プロモーションの手法13種|戦略を考える際に必要なことも解説
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初回公開日:2021年07月19日
更新日:2021年07月19日
プロモーションの目的とは?
プロモーションの目的は、広告宣伝活動です。
プロモーションとはマーケティングの一環で、消費者に商品やサービスを認知させ、購買につなげるための活動です。企業はプロモーション活動により、消費者へ購買行動を起こしてもらうきっかけを作っています。
プロモーション手法の分類5つ
プロモーションの手法は様々です。
そのため、数あるプロモーションのアプローチ方法を理解し、戦略的に実行していく必要があります。ここからは、プロモーション手法の分類を5つ紹介します。参考にしてください。
1:販売促進について
販売促進とは、セールスプロモーションのことです。ノベルティ、サンプリング、キャンペーンなど、消費者に対してダイレクトに働きかけて購買意欲を刺激する手法が該当します。
販売促進は、商品やサービスの魅力を、消費者に直接実感してもらうことにより、購買行動につなげるプロモーションの手法です。
2:広告宣伝について
広告宣伝とは、販売促進を目的としてインターネットなどに広告を掲載することです。コストはかかる手法ではありますが、多くの人に広く商品やサービスをプロモーションできる有効な手法です。
3:人的販売について
消費者に直接アプローチする手法を、人的販売といいます。飛び込み営業や実演販売で、商品やサービスを販売すること、そして販売後のアフターフォローまでが人的販売の一環です。
人的販売は、販売者が消費者に対して直接働きかけるプロモーションの手法になります。
4:PRについて
PRは第3者の視点を通して、プロモーションする手法です。この手法でいう「第3者」とはSNSの口コミ、TVや雑誌などの商品紹介、メディア向けのプレスリリース配信になります。
販売者が関与しない手法のため、発信される内容について企業は指定できません。しかし、広告に比べて低コストであることや、商品やサービスに対して、消費者からの信頼が得られやすい点がメリットです。
5:口コミやSNSについて
口コミやSNSを活用したプロモーションは、最近増えている手法です。例えば、SNSで行われるキャンペーンや、インフルエンサーの活用などが、これに該当します。
SNSは、消費者との距離が近いため、購買促進目的以外にも、ブランディングやファン育成といったプロモーションの手法としても利用されます。
プロモーション手法の戦略とは?
プロモーション手法の戦略は大きく分けて、プッシュ型戦略とプル型戦略に分けられます。
この2つの戦略は、対照的な戦略となりますが、相反するものではありません。そのため、違いや特徴を理解して、それぞれをうまく使い分けることが重要となります。
プッシュ型戦略について
「プッシュ型戦略」とは、商品を売り込むために、消費者などへ積極的に働きかける戦略です。積極的に商品を売る姿勢から、「押す」という行動をイメージさせるため、そう呼ばれています。
例えば、メーカーが消費者へDMを送る、通販番組で訴えるといったプロモーションの手法が該当します。
プッシュ型戦略は、ブランドの認知度や新製品の認知度が低い場合、または自社のブランドの競合商品との差別化がなされていないときに用いる戦略です。
プル型戦略について
プル型戦略は、消費者の方から「買いたい」と思う気持ちを起こさせる戦略です。相手から「引き出す」イメージがあるため、そう呼ばれています。
例えば、SNSで情報を発信する、TVCMを流す、口コミを利用するといったプロモーションの手法が該当します。
ブランドの認知度や商品の認知度が進んでいる場合や、競合商品とは差別化が図れているときに用いられる戦略です。
効果的なプロモーションの流れ
効果的なプロモーションの流れを作るためには、「どうしたら商品が売れるのか」など、その商品についての市場調査から始めます。次に、市場調査の結果を元にして、ニーズを満たす商品を開発しましょう。
さらに商品開発後は、消費者に商品へ関心を持ってもらえるように、メディアを利用して効果的にプロモーションしてください。
プロモーションが成功した後でも、消費者のニーズに応え続けられるよう、商品のフォローに力を入れることで、継続的なプロモーションの成功につながります。
プロモーションの手法13種
プロモーションの具体的な手法はいくつかありますが、まず思い浮かべられるのは、CMや広告によるプロモーションや、プレスリリースによるプロモーションなどでしょう。
ここでは、13種類のプロモーションの手法を紹介していきます。消費者へアプローチするときの参考にしてください。
1:CMや広告によるプロモーション
CMや広告によるプロモーションは、消費者に広く宣伝できる手法です。CMや広告によるプロモーションの手法では、新聞や雑誌、インターネット広告や看板などが媒体として使用されます。
こうした媒体の広告枠は、企業が広告費を払って購入します。そのため、広告に掲載する内容や掲載期間は、企業で決められます。企業主導で進められるため、CMや広告によるプロモーションは、メッセージ性が強いものになります。
2:プレスリリースによるプロモーション
プレスリリースによるプロモーションの手法は、「企業が出した公式な情報がメディアに取り上げられるのを待つ」というものです。これは、メディアに取り上げられれば、広く消費者の目に留まるようになるためです。
また、プレスリリースでは、メディアに取り上げられても、新聞広告などのようにメディアの掲載費用がかかりません。
その一方で、「プレスリリースした情報が必ずメディアに取り上げられるとは限らない」といったデメリットもあるため、利用には注意が必要です。
3:販促物や陳列によるプロモーション
販促物や陳列によるプロモーションは、来店した消費者に商品の購入を促し、実際に購入してもらうための手法です。販促物や陳列によるプロモーションでは、店頭で商品の情報を伝えるために、POPや販促什器を利用します。
商品POPや、様々なディスプレイができる販促什器を利用してプロモーションすることで、消費者の購買意欲が高まるよう促しています。
4:チラシやパンフレットによるプロモーション
チラシやパンフレットによるプロモーションの手法は、地域に密着したサービスや商品のプロモーションに有効です。
チラシやパンフレットのプロモーションの手法には様々なものがありますが、身近なものとしては、各家庭にチラシやパンフレットを配布することでしょう。
さらに、配布するチラシやパンフレットに限定のサービスを付けたり、サービスの利用者層が集まりやすい施設などへチラシやパンプレットを設置したりする方法も効果的です。
商品やサービスの特徴や、サービスを利用しやすい季節に合わせて各家庭へチラシやパンフレットを配布すれば、新規顧客を取得できる可能性が高いでしょう。また、利用者層が集まりやすい施設などへ設置すれば間口が広がります。
5:ダイレクトメールやメルマガによるプロモーション
ダイレクトメールやメルマガを組み合わせたプロモーションの手法を利用することで、トータルとして大きな反響を生みます。
ダイレクトメールやメルマガを組み合わせたプロモーションの手法を利用すれば、メルマガ単体で顧客からの反響を待つよりは、商品の購買へつながる確率が高くなる効果が期待できます。
6:SNSや口コミによるプロモーション
近年では、SNSや口コミを利用したプロモーションの手法も取り入れられています。
これは、SNSや口コミに良いことも悪いことも載せることで、消費者が商品を購入するときに、総合的に判断できるようにする手法です。
消費者がSNSや口コミを利用する目的は、商品に対する口コミや評判の良し悪しばかりではありません。最新の情報があるかどうかや、自分と近い年代の意見を参考にするためにも活用されています。
SNSなどで得た情報を参考に、消費者は商品を購入するかどうかを決めます。消費者が商品を購入しようと思ったときに、SNSや口コミが商品購入の後押しをしてくれるのが、この手法の特徴となります。
7:フリーペーパーによるプロモーション
フリーペーパーによるプロモーションでは、ターゲット層にあったフリーペーパーの配布方法が必要になります。
例えば、小さな子供がいる家庭向けのフリーペーパーなら幼稚園や保育園を通して各家庭に配布してもらい、シニア向けのフリーペーパーなら医療機関や温泉施設などに設置してもらうなどです。
また、フリーペーパーの種類もいくつかあるため、それぞれのターゲット層に合わせた情報誌の作成が必要になります。
8:イベントによるプロモーション
イベントによるプロモーションの手法とは、イベントを利用して商品やサービスの販促につなげる手法のことです。このプロモーションの手法は、販促としてだけでなく、企業や商品などの認知拡大でも利用されます。
例えば観光のPRとして、地方自治体が特産品を利用したゲーム大会を開くなどです。
イベントによるプロモーションでは、上記以外にも製品発表のために大試食イベントを企画したり、新商品のイベントに芸能人を呼んだりして話題性を呼ぶといった手法が取られます。
9:実演販売によるプロモーション
店頭や街頭などで、実演販売士や店員などが実際に商品を使用しながら、消費者に機能や特徴を伝えていく手法です。
消費者が、商品を実際に手に取って触れられるのも実演販売の特徴です。実演販売によるプロモーションの手法を利用すれば、商品を購入しようと思っていなかった、通りすがりの消費者にも興味を持ってもらえたりします。
10:試供品や試食によるプロモーション
試供品や試食によるプロモーションは、商品を試してもらうことが目的です。洋服の試着や車の試乗なども、このプロモーションの手法に該当します。試供品や試食では実際に商品を試せるため、商品の魅力や良さが消費者へダイレクトに伝わりやすいといえます。
この手法の場合、商品だけでなく企業のプロモーションにもなりますが、ターゲット分析の難しさや、コストがかかるといったデメリットもあるため、デメリットも加味したうえで行う必要があるでしょう。
11:営業やイベント出展によるプロモーション
営業やイベント出展によるプロモーションの手法とは、見込み客に会う、既存顧客に会うといった活動のことです。例えば、訪問営業先での実演、展示会や見本市での製品の利用方法の説明と指導、商品購入後のアフターフォローがこれに該当します。
営業やイベントに出展して、商品やサービスの理解度を高めてもらうこと、購買意欲を刺激すること、実際に対面することで信頼感アップにつなげることが、このプロモーションの目的です。
12:ポイントやクーポン券によるプロモーション
ポイントやクーポン券によるプロモーションの手法を利用すると、新規顧客が獲得できる、客単価が上がる、リピーターが望めるといった効果が期待できます。
例えば、「ポイントを貯めるとプレゼントがもらえる」というプロモーションを企画した場合、消費者がポイントを集めるために、1度だけでなく再度来店してくれるといった効果が期待できるなどです。
また、クーポン券を利用したプロモーションには、割引クーポンやお試しクーポンなど様々な種類がありますが、受け取った消費者の購買意欲をそそるものになっています。
ポイントもクーポン券も、消費者が使えばお得感が得られるようなプロモーションになっているため、新規顧客の獲得やリピーターにつながります。
13:ノベルティによるプロモーション
ノベルティによるプロモーションの手法とは、売りたい商品と一緒にノベルティを掛け合わせて販売することです。商品にノベルティをつけることにより、商品単体で販売するよりも相乗効果による売り上げアップが期待できます。
商品につけるノベルティは、企業名が入ったものや、商品名のロゴが入ったグッズが主です。しかし、ノベルティには顧客が欲しがるアイテムを選ぶ必要があるため、時には人気ブランドとコラボしたノベルティや、トレンドアイテムになることもあります。
この手法の場合、売り上げを伸ばす目的でノベルティを付けているため、該当する商品を一定数もしくは、一定金額購入しないと手に入らない仕組みになっていることがほとんどです。
効果的なプロモーション手法や戦略を考える際に必要なこと5つ
ここでは、効果的なプロモーションの手法と戦略を考えるときに必要な、5つのポイントを紹介します。
プロモーションを成功させるには、効果的なプロモーションの手法と戦略を用いることが大切です。プロモーションの手法や、戦略を考えるときの参考にしてください。
1:目的と予算に見合っているかを確認すること
プロモーションの手法と戦略を選ぶときは、予算と目的に見合っているかを確かめましょう。例えば、広くプロモーションしたい場合は、TVCMや新聞広告といったプロモーションの手法は有効です。
しかし、TVCMや新聞広告は、予算が高額であることがネックになります。また、予算をかけてプロモーションしても、必ず全ての消費者に認知されるとは限らない点も考慮すべきポイントです。
また、予算が少額でも利用できる「運用型広告」などのような媒体を選択した場合も、少ない予算に見合った成果しか得られないことが考えられます。
効果を出すために目的から選んだプロモーションの手法は、本当に予算と合っているものなのか、予算から選んだプロモーションの手法が、予算と目的に見合った成果を出せるのか、しっかりと確かめてから選びましょう。
2:ターゲットを明らかにすること
プロモーションを成功させるためには、ターゲットを明確にすることが大切になります。ターゲットからずれたプロモーションでは、販売促進がうまくいかないことも考えられるからです。
ターゲットは、主に2つに分けられます。1つは消費者、もう1つは小売店やメーカーなどです。ターゲットを明確化して、ターゲットに効果的であるプロモーションの手法を取るようにしましょう。
3:データを活用した戦略を立てること
プロモーションを効果的なものにするために、データを活用した戦略を立てましょう。明確なターゲットを知るためには、消費者の購買行動の調査と分析が必要です。
行動を分析することにより、消費者の潜在的ニーズが分かります。その後、消費者のニーズに合わせたデータを活用してプロモーションの手法を選べば、購買の促進につながっていくでしょう。
4:相乗効果を狙った戦略を立てること
プロモーションの手法を組み合わせて、相乗効果を狙った戦略を立てることも必要です。このようなプロモーションの手法を組み合わせる方法を、「プロモーションミックス」といいます。
1つのプロモーションの手法だけでは、消費者の購買意欲を刺激するには弱いこともあります。TVCMだけでなく、SNSやノベルティといったプロモーションの手法を組み合わせれば、消費者の購買意欲を強くする効果が高まるでしょう。
5:報告書や結果分析をして次に活用すること
プロモーション後、報告書や結果を分析して次に活用することも大切です。
例えばプロモーションの結果、販売が成功したとします。このとき、なぜ販売が成功したのか、理由や改善点などを分析しましょう。そして、次のアプローチをより精度の高いものにしていきます。
また、報告書から購入者や購入商品などを分析すれば、より細かくターゲットが見えるため、ターゲットの修正とプロモーションの手法を検討する材料にもなります。
このように、プロモーション後は、得られた結果をそのままにせず、一連のデータを分析・検証することで次の販売促進に活用することも必要です。
プロモーションの手法を知って効果的な戦略を立てよう
プロモーションには多くの手法があります。数ある手法の中から、プロモーションしたい商品やサービス、状況やターゲット層などに見合った効果があるものを選ぶことが、プロモーション成功への最初のステップです。
本記事を参考にプロモーションの手法を知り、成功に導くための効果的な戦略を立てましょう。