでに1度キャンペーンを実行しており、前回のROASを参考に目標を立てるために、ROASを目標値として設定し、売上を算出することもできます。4,000,000円の広告費を活用した場合、ROAS達成のために必要な売上は20,000,000円です。

売上は平均値から予測する

ROASを使用する場合、売上の目標を立てる場合があります。売上の目標を立てる際の売上の予測方法について、よく使われるROASの目標値の設定方法を紹介します。

ROASの目標値は、平均顧客単価を粗利で割り算し、100を掛けることで求めることができます。粗利は、平均顧客単価を平均原価で引き算して求めるのが一般的です。

ROASの目標値の例を見てみましょう。平均顧客単価20,000円、平均原価6,000円、粗利は50%を広告費、残りの50%は利益として計算すると次の通りです。

まず粗利を求めるために、20,000円から6,000円を引き算すると14,000円です。粗利の50%を広告費、半分を利益にしたい場合を計算する必要があります。

その場合、平均顧客単価10,000円を、粗利の半分の7000円で割り算して、100を掛け合わせると、目標ROASは142%となります。

ROASと似ている広告効果の用語

前回まで、ROASはどのようなときに使用する指標なのかを、ROASの特徴をふまえて、実際に算出する方法を、事例を交えて紹介しました。

ここからはROASと同様に、広告効果の検証に使われるROIとCPAについて紹介します。

ROI

ROIとは「Return on Investment(リターン・オン・インベストメント)」の頭文字をとった略称で、広告費に対してどれだけ利益を得られたのかを示す指標です。

広告費用を利用する場面においては、支出した広告費に対してきちんと利益が出ているのかを把握するために使用します。広告を運用するのに使用した費用で、発生した売上に対して、得られた利益の割合を計算するための指標です。

計算式と具体例

計算式は広告を経由して発生した利益を、使用した広告費用で割り算をして、100を掛け合わせてパーセント表示します。計算式は、「ROI=利益÷広告費用×100(%)」となります。

ROASは計算式の割り算の分子が「売上」ですが、ROIは「利益」なのが大きな違いです。また、成果に対しても、ROASとROIでは考え方に相違があります。

たとえば、広告費用を500,000円使用したとします。獲得できた売上のなかで、利益が700,000円だとすると、計算をした結果、ROIの数値は140%と算出できます。

CPA

CPAとは「Cost Per Acquisition」の略で、広告をかけた際、広告経由で1件の成約(コンバージョン)を獲得するのにかかった費用のことを表します。

CPAの数値が低ければ低いほど、広告のコストパフォーマンスは高いことを意味します。

ROASは広告の費用対効果を計算して判断するのに対し、CPAは1件の成約(コンバージョン)獲得にかかる費用を示します。1件の成約にかかる費用が少ないほど、広告が効率的に運用されていることを示します。

計算式と具体例

CPAの計算式は、広告にかけた費用をコンバージョン数で割り算します。計算式は、「CPA=広告費用÷CV数」です。

たとえば、広告費用として300,000円を活用して、そこから10件の成約(コンバージョン)が発生した場合のCPAは300,000円となります。

これが同じ広告費用として同額の300,000円をあて、そこから5件しか成約(コンバージョン)が発生しなかった場合だと、CPAは60,000円となります。

ROASの数値が悪いときに改善するポイント5つ

ここまででは、ROASはどんなときに使う指標なのかについて特徴と計算例を交えつつ紹介し、併せてROI、CPAについても紹介しました。

ここからは、ROASの結果の数値が悪いときに改善するポイントを5つ紹介します。

1:メッセージ性の改善を行う

ROASの数値が悪いときに改善するためのポイント1つ目は、「メッセージ性の改善を行う」です。ROASの数値が悪いということは、広告自体クリックがされていないか、広告をクリックした際のLP(ランディングページ)で離脱している可能性があります。

広告をクリックした後に遷移するLPの掲載内容を変更することで、ROASの改善につながるケースがあります。

2:広告媒体を見直す

ROASの数値が悪いときに改善するためのポイント2つ目は、「広告媒体を見直す」です。ROASの数値が悪い場合、広告には問題がなく、掲載する媒体がターゲットに沿っていない可能性があります。

リスティング広告よりもSNS広告の親和性が高いなど、扱う広告内容により、それぞれ媒体におけるターゲット層が異なるため、広告媒体を見直すことで改善につながるケースもあります。

3:広告の掲載場所を見直す

ROASの数値が悪いときに改善するためのポイント3つ目は、「広告の掲載場所を見直す」です。広告を掲載する際、キーワードやディスプレイ広告用の画像は複数作成していることでしょう。

ROASの数値が低くて効果が得られないと判断した場合でも、一番コンバージョンに結びついている検索語句や画像があれば、表示回数を増やすようにしてみましょう。ROASの数値が改善し高くなるケースもあります。

4:ターゲットを改める

ROASの数値が悪いときに改善するためのポイント4つ目は、「ターゲットを改める」です。広告を掲載する際、コンバージョンさせるターゲットをあらかじめ定めて広告を掲載します。

ROASの数値が悪く、CPAも高騰している場合は、設定しているターゲットに広告内容がマッチしていない可能性があります。ターゲット設定を改めて広告掲載することで、ROASの数値が改善し高まるケースもあります。

5:キャンペーンの目的を見直す

ROASの数値が悪いときに改善するためのポイント5つ目は、「キャンペーンの目的を見直す」です。先ほどまで紹介した改善ポイントを試してもROASの数値が悪いときは、残念ながらキャンペーンの目的自体がマッチしていない可能性があります。

キャンペーンの目的を見直して、ターゲットを設定しなおし、成約(コンバージョン)に結びつく広告展開を目指しましょう。

ROASの概要と計算方法を理解しよう

ここまでROASはどんなときに使う指標なのか、広告効果測定で必要な指標としてほかに2つの指標、ROIとCPAがあることを伝えてきました。ROASは、売上と広告費をベースに費用対効果を算出する指標であるため、売上に対してどれだけ貢献したのかがわかります。

ROASを算出して、パーセンテージが高い場合、その広告は予算配分を増やすことで、より売上を伸ばすことができます。費用対効果を見ながら対策することができるため、計算方法を理解して活用していきましょう。

Share

Facebook
Twitter
はてな

RELATED